「みっくみっくにしてやんよ~♪」
どこかで聞いたことのあるような、でも一概には断言しきれなくもないような…
そんなどこかで読んだラノベの文節を借りるような状況下。
パソコンの前にいる親友、いや、少し違うか…つい先日、親友から恋人へと変わった泉こなたから発せ
られた歌を聞きながら、私はすぐ側にあったうちわを手にとる。
そんなどこかで読んだラノベの文節を借りるような状況下。
パソコンの前にいる親友、いや、少し違うか…つい先日、親友から恋人へと変わった泉こなたから発せ
られた歌を聞きながら、私はすぐ側にあったうちわを手にとる。
「ネギはついてないけど、出来れば欲しいなぁ~♪」
どんな歌詞なのよ。
機嫌がいいのか、マウスに乗せて指でリズムをとりながら歌うこなたを見て、ふぅと溜め息とはまた違
う吐息を漏らす。
機嫌がいいのか、マウスに乗せて指でリズムをとりながら歌うこなたを見て、ふぅと溜め息とはまた違
う吐息を漏らす。
夏休みもあと数日で終わってしまう、8月の中旬。
季節はまだ夏で、クーラーを入れてないと自然に汗が出てくるような熱気の中、私はこなたの部屋にい
る。
季節はまだ夏で、クーラーを入れてないと自然に汗が出てくるような熱気の中、私はこなたの部屋にい
る。
その理由は至極簡潔、夏休みの膨大な量の宿題の片付け兼勉強会である。
まぁ一方的にこなたが私の宿題を写すだけなんだけど。
まぁ一方的にこなたが私の宿題を写すだけなんだけど。
ちらっと机の上にあるアナログ式の時計を見ると、短針は3時を指していた。
私が泉家についたのが2時だったから、正味1時間しかたっていない。
少し前まで私の宿題を写していたこなただったが、日頃から文字を書くことを怠っているせいか、ノー
トの半分も写し終わらないうちに「ちょっと休憩~」とパソコンへと向かってしまったのだ。
私が泉家についたのが2時だったから、正味1時間しかたっていない。
少し前まで私の宿題を写していたこなただったが、日頃から文字を書くことを怠っているせいか、ノー
トの半分も写し終わらないうちに「ちょっと休憩~」とパソコンへと向かってしまったのだ。
まぁ、コイツの勉強に対する集中力にしては1時間静かに勉強してただけでも一応受験生としての自覚が
出てきたのだろうか。
いや、夏休みの宿題を写す自体、集中力も受験生の自覚も皆無に近いのだけど…
出てきたのだろうか。
いや、夏休みの宿題を写す自体、集中力も受験生の自覚も皆無に近いのだけど…
「少女じゃいられない~♪」
いつの間にか意味不明な歌からふんふんと鼻歌に変わっているこなたを見てみる。
この角度からはパソコンは見れないが、鼻歌の時間的にどうやらアニメを見始めたみたいだ。
アニメ1話見るとして30分か…
そんな事を無意識に考える自分に溜め息が出る。こなたと付き合ってから数ヶ月、大きな変化と言えば
私がこなたに対して甘くなった、ことだ。
というか、こなたの楽しそうにしてる顔を見るとコッチまで楽しくなってしまい、ついつい甘やかして
しまう。
この角度からはパソコンは見れないが、鼻歌の時間的にどうやらアニメを見始めたみたいだ。
アニメ1話見るとして30分か…
そんな事を無意識に考える自分に溜め息が出る。こなたと付き合ってから数ヶ月、大きな変化と言えば
私がこなたに対して甘くなった、ことだ。
というか、こなたの楽しそうにしてる顔を見るとコッチまで楽しくなってしまい、ついつい甘やかして
しまう。
まぁ、時間はまだまだあるし。こなたと共有するこの空間が好きな私は、こなたが完全休憩モードに入
った姿を見て、その間の時間潰しをするために机の横にあったラノベを手にとった。
った姿を見て、その間の時間潰しをするために机の横にあったラノベを手にとった。
「ストロベリーパニック?」
いかにも元気と笑顔が取り柄です!みたいな高い位置で結んだポニーテールの女の子が、髪の長い落ち着
いた雰囲気を纏う綺麗な女の人に後ろから抱き締められている表紙。
どこかで聞いた事のあるような題名だけど、こなたの部屋にあるってことはアニメ化にでもなったのか
しら。
まぁ、暇つぶしにはいいかもね。と挿絵しか見られていないだろう新品の香りのするページをめくった
。
いかにも元気と笑顔が取り柄です!みたいな高い位置で結んだポニーテールの女の子が、髪の長い落ち着
いた雰囲気を纏う綺麗な女の人に後ろから抱き締められている表紙。
どこかで聞いた事のあるような題名だけど、こなたの部屋にあるってことはアニメ化にでもなったのか
しら。
まぁ、暇つぶしにはいいかもね。と挿絵しか見られていないだろう新品の香りのするページをめくった
。
「……み、…がみ………」
どこか遠く、でもどんどん近付いてくる誰かの声に私の意識は現実へと引き戻される。
「かがみっ」
「かがみっ」
「ふぇっ?!」
自分名前を呼ばれ、バッと目を開けると、友人・高良みゆきの顔が目の前にあった。
あれ、私いつの間に寝ちゃってたんだろ。
というか、みゆきいつ来たの?
というか、みゆきいつ来たの?
全然眠っていたという認識がないまま、眩しい光に目を細めながら寝ていた上半身をあげると、ふぁと
草木の独特の匂いがした。
草木の独特の匂いがした。
「ん?」
上半身をあげようとして地面についた左手に感じる違和感。
その違和感を確かめたくて、周りを見渡すとそこは一面、草と花で覆われている草原だった。
その違和感を確かめたくて、周りを見渡すとそこは一面、草と花で覆われている草原だった。
「え、あれ?」
確か私、こなたの部屋にいた…わよね?
まだ夢を見ているのだろうかと頬をつねってみるけど、やっぱり痛い。
まだ夢を見ているのだろうかと頬をつねってみるけど、やっぱり痛い。
「ほら、かがみ。もうすぐ授業が始まりますよ」
そう言って身を翻して歩いていってしまうみゆきを見ると、白いワンピースに黒色の短いブレザーとい
うどこかで見たことのあるような服装をしていた。
というか、かがみって…
確かみゆきって私のこと「さん」付けで読んでなかったっけ?
しかもいつもの丁寧でおっとりとした雰囲気がまったく感じられないような、キリッとした物の言い方
だった気が…
すたすたと歩いていくみゆきに若干の違和感を感じたけど、未だ状況を理解出来ない私は、ともかくみ
ゆきに付いて行こうとみゆきの跡を追った。
うどこかで見たことのあるような服装をしていた。
というか、かがみって…
確かみゆきって私のこと「さん」付けで読んでなかったっけ?
しかもいつもの丁寧でおっとりとした雰囲気がまったく感じられないような、キリッとした物の言い方
だった気が…
すたすたと歩いていくみゆきに若干の違和感を感じたけど、未だ状況を理解出来ない私は、ともかくみ
ゆきに付いて行こうとみゆきの跡を追った。
「え…?」
「いや、だから、ここってどこよ」
みゆきと一緒に歩いて数分。
これが夢かドッキリであって欲しいと願いつつ、とにかく場所だけは知りたくて、みゆきに尋ねる。
これが夢かドッキリであって欲しいと願いつつ、とにかく場所だけは知りたくて、みゆきに尋ねる。
「かがみ、私をからかっているんですか?」
いや、からかうもなにも…
ともかくそのかがみってのはやめてくれ。なんかこそばゆい。
ともかくそのかがみってのはやめてくれ。なんかこそばゆい。
「じゃあエト…」
「高良様っ!」
みゆきも言葉を遮るように、聞こえた声の方を振り返るとそこには見知った女の子がこちらに向かって
走ってきた。
みゆきも言葉を遮るように、聞こえた声の方を振り返るとそこには見知った女の子がこちらに向かって
走ってきた。
って、あれつかさじゃない?!
「つかさっ?!!」
みゆきと同じどこかのお嬢様学校のような制服を着ている双子の片割れは、私の言葉に驚いたのか少し
目を見開いて、ぺこっと頭を下げた。
みゆきと同じどこかのお嬢様学校のような制服を着ている双子の片割れは、私の言葉に驚いたのか少し
目を見開いて、ぺこっと頭を下げた。
「失礼しました。なにぶん急いでいたもので…高良様。エトワール様。」
エ、トワール?
どっかで聞いたことがあるような……
あぁ、そうだ。さっきまでこなたの部屋で読んでいたラノベに出てきた言葉だ。
確か主人公が通うアストラエアにある3校の学校の中から選ばれるベストカップルみたいなもんだった
はず。
でもなんでそんな言葉をつかさから出たのか。つかさに何の冗談か聞こうと口を開けた瞬間。
どっかで聞いたことがあるような……
あぁ、そうだ。さっきまでこなたの部屋で読んでいたラノベに出てきた言葉だ。
確か主人公が通うアストラエアにある3校の学校の中から選ばれるベストカップルみたいなもんだった
はず。
でもなんでそんな言葉をつかさから出たのか。つかさに何の冗談か聞こうと口を開けた瞬間。
「どうしたの、つかさ」
隣にいるみゆきが先に言葉を発していた。
先ほど私を呼んだみたく「さん」付けじゃないみゆきを見て、また違和感を感じるけど、私もみゆきと
同じことを聞こうとしていたのでつかさの答えを待つ。
先ほど私を呼んだみたく「さん」付けじゃないみゆきを見て、また違和感を感じるけど、私もみゆきと
同じことを聞こうとしていたのでつかさの答えを待つ。
「それが、今日編入してくるはずの子がまだこのミアトルに来ていないみたいなんです」
ミアトル…ミアトルって、これもさっきのラノベに出てきた言葉だ。
アストラエアにある学校、それがミアトルだ。
その他のスピカ、ル・リムの2校より以前に建てられた由緒ある学校…でいいんだっけ。
アストラエアにある学校、それがミアトルだ。
その他のスピカ、ル・リムの2校より以前に建てられた由緒ある学校…でいいんだっけ。
というか、エトワールとかミアトルとかなんなのよ?
みゆきもつかさも外見は私の知ってる二人なはずなのに、言動とか行動とかに違和感を感じる。
みゆきもつかさも外見は私の知ってる二人なはずなのに、言動とか行動とかに違和感を感じる。
「エトワール様?」
「へ?」
不思議そうに私の顔を覗き込むつかさ。
え、エトワールって私のことなの?
不思議そうに私の顔を覗き込むつかさ。
え、エトワールって私のことなの?
自分でもおかしなことをいっているのは分かっているんだけど、とりあえず、何か言わないと頭が混乱
してて整理できない。
してて整理できない。
「えぇ、知ってますよ」
つかさは一瞬びっくりした顔をして、心底面白そうに口元を手で押さえながら笑った。
「柊かがみ様。私たちミアトルが誇る現エトワール様ですわ」
その後、みゆきは「私は編入生を探してくるから」とかなんとか言ってつかさと共にどこかに行ってしまった。
つかさの言葉に放心状態だった私は、特にどこに行くわけでもなく、大きな池…湖なのか?いや、そん
なことはどうでもいいんだけど。
木で覆われた林の中で遠くに見えるお城みたいな建物を眺めていた。
なことはどうでもいいんだけど。
木で覆われた林の中で遠くに見えるお城みたいな建物を眺めていた。
なんで私はここにいるんだろう?
ラノベ読みながら寝たからって、こんなリアルな夢見るのか。
ラノベ読みながら寝たからって、こんなリアルな夢見るのか。
ラノベ。確かストロベリー・パニックという題名だったっけ。
その中で出てくるミアトル生徒会長・六条深雪に酷似したみゆき。
そういえば、原作の名前も深雪だったわね。
同じく、ヒロインと同室の涼水玉青に酷似したつかさ。
その中で出てくるミアトル生徒会長・六条深雪に酷似したみゆき。
そういえば、原作の名前も深雪だったわね。
同じく、ヒロインと同室の涼水玉青に酷似したつかさ。
そしてエトワールと言われた私。
「はぁ」
これが夢だと信じたい私は、ため息をつく。
これが夢だと信じたい私は、ため息をつく。
そういえば、肝心の主人公が出てきていない。
私が花園静馬であるエトワールなら、当然ヒロインは……
私が花園静馬であるエトワールなら、当然ヒロインは……
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
私の後ろから聞こえたのは、聞き覚えのあるような女の子の叫び声とドタドタという駆け音。
どかっ!!
あ、木にぶつかった。
大丈夫?と声をかけようとその子に近づこうとして、不意に私の足が止まった。
大丈夫?と声をかけようとその子に近づこうとして、不意に私の足が止まった。
「こなたっ!!!」
「ふぇ?!」
泉こなたがぶつかった顔をさすりながら、そこにいた。
つかさやみゆきが着ていた可愛いワンピース状の制服じゃなくて、どこにでもあるようなセーラー服。
泉こなたがぶつかった顔をさすりながら、そこにいた。
つかさやみゆきが着ていた可愛いワンピース状の制服じゃなくて、どこにでもあるようなセーラー服。
高い位置で結ばれたポニーテル。
やはり、この物語の主人公である蒼井渚砂はコイツか…
つくづく都合のいい夢ね。
つくづく都合のいい夢ね。
「えっと……」
普段のこなたからは想像のつかないほど、もじもじとして女の子らしい姿。
やばい、超可愛い。
普段のこなたからは想像のつかないほど、もじもじとして女の子らしい姿。
やばい、超可愛い。
「私、今日からこのミアトルに編入することになった…泉こなた、です」
どうやらこのこなたも現実世界の記憶は持ち合わせてないらしい。
こなたなら、この状況を説明してくれるかもしれないと期待していた私だったけど…
目の前にいるこなたが可愛くて、思わず手を伸ばして抱きしめていた。
そういえば、夏休み中はつかさやみゆきと遊びまくっててこうやってこなたと2人きりになることは少
なかった気がする。
恋人になってからキスもしたし、エッチもしたけど…
こうやって抱き合うのが一番好きだ。
こなたなら、この状況を説明してくれるかもしれないと期待していた私だったけど…
目の前にいるこなたが可愛くて、思わず手を伸ばして抱きしめていた。
そういえば、夏休み中はつかさやみゆきと遊びまくっててこうやってこなたと2人きりになることは少
なかった気がする。
恋人になってからキスもしたし、エッチもしたけど…
こうやって抱き合うのが一番好きだ。
「ふぇっ、あの…その…」
あっと、このこなたはこの世界のこなただったわね。
抱きしめられたことに驚いたのか、私の腕の中でうろたえているこなた。
あっと、このこなたはこの世界のこなただったわね。
抱きしめられたことに驚いたのか、私の腕の中でうろたえているこなた。
「こなた」
「え、あ、はいっ!」
「私の名前は、柊かがみ。」
「かがみ、先輩…」
確かめるようにつぶやくこなたが可愛くて、どんどん暴走する自分が止められない。
「いいえ、こなた。私のことはかがみお姉様と呼ぶのよ」
「かがみお姉、さま」
うわぁ、なんかSMみたい。
どうせこれが夢なら……このまま物語に流されてもいいのかな。
うわぁ、なんかSMみたい。
どうせこれが夢なら……このまま物語に流されてもいいのかな。
「こなた」
「一緒にエトワール選に出るわよ」