オーデッド隊、西へ! その3
~ 回想・作戦の打ち合わせ中 ~
「では、カエデ様? そこの2人以外は強襲隊なんですか?」
「良い指摘じゃが当然違うのぉ、でっさん」
「良い指摘じゃが当然違うのぉ、でっさん」
デサンドールの確認に対し、カエデはチッチッチッと人差し指を振って否定する。
「羅甲部隊へは多分、バケツ頭が率いる部隊が応戦に向かう筈じゃ」
「情報によると単騎でも平気で突っ込んで来る性分らしいが、今回の状況ならまず、部隊も込みじゃろう」
「当然、それに対する伏兵を用意せねばならんからの」
「情報によると単騎でも平気で突っ込んで来る性分らしいが、今回の状況ならまず、部隊も込みじゃろう」
「当然、それに対する伏兵を用意せねばならんからの」
「それから今回、でっさんとザイードには我がカスタマイズした機体に乗って貰うぞよ」
「まず、でっさんの空戦羅甲をステルス管制仕様にしておる。戦闘は無しじゃ」
(仕様の雰囲気としては漫画作品 Thor -Chapter of Gun- 参照。こちらは偵察仕様だけど)
(仕様の雰囲気としては漫画作品 Thor -Chapter of Gun- 参照。こちらは偵察仕様だけど)
「今回は、両戦場の連携を取る為に働いて貰わねばならんからのぉ」
「ただ、済まんがステルス重視で機動性はあるけど装甲が薄いのじゃ。見つかったら即、回避・離脱するのじゃぞ」
「ただ、済まんがステルス重視で機動性はあるけど装甲が薄いのじゃ。見つかったら即、回避・離脱するのじゃぞ」
するとデサンドールから、表情の全く見えないスーツ装備にも関わらずウキウキした雰囲気が放たれる。
「ハァハァ・・・つまり、コート(ステルス)の中身は全裸待機(薄い装甲)って事ですね!」
「フオォォ~ッ! 恐怖と背徳感ですっごく汗かきそう! 」
「フオォォ~ッ! 恐怖と背徳感ですっごく汗かきそう! 」
オーデッド隊は流石に、こういう奇行にも大体慣れては来ているのだが・・・
「これだからアム公・・・とかいう以前の問題だな、コレ」と、ジモンドは天を仰ぐ。
「・・・グレモリー、これは一体?」と、同席していたオブザーバーは怪訝な顔をして隣に居たグレモリーに小声で問う。
「気になさら無くてもえぇかと。平常運転どす」
「平常運転? ・・・そ、そうか」オブザーバーは早々に理解を諦め、この奇行から意識を逸らす。
「気になさら無くてもえぇかと。平常運転どす」
「平常運転? ・・・そ、そうか」オブザーバーは早々に理解を諦め、この奇行から意識を逸らす。
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~ フランス軍基地近く・攻防戦 ~
基地攻防戦は羅甲部隊の優位であった。だが、新たなる戦力の参入で旗色は変わる。
その戦力とは、英雄・シャルル=ド=サンジェルマン中佐が率いるフランス軍最強の機動マシン部隊『蒼雷騎士団』。
その戦力とは、英雄・シャルル=ド=サンジェルマン中佐が率いるフランス軍最強の機動マシン部隊『蒼雷騎士団』。
「 我 輩 の 名 は サ ン ジ ェ ル マ ン !!! シ ャ ル ル ・ ド ・ サ ン ジ ェ ル マ ン !!! 」
混戦状態の戦場に、大音声の名乗りが響く。
「美しき我が祖国を蝕む醜き害獣よ! この『デュランダール』にて討ち滅ぼしてくれようぞ!」
「我が前に立ち塞がる悪漢共には、正義の裁きが下ると知れっ!」
「我が前に立ち塞がる悪漢共には、正義の裁きが下ると知れっ!」
芝居がかった大音声と共に最前線に現れた蒼き騎士。だが、その大仰な言動とは裏腹に、実力は一線級。
運悪く彼の進路上に居た羅甲達はデュランダールの長い腕で薙ぎ払われ、後続の6型達がその間隙から雪崩れ込む。
運悪く彼の進路上に居た羅甲達はデュランダールの長い腕で薙ぎ払われ、後続の6型達がその間隙から雪崩れ込む。
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~ フランス・技術開発教導団所属の旗艦 ~
「・・・これはこれは。流石にあの御仁でも、あの状況で悠長に大見得を切らないだけの理性がありましたか」
「とはいえ、毎回こういう状況になる訳でも無し。そもそも守勢に回るのは望ましく無いですからねぇ・・・やれやれ」
「まぁそれはそれとして、デュランダールの機動性向上の効果は申し分ないですね」
「とはいえ、毎回こういう状況になる訳でも無し。そもそも守勢に回るのは望ましく無いですからねぇ・・・やれやれ」
「まぁそれはそれとして、デュランダールの機動性向上の効果は申し分ないですね」
モニター越しに戦況を見るローランの寸評を苛立たし気に聞いていたベロニカだが、戦況の動きに目を奪われる。
「・・・妙だな。敵の退却が早すぎませんか?」
「確かにそうだね。また諦めの早い・・・いや、違うなこれは。デュランダールを待ち構えて居たのか?」
「確かにそうだね。また諦めの早い・・・いや、違うなこれは。デュランダールを待ち構えて居たのか?」
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~ フランス軍基地近く・撤退戦 ~
先程までの攻勢から一転して、潮が引く様に撤退を始める羅甲軍団。
猛威を振るっていた砲火は『蒼雷騎士団』の足止めをするかの様に炸裂し、その間隙を縫いつつ高速で駆け回る羅甲は
牽制攻撃のチェーンブレイドの一撃を見舞っては離脱を繰り返す。
猛威を振るっていた砲火は『蒼雷騎士団』の足止めをするかの様に炸裂し、その間隙を縫いつつ高速で駆け回る羅甲は
牽制攻撃のチェーンブレイドの一撃を見舞っては離脱を繰り返す。
そして、デュランダールを阻むのは・・・鋼の獣・麟牙。
デュランダールとほぼ同等の体格だが、四足歩行なので体高はデュランダールの腰高程度である。
デュランダールとほぼ同等の体格だが、四足歩行なので体高はデュランダールの腰高程度である。
「私めは獣人種のゾラと申します。サンジェルマン殿には害獣扱いを撤回して頂きましょうか」
「・・・何と。噂には聞いていたが、アムステラ軍には亜人も居るのだな」
「左様。我等獣人種は人の知性と獣の野生を兼ね備えし者。その真髄たる豹牙風風拳を受けて頂こう!」
「ならばお主も、騎士道の真髄をその身にとくと刻むが良い!」
「・・・何と。噂には聞いていたが、アムステラ軍には亜人も居るのだな」
「左様。我等獣人種は人の知性と獣の野生を兼ね備えし者。その真髄たる豹牙風風拳を受けて頂こう!」
「ならばお主も、騎士道の真髄をその身にとくと刻むが良い!」
デュランダールの鋭い鉤爪を持つ両腕が伸び、交互に薙ぎ払い攻撃を繰り出す。
しかし麟牙はそれを機敏に回避。間合いを空けて逆襲の弾丸タックルを試みる。
だが、デュランダールの長い腕が麟牙の眼前に打ち込まれ、突進による強襲を阻む。
しかし麟牙はそれを機敏に回避。間合いを空けて逆襲の弾丸タックルを試みる。
だが、デュランダールの長い腕が麟牙の眼前に打ち込まれ、突進による強襲を阻む。
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~ フランス・技術開発教導団所属の旗艦 ~
「考えたものですね、『獣型』での攻撃とは。あれでは的が低いから有効打を決め難い」
「ましてや『人型』との戦闘に慣れた身では、大分勝手が違うだろうからね」
「しかし、その程度で倒されるほど甘い御仁では無い。それに、そろそろゲバール君達も到着する頃だろう」
「ましてや『人型』との戦闘に慣れた身では、大分勝手が違うだろうからね」
「しかし、その程度で倒されるほど甘い御仁では無い。それに、そろそろゲバール君達も到着する頃だろう」
そう独り言ちたローランがベロニカに向き直る。
「ベロニカ君。シンシア君と一緒にこのポイントに向かってくれたまえ」
「・・・あれっ? あっちの支援じゃ無いんだ」「確かに、こちらにも軍事拠点はありますね。ですが・・・?」
「・・・あれっ? あっちの支援じゃ無いんだ」「確かに、こちらにも軍事拠点はありますね。ですが・・・?」
首を傾げるシンシアとベロニカにローランは答える。
「囮だよ、あの連中は。引き際が良すぎる。僕の予測ではそっちでも迎撃戦が必要になると思うよ」
「ん。判った」「了解! 直ぐに向かいます!」
「ん。判った」「了解! 直ぐに向かいます!」
足早に迎撃に向かう2人を見送り、リリィが尋ねる。
「大佐、私は?」
「あぁ。リリィ君には後からこのポイントへ向かって貰うよ。まぁ、杞憂で済めば良いんだけどね・・・」
「あぁ。リリィ君には後からこのポイントへ向かって貰うよ。まぁ、杞憂で済めば良いんだけどね・・・」
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~ フランス軍基地近く・撤退戦 ~
「獣人種のゾラか・・・中々の好敵手よ!」
サンジェルマンは麟牙を攻めあぐねて居た。
縦横無尽に駆け回る麟牙の動きに対応するには多大な集中力を要する上、戦況にも目を配らなければならないのだから。
縦横無尽に駆け回る麟牙の動きに対応するには多大な集中力を要する上、戦況にも目を配らなければならないのだから。
「だが・・・先日の轍を踏む訳にはいかんからな」
フランダル軍の八旗兵を相手取る間に、部下達を陵鷹に撃破された苦い経験がサンジェルマンを慎重にさせていた。
(とは言え。これはあくまでも本人基準であって、傍から見る分には猪武者のままなのだが)
(とは言え。これはあくまでも本人基準であって、傍から見る分には猪武者のままなのだが)
幸い、戦況は悪くない。『蒼雷騎士団』の参戦後は羅甲部隊を押し返せて居る。
後続のゲバール部隊も参戦すれば形勢は完全に逆転するだろう。
後続のゲバール部隊も参戦すれば形勢は完全に逆転するだろう。
「・・・後背の憂いは無い。ならば『マグ二ートジャグラー』で仕留めてくれよう!」
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~ 回想・作戦の打ち合わせ中 ~
「ほほう。では、私がバケツ頭の相手をすれば良いのですな」
「そうじゃ。お主ならば奴の動きに対応出来るじゃろ」
「そうじゃ。お主ならば奴の動きに対応出来るじゃろ」
そう言いつつ、カエデはゾラの後方へと視線を動かす。
「それでじゃの。切札はお主じゃ・・・んっ? 何を意外そうな顔をしておる?」
「・・・何っ? 自信が無いじゃと? たわけ! お主はこの超天才カエデ・モミジ様が友人と認めておるのじゃぞ!」
「超天才じゃから、友人の力を見極めた上で頼むのじゃ・・・我は超天才じゃから。ここ、重要じゃぞ?」
「・・・何っ? 自信が無いじゃと? たわけ! お主はこの超天才カエデ・モミジ様が友人と認めておるのじゃぞ!」
「超天才じゃから、友人の力を見極めた上で頼むのじゃ・・・我は超天才じゃから。ここ、重要じゃぞ?」
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~ フランス軍基地近く・撤退戦 ~
「これでフィナールだ!」「・・・そろそろで御座いますな」
デュランダールが両腕を高々と掲げると、その多重関節腕が分離。多数の鉄塊と化して宙に浮く。
「 受 け よ 、雷 弾 の 嵐 !!! マ グ 二 ー ト ジ ャ グ ラ ー !!! 」
サンジェルマンの雄叫びと共に、デュランダールの周りで衛星の様に浮いた鉄塊が強烈な磁気を帯びる。
だが、その瞬間! 撤退していた羅甲集団の中から、1機の羅甲が地を這う様なダッシュで飛び出して来た!
だが、その瞬間! 撤退していた羅甲集団の中から、1機の羅甲が地を這う様なダッシュで飛び出して来た!
「ていやあぁぁーっ!」ぽーいっ。ぽーいっ。パパパパッ! パパパパッ!
そしてデュランダール目掛け、両手に持っていた手持ちサイズのコンテナボックスを投げ付ける。
間髪入れず、麟牙がテールガンでそのコンテナを破壊。中身の粉末が飛散し、デュランダールの周囲を覆う。
間髪入れず、麟牙がテールガンでそのコンテナを破壊。中身の粉末が飛散し、デュランダールの周囲を覆う。
直後。デュランダールは炎に包まれた!
「な、何だこれはっ?」と、サンジェルマンは驚く。
炎に包まれた影響で電磁誘導の制御システムがエラーを吐く。これではマグニートジャグラーを放つ事は出来ない。
「影狼隊が使う鉄砂塵に、発火剤を混ぜたものだそうで御座いますな。調合は秘密だとか」と、ゾラは鷹揚に答える。
「磁気は熱に弱い。まぁそちらの手は事前に存じて居りましたのでね。対処させて頂きました」
「磁気は熱に弱い。まぁそちらの手は事前に存じて居りましたのでね。対処させて頂きました」
だが、麟牙が改めて攻撃を仕掛けるよりも先に、デュランダールの両腕は再び結合する。
マグニートジャグラーこそ封じられたが、この位の炎で機能不全になる様な、やわな造りでは無いのだ。
しかし麟牙は踵を返す。何故ならその時、ゲバール率いる増援が到着したからである。
マグニートジャグラーこそ封じられたが、この位の炎で機能不全になる様な、やわな造りでは無いのだ。
しかし麟牙は踵を返す。何故ならその時、ゲバール率いる増援が到着したからである。
「・・・勝負はまたいずれ!」「待ていっ!」ズダーン!
麟牙を追おうとしたデュランダールが直後、派手にすっ転ぶ。
その足首に巻き付いて居たのは鎖鎌の分銅。先程コンテナを投げた羅甲が放った攻撃である。
その足首に巻き付いて居たのは鎖鎌の分銅。先程コンテナを投げた羅甲が放った攻撃である。
「 ぬ っ 、ぬ お っ ?? 」
うつ伏せに倒れたデュランダールが手足をジタバタさせる。
炎の影響に加え、強かに倒れた衝撃で一時的な機能不全に陥った様だ。
炎の影響に加え、強かに倒れた衝撃で一時的な機能不全に陥った様だ。
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~ フランス・技術開発教導団所属の旗艦 ~
「あの男は! 詰めが甘いっ!」ガツンッ!
憤懣やるかたない様子で、ローランはコンソールを叩き、肩を震わせる。
「だが獣型はゲバール君の迎撃戦に向かったから、一先ずは大丈夫か」
「しかし、あんな手でデュランダールを封じるとはね。僕もまだまだ甘いな」
「それにしても、改造羅甲や獣型の亜種をあそこまで活用するとはね。あぁいう路線も考えてみるべきか?」
「しかし、あんな手でデュランダールを封じるとはね。僕もまだまだ甘いな」
「それにしても、改造羅甲や獣型の亜種をあそこまで活用するとはね。あぁいう路線も考えてみるべきか?」
「・・・あのー。お姉様達の方はどうなってるんでしょう?」
ローランの意識が機動マシン/操兵の活用法に向かいかけた所で、リリィが横槍を入れる。
「あぁ、そうですね。索敵結果は?」気を取り直したローランがオペレーターに問う。
「はい。今、高速で移動する未確認機を発見しました! 陸戦機2機・・・いえ、更に2機で計4機と、空戦機1機です!」
「はい。今、高速で移動する未確認機を発見しました! 陸戦機2機・・・いえ、更に2機で計4機と、空戦機1機です!」
「・・・やはり、発見を遅らせる為に小隊で奇襲を仕掛けて来ましたか」
ローランは顎を撫でながら思案する。
「多分、こちらは特機が多いでしょうね。実に興味深い」
「ベロニカ君とシンシア君なら早々後れを取る事は無いでしょうが、警戒は必要でしょう」
「さて、敵の手駒はどういう機体ですかね・・・」
「ベロニカ君とシンシア君なら早々後れを取る事は無いでしょうが、警戒は必要でしょう」
「さて、敵の手駒はどういう機体ですかね・・・」