○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 1 7 話 「 各 人 様 々 ! そ し て 試 合 開 始 ! ! 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『医務室』
オールバックで肩まで伸びた頭髪とッ!
太目の眉。鋭い眼光は危険な芳香(ほうこう)を
漂(ただよ)わせる…ッ!
太目の眉。鋭い眼光は危険な芳香(ほうこう)を
漂(ただよ)わせる…ッ!
デンジャラスなライオンのようなその漢(おとこ)ッ!
カロ籐 清登(かろとう きよと)はこう言い放つッ!!
カロ籐 清登(かろとう きよと)はこう言い放つッ!!
「やったぜ、おい、あの野郎ッ!!」
浮かべるは…ッ!
満面の…“笑み”ッ!!
満面の…“笑み”ッ!!
この漢…!実戦で通用する“ケンカ空手”を磨いた漢、故ッ!!
一見すると、怖い!恐怖に値(あたい)する!!
そんな雰囲気を漂(ただよ)わせているが…!!
そんな雰囲気を漂(ただよ)わせているが…!!
過去自分を破ったライバル『ブラック少林』の勝利を喜ぶと言うッ!!
そんな『好漢』めいた一面も持っているのだッ!!
そんな『好漢』めいた一面も持っているのだッ!!
そ
う
!
根は優しいのである!!
『全身打撲』と言う大怪我を負っていながらも、この喜びよう!!
良い奴過ぎるだろう、カロ籐 清登(かろとう きよと)よッ!!
ガ
チ
ャ
!
そんなカロ籐へ来訪者。
3本角の黒地の覆面姿。
全身をタイツのような物で覆い、
更には青の道着を着込んだ漢…。
全身をタイツのような物で覆い、
更には青の道着を着込んだ漢…。
ブラック少林である。
そしてこう言う。
「“約束”を…。」
「“守りました”よ、カロ籐さん。」
カロ籐。
「すげぇ、蹴りだったぜ!!」
「やったな、おぉよ、この野郎ゥーッ!!」
少林。
「はは…。自分を超えられました。」
カロ籐。
「このまま優勝ォ…とは言えねぇか。」
「勝美お嬢さんも出場(で)ちまってるしな。」
「ま、精々、勝ち進めよ!角中!!」
少林。
「今は少林です。」
そんな中であった。
「おぉ~い、運べ運べ!!」
新たな来訪者。
担(かつ)ぎ込まれるは…。
『壊撃(かいげき)のユージン』である!!
ユージンは、少林とカロ籐を見やる。
「よぉ…!」
「あったま、グワングワンする…ぜ?w」
カロ籐。
「音速の『上段振り下ろし蹴り』だぜ?」
「効かねぇ方がぶっ壊れているぜ…!!」
カラカラと笑いながらカロ籐はそう言う。
少林。
「ユージンさん。」
「あなたのおかげで、私は自分を超える事が出来ました。」
「ただただ…。“感謝”です。」
少林にあるのは、ただただ“感謝”であった。
『真・オリーブガイナ脚』を編み出した以上、
もう「スロー過ぎてあくびが出る」と言われた『蹴り』は無い。
そ
し
て
そこまで少林を引き出したのは、ユージンであるのだ。
圧倒的な…“感謝”。少林はその“感謝”を口にした。
ユージン。
「ハハ…。そう言われるのは…。悪くない…ねッ。」
「たぁ言えな。決勝…。」
「“空手を終わらせた女”とやり合う予定だったのに…なあ。」
少林は力強く、こう言い放つッ。
「その願いッ。私が受け継ぐとしましょうッ。」
「目指すは“決勝”ッ。そして…『その先』…ッ!!」
ユージン。
「頼んだ…ぜ…ッ!!」
ユージンは笑みを浮かべながら、そう言った。
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『控え室』
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!
拍手をする女。その女の名。
ジェーン☆乙姫(おつひめ)、その人である!!
「さっすが、少林さん!」
「見事な『真・オリーブガイナ脚』だったわ♪」
乙姫は続ける。
「でも、ユージンも強力だったわね!」
「プロレスをあそこまで『真剣(シュート)』に仕上げて、
尚且つ、観客に魅せる事も忘れないんだからねぇ!!」
「凄いの一言だわ…!!」
そして、乙姫はこう言い放つ。
「かつみん、あなた、どう見る?この試合??」
そんな乙姫を無視して。
ボソリとつぶやく。
空手着をまとった女。
「音速。ほぉ…。」
「このトーナメントで、私以外に、
その速度に達した者が居るとはな。」
“空手を終わらせた女”。
『大蛇(おろち)勝美』。
「もっとも。天才の私と違って。」
「『上段振り下ろし蹴り』以外、
音速で放てないようだがな…!」
と
は
言
え
だ
「あの『壊撃のユージン』を破ったのは見事だ。」
「決勝は、少林。『ブラック少林』が相手なのかも知れんな。」
そう言い放つ大蛇勝美に対し。
(うわ、また、もうこれからの試合に勝った気でいるよ。)
と言った顔をするジェーン☆乙姫。
そ
の
時
で
あ
っ
た
!
「相変わらずの自信家だな。大蛇。」
「戦場も試合も変わらない。」
「油断した者が敗北するぞ?」
スキンヘッドの頭髪。鋭い瞳。
カミソリで切りそろえたような、
硬質的な肌。そのどれもが、
くぐり抜けて来た戦場を語るような、
歴戦の勇士と言った雰囲気を、
醸し出している。
カミソリで切りそろえたような、
硬質的な肌。そのどれもが、
くぐり抜けて来た戦場を語るような、
歴戦の勇士と言った雰囲気を、
醸し出している。
その者の名…ッ!
ああ、その漢(おとこ)の名は…ッ!!
ああ、その漢(おとこ)の名は…ッ!!
勝美がこう言い放つッ。
「誰かと思えば、久しいな…!!」
「『禿鷲(はげわし)のブラド』…!!」
ブラドが応ずる。
「戦場以来だな、大蛇。」
「あの時はヨーロッパでの戦線だったな。」
乙姫が割って入る。
「そういえば、二人とも、
宇宙人との戦争を経験しているんだっけ?」
勝美が答える。
「コイツの『コマンド・ボクシング』は中々面白かった。」
乙姫。
「確か、ブラド君。戦場でボクシングを…。」
ブラド。
「そうだ、乙姫。」
「俺のボクシングは『コマンド・ボクシング』。」
「この世界で、もっとも研鑽(けんさん)された『戦場格闘技』だ。」
勝美が熱を帯(お)びる。
「ブラド。君も、大分に自信家じゃあないかな?」
「“大蛇流空手”を前にして、
『もっとも研鑽されてる』と言うのか??」
ブラドは冷静に。
「大蛇流は不覚を取るが、
コマンド・ボクシングは戦場必勝。」
「比べるまでも無い話だと思うが?」
勝美、更に熱を帯びるッ。
「ん~~~~。どうしたモノかな?」
「ここで『不覚を取らない大蛇流』を、
君に見せてあげるべきなのかな?お禿さん??」
ブラドはこう言い放つッ。
「所詮、大蛇。君に興味は大して無い。」
「どうしても『不覚を取らない大蛇流』とやらを見せたいなら、
決勝まで上がって来るんだな。俺はそこで待っている。」
勝美は…。
「いいじゃん…!」
「そーゆーの好きだよ…♪」
そう言い、ニヤリと笑うッ。
乙姫は再び割って入る。
「好きでも嫌いでも構わないけどさー。」
「その前に『アタシ』だって事忘れてない?」
勝美は興味無さそうに。
「悪いな。眼中にない。」
「アウト オブ 眼中と言うヤツだ。」
乙姫は呆れながら。
「はいはい。そりゃあどうも。」
ブラドは勝美にこう告げる。
「精々、足元をすくわれんようにな。」
そしてブラドは、控え室を出て行った。
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『VIPルーム』
「いやあ~、良い試合でしたね。」
「観客も今日一番の盛り上がりですし、
マジスッゲ…いえ、本当に凄かったですね。」
丸刈りのこけた頬。長身のやせ型のその男…。
『空石 雪千代(そらいし ゆきちよ)』が、
先の試合「ブラック少林vs壊撃のユージン」の、
所感を述(の)べる。
『空石 雪千代(そらいし ゆきちよ)』が、
先の試合「ブラック少林vs壊撃のユージン」の、
所感を述(の)べる。
「ユージンがもっと、攻めを意識したら、
また別の結果があったかも知れません。」
「でも、そうなったらそうなったで、
試合の機微(きび)が変化したでしょうし、
その意見は机上の空論だと思います。」
空石は続ける。
「結果は、本当の意味で『オリーブガイナ脚』…。」
「いえ、『真・オリーブガイナ脚』ですね。」
「新しい必殺技を放った、ブラック少林の勝ちだと思いますね。」
そしてこう締める。
「でも、一進一退なだけあって、
少林のダメージが次の試合どう影響するか?」
「その辺が注目ポイントっと言った感じッスかね??」
ORGOGLIOイベントプロデューサー。
『ルンバルト・タニヤマ』は答える。
『ルンバルト・タニヤマ』は答える。
「流石は“慧眼(けいがん)”ですね~。」
「全く持って異論はないですよ。」
「さて、次の試合ですが…。」
空石。
「“牙を剥(む)いた噛ませ犬”
『チャートチャーイ・マウラー』」
「“禿鷲”『ブラド・バラハ』」
「の試合ッス…と、試合ですね。」
空石は続ける。
「チャートチャーイは、ダウンを奪われたし、
前の試合のダメージが懸念(けねん)されますね。」
「対し、ブラドは1撃KO。」
「万全の状態での準々決勝に。」
空石は言い放つ。
「単純に比べるなら、
ブラドの有利は動かないんじゃないですかね?」
タニヤマも応ずる。
「んあ~。ダンチョ氏のスカウティングを
けなす気はないですが『禿鷲のブラド』は、
社長推薦選手ですからねぇ~。」
「チャートチャーイ君の流儀は『ボクシング』。
対し、ブラド君は、『ボクシング』を実戦向きに
進化させた、危ない危ない『コマンド・ボクシング』…!」
「チャートチャーイ君の不利は、
否めないじゃないでしょうかねぇ。」
白髪デカ鼻片メガネの国籍不明の52歳。
“毎度ぉ!敏腕スカウトでゲスよ!!”
『ダンチョ・タンチョ』はこう言う。
『ダンチョ・タンチョ』はこう言う。
「ゲッコォー!確かに!確かにでゲスよ!!」
「『社長推薦選手』はエグい程強いでゲス!!」
し
か
し
で
ゲ
ス
!
「チャートチャーイ君は、常に不遇と言う状況に居たでゲス!!」
「『噛ませ犬』『業界から干される』『総合格闘技で不利なボクシング』!!」
「そんな中、今日、初めて『一回戦突破』と言う花が開いたでゲス!!」
「これはでゲスねぇ!大化けの化け子ちゃんになる可能性が、
大・大・大の大ちゃんと思うんでゲスよ、ウケコクコカァー!!」
熱弁をするダンチョ。
そんな中…!!
ドドドドドドドドワァァァァア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! !
VIPルームにも響く、観客達の大歓声!!
ダンチョ!
「オワァーオ!選手入場が、アナウンスされたでゲスよぉおおお!!」
3人は闘技場を見やった。
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
先に入場するのは、この俺『チャートチャーイ・マウラー』だ。
「チャートチャーイ」。前にも言ったが意味は『男一匹』。
つまりは男たる者孤高であれ、強くあれと言う、
願いを込めて親父がつけてくれたんだ。
「チャートチャーイ」。前にも言ったが意味は『男一匹』。
つまりは男たる者孤高であれ、強くあれと言う、
願いを込めて親父がつけてくれたんだ。
噛ませ犬として、長年、敗北を重ねて来たが、
今はこうして『真剣(ガチ)』の中に居て…。
今はこうして『真剣(ガチ)』の中に居て…。
そして、勝利をもぎ取り、準々決勝にコマを進めた俺が居る。
俺への歓声は…。
疎(まば)らだ。
俺が倒した、マスカラ・ティグレの方が客受けしてたからな。
また、対戦相手の『禿鷲のブラド』が、
かつてのボクシング王者『ツェペシュ・バラハ』の『息子』と来たモンだ。
かつてのボクシング王者『ツェペシュ・バラハ』の『息子』と来たモンだ。
そりゃあ、俺への応援は少ないか。
どこに行っても“噛ませ犬気質”だな。俺は。
勝って欲しいと思われているのは相手の方。
勝って欲しいと思われているのは相手の方。
だが、そんな“噛ませ犬”だからこそ『牙』を剥(む)いた。
俺は…。
『生まれ変わる為』に闘うのだッ。
偽りの過去をッ。
偽物のファイトをッ。
今
!
真実へと変える為ッ!!
お…!そうこうしている内に、ブラドの入場だ!!
その搭乗機はカスタム修斗、
『80-O(エイティオ)』
『80-O(エイティオ)』
目から唇までが、鷲(ワシ)で
言うトコロの『クチバシ』の
形状しており『禿鷲(ハゲワシ)』の
二つ名に相応しい機体となっている。
言うトコロの『クチバシ』の
形状しており『禿鷲(ハゲワシ)』の
二つ名に相応しい機体となっている。
俺の搭乗修斗は、
カスタム修斗の『ワイクルー』。
ボクサーと言う意味を持っている。
カスタム修斗の『ワイクルー』。
ボクサーと言う意味を持っている。
ボクサーの俺らしい名前だろ?
しかしな…。
ブラドの奴。
凄い声援だ。
1回戦を豪快に一撃KOして準々決勝。
ブラドの勝利への期待は膨らむばかりってか?
自信に満ち溢れた、堂々とした立ち振る舞い。
俺より6歳年下の20歳(ハタチ)だが、
真に強者って感じだな。
そもそも、ルール無しの中で、
培(つちか)われた『コマンド・ボクシング』の使い手…。
戦場の油断は死に繋がる。
そりゃあ強者だわな。
で
も
な
ァ
俺は闘う…!
俺にはこれしかない…!
ボクシングしかない…!!
そして、今、それで勝つ事が許されているんだ!!
そんなオイシイ状況をよォ!
みすみすと見逃す訳行かねぇじゃねぇかよってんだ!!
お互いの距離が縮まる…!
始まるぜぇ…ッ。始まるぜぇ…ッ!
修斗ファイトが…ッ!!
「ああ…ッ!!」
ッ
ッ
ドォォオ オ オ オ オ オ ン ! !
闘いの銅鑼(どら)が鳴り響きやがった!!
ーーーーーー