ぴんぽーん。
呼び鈴を押すと、軽やかな音が緑の庭に響いて、秋の澄んだ空に溶けて消えていきました。
「……あら?」
ですが、待つこと数秒。
それ以外の反応が一切ないことに、私、高良みゆきは首をかしげます。
いま少し、そのまま待って、再び八分音符の描かれたこげ茶色のボタンを押し込みましたが、
やはり応答も、中で誰かが動く気配もありませんでした。
と言っても広い家ですし、さらに外門からですので、中の物音など聞こえるはずもないのですけど。
「留守、でしょうか……?」
つぶやいて、見上げます。
道路を挟んで私の背後に建っている我が家と同じぐらいの大きさの、白い邸宅。
どこがどう、ということもないのですが、お向かいさんとしての勘とでも申しましょうか。
誰もいないということが、なんとなく分かります。
珍しいですね。
おばさまはともかく、みなみさんがお休みの日に家を空けるなんて。
それともお二人でお出かけでしょうか。
何にしても、困りました。
小脇に抱えたバインダーに目を落とします。
裏表に町内の商店等の広告が印刷された、やや厚手の一冊。
中に挟みこまれているのは自治会の連絡事項を伝える数枚の書類。
要するに、回覧板です。
まあ、そんな用件ですので、それほど急ぐというわけでもありません。時間を改めるとしましょう。
そう思い、きびすを返しかけたときです。
「……あら?」
ですが、待つこと数秒。
それ以外の反応が一切ないことに、私、高良みゆきは首をかしげます。
いま少し、そのまま待って、再び八分音符の描かれたこげ茶色のボタンを押し込みましたが、
やはり応答も、中で誰かが動く気配もありませんでした。
と言っても広い家ですし、さらに外門からですので、中の物音など聞こえるはずもないのですけど。
「留守、でしょうか……?」
つぶやいて、見上げます。
道路を挟んで私の背後に建っている我が家と同じぐらいの大きさの、白い邸宅。
どこがどう、ということもないのですが、お向かいさんとしての勘とでも申しましょうか。
誰もいないということが、なんとなく分かります。
珍しいですね。
おばさまはともかく、みなみさんがお休みの日に家を空けるなんて。
それともお二人でお出かけでしょうか。
何にしても、困りました。
小脇に抱えたバインダーに目を落とします。
裏表に町内の商店等の広告が印刷された、やや厚手の一冊。
中に挟みこまれているのは自治会の連絡事項を伝える数枚の書類。
要するに、回覧板です。
まあ、そんな用件ですので、それほど急ぐというわけでもありません。時間を改めるとしましょう。
そう思い、きびすを返しかけたときです。
「――ワンッ!」
耳慣れた、ですが滅多に聞くことのない声が聞こえてきました。
そして微かに、芝生の草を踏む軽い足音も。
目を向けると、門扉の向こうの庭を一匹の白い犬が歩いてくる姿が見えました。
「あら、チェリーさん」
呼びかけると、引き続き私の方へと歩み寄りながら、つい、と鼻先を上げてお返事してくださいました。
こちらの家で飼われている……いえ、こちらの家の四番目の家族にあたる、チェリーさんです。
犬種はシベリアン=ハスキーと伺っていますが、それにしては珍しく、
全身、耳の先から尻尾の先まで雪のように白い毛皮をしていらっしゃいます。
ちなみに女の子……いえ、女性と言うべきでしょう。成犬ですから。
彼女は門扉の手前で立ち止まると、その場にお行儀よくお座りをして私を見上げてきました。
「こんにちわ、チェリーさん。皆さん、お出かけですか?」
そう言うと、正三角形の耳がくるりと回るようにはためきました。
「では、一人でお留守番ですか?」
また、くるり。
そしてまばたきが二回。
「そうですか。ご苦労様です」
今度は目立った反応はありません。
相変わらず物静かな方です。やはり、みなみさんに似たのでしょうか。
失礼にも番犬としての能力を疑ってしまいがちですが、実際はどうなのでしょう?
幸か不幸か、彼女がそれを試されるような事態は、少なくとも私が知る限りでは起きていませんので、
今も昔も不明なままなのです。
まあ、賢い方ですから、大丈夫だとは思いますが。
しかし彼女がいるといなると、ますます分かりませんね。みなみさんはどちらに行かれたのでしょう。
と、言いますか。
なんとなく、周囲を見渡します。
通行人など、他の人の姿はありません。チェリーさんに向き直ります。
「なんだか、久しぶりですね。チェリーさんと二人きりなんて」
ん……少し、頷かれたでしょうか。
そうですよね。
初めて、ということはさすがにありませんが、かなり珍しい状況です。
……たまには、そういうのも良いかも知れません。
「あの、チェリーさん」
まばたき。
「もしよろしければ、お邪魔させていただいても構いませんか?」
真っ白な尻尾が持ち上がり、ゆっくりと左右に振られました。
そして微かに、芝生の草を踏む軽い足音も。
目を向けると、門扉の向こうの庭を一匹の白い犬が歩いてくる姿が見えました。
「あら、チェリーさん」
呼びかけると、引き続き私の方へと歩み寄りながら、つい、と鼻先を上げてお返事してくださいました。
こちらの家で飼われている……いえ、こちらの家の四番目の家族にあたる、チェリーさんです。
犬種はシベリアン=ハスキーと伺っていますが、それにしては珍しく、
全身、耳の先から尻尾の先まで雪のように白い毛皮をしていらっしゃいます。
ちなみに女の子……いえ、女性と言うべきでしょう。成犬ですから。
彼女は門扉の手前で立ち止まると、その場にお行儀よくお座りをして私を見上げてきました。
「こんにちわ、チェリーさん。皆さん、お出かけですか?」
そう言うと、正三角形の耳がくるりと回るようにはためきました。
「では、一人でお留守番ですか?」
また、くるり。
そしてまばたきが二回。
「そうですか。ご苦労様です」
今度は目立った反応はありません。
相変わらず物静かな方です。やはり、みなみさんに似たのでしょうか。
失礼にも番犬としての能力を疑ってしまいがちですが、実際はどうなのでしょう?
幸か不幸か、彼女がそれを試されるような事態は、少なくとも私が知る限りでは起きていませんので、
今も昔も不明なままなのです。
まあ、賢い方ですから、大丈夫だとは思いますが。
しかし彼女がいるといなると、ますます分かりませんね。みなみさんはどちらに行かれたのでしょう。
と、言いますか。
なんとなく、周囲を見渡します。
通行人など、他の人の姿はありません。チェリーさんに向き直ります。
「なんだか、久しぶりですね。チェリーさんと二人きりなんて」
ん……少し、頷かれたでしょうか。
そうですよね。
初めて、ということはさすがにありませんが、かなり珍しい状況です。
……たまには、そういうのも良いかも知れません。
「あの、チェリーさん」
まばたき。
「もしよろしければ、お邪魔させていただいても構いませんか?」
真っ白な尻尾が持ち上がり、ゆっくりと左右に振られました。
庭の隅、パラソルが備え付けられた丸テーブルに回覧板を置き、椅子を引いて腰掛けます。
チェリーさんのお許しを得ているとはいえ、しかしやはり、少し緊張しますね。
そのチェリーさんは、私の斜め向かいぐらいの位置で、行儀よくお座りしていらっしゃいます。
もう少しくつろいでいただいても構わないのですが……なんて、客の私が言うことじゃないですね。
「チェリーさんは、今おいくつなんでしたっけ?」
尋ねると、チェリーさんはまた耳を回して首をかしげます。
ええと確か……
いえ、考えてみれば、正確には分かりませんね。
彼女がみなみさんの元に来たときに何歳、生後何ヶ月だったのか、それを知らないわけですから。
ただ、
「もうそろそろ、お婿さんを迎えてもいいお年頃ですよね?」
犬の適齢期を考えると、そのあたりで間違いないはずです。
「素敵な方を紹介してもらえるといいですね」
ぴす。
と、鼻が小さく鳴りました。
ふふ、照れていらっしゃるのでしょうか。
でも本当に、あなたの隣に並ぶのは、どんな方なのでしょうね。
そして、私は……
チェリーさんのお許しを得ているとはいえ、しかしやはり、少し緊張しますね。
そのチェリーさんは、私の斜め向かいぐらいの位置で、行儀よくお座りしていらっしゃいます。
もう少しくつろいでいただいても構わないのですが……なんて、客の私が言うことじゃないですね。
「チェリーさんは、今おいくつなんでしたっけ?」
尋ねると、チェリーさんはまた耳を回して首をかしげます。
ええと確か……
いえ、考えてみれば、正確には分かりませんね。
彼女がみなみさんの元に来たときに何歳、生後何ヶ月だったのか、それを知らないわけですから。
ただ、
「もうそろそろ、お婿さんを迎えてもいいお年頃ですよね?」
犬の適齢期を考えると、そのあたりで間違いないはずです。
「素敵な方を紹介してもらえるといいですね」
ぴす。
と、鼻が小さく鳴りました。
ふふ、照れていらっしゃるのでしょうか。
でも本当に、あなたの隣に並ぶのは、どんな方なのでしょうね。
そして、私は……
「……チェリーさん、聞いていただけますか?」
問いかけて、
それからふと周囲を見渡して、誰もいないことをもう一度確認します。
その上で、チェリーさんの白い耳にそっと口を寄せ、
「……実は私、好きなひとができたんです……」
限界まで絞った声で囁きました。
それでもやはり、恥ずかしいですね。体勢を戻して、さらに辺りを見回してしまいます。
頬が熱くなっているのが分かります。
そんな私に、どこか不思議そうに思える目を向けるチェリーさん。
「誰か、ですか? ……秘密です」
唇に人差し指を立てて返してしまいます。
ごめんなさい、チェリーさん。
こんなこと、他の誰にも言えなくて、それなのに胸に秘めておくにはあまりにも大きすぎて。
困ったものです。
この気持ちのことは、どれだけ本を読んでも分かりません。
逆に知識を得れば得るほど分からなくなるなんて、そんなことがあるなんて、思ってもみませんでした。
そしてまた、その困惑が心地よかったりもするのです。
本当に、不思議。
「ただ……そうですね」
不満そうに――そう思えてしまう仕草で首をかしげるチェリーさんの耳に、もう一度口を寄せました。
「……チェリーさん……あなたに少しだけ、似ているんです……」
そう。
真っ白で、ふわふわしていて。
もちろん人間ですから、外見ではなく心のことですが。
表情は豊かな方なので、その点は似ていませんね。
思ったままを素直に表して見せてくれる人なんです。
そしてその全てが、本当に真っ白で、優しくて。
純粋で。
こんなにも純粋な人がいるのか……と。
思い出すだけで、私の心まで洗われるようです。
その驚きが憧れに、憧れが――今のこの気持ちに変わるまでは、長かったのか、短かったのか。
分かりません。
もしかしたら最初からだったのかも知れませんし、
あるいは初めて口に出した今この瞬間なのかも知れません。
「……ねえ、チェリーさん……」
また声をかけると、息がくすぐったかったのか、彼女の耳がさっきまでよりも多く、ぴくりぴくりと動きました。
少しだけ顔を離し、声量も少しだけ上げて、思いついたことを口にします。
「……黄色いリボンとか、着けてみる気はありませんか?」
問いかけて、
それからふと周囲を見渡して、誰もいないことをもう一度確認します。
その上で、チェリーさんの白い耳にそっと口を寄せ、
「……実は私、好きなひとができたんです……」
限界まで絞った声で囁きました。
それでもやはり、恥ずかしいですね。体勢を戻して、さらに辺りを見回してしまいます。
頬が熱くなっているのが分かります。
そんな私に、どこか不思議そうに思える目を向けるチェリーさん。
「誰か、ですか? ……秘密です」
唇に人差し指を立てて返してしまいます。
ごめんなさい、チェリーさん。
こんなこと、他の誰にも言えなくて、それなのに胸に秘めておくにはあまりにも大きすぎて。
困ったものです。
この気持ちのことは、どれだけ本を読んでも分かりません。
逆に知識を得れば得るほど分からなくなるなんて、そんなことがあるなんて、思ってもみませんでした。
そしてまた、その困惑が心地よかったりもするのです。
本当に、不思議。
「ただ……そうですね」
不満そうに――そう思えてしまう仕草で首をかしげるチェリーさんの耳に、もう一度口を寄せました。
「……チェリーさん……あなたに少しだけ、似ているんです……」
そう。
真っ白で、ふわふわしていて。
もちろん人間ですから、外見ではなく心のことですが。
表情は豊かな方なので、その点は似ていませんね。
思ったままを素直に表して見せてくれる人なんです。
そしてその全てが、本当に真っ白で、優しくて。
純粋で。
こんなにも純粋な人がいるのか……と。
思い出すだけで、私の心まで洗われるようです。
その驚きが憧れに、憧れが――今のこの気持ちに変わるまでは、長かったのか、短かったのか。
分かりません。
もしかしたら最初からだったのかも知れませんし、
あるいは初めて口に出した今この瞬間なのかも知れません。
「……ねえ、チェリーさん……」
また声をかけると、息がくすぐったかったのか、彼女の耳がさっきまでよりも多く、ぴくりぴくりと動きました。
少しだけ顔を離し、声量も少しだけ上げて、思いついたことを口にします。
「……黄色いリボンとか、着けてみる気はありませんか?」
「――みゆきさん?」
「ひゃあっ!?」
突然の、横合いからの声。
思わず間抜けな声をこぼしながら慌てて身を起こし、
バランスを崩して椅子ごと倒れそうになってしまいましたが、どうにか踏みとどまります。
そして首を向けると、
「み、みみみっ、みなみさんっ!?」
無表情ながら不思議そうに首をかしげているこの家の住人、岩崎みなみさんと目が合いました。
「はい……大丈夫ですか?」
「えっ? え、ええ。大丈夫です。ええ。――あ、すみません、お邪魔してます。あの、これ、回覧板」
「はぁ……」
差し出したそれを受け取ったみなみさんは、手に小さなエコバッグを提げていらっしゃいます。
コンビニかスーパーか、お買い物に行っていたようですね。
「あ、あの、本当にすみません。勝手にお邪魔してしまって……」
「いえ……チェリーが入れてくれたのなら……」
そう言って、視線をチェリーさんに転じるみなみさん。
チェリーさんは、舌を出しながら「ハッハッ」と口を鳴らしていまして、誇らしげなご様子。
みなみさんが目を細めて微笑みます。
そしてチェリーさんの頭をなでました。
が、何かに気付いたようにまたこちらを振り返り、
「……チェリーにリボンを、着けるんですか?」
「えっ!?」
きっ、ききききき聞かれていたのですか!?
一体どこから?!
「いっ、いえっ!! 別にっ! 私はっ!」
まともな言葉が出てきません。
すると妙なものを見る目を向けられて、ますます焦ってしまいます。
「そ、そそっそれよりもっ、みなみさんっ」
「……はい」
ええと、ええと。
――あ! そうです!
「じゅっ、受験勉強の方は、はかどっていますか?」
「はい……シャープペンの芯を買いに……」
疑問符を浮かべながらも、エコバッグを持ち上げて答えるみなみさん。
なるほど、今日もちゃんと勉強をしていたのですね。
ならば、申し訳ないですが、
「そうですか、そうですか。それでは――お邪魔でしょうから、私は失礼しますね」
退散させていただきます。
椅子から立ち上がり、門の方へ――
「あ……あの」
「は、はい?」
「……解らないところが……もし、よかったら……」
教えて欲しい、と。
うぅ……仕方ありませんね。
「分かりました。わ、私でよろしければ」
「……ありがとうごさいます」
ふぅ。
でも、とりあえず話を逸らすことはできたようですね。
しかし……現在中学三年生の彼女が受けるのは、私が通っている私立高校。
そこには、あの人もいるわけで。
黄色いリボン……気づかれてしまうということは……
って何を考えているのでしょう私は。
そんなことのために、今まで応援してきた手の平を返すとでも言うのですか?
そんな馬鹿な。
それに、あの人のことを私が……どう思っているかということまでは、
声をかけてきたタイミングからして、聞こえてはいないはずです。たぶん。きっと。おそらく。願わくば。
「……みゆきさん?」
「あ、いえ。すみません。なんでもありません」
まぁ、仮に分かってしまったとしたら、そのときはそのときです。
どうなるかは想像も付きませんが、その程度のことにも向き合えないようでは話になりません。
なにせあの人も私も、女の子同士ですからね。
「今日は、何の教科をやっているのですか?」
「はい……数学を……」
突然の、横合いからの声。
思わず間抜けな声をこぼしながら慌てて身を起こし、
バランスを崩して椅子ごと倒れそうになってしまいましたが、どうにか踏みとどまります。
そして首を向けると、
「み、みみみっ、みなみさんっ!?」
無表情ながら不思議そうに首をかしげているこの家の住人、岩崎みなみさんと目が合いました。
「はい……大丈夫ですか?」
「えっ? え、ええ。大丈夫です。ええ。――あ、すみません、お邪魔してます。あの、これ、回覧板」
「はぁ……」
差し出したそれを受け取ったみなみさんは、手に小さなエコバッグを提げていらっしゃいます。
コンビニかスーパーか、お買い物に行っていたようですね。
「あ、あの、本当にすみません。勝手にお邪魔してしまって……」
「いえ……チェリーが入れてくれたのなら……」
そう言って、視線をチェリーさんに転じるみなみさん。
チェリーさんは、舌を出しながら「ハッハッ」と口を鳴らしていまして、誇らしげなご様子。
みなみさんが目を細めて微笑みます。
そしてチェリーさんの頭をなでました。
が、何かに気付いたようにまたこちらを振り返り、
「……チェリーにリボンを、着けるんですか?」
「えっ!?」
きっ、ききききき聞かれていたのですか!?
一体どこから?!
「いっ、いえっ!! 別にっ! 私はっ!」
まともな言葉が出てきません。
すると妙なものを見る目を向けられて、ますます焦ってしまいます。
「そ、そそっそれよりもっ、みなみさんっ」
「……はい」
ええと、ええと。
――あ! そうです!
「じゅっ、受験勉強の方は、はかどっていますか?」
「はい……シャープペンの芯を買いに……」
疑問符を浮かべながらも、エコバッグを持ち上げて答えるみなみさん。
なるほど、今日もちゃんと勉強をしていたのですね。
ならば、申し訳ないですが、
「そうですか、そうですか。それでは――お邪魔でしょうから、私は失礼しますね」
退散させていただきます。
椅子から立ち上がり、門の方へ――
「あ……あの」
「は、はい?」
「……解らないところが……もし、よかったら……」
教えて欲しい、と。
うぅ……仕方ありませんね。
「分かりました。わ、私でよろしければ」
「……ありがとうごさいます」
ふぅ。
でも、とりあえず話を逸らすことはできたようですね。
しかし……現在中学三年生の彼女が受けるのは、私が通っている私立高校。
そこには、あの人もいるわけで。
黄色いリボン……気づかれてしまうということは……
って何を考えているのでしょう私は。
そんなことのために、今まで応援してきた手の平を返すとでも言うのですか?
そんな馬鹿な。
それに、あの人のことを私が……どう思っているかということまでは、
声をかけてきたタイミングからして、聞こえてはいないはずです。たぶん。きっと。おそらく。願わくば。
「……みゆきさん?」
「あ、いえ。すみません。なんでもありません」
まぁ、仮に分かってしまったとしたら、そのときはそのときです。
どうなるかは想像も付きませんが、その程度のことにも向き合えないようでは話になりません。
なにせあの人も私も、女の子同士ですからね。
「今日は、何の教科をやっているのですか?」
「はい……数学を……」
玄関に向かう私たちの背後で、チェリーさんのあくびの声が小さく聞こえて。
そして秋の澄んだ空に、溶けて消えていきました。
そして秋の澄んだ空に、溶けて消えていきました。
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- 番犬としての能力は少なくともひよりには高いなwww -- 名無しさん (2008-06-28 23:07:28)
- この組み合わせは平和だし、ほのぼのしてるから好きだ -- 名無しさん (2008-06-28 09:44:36)
- 現実を見るべし -- 名無しさん (2008-06-02 23:07:50)
- みゆきさんかわいいwww
それにしても、つかさほど純粋という単語が当てはまるキャラもそういないよな~ -- 名無しさん (2008-06-02 20:47:12)