ジェリスヘレム隊員、ヘレム・W/ウォーリア搭乗者、
ファファード・ブラヴドは端的にいうと脳筋である。
正確には学のある脳筋だが、性質としては猪突猛進な面のほうが際立つ。
本質的にはパーティ・プレイに向かない人格だ。
外見上は薄い紅色縁無し眼鏡のせいで、理知的に見えなくもない。
だが、首から下を見れば誰もがそれを否定する。
あまりにも、マチョズム。
目標体重は百十キロと豪語する彼女の肉体は、
まだ目標からは二十キロ以上少ないものの・・・・
あまりにもガチ・ムチに過ぎていた。
ファファード・ブラヴドは端的にいうと脳筋である。
正確には学のある脳筋だが、性質としては猪突猛進な面のほうが際立つ。
本質的にはパーティ・プレイに向かない人格だ。
外見上は薄い紅色縁無し眼鏡のせいで、理知的に見えなくもない。
だが、首から下を見れば誰もがそれを否定する。
あまりにも、マチョズム。
目標体重は百十キロと豪語する彼女の肉体は、
まだ目標からは二十キロ以上少ないものの・・・・
あまりにもガチ・ムチに過ぎていた。
「ふむ、同じ量産機といえど鍛え方が違うな、鍛え方が」
当たり前のようにつぶやくが言葉とは裏腹に、
敵機体、羅甲の装甲は分厚い。
ただし、バランスの取れた機体の中ではだ。
鈍い銀色を下地に、くねくねと文様のように青いラインの走る、
硬度を追求したヘレム・Wと比べるのがそもそも間違っていただけだ。
なまじ造形が球体で、その球体ボディも他機よりも二回りは大きく、
す太い腕がみちみちと生えているさまは、
丸々と太った赤ん坊にゴリラの腕を付けたようにも見える。
見てくれのバランスこそひどいが、
コンセプトとしては一応の及第点を超えていた。
とにかく固く、とにかくヒット・ポイントをずらしやすく、
何よりもテラ・ドライバー・ユニットの関係で機動力を損なわずに済んでいる。
重装甲でありながらも、そして見た目が少し残念ながらも、
羅甲と渡り合える格闘性能があるのは自慢していい点だ。
言ってみれば、ヘヴィ級とライト級の試合といった感じ。
「よっ・・・・と」
羅甲の繰り出す三又槍を肩で弾き返しつつ高周波ブレードを突き刺し、
素早く抜き取りつつ『灰色杖』を叩きつけ振動波を送り込む。
ワン・ツー・パンチの攻撃力は、流石、へヴィ級。
階級違いの戦いというものは、見るも無残な結果しかない。
では、同じライト級の戦いならどうか。
もちろん、機動性と攻撃力の高い機体が勝つにきまっている。
ただし、それは一対一の場合においてでのみで、
集団戦においてはその優位性は下位になる。
常に、弱者はなぶりものだ。
正面から対峙してしまった以上それを覆す方法は、
パイロットの技量でもなければ生半可な戦術でもなく、
友軍の援護と度胸、そしてなによりも、
「ヘレム・Bよりヘレム・W、ヘレム・Aへ。
バックアップを担当する。ゴゥ・フォワード!」
「了解、ユニット全開、突撃する!」
機体の特異性が何よりも大きく影響する。
空中に勢いよく飛び上がったヘレム・Aは、
ブースタを噴かせることもなく、
またワイヤなどを利用したわけでもないのに、
空中でジグザグに変則飛行を始める。
正しくは、変則跳躍。
テラ・ドライバを利用して、
あたかもブースタが搭載されているかのような機動を描く、
ジェリスヘレムの機体すべてが持つ奥の手だ。
もちろん生半可ではないGがパイロットを揺さぶり意識を吹き飛ばそうとするが、
同時に急性興奮剤のようなものをメディカライザから注入されるため、
強制的に覚醒状態を維持させられる。
もちろん多用はパイロットとしての寿命を縮めるが、
若さと無鉄砲さがその危険度を押しのけて使用させている。
その甲斐あってか、全開状態の機体を捉える術は、
機動力に劣る羅甲部隊には至難の業。
空中跳躍と反転を無限に繰り返すヘレム・Aは相手を翻弄し、
同時にヘレム・B/ビショップが援護射撃にと打ち込んだミサイルで隊列は乱される。
MCS、正式名称はマウンテッド・ミサイル・コンバット・システム。
砲搭載ミサイル戦闘システムは、
いわゆる砲台そのものを打ち出す機構と呼んでも差支えない代物で、
射出した後は砲台側が独自のAI判断で射出角度、
砲撃距離、敵ターゲティング、射出タイミングまで自動調整する。
欠点といえば使い捨てにするには少々高価なシステムであることと、
発射タイミングを手動で設定する場合にはマニュアル操作に切り替えなければならないこと。
特にいちいち設定なんてものを戦場の真ん中でしている余裕はないため、
実質オート処理任せになってしまうのは手痛い所だ。
とはいえ対多数戦法においては重宝する機能であり、
かつジェリス・ヘレムの操作能力の低い隊長にとっては、
これ以上ないほどありがたい機能だった。
実際のところ、ヘレム・Bパイロットであるコナン・ハワードは、
ジェリス・ヘレムのパイロットとしての適性能力は低い。
そんな彼がどうして乗っているかといえば、
前線における指揮能力を持つ適任者がいないから、という単純な理由だ。
戦いとは後方指示だけでフォローしきれるものでない。
前線における判断力もバックアップと同じくらい重要な要素だ。
そういった自論を掲げるコナン隊長としては、
自ら敵へと向かうのは自明の理というわけだ。
そういった理由があるため、彼は仕方なしにジェリス・ヘレムに乗る。
もし、彼以上の戦術指揮官が現れれば・・・・
あるいはその時は、彼も後方支援に徹するのかもしれない。
少なくとも、今すぐにそんな人物が現れる傾向はないのだが。
ともかく、隊長が如何に適性能力が低かろうと、
それを補う機能さえあれば問題はないわけで、
MCSはまさにうってつけの武装だったというわけだ。
「チャージ完了、『灰色杖』!超振動波だ!」
そしてバックアップがあるからこそ、
隙の大きな攻撃もたやすく命中させることができる。
『灰色杖』から繰り出される不可視の一撃は、
威力も高く防御も難しいが振動攻撃である以上動き回る敵には効果が半減する。
ただし、無理やりにでも敵の態勢を崩してしまえば・・・・
「よし、タイプ・羅甲の多数撃破確認。
ヒューッ・・・・ほれぼれする自慢の一撃だ」
「言ってろファフ。すぐに逆転してやんよ」
広範囲にわたる攻撃は、敵陣の一角を崩壊させていた。
そして、できた穴に向かって猫のように滑り込むのが、
灰色猫グレイ・パンサーの担当だ。
「ハハハ、遅い遅い遅い!」
いわゆる高性能高機動メタボリック・マシンであるジェリス・ヘレムを、
ぴょんぴょんと、曲芸師のように飛び回らせ敵へ果敢に飛び掛かる。
しかし、殿に控えていた機体は少々厄介な機体だ。
水陸両用機、蒼鱗。
その派生型である、玉鱗。
飛行タイプの羅甲。
そして何よりも、強靭、強固、強烈な盤鱗。
羅甲を除けばどれもこれもが装甲性が一段階向上している。
その中でも際立って高い盤鱗は、
最前衛に立たれると最も厄介な機体。
ならば隊列がそろわないうちの、先制攻撃あるのみ。
ヘレム・Aが、灰色猫が、
摩訶不思議な空中機動を描きながら第一撃をと飛び掛かった。
当たり前のようにつぶやくが言葉とは裏腹に、
敵機体、羅甲の装甲は分厚い。
ただし、バランスの取れた機体の中ではだ。
鈍い銀色を下地に、くねくねと文様のように青いラインの走る、
硬度を追求したヘレム・Wと比べるのがそもそも間違っていただけだ。
なまじ造形が球体で、その球体ボディも他機よりも二回りは大きく、
す太い腕がみちみちと生えているさまは、
丸々と太った赤ん坊にゴリラの腕を付けたようにも見える。
見てくれのバランスこそひどいが、
コンセプトとしては一応の及第点を超えていた。
とにかく固く、とにかくヒット・ポイントをずらしやすく、
何よりもテラ・ドライバー・ユニットの関係で機動力を損なわずに済んでいる。
重装甲でありながらも、そして見た目が少し残念ながらも、
羅甲と渡り合える格闘性能があるのは自慢していい点だ。
言ってみれば、ヘヴィ級とライト級の試合といった感じ。
「よっ・・・・と」
羅甲の繰り出す三又槍を肩で弾き返しつつ高周波ブレードを突き刺し、
素早く抜き取りつつ『灰色杖』を叩きつけ振動波を送り込む。
ワン・ツー・パンチの攻撃力は、流石、へヴィ級。
階級違いの戦いというものは、見るも無残な結果しかない。
では、同じライト級の戦いならどうか。
もちろん、機動性と攻撃力の高い機体が勝つにきまっている。
ただし、それは一対一の場合においてでのみで、
集団戦においてはその優位性は下位になる。
常に、弱者はなぶりものだ。
正面から対峙してしまった以上それを覆す方法は、
パイロットの技量でもなければ生半可な戦術でもなく、
友軍の援護と度胸、そしてなによりも、
「ヘレム・Bよりヘレム・W、ヘレム・Aへ。
バックアップを担当する。ゴゥ・フォワード!」
「了解、ユニット全開、突撃する!」
機体の特異性が何よりも大きく影響する。
空中に勢いよく飛び上がったヘレム・Aは、
ブースタを噴かせることもなく、
またワイヤなどを利用したわけでもないのに、
空中でジグザグに変則飛行を始める。
正しくは、変則跳躍。
テラ・ドライバを利用して、
あたかもブースタが搭載されているかのような機動を描く、
ジェリスヘレムの機体すべてが持つ奥の手だ。
もちろん生半可ではないGがパイロットを揺さぶり意識を吹き飛ばそうとするが、
同時に急性興奮剤のようなものをメディカライザから注入されるため、
強制的に覚醒状態を維持させられる。
もちろん多用はパイロットとしての寿命を縮めるが、
若さと無鉄砲さがその危険度を押しのけて使用させている。
その甲斐あってか、全開状態の機体を捉える術は、
機動力に劣る羅甲部隊には至難の業。
空中跳躍と反転を無限に繰り返すヘレム・Aは相手を翻弄し、
同時にヘレム・B/ビショップが援護射撃にと打ち込んだミサイルで隊列は乱される。
MCS、正式名称はマウンテッド・ミサイル・コンバット・システム。
砲搭載ミサイル戦闘システムは、
いわゆる砲台そのものを打ち出す機構と呼んでも差支えない代物で、
射出した後は砲台側が独自のAI判断で射出角度、
砲撃距離、敵ターゲティング、射出タイミングまで自動調整する。
欠点といえば使い捨てにするには少々高価なシステムであることと、
発射タイミングを手動で設定する場合にはマニュアル操作に切り替えなければならないこと。
特にいちいち設定なんてものを戦場の真ん中でしている余裕はないため、
実質オート処理任せになってしまうのは手痛い所だ。
とはいえ対多数戦法においては重宝する機能であり、
かつジェリス・ヘレムの操作能力の低い隊長にとっては、
これ以上ないほどありがたい機能だった。
実際のところ、ヘレム・Bパイロットであるコナン・ハワードは、
ジェリス・ヘレムのパイロットとしての適性能力は低い。
そんな彼がどうして乗っているかといえば、
前線における指揮能力を持つ適任者がいないから、という単純な理由だ。
戦いとは後方指示だけでフォローしきれるものでない。
前線における判断力もバックアップと同じくらい重要な要素だ。
そういった自論を掲げるコナン隊長としては、
自ら敵へと向かうのは自明の理というわけだ。
そういった理由があるため、彼は仕方なしにジェリス・ヘレムに乗る。
もし、彼以上の戦術指揮官が現れれば・・・・
あるいはその時は、彼も後方支援に徹するのかもしれない。
少なくとも、今すぐにそんな人物が現れる傾向はないのだが。
ともかく、隊長が如何に適性能力が低かろうと、
それを補う機能さえあれば問題はないわけで、
MCSはまさにうってつけの武装だったというわけだ。
「チャージ完了、『灰色杖』!超振動波だ!」
そしてバックアップがあるからこそ、
隙の大きな攻撃もたやすく命中させることができる。
『灰色杖』から繰り出される不可視の一撃は、
威力も高く防御も難しいが振動攻撃である以上動き回る敵には効果が半減する。
ただし、無理やりにでも敵の態勢を崩してしまえば・・・・
「よし、タイプ・羅甲の多数撃破確認。
ヒューッ・・・・ほれぼれする自慢の一撃だ」
「言ってろファフ。すぐに逆転してやんよ」
広範囲にわたる攻撃は、敵陣の一角を崩壊させていた。
そして、できた穴に向かって猫のように滑り込むのが、
灰色猫グレイ・パンサーの担当だ。
「ハハハ、遅い遅い遅い!」
いわゆる高性能高機動メタボリック・マシンであるジェリス・ヘレムを、
ぴょんぴょんと、曲芸師のように飛び回らせ敵へ果敢に飛び掛かる。
しかし、殿に控えていた機体は少々厄介な機体だ。
水陸両用機、蒼鱗。
その派生型である、玉鱗。
飛行タイプの羅甲。
そして何よりも、強靭、強固、強烈な盤鱗。
羅甲を除けばどれもこれもが装甲性が一段階向上している。
その中でも際立って高い盤鱗は、
最前衛に立たれると最も厄介な機体。
ならば隊列がそろわないうちの、先制攻撃あるのみ。
ヘレム・Aが、灰色猫が、
摩訶不思議な空中機動を描きながら第一撃をと飛び掛かった。