○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
ズダダダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ! ! ! ! !
機体が機体を、連続で『踏み蹴る音』が、
“木霊(こだま)”するッ!!
凄まじいまでの『金属音』…ッ!!
ッ
グギャギャギャギャとも、
ドギャギャギャギャとも、
聞こえるッ!!
ッ
攻撃を受ける、
なめらかでいて、無機質な
『千功者(せんこうしゃ)』の
『機体(ボディ)』がボコボコになっていく…ッ!!
ッ
ッ
“三筒 平城(みつつ へいじょう)”駆る、
『花巻修斗(はなまきしゅうと)』の『宙空』からの、
“脚部による踏み付け連撃”がHITし続けているのだッ!!
ッ
『花巻修斗』はスピード型の機体ッ!
それがこのような“軽業師的な攻撃”を、
『 可 能 』とするッ!!
対
し
ッ
“孫 秀炎(スン シウヤン)”駆る、
『千功者(せんこうしゃ)』は反撃出来ずにいたッ!
ッ
ただでさえ『宙空』からの攻撃は反撃し難い…ッ!
作者が尊敬する漫画家の漫画に、似た描写が出てくるが、
『あのバランスの良い山本選手が反撃出来ない』
『宙空からの敵には反撃出来ねぇ』
と、劇中言わしめている…ッ!!
ッ
『千功者』はパワー型の機体故、攻撃さえ届けばダメージが大きいが、
一旦、一方的な状況に陥(おちい)ると、抜け出し難い、
脆(もろ)さもあるのも事実であるッ!!
ッ
ましてや孫は、崩拳(ほうけん)のみの修練をし続けた漢(おとこ)ッ!
ッ
ッ
反撃できる術(すべ)は…『 無 い 』ッ !!
ッ
ッ
ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!
ッ
金属音が木霊し続ける…ッ!
破壊だッ!破壊される音がするッ!!
ッ
孫は…ッ!!
打つ手は無いのであろうか…?
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 2 2 話 「 漢( お と こ ) 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『観客席』
「「お、おい。これ決まっちまうぞ?」」「「三筒半端ね…ッ!!」」
「「孫が必殺の崩拳を出せずに居る。」」「「ハマっちまったか??」」
「「一芸特化はこれが怖い…!」」「「為す術無しか千功者…!!」」
ッ
ザワザワ ザワザワ ザワザワ
ザワザワ ザワザワ ザワザワ
ザワザワ ザワザワ ザワザワ
観客達はざわめく…ッ!
そして知る…ッ!
三筒 平城と言う漢の“半端無さ”をッ!!
ッ
ッ
観客席の最後方。
試合観戦するは、
“拳王”『李 白鳳(リー パイフォン)』
“エイグロン”『鷲鼻(わしばな)のバトゥロ』
李。
「こうなると、孫先輩の“利”は無いアル。」
「空手家・三筒…!これ程の者アルか…!!」
ッ
バトゥロ。
「より『狂気(くるいぎ)』染みた者が勝つ。」
「ムッシュ・三筒。更に狂気をはらんでいたのは、彼のようだね。」
ッ
ッ
歴戦の強者二人にして、孫の“利”は無くなったと見た。
では、孫は…?このまま敗れるのみなのか…??
○×年前 『×〇省、山中とある廃寺院』
「まだダ…足りなイ…」
その震脚(しんきゃく=足で地面を強く踏み付ける動作の事)は、
堅牢(けんろう)な石畳(いしだたみ)を突き破り地面にめり込み、
亀裂を四方八方に走らせている。
山中を再び静寂が飲み込むと、
孫 秀炎(スン シウヤン)は、
己の拳を見つめ、そう呟(つぶや)いた。
次なる修練を行うべき。
そう思ったのだ。
次なる修練は…。
・
・
・
・
・
・
・
○同年 『×〇省、山中とある“滝壺”』
ドドドド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ! ! ! !
大量の流水が、高所から滝壺へと降り注がれる…ッ!!
平地ではなく。
足場が悪く。
拳を突き出す事も、
ままならない場で、
修練をする事。
そうする事が、孫は必要と思ったのだ。
足場が悪い場所で立ち合う可能性もあるからだ。
「また…一からよ…ッ!!」
バサ…。
孫は上着に脱ぐ。
バサッ。
孫はズボンを脱ぐ。
スッ…。
孫は靴を脱ぐ。
ササ…。
孫は下着を脱ぐ。
タンッ。
孫は全裸になった。
トプ…。
孫は水に足を踏み入れる。
ザブ…。
孫は歩を進める。
ザブ…。
更に進める。
ッ…!
水流が強くなる。
ザブン!
それでも尚、歩を進める。
ッ…!
強い…!
ッ…!!
強い…!!
ッ…!!!
水流が強い…!!!
ザ…ブ!!
鈍歩ながらも歩を進める。
や
が
て
・
・
ト…。
滝の前で歩を止める。
ザザザザザザ!!
鍛え抜かれた体幹を持つ孫だが…。
ザザザザザザザザ!!!
ここから『震脚』『崩拳』を繰り出せるか…?
試
技
す
べ
し
!
ドォ…!!
片足を上げるッ!!
ザブブロォォォオオオオオオオ!!
「くぅ…!!」
孫は流された…!!
バランスを崩し、
仰向けになり、
水に流される…!!
「足りなイ…ッ。」
孫は、滝の前での『震脚』『崩拳』を一旦諦め…!
ダンッ!
少しづつ。
ダンッ!!
少しづつ。
ダンッ!!!
滝へと近づくように『震脚』『崩拳』を繰り返す…!!
ダンッ!!!!
繰り返し、繰り返し…!!
ダンッ!!!!!
幾日も、幾日も…!!
い
つ
の
日
か
・
・
ダンッッッ!!!
孫は滝の前での『震脚』『崩拳』が繰り出せるようになっていた…ッ!!
孫は感じた。また一つ『高み』に達した…とッ!!
だ
が
「足りなイ…ッ。」
孫は足りないと感じた。
何
故
な
ら
この滝で、もっとも水流が強いのは『滝』であるからだ。
もし、『李 白鳳(リー パイフォン)』が、
この『滝の如き攻撃』を『 宙空から仕掛けて来たら、どうなるか? 』
自分は…。“敗北(ま)ける”であろう。
だから足りなイのだ。
だから…ッ!!
「墳(フン)ッ!!」
私は『滝』へ向かって『 拳を放つ 』ッ!!
○現在 “ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
ズダダダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ! ! ! ! !
激しい金属音と共に、
何度も『千功者』を、
踏み蹴る『花巻修斗』…ッッ!!
これは“滝”よ。
あの時の…ッ。
“滝”ッ!!
幾度となく、幾度となく、
我が身、打ち据える…ッ。
“滝”ッ!!!
だから、私は…!!
“滝”に“拳”を『叩き込む』ッ!!
グォオオオ………ッ!!
(右脚を真上に上げるッ!!)
ズダダダダダダダダダ!!!
(その間も蹴りを食らうッ!!)
……………ォォォオオオ!!
(それでも尚…ッ!!)
ォォォオオオオオオオオ!!
(この右脚を『叩きつける』ッ!!)
そ
れ
は
!
「『“壁”ッ!!!』」
ダ ン ッッッ !!!!
次
の
瞬
間
!
ド”ッ”ッッ ゴ ォ ォ ォオ”オ”オ”オ”ーー ー ー
ッ
ッ
ーー ー オ”オ”オオオ オ オ オ” オ” オ”
ッ
ッ
オウウ”ウ ウ” ウ ウ” ウ ウウ”ウ”ー ー ーー
ッ
ッ
ーー ー オンオンオン オ ン オ” オ オ” オ” ン” !” !” ! ”
ッ
ッ
ド”ッ”ッ”ッッパァァァアア”ア”アア”アア”アア ア ア ア ア ア ア” ア” ア” ン” ン” !” ! ”
ー 『崩拳(ほうけん)』であった…ッ!!
ー 『千功者』が一撃必殺の『崩拳』…ッ!!
それが『花巻修斗』に叩き込まれた!!
ー それは『花巻修斗』の“左足”…!!
バチバチバチバチ…!!
ー 『花巻修斗』の“左足”と“左脚前肢(ぜんし)部”を砕き散らし…!!
バチバチと露出した配線から、放電をしている…ッ!!
・
・
・
・
・
・
・
三筒ッ!
「…~~ッ!!」
三筒は激痛を感じながらも…!!
ッ
クルクルクルクルクルクル…!!
『花巻修斗』で“宙空”を、
“前転回転”しながら…ッ!!
ド
ッ
!
闘技場中央へと着地するッ!!
ッ
孫ッ!
「直撃ハ…しなカッタか…!」
「まだダ…足りなイ…ッ!!」
デコボコになった『千功者』は、
片足になった『花巻修斗』と言えど、
まだ戦意を失っていないと判断し、
機体を、前へ前へと進めるッ!!
ッ
三筒は…!!
「………ッ!」
動かない。
両腕を上げ、拳で顔面を守る
顔面有りの空手の型…ッ!!
違いは左足を地につけぬの事か?
ッ
孫ッ!
(もう少しデ…間合イ!)
そ
の
時
で
あ
っ
た
!
ブゥン!
間合いの外であった。
もう少しで間合い。
それは解る。
だ
が
間合い外で『花巻修斗』は、
左上段蹴りを放ったッ!!
次
の
瞬
間
!
バチバチバチバチ!!
放電している電流の光が、
『千功者』を通し、孫の目に入るッ!!
ッ
孫ッ!
「イメージは…ッ!」
「血を飛ばス事カ?」
「何て漢ヨ、三筒 平城ッ!!」
ッ
(ここデ止まるノハ危うイ…!!)
ッ
ダンッ!!(震脚ッ!!)
ッ
ッ
ゴッバァー!!(崩拳!!)
ッ
ッ
(視界無しの崩拳!)
(これガ当たルと思う程、甘い考えナイ。)
(ケド、相手は片足ッ!)
(直進と後退しか出来ないハズ!!)
な
ら
ば
!
(牽制(けんせい)にはナルッ!!)
し
か
し
!
孫は思い知る…ッ!
己の考えは。
やはり甘かった事を…!!
ト
ン
!
崩拳を繰り出した右前腕に、
重量(おも)さを感じた。
それもかなりの。
これは?
『花巻修斗』!?
崩拳を恐れる事無く、
軽業師のように、
右腕前腕部に跳び乗った?
間
を
置
か
ず
!
ズドォウ!!(『千功者』の“顔面”に衝撃が走るッ!!)
ッ
ッ
『花巻修斗』の左足は左脚前肢部まで破壊されているッ。
だが…!膝は砕けてない!!それ故“顔面”に膝蹴りを…!!
ッ
ッ
叩 き 込 ん だ の だ ッ ! !
ッ
ッ
孫ッ!
「グボォ…ッ!?」
ッ
(打倒…!?)
(倒さレルッ。)
(ダウン…!)
だ
が
!
(立ち上がレルッ!)
(今はダメージィを最小限にィ!!)
そ
の
時
!
ギャルルルオ!!
ッ
“絡む”!
『花巻修斗』が!
『千功者』の“右腕”に!!
ッ
孫ッ!!
「空手家が関節技ヲッ!!」
ッ
ー 闘いは理由があって、初めて“リアル”になる。
リアルじゃない闘いは…。闘いとは言えない。
三筒の言葉である。
リアルな闘いには、当然、ルール外の闘いも含まれる。
その際、寝技の使用・対策をしないのは、リアルではないと考えた三筒は、
サンボ(=当身技は禁止。投げ、関節技による一本とするロシアの格闘技)の
技術を習得している。故に『 関節技の使用は可能 』ッ!!
ッ
孫ッ!
(狙いは柔道で言うトコロの『腕ひしぎ逆十字固め』カ?)
(このまマ倒れタラ…!)
( 極 ま ル ッ ! )
ッ
「ぬぅゥううウウうがぁァあ ア あ ア あ あ あ ア ア ア あ あ あ ア ア ! ! ! 」
ッ
(力任セに!)
(ブン投げルッ!!)
ッ
ッ
この時、パワー型の『千功者』と、スピード型の『花巻修斗』との差が出たッ!!
単純なパワーで、ブン投げれば、パワー型の『千功者』の方に分があるッ!!
スピード型の『花巻修斗』は軽く、また腕に絡むにしても、
左足を破損している為、十分に絡めないッ!!
故
に
!
ブォォオオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! !
『花巻修斗』は『千功者』にブン投げられた!!
ッ
三筒!
「ッ!」
ドサッッッッ!!!
打地ッ!!
しかしながら受け身は取るッ!
ト
ッ
立ち上がるッ!!
ッ
ズドドドドドドドドドドドドドドド!!
もの凄い勢いで『千功者』が突進してくるッ!!
ッ
ビシィ…!!
『花巻修斗』は待ち受けるッ!
ッ
ダッダッダッダッダッダ!!
『千功者』は突進しッ!!
崩
拳
の
射
程
内
!
孫ッ!
「『イマ』ッ!!」
ッ
ッ
ズドォォオオオオオオオオオオオオオ!!
『崩拳』が放たれるッ!!
ッ
ッ
ッ
それは…!!
一瞬の出来事であったッ!!
『崩拳』の間合いと『花巻修斗』の跳躍速度…ッ。
薄皮めいたギリギリのタイミング…ッ!
ド
ン
!
『花巻修斗』は『千功者』の拳に跳び乗った…ッ!!
こ
こ
か
ら
逆立ちになり『千功者』の頭部を“殴り踏み続ける”ッ!!
この位置に壁は無いッ!もう崩拳は『花巻修斗』に届かないッ!!
一発逆転ッ!死地に一生を得る『花巻修斗』の“逆襲”ッ!!
が
始まるハズだった…ッ!!
ッ
ッ
ド”ッ”ッッ ゴ ォ ォ ォオ”オ”オ”オ”ーー ー ー
ッ
ッ
ーー ー オ”オ”オオオ オ オ オ” オ” オ”
ッ
ッ
オウウ”ウ ウ” ウ ウ” ウ ウウ”ウ”ー ー ーー
ッ
ッ
ーー ー オンオンオン オ ン オ” オ オ” オ” ン” !” !” ! ”
ッ
ッ
ド”ッ”ッ”ッッパァァァアア”ア”アア”アア”アア ア ア ア ア ア ア” ア” ア” ン” ン” !” ! ”
ー 『崩拳』のクリーンヒット!!
ー 薄皮めいたギリギリのタイミングも…!
“右足”に直撃した『崩拳』の前には無力であったッ!!
ー 『花巻修斗』の“右足”…!!
バチバチバチバチ…!!
ー 『花巻修斗』の“右足”と“右脚ふともも”まで砕き散らし…!!
最早…!成す術(すべ)は無くなった…ッ!!
・
・
・
・
・
・
・
三筒ッ!
「…~~ッ!!」
三筒は激痛の中…ッ!!
グ
イ
逆立ちで立ち上がるもッ!!
その状況下何が出来るッ!!
それでもまだ勝利を望むッ!!
空手家(闘士)のサガよッ!!
ッ
孫ッ!!
「御免(ごめん)ッ!!」
ドッッッッパァァァアアアアアアアアアア!!!
『花巻修斗』にトドメの崩拳を叩き込むッ!!
『花巻修斗』は…ッ!
大きく“破損”をし。
最早“動かない”…。
これにて『勝負あり』ッ!!
ドォォオ オ オ オ オ オ ン ! !
銅鑼(どら)が鳴り響く!!
孫はッ!
「三筒…ッ。」
「アンタ、今まで戦って来タ、漢の中で一番強かっタよ。」
そう言うと。
闘技場を後にした。
・
・
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・
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・
・
・
・
・
ORGOGLIO最大トーナメント 準々決勝・第四試合
『孫 秀炎(スン シウヤン)』
元白華鳳凰拳
乗機『千功者(せんこうしゃ)』
VS
『三筒 平城(みつつ へいじょう)』
南辰館空手
乗機『花巻修斗(はなまきしゅうと)』
勝者:『孫 秀炎(スン シウヤン)』
ーーーーーー