ウルトラマサイ 第7話
【南部アフリカ・アムステラ基地】
(ベンベベベベベンベベン、ベンベベンベンベンベベン)
「かげになったまちーで」
(ベベンベ)
「じかんだけがすすーむ」
(ベベンベン)
「かげになったまちーで」
(ベベンベ)
「じかんだけがすすーむ」
(ベベンベン)
「グーチェ、腕の怪我はもう治った?」
「ああ、心配かけたね」
「えー、それではただいまより作戦名『ギガント破壊しねえ』を開始します」
「きみはつくりわらーい」
「ミュー、会議始まるから歌ストップね。フォヨンも三味線しまって」
「あい」
「…」
「ああ、心配かけたね」
「えー、それではただいまより作戦名『ギガント破壊しねえ』を開始します」
「きみはつくりわらーい」
「ミュー、会議始まるから歌ストップね。フォヨンも三味線しまって」
「あい」
「…」
ミーティングルームに響くはリノア隊リーダー、『魔性』リノアの声。
ついに、彼らの行うべき作戦の全容が語られる。
ついに、彼らの行うべき作戦の全容が語られる。
「それではまず、皆さんに昨日渡した冊子を開いて下さい」
リノア隊の面々がリノアに習い次々と冊子を取り出し開く。約一名を除いて。
「せんせー、冊子部屋に忘れてきたので取りに行っていいですかー?」
「…近くの人に見せてもらいなさい」
「はーい、フォヨンみーせーてー」
「…近くの人に見せてもらいなさい」
「はーい、フォヨンみーせーてー」
全員冊子を見た所で今度こそミーティングが始まる。
リノアはここに集まる精鋭たちには説明しなくても大丈夫だろうと思いつつも
ホワイトボードにスケジュールを書き込みながら話始める。
リノアはここに集まる精鋭たちには説明しなくても大丈夫だろうと思いつつも
ホワイトボードにスケジュールを書き込みながら話始める。
「基本的な事は昨日までに話した通り、その冊子に書いた通りに動いて貰えれば大丈夫です。
念を押して言っておきますが、ギガントを相手にするチームはもちろん、新兵を相手する
3人も決して油断しないように」
念を押して言っておきますが、ギガントを相手にするチームはもちろん、新兵を相手する
3人も決して油断しないように」
どうやら、この6人は3人ずつに別れて作戦を行うようである。
それではここで彼女の作った冊子をこれを読んでる皆様に紹介するとしよう。
それではここで彼女の作った冊子をこれを読んでる皆様に紹介するとしよう。
『ギガント破壊しねえ』全容 提案者:リノア隊隊長リノア
作戦目的:現在レゼルヴェに集められているパイロット候補を一斉に討ち取り
相手の士気を奪う。レゼルヴェを支えるのは国民の高い士気とギガント、
その内の片方を可能な限り削ぐ事で以降の南アフリカでの作戦を有利に進めることを目的とする。
相手の士気を奪う。レゼルヴェを支えるのは国民の高い士気とギガント、
その内の片方を可能な限り削ぐ事で以降の南アフリカでの作戦を有利に進めることを目的とする。
注意事項1:ギガントを倒すのはあくまでも南アフリカ基地の者でなくてはならない。
ギガントの相手をする3人は自己の生還を優先し、時間稼ぎに留めること。
ギガントの相手をする3人は自己の生還を優先し、時間稼ぎに留めること。
注意事項2:この度の作戦の相手はそのほとんどが素人に毛が生えた新兵か昨日まで
パイロットですらなかった者達になる。相手が軍人である以上はアムステラ騎士道に背く行為ではないが
グレーゾーンであるのでロイヤルナイツ機以外での出撃をすること。
パイロットですらなかった者達になる。相手が軍人である以上はアムステラ騎士道に背く行為ではないが
グレーゾーンであるのでロイヤルナイツ機以外での出撃をすること。
注意事項3:ティニークは作戦中『マスクド・サンキスト“パラディン”』として振る舞うこと。
スケジュール
①レゼルヴェのパイロット試験終了を協力者から報告され次第、
リノア・グーチェ・ティニーク(偽マスクドパラディン)の3名がギガントとの戦いに出向きおびき寄せる。
①レゼルヴェのパイロット試験終了を協力者から報告され次第、
リノア・グーチェ・ティニーク(偽マスクドパラディン)の3名がギガントとの戦いに出向きおびき寄せる。
②サスーケ・ミュー・フォヨンの3名はギガントが出ていったのを確認したら
逆方向から首都を襲い、迎撃に来るであろう新兵を可能な限り撃破する。
相手に刃向かう気を起こさせない程の恐怖を与えてやる事。
逆方向から首都を襲い、迎撃に来るであろう新兵を可能な限り撃破する。
相手に刃向かう気を起こさせない程の恐怖を与えてやる事。
③ギガントが作戦に気付き反転したらすぐさま全員撤退。
帰還後今までお世話になったアフリカ基地の皆さんにお礼を言い、次の勤務地へ。
帰還後今までお世話になったアフリカ基地の皆さんにお礼を言い、次の勤務地へ。
「質問は別にないわよね」
「ハイ、質問です」
「どうぞ、ティニーク」
「ハイ、質問です」
「どうぞ、ティニーク」
ティニークは挙手と同時に机の上に灰色のマスクを置いて言った。
「昨日冊子と一緒に渡されたこの雑巾みたいな色のマスク、やっぱ被らなきゃ駄目かな?」
「駄目、過去のデータを見た結果の判断よ。耐撃の百文字を確実におびき寄せかつ
出撃時に無駄にやかましくても陽動と怪しまれないベストがサンキスト一族の名を使う事。
マスクも被らず叫ぼうものなら、声で覆面レスラーじゃないって気づかれるじゃない」
「なるほど、そこは納得出来たよ。でもさ…」
「まだ何かあるの?」
「駄目、過去のデータを見た結果の判断よ。耐撃の百文字を確実におびき寄せかつ
出撃時に無駄にやかましくても陽動と怪しまれないベストがサンキスト一族の名を使う事。
マスクも被らず叫ぼうものなら、声で覆面レスラーじゃないって気づかれるじゃない」
「なるほど、そこは納得出来たよ。でもさ…」
「まだ何かあるの?」
ティニークは冊子をめくり、自分がこの作戦で乗る事になった機体の出ているページを指さす。
機体名『地王』。パラディンが最近完成させた打倒百文字の為の機体なのだが、
それはティニークが知るサンキスト一族の愛機とはあらゆる意味で違っていた。
機体名『地王』。パラディンが最近完成させた打倒百文字の為の機体なのだが、
それはティニークが知るサンキスト一族の愛機とはあらゆる意味で違っていた。
「リノアがブラッククロスから借りてきたこの機体、足が無いよね」
「無いわね。移動はキャタピラで行うみたい」
「カポエイラキックできないよね」
「主武器は両肩部分のミサイルと書いてあるわ」
「そうか、肩部分かー、でもこれ肩というか腕もないよね」
「無いわね。移動はキャタピラで行うみたい」
「カポエイラキックできないよね」
「主武器は両肩部分のミサイルと書いてあるわ」
「そうか、肩部分かー、でもこれ肩というか腕もないよね」
ダンボール箱を床に置いた図を想像して欲しい。
地王という機体は概ねそういう形と色をしていた。しかもご丁寧に中央には『みかん』の文字が入っている。
黄土色の重装甲で固められ、高さ13m前後横幅45mという従来の人型とはタテヨコの比率が逆になった異形。
足も腕もなく、移動はキャタピラで行い攻撃手段はミサイルと体当たり。
移動する要塞とも言うべきそれは、他に例を見ない機体。
サンキスト一族の戦術とは完全にミスマッチなものだった。
地王という機体は概ねそういう形と色をしていた。しかもご丁寧に中央には『みかん』の文字が入っている。
黄土色の重装甲で固められ、高さ13m前後横幅45mという従来の人型とはタテヨコの比率が逆になった異形。
足も腕もなく、移動はキャタピラで行い攻撃手段はミサイルと体当たり。
移動する要塞とも言うべきそれは、他に例を見ない機体。
サンキスト一族の戦術とは完全にミスマッチなものだった。
「これのどこがサンキスト一族の専用機なんだよ!」
「大丈夫よ、機体の真ん中にみかんマークが付いてるじゃない。
それに、カポエイラ出来ないティニークでもこの機体ならサンキスト一族とごまかせるわ」
「た、確かに僕はカポエイラなんて出来ないけどさ、リノアが知り合った人って
本当にサンキストだったのかい?」
「うーん…」
「大丈夫よ、機体の真ん中にみかんマークが付いてるじゃない。
それに、カポエイラ出来ないティニークでもこの機体ならサンキスト一族とごまかせるわ」
「た、確かに僕はカポエイラなんて出来ないけどさ、リノアが知り合った人って
本当にサンキストだったのかい?」
「うーん…」
リノアはシンガポールで知り合った、あのサンキストを思い出す。
言われてみれば彼にはサンキスト一族として不自然な点がいくつもあった。
カポエイラを捨て空手を学んでいた事もそうだし、今回リノアがアフリカに行くのを知り
地王を貸すことやスパイとしてレゼルヴェのパイロット受験者に混じり進行状況を伝達する
役目を名乗り出た事もよく考えるとおかしい。
言われてみれば彼にはサンキスト一族として不自然な点がいくつもあった。
カポエイラを捨て空手を学んでいた事もそうだし、今回リノアがアフリカに行くのを知り
地王を貸すことやスパイとしてレゼルヴェのパイロット受験者に混じり進行状況を伝達する
役目を名乗り出た事もよく考えるとおかしい。
彼ら一族は自らの手で百文字と決着を付けようとするはずではなかったのか?
リノアは偽名を使い変装してレゼルヴェの試験を受けている彼の事を何も知らない事に今更ながら気づいた。
リノアは偽名を使い変装してレゼルヴェの試験を受けている彼の事を何も知らない事に今更ながら気づいた。
◇◇◇
【コマンタレヴ・シティホテル】
順調に一次試験を突破したムチャウとルームメイト達。
とはいえ遅刻寸前だった事を反省し、二次試験に向けて寝坊しない様に早く寝たほうが良いのだが―。
とはいえ遅刻寸前だった事を反省し、二次試験に向けて寝坊しない様に早く寝たほうが良いのだが―。
「番組表見てみなよブブラカ、テニプリが8時間ぶっとおしでやってるぞ」
「なにっ、それは見なくては」
「おーまーえーら!また寝坊するぞ!」
「なにっ、それは見なくては」
「おーまーえーら!また寝坊するぞ!」
ゴシュ!ゴシュ!
ウォルテガ必殺バイキングヘルム頭突きがTVのリモコンに手を伸ばすバッドとブブラカを打ち据える。
ウォルテガ必殺バイキングヘルム頭突きがTVのリモコンに手を伸ばすバッドとブブラカを打ち据える。
「いい加減にせんか、8時間後はもう朝じゃろが。せめて5時間半は寝ておけ」
「じゃ、じゃあ、俺とバッドとジュダ三人で交代で2時間半ずつ見る」
「勝手に頭数に加えるなみょん」
「そこまでして観たいのか…テニプリというのを」
「俺、クスリ抜けるまで、家にいる間ずっと、TVでテニプリ見ていた。
パイロットになろう、思ったのも、テニプリがキッカケ」
「そうそう、テニプリは男のアニメよ!ひょっとしたら明日の試験もテニプリのおかげで合格ってな展開に」
「なるかい!どんなアニメじゃい!」
「じゃ、じゃあ、俺とバッドとジュダ三人で交代で2時間半ずつ見る」
「勝手に頭数に加えるなみょん」
「そこまでして観たいのか…テニプリというのを」
「俺、クスリ抜けるまで、家にいる間ずっと、TVでテニプリ見ていた。
パイロットになろう、思ったのも、テニプリがキッカケ」
「そうそう、テニプリは男のアニメよ!ひょっとしたら明日の試験もテニプリのおかげで合格ってな展開に」
「なるかい!どんなアニメじゃい!」
三人に頭突きしながらウォルテガが吠える。
「そういや、ムチャウの奴はどこに行ったかの?」
頭突きのターゲットが足りない事でムチャウの不在に気づく。
「あいつなら1階の大浴場だぜ。頭が蒸れてきたから広い場所で洗いたいって言っていた」
「確かにあのモヒカンじゃからのー」
「確かにあのモヒカンじゃからのー」
納得しながら、ウォルテガは自分も兜の下をボリボリ掻きながら言う。
「ワシも下の風呂行ってくるわ。お前らちゃんと5時間は寝ておけよ」
ジュダとバッドはベッドに入り就寝。
ブブラカはベッドに正座し音量を絞ったヘッドホンでアニメのOPを聞く。
ブブラカはベッドに正座し音量を絞ったヘッドホンでアニメのOPを聞く。
『ゴーゴー!リョーマ!ツイストビームで敵を撃て!ヘイ!』
『殺せ敵を、瞬間移動だリョーマ!』
『殺せ敵を、瞬間移動だリョーマ!』
テニヌ部のプリプリ野郎、略してテニプリはアムステラ戦争の10年前にアニメ化した、
にったしげる(通称たしげ先生)のライトノベルである。
にったしげる(通称たしげ先生)のライトノベルである。
立春中学に入学したスポーツ少年越後仁王が部活希望用紙に『テニヌ部』と書いてしまった事から
物語は始まる。立春中学にはテニス似たコートとラケットとボールを使ってバトルするテニヌ部と
いう部活が実在し、越後はそこに勘違いから入部させられてしまう。
嫌々ながら始めたテニヌだったがいつしか先輩達との友情に目覚め、ついには世界大会や宇宙大会で
中心人物となり活躍するまでが描かれている。
物語は始まる。立春中学にはテニス似たコートとラケットとボールを使ってバトルするテニヌ部と
いう部活が実在し、越後はそこに勘違いから入部させられてしまう。
嫌々ながら始めたテニヌだったがいつしか先輩達との友情に目覚め、ついには世界大会や宇宙大会で
中心人物となり活躍するまでが描かれている。
「おーい、戻ったぞ。お前ら、本当にアニメみとるのか」
「あ、ウォルテガさんとムチャウ、お風呂上がった」
「あ、ウォルテガさんとムチャウ、お風呂上がった」
8時間ぶっ通しアニメの最初の30分、第一話スペシャル版が終わった所で頭から湯気を上げながら
二人が帰還。まだ、髪が乾いてないのか二人とも兜とモヒカンをそれぞれ小脇に抱えている。
二人が帰還。まだ、髪が乾いてないのか二人とも兜とモヒカンをそれぞれ小脇に抱えている。
「何で主人公の名前は越後仁王なのにリョーマって呼ばれてるんだ?」
左手に持ったモヒカンをドライヤーで乾かしながら、ヘッドホンを片方借りてアニメの音を
聞かせてもらったムチャウは疑問を口にする。
聞かせてもらったムチャウは疑問を口にする。
「越後は、たまに語尾に『~ぜよ』って付ける。坂本竜馬からリョーマ。『~プリ』ともいう、
だから、テニプリ(テニヌ部のプリプリ野郎の略)というあだ名もある」
「なるほどなー」
「お前らー、2時間したらちゃんと寝るんじゃよー」
だから、テニプリ(テニヌ部のプリプリ野郎の略)というあだ名もある」
「なるほどなー」
「お前らー、2時間したらちゃんと寝るんじゃよー」
アニメに興味無いウォルテガはベッドに入りながら携帯でメールを打ち出す。
(明日は二次試験、概ね問題はない。多分3つめの試験が最終試験になりそうだから
終わるのは明日夕方か明後日昼…と)
「誰にメールしてるんだ?」
終わるのは明日夕方か明後日昼…と)
「誰にメールしてるんだ?」
メールを送信する前に本文を確認していると横からアニメ見ていたハズのムチャウの顔がぬっと現れる。
「…!!なんじゃ、びっくりさせおって。テレビみとったんじゃないのか」
「内容が分からないから寝る。そのメールは誰に送るんだ?」
「家族じゃよ、家族にメールしとった。というか、お前メールとか分かるのか」
「マサイの戦士の仕事には旅行者の案内や密猟ハンターの追跡もある。携帯が普及して
連絡が凄く便利になったぞ。月末の視力検査で両目4.0以下だった奴は携帯取り上げられるけどな」
「…ブハハッ」
「内容が分からないから寝る。そのメールは誰に送るんだ?」
「家族じゃよ、家族にメールしとった。というか、お前メールとか分かるのか」
「マサイの戦士の仕事には旅行者の案内や密猟ハンターの追跡もある。携帯が普及して
連絡が凄く便利になったぞ。月末の視力検査で両目4.0以下だった奴は携帯取り上げられるけどな」
「…ブハハッ」
毎月視力検査の為に一列に並ぶマサイの戦士達を想像し、ウォルテガは思わず吹き出す。
その後、ムチャウが槍とモヒカン以外持たずにここまで来た話を思い出した。
こんな事いう彼自身が携帯を持っていないではないか。
その後、ムチャウが槍とモヒカン以外持たずにここまで来た話を思い出した。
こんな事いう彼自身が携帯を持っていないではないか。
「そんじゃあ、何でお前は携帯もってないんじゃい。視力落ちたか?」
「俺は一族の伝統を引き継ぐものだ。マサイに伝わるあの槍を手にする事が許されたが、
他の皆の様に外部からの利器に触れる事は許されなかった。それから、俺の視力は検査機械では
計測不能だった。多分15.0は確実に超えていると思う」
「そうか」
「…」
「…」
「俺は一族の伝統を引き継ぐものだ。マサイに伝わるあの槍を手にする事が許されたが、
他の皆の様に外部からの利器に触れる事は許されなかった。それから、俺の視力は検査機械では
計測不能だった。多分15.0は確実に超えていると思う」
「そうか」
「…」
「…」
互いにこれ以上話す事が無く、「おやすみ」と言いムチャウ達は眠りについた。
【7時間30分後】
『越後よ、お前は立春の人柱となれ!』『…はい!!』
ウォルテガが目を覚ますと第一部ラストの名シーン、五感を失う難病を治療し全国大会前に
ドイツから帰って来た部長、国風サナトリウムが戦力外レベルだった越後に捨ての大将を
命じ覚悟を決めた越後が応えるシーンが流れていた。(無論、ウォルテガには何がいいのか分からない)
TVの前にはヘッドホンを付け泣きながら聞き入るジュダ。ブブラカとバッドはベッドから
頭を出し、目を擦りながらTVへと寄っていく。
どうやら、本当に3人で交代して眠りながら見ていたようだ。
睡眠不足が気になったが朝起きれないよりはマシと思っていたまさにその時だった。
ドイツから帰って来た部長、国風サナトリウムが戦力外レベルだった越後に捨ての大将を
命じ覚悟を決めた越後が応えるシーンが流れていた。(無論、ウォルテガには何がいいのか分からない)
TVの前にはヘッドホンを付け泣きながら聞き入るジュダ。ブブラカとバッドはベッドから
頭を出し、目を擦りながらTVへと寄っていく。
どうやら、本当に3人で交代して眠りながら見ていたようだ。
睡眠不足が気になったが朝起きれないよりはマシと思っていたまさにその時だった。
(おっはー!二次試験の連絡っす。二次試験はホテルの外でやりますので、
今から20分後、各自トイレでンコするなり合格を神様にバクシーシするなりしてから
入口に集合、ヨロシクぅ!)
今から20分後、各自トイレでンコするなり合格を神様にバクシーシするなりしてから
入口に集合、ヨロシクぅ!)
昨日と違い、やたら軽そうな若者のアナウンスが流れる。
今度は全員既に起床しており遅刻の心配は無いだろう。
ジュダは二人にTVで見ていた内容を語りながら、ブブラカとバッドは聞きながら着替え、
ウォルテガがメールをしている横でムチャウはモヒカンをブラシで整えてから頭に被る。
目が点になるブブラカ・バッド・ジュダの三名。
今度は全員既に起床しており遅刻の心配は無いだろう。
ジュダは二人にTVで見ていた内容を語りながら、ブブラカとバッドは聞きながら着替え、
ウォルテガがメールをしている横でムチャウはモヒカンをブラシで整えてから頭に被る。
目が点になるブブラカ・バッド・ジュダの三名。
「「「それズラだったのかよー!!!」」」
「昨日戻って来たときに気付かなかったのかよー!」
「ツッコミが遅いわお前らー!」
「昨日戻って来たときに気付かなかったのかよー!」
「ツッコミが遅いわお前らー!」
アニメに夢中過ぎてスルーしていた三人。
あえてスルーしていたと思っていたムチャウ。
風呂場でリンスインシャンプーの使い方が分からず苦戦していたムチャウの本当の髪型を見たとき
心底驚いたが、風呂上がりにブブラカがノーリアクションだったので面接前に知っていたと思っていたウォルテガ。
5者5様の驚きを見せる。
あえてスルーしていたと思っていたムチャウ。
風呂場でリンスインシャンプーの使い方が分からず苦戦していたムチャウの本当の髪型を見たとき
心底驚いたが、風呂上がりにブブラカがノーリアクションだったので面接前に知っていたと思っていたウォルテガ。
5者5様の驚きを見せる。
「すげーな、そのズラ。すっげー不自然な髪型なのに被ると継ぎ目も見えなくなってるぞ」
バッドがムチャウの頭部をペシペシ叩きながら感嘆する。
「槍と共にマサイの長から頂いたモヒカンだからな。これにも何か不思議な力があるのかも知れない」
「じゃあ、面接の時に槍と一緒に渡せば良かったんじゃ」
「…お前が面接開始と同時にレアカードくれって暴れてたから頭に被ったモヒカンの方はすっかり忘れていた」
「ごめんみょん、てへ」
「じゃあ、面接の時に槍と一緒に渡せば良かったんじゃ」
「…お前が面接開始と同時にレアカードくれって暴れてたから頭に被ったモヒカンの方はすっかり忘れていた」
「ごめんみょん、てへ」
(後15分っすよー、ホテル玄関に来なかった人はそこで失格っす)
「ズラの事はそのへんにしていくぞ、お前ら」
「はーい」
「はーい」
今度は時間に余裕を持って到着した五人は、胸に『アナンド』と名札を付けた背の低い男の誘導に
従い、他の900人弱の参加者と共に外の建物へと向かう。
従い、他の900人弱の参加者と共に外の建物へと向かう。
「ここは…スタジアム(競技場)か?」
ホテルからしばらく歩くと彼らは最近建てられたであろう競技場へとたどり着いた。
中のグラウンドには二次試験の為のものであろうセットがいくつも設置してあるのだが、
そのどれもが奇妙としか言いようが無かった。
中のグラウンドには二次試験の為のものであろうセットがいくつも設置してあるのだが、
そのどれもが奇妙としか言いようが無かった。
人が乗れそうな石が転々と浮いている池。
頂上に巨大なお椀が備え付けられたウォータースライダー。
下に安全ネットが張られた手すりの無い吊り橋。
蜂の巣の如く無数の六角形で構成された迷路。
頂上に巨大なお椀が備え付けられたウォータースライダー。
下に安全ネットが張られた手すりの無い吊り橋。
蜂の巣の如く無数の六角形で構成された迷路。
「なんじゃあこりゃあ…」
「訳がわからない…」
「訳がわからない…」
これらが何なのかすら理解できないでいるウォルテガとムチャウだったが…。
「こ、これって、ひょっとして」
「おう、間違いないぜ」
「知ってる感じがビンビン丸みょん!」
「おう、間違いないぜ」
「知ってる感じがビンビン丸みょん!」
他の三人はこの奇妙なセットが何なのか完全に理解している様だ。
この差異は彼ら5人だけではない。集められた受験生は多くの理解不能者と
一部の理解可能者に二分されていた。
この差異は彼ら5人だけではない。集められた受験生は多くの理解不能者と
一部の理解可能者に二分されていた。
どよ…どよ…、
会場が不安さに包まれているとここまで案内したアナンドがマイクを持って
アナウンスする。
会場が不安さに包まれているとここまで案内したアナンドがマイクを持って
アナウンスする。
「ようこそ二次試験『風雲たしげ城だアヒィ』へ!このテストではレゼルヴェで放送中のアニメの
シーンをヒントにして作ったセットで皆さんのパイロットに必要な適正を判断させて頂くっす!
あ、考案者は俺じゃないんで文句はやめてくださいマジで!!皆さんに攻略してもらう試験内容は
次の通り、カモン、モニター!」
シーンをヒントにして作ったセットで皆さんのパイロットに必要な適正を判断させて頂くっす!
あ、考案者は俺じゃないんで文句はやめてくださいマジで!!皆さんに攻略してもらう試験内容は
次の通り、カモン、モニター!」
アナンドがそう言うとモニターに各セットで見るパイロット適正と試験内容が映し出されていった。
『酒盗池らふてぃー!』:運・脚力・瞬発力テスト。浮石に飛び移りながらゴールを目指す。人が乗ると沈む石もあるので
素早く飛び移る必要がある。
素早く飛び移る必要がある。
『プリプリ野郎昔話・一寸法師編』:被ダメージ時耐久・バランスのテスト。お椀に乗って
ウォータースライダーを転倒せずにゴールする。滑り台から着水する瞬間が最大の難所。
ウォータースライダーを転倒せずにゴールする。滑り台から着水する瞬間が最大の難所。
『ビーチバレーホレホレ大橋』:回避能力・粘り強さテスト。手すりの無い細い吊り橋の上を物資に見立てた
バレーボールを抱えながら進む。テニヌ教師の外見をしたショットマシーンから黒いバレーボールが
発射されるのでそれを避け、あるいは耐えなければならない。
バレーボールを抱えながら進む。テニヌ教師の外見をしたショットマシーンから黒いバレーボールが
発射されるのでそれを避け、あるいは耐えなければならない。
『ダブルスの呼吸』:索敵・度胸・隠密力テスト。他の受験者と二人一組になり片方が迷路の上から
ゴールまでの道を指示し、それに従いもう一人が迷路で待ち受ける敵役から逃げながら脱出する。
ゴールまでの道を指示し、それに従いもう一人が迷路で待ち受ける敵役から逃げながら脱出する。
「では…いーけー!!」
指揮棒を振り上げたアナンドが大きくライトアップされる。
それを合図に900程の受験者が各アトラクションへと突撃した。
皆なんだかんだ言って、レゼルヴェに来ているからにはこういうノリが大好きな奴らだ。
説明が終わる頃には見事に順応していた。
それを合図に900程の受験者が各アトラクションへと突撃した。
皆なんだかんだ言って、レゼルヴェに来ているからにはこういうノリが大好きな奴らだ。
説明が終わる頃には見事に順応していた。
マサイの青年ムチャウ・ザイネン24歳。頭に完全にフィットしていたモヒカンを
渡すのを忘れたいた彼が、試験後レゼルヴェの人にモヒカンを渡しに行くとき、
それがフェミリアの延々と続く無駄な裸踊りの終わりである。果たして
フェミリアは研究室で後何回パンツ一枚でマサイと叫ぶのか、
全ては皆ジュダのせい。ルイヌーヴォーマジ役得。
渡すのを忘れたいた彼が、試験後レゼルヴェの人にモヒカンを渡しに行くとき、
それがフェミリアの延々と続く無駄な裸踊りの終わりである。果たして
フェミリアは研究室で後何回パンツ一枚でマサイと叫ぶのか、
全ては皆ジュダのせい。ルイヌーヴォーマジ役得。