ヒラニヤプラ
天将地雄の時代における善(白)側の総本山。
前の時代の戦いで荒廃し、 星霊ブシュンヤスタによって再生したが、大転墜によってブシュンヤスタが不義者となったため悪夢が具現化する惑星となった。
ワルフラーンが生まれてブシュンヤスタを討つまでブシュンヤスタが眠る間は悪夢が惑星全土に具現化して民を蹂躙した。
五〇年ほどの周期で訪れる“目覚めの日”は惑星は悪夢から解放され、凪の季節となる。 この凪を伸ばすためにに義者たちは生け贄を差し出していた。
凪の延長は短くて十日、平均して一月、最長でも半年程度しか保たず、生贄たちは心魂体を芯まで凌辱され、原形を留めぬほどにすり潰されて打ち捨てられる。
ワルフラーンによってブシュンヤスタが討ち取られた後は不明。
聖王領ワフマン・ヤシュト
前の聖王領が 絶滅星団によって滅ぼされた後に ウォフ・マナフが移住した辺境惑星。
不義者が生まれない理によって中世の牧歌的な自然環境が構築されている。
龍骸星ザッハーク
魔王の第六位カイホスルーが支配する星。直径は約10万㎞(聖王領の八倍近い大きさ)。
二百年ほど前に カイホスルーが星霊の座を簒奪した星。
かつては龍晶星と呼ばれ、豊かな生命に溢れた星だったがカイホスルーの搾取によって荒廃し、生物の数はかつての5%前後にまで減少した。
不義者が大多数の義者を虐げる圧政と搾取により義者にとっては最悪の環境。
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龍穴 |
星霊となったカイホスルーが定期的に巡る重要地。カイホスルーがそこを訪れれば星の恵みが与えられる。
龍穴は全部で十八ヶ所あり、そこにはオアシスを中心とした都市が建てられカイホスルーの寵姫たちが支配している。
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主星クワルナフ
絶滅星団サウラヴァの主星にしてクワルナフ本人の星体。
大地はクリスタル状の奇妙な柔性を持つ謎の大地が一枚岩のように繋がっている。
空は金、紫、赤や緑などが結合と分離を繰り返して万華鏡のようなマーブル模様を描いている。
大気成分は数百種類の気体が混合しており有毒か判別不能。温度は摂氏で約四〇度で、重力はやや軽い。
大地の上には神殿が建っており、頭足類を逆さまにしたような幾つもの巨柱が捻じれて絡まり合いながら天を目指す形状をしている。
神殿からは無秩序ながらも整然さ、恐ろしさと荘厳、狂気と芸術性を感じさせる。
流血庭園バリガー
魔王の第四位フレデリカが支配する異次元空間。
クワルナフによって滅ぼされる前、聖王領の一部ごと赤子のフレデリカを封印するために 分離の法によって現実世界から切り離された。
完全な封印ではないので「生と死の願望が飽和した」場所と繋がって現れる。
こうした条件を満たさないために 殺人鬼たちの情報は伏せられている。
空葬圏ドゥルジ・ナス
魔王の第五位マシュヤーナが支配する星。ガヨーマルトを中心としたガス状の惑星であり ガヨーマルトが五つの星を貫通してできている。
大気は水素、メタン、ヘリウム、アンモニアで構成されており成分的に真っ当な人類は生存不可能。
陸地になるものがガヨーマルトしかないため、義者は飛行するしかない。人間の場合、飛行の 星霊加護は最低でも二重にかける必要がある。
飛行種の義者は群れを作って交代しながら互いの身体を足場にして羽を休める。
新大陸アルナワーズ
聖王領と龍骸星が物理的に融合した結果として生まれた大地。
星と星の接触面ということから相応に広大な面積を誇る。
もともと存在していなかった領域のため誕生したばかりの火山島にも似た不毛の荒野が広がり、命の営みは存在しない。
一種の国境線であり、善悪の支配も及んでいない中立地帯。
アルナワーズとは、その地を治めるアルマの家名。
特異点
魔王の第二位 ナダレが支配する船。歴代 ナダレの居城で、時代ごとに名前が異なる。
前時代では ヴァーハナ、さらに以前の時代では メルカバーや 天浮舟などと呼ばれており、全て『神の乗騎』を意味する。
常に宇宙のどこかに現れては消えるを繰り返すため ナダレに招かれない限りはたどり着くことはできず、最終決戦の場となる。
黒の七王が ナダレ一人になった際、残った中心人物を ナダレが招き、討たれることで大転墜が発生する。
その際に短い時間だけ特異点は凪の領域と化して大転墜の波が届かない。
元々は"零"の時代の科学技術の結晶で、奇跡や魔術といった超常=曖昧なものでは一切なく数理で生み出されている。
内部は気密性が極めて高く、閉塞的というより選ばれし傑物のみが立ち入りを許されるような貴い雰囲気を醸している。
内装は鋭角的な意匠と流線型の意匠が融合しており、壁や床の材質は不明。これに類する造りは他の何処にも存在せず、作中の者は誰にも説明できない。
内部のモニターには宇宙に存在する全生物を表示できる。
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