○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『控え室』
モニターで試合を観る者が居る。
その名『大蛇(おろち)勝美』。
その身に空手着をまとった、
華奢(きゃしゃ)な女性…ッ。
華奢(きゃしゃ)な女性…ッ。
“空手を終わらせた女”と言う異名を持つ、
“人喰い大蛇”大蛇毒砲(どっぽ)の愛娘である。
その勝美が、少林vsユージンの試合をこう評す…。
「勝つのはプロレスラーだな。」
勝美は続ける。
「ヤツの耐久力。」
「そしてその巨体から弾き出される、そのパワーは、
トーナメント参加者の中で、群を抜いている…ッ!!」
「ヤツを倒すのは、この私、大蛇勝美しかいないと言う訳だ。」
そして、勝美は、こう言い放つ。
「上がってこい『壊撃(かいげき)のユージン』…ッ!!」
勝美は確信の眼差しで、そう呟いた。
・
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○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 1 5 話 「 プ ロ レ ス の 流 儀 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
片や!
“真の護身を知らしめたい!!”
『ブラック少林(しょうりん)』
搭乗修斗はッ!
『双円(そうえん)』
ッ
ッ
片や!
“壊撃のユージン”
『ユージン・ロジャース』
搭乗修斗はッ!
『TYPE-C(タイプ・シー)』
ッ
ッ
「双円」はスピード寄りの“バランスタイプ”修斗。
「TYPE-C」は“パワータイプ”の修斗。
「TYPE-C」は「双円」より二回り大きい。
先手を取ったのは『双円』であった。
少林寺拳法の技の数々で持って攻め立てる。
しかし、双円が放った“4段蹴り”の「蹴り脚」を掴むと
TYPE-Cは双円を力任せに『叩きつける』ッ!!
朦朧(もうろう)としながら、立ち上がる双円…!!
そ
こ
へ
!
“ネメアファング”ッ!
いわゆるラリアットである!!
腕で持って相手の首を刈る!!
ッ
ッ
ブラック少林駆る『双円』はッ!
その“腕”を“食らった”のだッ!!
そ
し
て
ドッッサァァアア ア ア ア ア ア ア ! !
ダウン!!
ダウゥン!!
ダウゥーン!!
双円立ち上がれないぃーッ!!
「オォォオオオオオオオオオオオーー ー ー ー ー ー ー ッッッ ! ! ! 」
ッ
ッ
TYPE-Cは片腕を上げ、雄叫びを挙げる!!
決まったか?決まったのか、これで試合はァ!!?
否
ァ
!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
立ちて…!
上がる…!!
その名…!!!
“ブラック少林”ッ!!
少林は立ち上がる!
動きをトレースする双円と共にッ!!
ユージン!
「へぇ…。」
「どっちも角度エグくしたんだけど…な?」
「もしかして、少林、プロレス経験者…??」
少林!
「私は…。あの事件での敗北後…。」
「古今東西の様々な武術…。」
「格闘技を学んで自己研鑽に努めてきました…。」
初
め
に
「門を叩いたのは『新世紀プロレス』です…。」
あ
そ
こ
に
は
「“新進気鋭のマスクドレスラー”『ドラゴンマスク』が所属してますからね…。」
少林は語り始める…!
○少林が敗北した“あの事件”の『後』
私は打ちのめされた。
怪我は一つも負っていない。
では?何故打ちのめされる??
そ
れ
は
心だ。心が折れたのだ。
ッ
ッ
必殺の技。
オリーブガイナ脚を放ち、
相手を打ち据えるより早く相手の拳が。
相手の拳圧が。己の顔面の前にあった。
感じた。
力量の差を。
それも絶望的な差だ。
そんな中。
何が出来る?
だから、私は敗北を受け入れた。
そう。負けた。負けてしまったのだ。
逆立ちしてもどうしようもない…差。
もう一度言おう。
そんな中。
何が出来る?
否(いいや)。
出来るじゃあない。
やるのだ。それが足掻きだとしても。
今まで自分がやって来た事は何だ?
『闘う事』だ。
勝ちもしよう。負けもしよう。引き分けもしよう。無効試合もあろう。
だ
が
!
諦めてはいけないッ!!
そう思い…。
まず打開策だと思ったのが『プロレスを学ぶ事』だった。
私は敗北に値する、凄まじい体への一撃を反射的に恐れ、寸止めの拳で負けを認めた。
それは打たれる事を恐れるが故。
な
ら
ば
!
打たれても負けない肉体改造をしよう!!
だから“プロレスを学ぶ事”を『選択(えら)んだ』のだ。
学ぶ場所は『新世紀プロレス』。何故なら。
“新進気鋭のマスクドレスラー”『ドラゴンマスク』が所属するからだ。
ドラゴンマスクはデビューから瞬く間にスターダムにのし上がった、
“新進気鋭のマスクドレスラー”ッ!!華麗なる空中殺法と、
フェイバリットホールドとして繰り出されるは、必殺の技…ッ!!
『ドラゴンカッター(ダイヤモンドカッター)』は威力抜群であると言えるッ!!!
ッ
ッ
〇ダイヤモンドカッター
技をかける相手の正面に背中を向けて立ち、相手の頭を肩に乗せ、
頭を持ったまま前方に大きくジャンプし自らは仰向けに倒れ、
うつ伏せに倒れる相手の顔をリングマット、
あるいは肩に叩きつける技である。
頭を持ったまま前方に大きくジャンプし自らは仰向けに倒れ、
うつ伏せに倒れる相手の顔をリングマット、
あるいは肩に叩きつける技である。
投げ技に分類される場合と、
打撃技(打ち付け技)に分類される場合とがある。
打撃技(打ち付け技)に分類される場合とがある。
WWE、WCWで活躍したダイヤモンド・ダラス・ペイジが
フィニッシュ・ホールドとして使用していた。
フィニッシュ・ホールドとして使用していた。
技術をあまり必要としないにもかかわらず見た目が良く、
フィニッシャーとして使用できるだけの説得力がある技なので、
多くのレスラーがこれを応用した技を開発している。
フィニッシャーとして使用できるだけの説得力がある技なので、
多くのレスラーがこれを応用した技を開発している。
・
・
・
・
・
私が注目したのは『華麗なる空中殺法』だ。
私の格闘スタイルは『速度』を持ち味としている。
搭乗している「双円」は通常の装甲を取り払い、
軽量化をするぐらい速度にこだわりをもっている。
で
は
ドラゴンマスクはどうだ?
ドラゴンマスクの動きは流麗にて鋭利…!
華麗に受け、華麗に攻め、華麗に仕留めるッ!
私
は
確
信
す
る
!
プロレス流の肉体改造をしたとしても、
私の持ち味が失われる事は無い…!と。
そうして、プロレスのトレーニングを積む私。
その時、ドラゴンマスクとも仲良くなった。
だ
が
マスコミは冷ややかだった。
ー 少林、八百長スポーツに移籍?
ー 敗北がコスプレ拳士を狂わせた。
ー 元々コスプレはプロレス的だった。
そ
し
て
ORGOGLIO(オルゴーリョ)で、
思うような結果も残せなかった。
それもそうだろう。
試合の方式にもよるが私が行う試合形式は、
プロレスの技術は向いていないとしか言いようが無い。
ましてや、あの敗北以降、私はオリーブガイナ脚を
本当の意味で放てなくなった。
負けは必然と言う訳だ。
そ
れ
で
も
私は足掻き続けた。
どんなに鈍(にぶ)い歩みでも構わない…!
私は!私のやり方で!!
敗北の呪縛を取り払って見せる!!
来る日も…。
来る日も…。
修練の日々。
いつしか…!
私の体はプロレスの技術に対応するようになっていた…!!
舞台は闘技場に戻る。
話を聞き、ほぅ…とうなずくユージン。
そして尋ねる。
「一つ聞いても良いかい?」
少林。
「答えましょう。」
ユージン。
「朦朧(もうろう)とする中、何故、『ネメアファング』の受け身を取れたのさ?」
「あれが『ラリアット』と解る奴ァ、そう居ないハズなんだが…な??」
少林。
「ドラゴンマスクがですね。」
「“魔獣伯爵”『ガービン』のFANなのですよ。」
「そのガービンが真剣(シュート)で敗れた技が『ネメアファング』です。」
「平 省三(たいら しょうぞう)さんでしたっけ?その技を放ったのは??」
「どう言う訳か解かりませんが、あなたは『ネメアファング』と叫び技を繰り出した。」
故
に
「朦朧とした意識の中、かろうじて受け身が取れたのです。」
「この試合。案外、運が向いているのかも知れませんね。私は。」
ユージン。
「ハッハッハッハッハッハ!平さんの名前まで知ってるとはね!!」
「それは奇妙な縁だ!俺は平さんの大FANなのさ!!」
少林。
「ほぅ…。それは奇遇ですね。」
ユージン。
「ま、これで、あんたとの試合がまだ愉(たの)しめる!!」
「それは俺にとって好都合な事…だなァ♪」
少林。
「好都合がどちらなのか…?」
「お互い、この先の運は、力づくで取り合いましょう…!!」
ユージン。
「クックックックックックックック!!」
「良いねぇ…!そう言うの好きだぜぇ…!!」
少林!
「では!!」
ユージン!
「行くぜぇ!!ハーハッハッハッハッハ!!!」
再び両者がぶつかりあった…ッ!!
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『控え室』
勝美はモニターを観ている。
試合観戦を続けている。
再び勝美は試合を評す。
「あの“ネメアファング”とか何とか言うのを
放ってから…試合が一進一退だな。」
「何を手こずっているユージン?」
「お前の実力なら、3度はお前が勝利しているぞ?」
続ける。
「決着は1度だと言うのに、3度勝利を逃している…。」
「3度…。そう3度だぞ、ユージン…!」
そしてこう言う。
「そんな事で、この試合に勝ったとして『勝利した』と言えるのか?」
「なぁ?ユージン??」
ユージンの戦法に不可解を覚える大蛇勝美…。
そ
の
時
で
あ
っ
た
「解らない?湧き上がる歓声が??」
「あーゆうの聞くと、最高の気分で、高揚するんだけどな~。」
女であった。
女が勝美に話しかける。
勝美は女を見やる。
「お前は次の試合の…。」
その女はこう言う。
「そう。乙姫(おつひめ)。」
「ジェーン☆乙姫よ。」
ジェーン☆乙姫。
勝美の次の対戦相手である。
勝美の次の対戦相手である。
乙姫は続ける。
「私は少林さんを応援してるの。」
「所属は日本拳法道場の私だけど、プロレスラーでもあるのよね、私。」
「そして私は、少林さんも練習に参加している『新世紀プロレス』の道場を借りて練習してるからね。」
「同じ釜で飯を食った中…と言う言い方は古いけど、少林さんは同士だと思っている…!」
そしてこう言う。
「それにほら…。コスプレ仲間みたいなモンでもあるしね!少林さん♪」
格闘士でありながらコスプレイヤー。
思えば乙姫は、少林と方向性が似たモノがあるのかも知れない。
思えば乙姫は、少林と方向性が似たモノがあるのかも知れない。
勝美が答える。
「同門を応援か。私もカロ籐を応援した。」
「カロ籐は大蛇流で辛苦を共にした仲だ。」
「同門を想う、その気持ちは解らないでもない。」
乙姫。
「へぇ~、天才故に、孤高なのかな?って思ってたけど、結構仲間思いじゃない♪」
勝美。
「慣れ合いじゃあない。血と汗を流し合った仲だからな。」
乙姫。
「なるほどね…。」
「話を戻すけど、良い??」
勝美。
「構わない。」
乙姫。
「じゃあ続けるけどさ。」
「私、一気に決めないユージンの気持ちも分かるの。」
「私もプロレスラーでもあるから、ああゆう風に観客が盛り上がると、
手抜きじゃないけど、もっと盛り上げようって気持ちになってくる。」
「対戦相手とも観客とも闘う。それが『真のプロレスラー』なのよ。」
勝美。
「難儀なモノだな。プロレスラーと言う者は。」
「勝負は勝つか負けるか…。そう言うモノだと思っている。」
乙姫。
「真剣(シュート)なのね、あなた。」
勝美。
「もっとも…。」
乙姫。
「もっとも?」
勝美。
「私は天才だから、勝つ事が約束づけられているようなモノだがな。」
乙姫。
「噂通りの自信家ね?」
勝美。
「これは試合だろう?今更警戒など…。」
乙姫。
「それで後悔する事になるかもって事…。」
「次の試合で解るかもよ?」
そ
う
「このジェーン☆乙姫と闘う事によってね♪」
勝美。
「期待せずに心に留めておくよ。」
乙姫。
「ま、良いけど。それともう一個。」
勝美。
「何だ?」
乙姫。
「そろそろユージン…おそらく少林さんも仕掛けるハズよ。」
「最高潮と言える客の盛り上がりがそれを望んでいる…ッ。」
勝美。
「ほう…。それは楽しみだ…。」
二人はモニターに注目する。
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
観客達の!!
そのテンションは!!
そのテンションは!!
ベリベリって程に 最 高 潮 だ ッ !
「「うおお、どっちもスゲェ!!」」 「「ベストバウト!ベストバウトッスよ!!」」
「「でも、そろそろ決まるだろ?お互い手の内は見せたって感あるぜぇ~!!」」
「「たまんねぇよ!勝つのはどっちだ!?」」「「行け!ブラック少林!!」」
「「ユージン!プロレス最強見せてくれ!!」」「「どっちも死力を尽くせぇ~ええ!!」」
ッ
ッ
つんざくばかりの絶叫が…ッ!
耳へと届く、少林とユージン…ッ!!
お互い…観客達と同じ気持ちであった…!!
二人は今、観客と気持ちが同化していた…!!
熱。熱。熱。
観客の熱気が互いを動かしている面もあった…!!
それに加え…!!
少林は、漢として負けたくなかったし、
ユージンは、そんな少林を壊したいと思っていた!!
少林は次の一撃を『オリーブガイナ脚』にするつもりだ…!!
ユージンは次の一撃を『ジェノサイド・ストーム』にするつもりだ…!!
どちらもそれが“最大の必殺技”だからだッ!!
タ
ッ
!
先に動いたのは少林駆る『 双円 』だ!!
ッ
ッ
「ハィーッ!!」
ッ
ッ
「 く ら え ! 」
「 必 殺 ッ !
オ リ ー ブ ガ イ ナ 脚 ! ! 」
ッ
ッ
ブ ラ ッ ク 少 林 !
必 殺 の 上 段 振 り 下 ろ し 蹴 り ! !
ッ
ッ
ドッッ ッ ッ !
シィァァァアアア ア ア ア ア ア ア ア ! !
( 双円のオリーブガイナ脚が、TYPE-Cの頭部にHITするッ!! )
だ
が
ッ
!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
ユージン!
「打点…。ズラしちゃった。」
「さっき食らったオリーブガイナ脚よりも、ずっと効きそうだったから…ねッ。」
・
・
ッ
少林!
(一瞬の隙にっッ!)
(掴まれているッ!)
(蹴り脚をォッ!!)
ッ
ッ
ユージン!
「『 決めるよ!
これが必殺の技と言うモノさ 』ッ!! 」
名
付
け
て
ッ
!
「 『 “ ジ ェ ノ サ イ ド ・ ス ト ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ ム ”ッッッッッ ! ! ! ! ! ! ! 』 」
グ ” ッ ” ッ ” オ ” ォ ” ォ ” ォ ”ォ ”
オ”オ” オ”オ” オ” オ” オ” ォ” ォ” ォ”
オ ” オ ” オ ” オ ” オ”ォ”ン”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”
ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !
ズ ” ッ ” ッ ” ォ ” オ ” オ” オ” オ”オ”オ”オ”オ” グ ” オ ” オ ” オ ” ~~~~ ~ ~ ~ ッッッ ! ! ! !
ーーー 剛力に任しッ!
ーーー 剛力を尊びッ!!
ーーー 剛力に魅せられた、
『漢(プロレスラー)』がッ!!
ーーー 今、この時放つは『 必 殺 投 技 』ッ!!
そ
の
名
!
『 ジ ” ェ ” ノ ” サ ” イ ” ド ” ・ ス ” ト ” ー ” ム ” ッ ! ! ! 』
『 双円 』を、ブ ン 回 し 続 け る『 T Y P E - C ッッッ!!!! 』
“ 誰 も が 確 信 し た ッ ” ! ”
“ ユ ー ジ ン の 勝 利 を ” ! ” ! ”
“ そ ”
“ れ ”
“ は ”
“ ! ”
『 そ ” の ” 時 ” で ” あ ” っ ” た ” ! ! 』
ーーーーーー