話は数年前にさかのぼる。
この私、ドンナー・シュタールは軍人として、太気拳の達人になっていた。
特に力を入れていたのは、榎本喜八式トレーニングを行う事にあった。
○榎本喜八(えのもと きはち)
榎本 喜八(1936年12月5日 - 2012年3月14日)は、東京都中野区出身のプロ野球選手(一塁手)。
現役時代はオリオンズの中心選手として長きにわたって活躍した。
「安打製造機」の異名を最初に取った選手である。
1000本安打・2000本安打の最年少記録を保持し、数々の高卒新人記録も持つ。
現役時代はオリオンズの中心選手として長きにわたって活躍した。
「安打製造機」の異名を最初に取った選手である。
1000本安打・2000本安打の最年少記録を保持し、数々の高卒新人記録も持つ。
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榎本喜八式トレーニング…。
つまりは、臍下丹田(せいかたんでん=へそのすぐ下あたりのところ。漢方医学では、ここに意識を集中して力を集めれば、健康を保ち勇気がわいてくるという。)に、
気持ちを鎮(しず)め、そこを体の中心として指先や足先などの体の隅々までを臍下丹田と結び(五体を結び)、連結させるというトレーニング方法を実践する。
つまりは、臍下丹田(せいかたんでん=へそのすぐ下あたりのところ。漢方医学では、ここに意識を集中して力を集めれば、健康を保ち勇気がわいてくるという。)に、
気持ちを鎮(しず)め、そこを体の中心として指先や足先などの体の隅々までを臍下丹田と結び(五体を結び)、連結させるというトレーニング方法を実践する。
同トレーニングをすることで、榎本は体の隅々が意識されて、自分の臓器の位置までがわかったという。
これらによって効率的な体の使い方ができるようになり、「以前の自分は無駄な力が入りすぎていた」ことや、
「バットを振り回すのではなく、バット自身の重さで下に落ちる力をも利用する」ことに気がつき、打撃への理解を深めたという。
これらによって効率的な体の使い方ができるようになり、「以前の自分は無駄な力が入りすぎていた」ことや、
「バットを振り回すのではなく、バット自身の重さで下に落ちる力をも利用する」ことに気がつき、打撃への理解を深めたという。
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この私、ドンナーはこれを太気拳に応用した。
体の隅々まで意識が巡り、淀みなく動く事が出来た。
そしてアムステラとの戦争が始まり、その最中戦死し、
サイボーグとして甦(よみがえ)っても尚、
そのトレーニングは変わらなかった。
むしろ、その親和性に驚いた。
乾布摩擦をする事により、電気を生み出す事が出来る特異な能力。
解るのだ。電気が雄叫びを挙げ、発生をするその様が…!!
このドンナー!電気と共に在り!!電気と共に戦うッ!!
『“フンドシ電気サイボーグ”ドンナー・シュタール』の力をお見せしようッ!!
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○クロガネの賛歌 第5章 “オーストリアよ、こんにちは”
第 3 話 「 フ ン ド シ 電 気 サ イ ボ ー グ 」
ドンナーの構えは、リヒャルトと同じであった。
両手をパーに前に出し、両腕ともやや曲げる。
膝も若干曲げ、重心は下がり過ぎない程度。
膝も若干曲げ、重心は下がり過ぎない程度。
その姿勢を守りつつ、ぐいぐいと攻め込んでくる。
違いは『電気』。ドンナーは全身に電気を巡らせている。
触れば感電する事、間違い無しである。
ドンナーは語る。
「企業戦士(ジャック・ダグラス)は、電気の力をごく限られた状況でしか使う事が出来なかったと聞く。」
「このドンナーにそれはない。そして体術も太気拳をマスターしている。」
「この二つに秀でたこのドンナー。企業戦士(ジャック・ダグラス)よりも上を行くと断言しよう。」
百文字は反論する。
「貴様は解ってはいないな。」
「生身の頃から『72時間働ける続けられる』脅威のスタミナ!それが企業戦士(ジャック・ダグラス)の強さだ!!」
「サイボーグとなった企業戦士(ジャック・ダグラス)は『 最 早 休 息 を 必 要 と し な か っ た ! ! 』」
「ドンナーよ。貴様にそれが出来ると言うのか?」
ドンナーは答える。
「確かに出来ない。しかし、このドンナーなら、膨大なスタミナを持たずとも、Mr.百文字。アンタを倒す事が出来る!!」
「それが、かつてNo.3だった、企業戦士(ジャック・ダグラス)を超えたと言う何よりの証明になるだろう!!」
百文字はこう言う。
「成の程。それは解り良い話だ。」
ドンナーが攻める!!
「では行くぞ!!」
ジリ…!
ドンナーは距離を詰める。
そ
し
て
!
ヒュッ!!
百文字の顔面に掌打を仕掛ける!!
ガ
シ
ィ
!
百文字はドンナーの掌打を掴む!!
そ
の
ま
ま
!
「ヌゥォォォォオオオオオオオオオオ!!!」
百文字はドンナーを投げ飛ばす!!
ド
ン
!
ドンナーは受け身を取りダメージを拡散させる!!
ドンナー!
「投げが甘いな。感電しては碌(ろく)に投げられないか?」
百文字!
「一度受けてみる性質(たち)でな。」
「かなり強い電流である。」
「打撃で倒さねばならぬ相手のようだ。」
ッ
ッ
!
百文字がドンナーに接近する!
「ちぇりぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」
そして、倒れるドンナーに、サッカーボールキックを繰り出す!!
ッ
ッ
!
ドンナー!
「ぬおおおおお!!」
ドンナーはそれを避ける!
「ヌン!」
そして膝立ちになる!!
ッ
ッ
!
百文字!
「自らのひざを突き出した状態でジャンプし、相手の顔面や背中にひざを打ち付けるッ!!」
「 ジ ャ ン ピ ン グ ニ ー パ ッ ド で あ る ッ ! ! 」
ッ
ッ
!
ドンナーは膝立ちの状態から、後転をする!
それで、ジャンピングニーパッドを回避する!!
そこから百文字の膝を突き出している方の、アキレス腱を掴む!!
そ
の
ま
ま
!
ドンナー!!
「アキレス腱を抱えたまま自らが反転しうつぶせになって、
(相手も強制的にうつぶせに転がされる)極まる状態を『裏アキレス腱固め』と呼ぶ!!」
「どうだ!百文字!“電撃の関節技”と言うヤツだ!!」
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!
ッ
ッ
!
これには流石の百文字も…!!
「グム…ッ!」
呻(うめ)くッ!!
「なんの!!」
百文字は反対の足で!!
ガ
ッ
!
蹴る!ドンナーを蹴る!!
幾度も幾度も幾度も幾度も!!
ク
ッ
!
ドンナーは蹴りを耐え切れず!
「く、離すしかないか…!!」
技を解くッ!!
バ
ッ
!
そして、両者共に距離を取る。
ドンナー!
「ダメージを多く与えているのは、このドンナーだ!」
「このまま有利に進ませて貰うぞ!!」
百文字!!
「有利な状況があっという間にひっくり返る…!」
「それが“プロレス殺法”である!
ドンナー!貴様にはその妙技を味わって貰おう!!」
両者気合十分であった!!
ドンナー有利に戦況が動いていた。
やはり、掴む事が出来る出来ないの差は大きかった。
しかし百文字には、体格差と言う有利な面があった。
210cm250kg(機械部分を含むので重い)。
対しドンナーは197cm210kg。
この差は決して少なくはない。
ッ
ッ
!
百文字が攻撃を仕掛ける!!
「横向きより、下から顎(アゴ)を『 足裏にて、蹴り上げる 』…ッ!」
「『 ト ラ ー ス ・ キ ッ ク 』 で あ る ッ ッ ! ! 」
ッ
ッ
!
ドンナーは後退する事で回避する!!
「打撃に付き合っては、このドンナーの有利を生かせない。」
だが、百文字の攻撃は終わらなかった!!
百文字は攻撃を続ける!!
「トラースキックの勢いそのままに跳躍を行う!」
「そして、打点高く、頭を振り下ろすッ!!」
「 『 ヘ ッ ド バ ッ ド 』 で あ る ッ ッ ! ! 」
ゴ
ッ
!
百文字の額が、ドンナーの頭に激突する!
ドンナーは、その威力に身を屈(かが)めるッ!!
「グッ!石頭め…ッ!!」
百文字は更に攻撃を続けるッ!!
「元来は『骨法』……ッ!だが何でも取り込むのが『プロレスラーであるッッ!!』」
「 『 掌 底 ッッッ ! ! ! ! 』 」
ド
ゴ
ゥ
!
百文字は身を屈めたドンナーの顔面で掌底で突き上げるッッ!!!
さしものドンナーも…!!
「 ゴ ハ ッ ! ! 」
呻くッ!!
そして、吹っ飛び…!!
ド ッッッ サァァアアアア ア ア ア ア ! ! !
頭から落ちるッ!!
百文字はこう言う。
「打ち合いになると、企業戦士(ジャック・ダグラス)との差が顕著(けんちょ)であるな。」
「ヤツのジャパニーズ・カラテの練度はこんなモノでは無かったぞ?」
ドンナー。
「認めよう。企業戦士(ジャック・ダグラス)と共に戦った者が言うのだからな。」
「このドンナーの発言に誤りがあった。それは、認めよう…。」
「しかし…。」
百文字。
「しかし?」
ドンナー。
「このドンナーには奥の手がある。」
百文字。
「何故今まで使わなかった?」
ドンナー。
「企業戦士(ジャック・ダグラス)より強き事を証明する為だ。」
「彼は、このような事は、しないだろうからな。」
百文字。
「発電能力以外に能力があるとでもいうのか?」
ドンナー。
「その通り…!!」
「このドンナーは、体の隅々まで意識が巡り、淀みなく動く事が出来る。」
「それは即ち『電流を自在に動かせる事』も可能と言う事だ。」
「こんな風にな…ッ!!」
ドンナーは人差し指を突き出す!!
ド ッッッ キュゥゥゥゥーーーーーーーーーーン!!!
百文字が呻くッ!
「ぐぅ…!?」
電気の弾丸が、百文字に被弾したのだ!!
ドンナーはこう言う!
「見たか?聞いたか??これが『シーセン(射撃)』だ。」
「そしてこれは連続して射撃する事が出来るッ!!」
行
く
ぞ
!
ドンナーは手の指全部を百文字に向ける!!
「シィィィィィセンッッ!!!」
ド ” バ ” バ ” バ ” ァ ” バ ” バ ”バ ”
ブ”ゥ” ア”ア” ア” ア” ア” ア” ド” バ”
バ ” バ ” バ ” バ ” ァ”バ”ァ”バ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”
ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !
ー 撃つ!撃つ!撃つ!!
“電気の弾丸”を撃って撃って撃ちまくる!!
ー これぞ、オーストリアのサイボーグの力だ!!
“フンドシ電気サイボーグ”ドンナー・シュタールのパワーだ!!
対
し
!
百文字!!
(これは好機である!連射を続けるが故、ドンナーは足を止めている!!)
(ならば、その状態に必殺の“大車輪キック”をブチかますのみである!!)
(距離は、強引に詰める!! 覚 悟 は 此 処 か ら で あ る ッ ! ! )
ッ
ッ
「 『 ヌ ゥ う ゥ ぉ お お お ぉ ぉ ォ お お お お お お オ 雄(オ) ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
ー 突っ込んだぁー!百文字が“電気の弾丸”の中へと突っ込んで行ったァーッ!!
感電は“覚悟”で封じ込めるッ!!強引にかつ大ダメージ覚悟で、
百 文 字 が 駆 け 抜 け て 行 っ た ァ ー ッ ! !
ッ
ッ
ドンナー!!
(そう来るか、Mr.百文字!!)
(この距離、どう動いても、百文字の速度が勝る!!)
(“シーセン”で仕留めるしかない!!)
(全電力を此処に注ぎ込むッ!!)
「 『 フ ゥ オ ゥ ぉ お お お ぉ ぉ ォ お お お お お お オ オ オ ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
ッ
ッ
ド ” バ ” バ ” バ ” ァ ” バ ” バ ”バ ”
ブ”ゥ” ア”ア” ア” ア” ア” ア” ド” バ”
バ ” バ ” バ ” バ ” ァ”バ”ァ”バ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”
ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
ー これは雨だ!電気の雨だ!ゴウゴウゴウ、百文字に降り注ぐッ!!
百文字から焦げた匂いがする!如何にサイボーグと言えど、限界は近いハズだ!!
し
か
し
!
「 『 ち ぇ り ぃ ぃ い い い ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ーーーー ー ー ッ ッ ! ! 』 」
( 高くも跳ぶは、耐撃の百文字ッッ!!! )
ー グ ゥ ・・ ・ ン ッ !
空中で横転ッ! 加るるにッ!!
ー ズ バ ァ ァアアアーー ン ン ッ ッ ! !
捻り、それ即ち、『 踵 、 廻 脚 (えんきゃく) 』と化すッッッ!!!!!
「 『 レ ス ラ ー へ の 賛 歌 そ の 1 ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
「『 前田独特の軌道を描くッ! ニ ィ イイ ル ・ キ ッ ク ゥ ー ッ ! !
大 車 輪 キ ッ ク で あ る ッ ッ ッ ! ! ! ! 』 」
ゴ ッ ッ ッ バァ アアア アア ア ア ア ア(レスラーへの賛歌その1ッ! 必殺の『 大車輪キック 』をォーッッ!! )
ー「 当 た り 前 田 の ォ ー ッ ! ! 」
アアア ア ア ン ア ァ ァ ア ア ア ア ア ( 銃撃を続ける『ドンナー中尉』の『 胸 部 』、目掛けてッッ!!! )
「 『 ク ラ ッ カ ァ アアア ア ア ア ア ア ア ア ア ー ー ーーー ッッ ッ ! ! ! 』
ア ア ン ア ァ ァ ア ア ン ッ ッ ッ ! ! !( 叩 き 落 と し た ァ ァ ア ア ーーー ! ! )
・
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ゴ ッ ッ ッッッ ( 鈍くも。 )
・
・
ズッッ ォ オ オ オオ オオオ・・・・・・ ッッッ!!! ( 重 音 鳴り響く 。 )
百文字!
「超聴力で把握をしていた。」
「胸(其処)が電力発生装置である。」
「ワシはそれを破壊した。」
「最大のアドバンテージを失った訳だが…。」
「続けるかね…?」
ドンナーは答える。
「いいや。このドンナーの敗北だ。」
「全電力を注ぎ込んだからな。」
「これ以上の攻撃は出来ぬし…。」
「そもそも動く事すら危うい。」
「悔しいが、敗北を認めよう。」
ド ズ ン !
そう言うと、ドンナーは地に伏した。
勝負は、百文字の勝ちであった。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!
オーストリア大統領・ルドルフ=ポルガーが拍手をする。
「見事オオオォォォ!見事であったぞ、百文字イイイィィィ!!」
「ドンナーはあと一歩及ばなかったようだな。しかし次戦う時は解るまいイイイィィィ!!」
百文字は答える。
「もし、最初からあの“電気の弾丸”を飛ばす能力を使っていたら危なかったな。」
ルドルフは頷く。
「そうであろう、そうであろうウウゥゥゥ!!
オーストリアのサイボーグは世界一イイイィィィィ!!」
百文字はあえて言わなかったが、勝負にはその時その時の機微(きび)がある。
もし、最初から“電気の弾丸”を使っていたら使っていたらで、
対応法も変わっていただろうと。
しかし、百文字はルドルフに花を持たせた。
これ以上の戦闘は厳しい程に、ドンナーが強いサイボーグであったからだ。
あながち、ルドルフが言っている事は間違っている事ではない。
ルドルフは、百文字に近づく。
「トコロで、百文字イイイィィィ。一つ相談と言うか頼みがあるのだが、聞いてはくれぬかなアアアアァァァァ?」
百文字は問う。
「頼み?」
ルドルフは答える。
「実はなアアアアァァァァ。このオーストリア。一つ厄介な者を抱えておるウウウゥゥゥ。」
「研究生物なのだが、イマイチ言う事を聞いてくれぬのだアアアァァァァ。何とかして欲しイイィい!!」
百文字は再び問う。
「研究生物だと?」
「それは一体何だ、ルドルフ?」
ルドルフは小さな声でこう言う。
「オーストリアの遺跡地下深くに、幽閉されておった謎の生物…。」
「何百年生きているのかすら、解らぬモンスターだよ、あれは。」
「 そ の 名 も ・ ・ ・ 。 」
百文字。
「その名も?」
ルドルフ。
「『 壁 画 の 男 』。」
「 我 々 は そ う 呼 ん で い る 。 」
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