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femboy
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概要
femboy(フェムボーイ)とは、主に出生時に男性と割り当てられた人物が、女性的な外見・服装・仕草を積極的に取り入れつつ、自身を男性または男性寄りとして認識する表現・スタイルを指すスラングである。
性的指向やジェンダー・アイデンティティを直接指定するものではなく、主に「表現」に焦点を当てた用語として用いられる。
語源は「feminine(女性的)」と「boy(少年)」の合成語で、1990年代には侮蔑的なニュアンスを伴う用法が見られたが、2000年代以降のインターネット文化では自己表現を示す言葉として肯定的に用いられることも増えた。2010年代後半以降はTikTok、Reddit、Twitter(現X)などを通じて広く知られるようになり、ファッション、ミーム、成人向けコンテンツなど複数の文化圏で使用されている。
日本には類似する概念として「男の娘」が存在する。ただし、femboyと男の娘は成立した文化圏や用法が異なるため、完全な同義語ではない。
また、海外のファーリー文化などとも接点があり、女性的な服装や表現を取り入れた獣人キャラクターが「femboy furry」などと呼ばれることもある。
基本情報
| 項目 | 内容 |
| 名称 | femboy(フェムボーイ) |
| 別表記 | femboi、fem boy |
| 分類 | ジェンダー表現・ファッション・インターネットスラング |
| 成立時期 | 1990年代頃から用例が見られる |
| 主な普及地域 | 英語圏を中心としたインターネット空間 |
| 関連用語 | 男の娘、女装、ケモノ、ファーリー、Boykisser |
詳細
定義
femboyは、伝統的に女性的とされる服装やファッション、仕草などを取り入れた男性または男性寄りの人物を表現する際に用いられることが多い。
代表的なファッションとして、スカート、ニーハイソックス、メイク、オーバーサイズの衣服などが挙げられる。
性的指向とは直接結び付かない用語であり、femboyであることだけを理由として、その人物が男性・女性のどちらを恋愛対象としているかを判断することはできない。
また、femboyは一般的に「トランス女性」と同義ではない。
トランス女性は自身のジェンダー・アイデンティティを女性として認識する人を指すのに対し、femboyは男性または男性寄りのアイデンティティを持ちながら、女性的なジェンダー表現を取り入れる人を指して使われる場合が多い。
ただし、実際の自己認識や用語の使用方法には個人差がある。
日本の「男の娘」との比較
日本の「男の娘」は、主に少女のような外見を持つ男性・少年キャラクターや、そのような表現を指して使われてきたインターネットスラングである。
二次元作品、同人文化、コスプレなどとの結び付きが強い。
femboyと男の娘はしばしば対応する概念として扱われるが、成立した文化圏が異なるためニュアンスにも違いがある。
一般的な創作表現の傾向として、以下のような違いが見られる場合がある。
- 日本の男の娘
–女性・少女と見間違えるような外見を強調する作品が多い。
–「かわいさ」や女性的な完成度を重視する表現が見られる。
–アニメ・漫画・ゲーム・同人文化との関連が強い。
–「かわいさ」や女性的な完成度を重視する表現が見られる。
–アニメ・漫画・ゲーム・同人文化との関連が強い。
- 海外のfemboy
–男性的な身体的特徴をある程度残しながら、女性的なファッションを組み合わせる表現も多い。
–「男性が女性的な格好をしている」というギャップそのものを魅力として扱う場合がある。
–SNS、ミーム、ファッション、ファーリー文化など幅広いインターネット文化と結び付いている。
–「男性が女性的な格好をしている」というギャップそのものを魅力として扱う場合がある。
–SNS、ミーム、ファッション、ファーリー文化など幅広いインターネット文化と結び付いている。
ただし、これらはあくまで創作・コミュニティ上で見られる傾向であり、すべてのfemboyや男の娘に当てはまるわけではない。
ケモノ・ファーリーとの関係
ケモノは、日本の創作文化では動物的な頭部、鼻口部、毛皮、肉球などを持つ擬人化された動物キャラクターを指して使われることがある。
一方、ケモミミは人間を基本とした外見に動物の耳や尻尾などを付加したキャラクターを指す場合が多く、ケモノとは区別されることがある。
英語圏では擬人化された動物キャラクターや、それを中心とした文化圏を「furry(ファーリー)」と呼ぶ。
ファーリーコミュニティではさまざまなジェンダー表現を持つキャラクターが制作されており、女性的なファッションを取り入れた男性キャラクターが「femboy furry」と呼ばれる場合もある。
歴史
初期
femboyという言葉は「feminine」と「boy」を組み合わせた表現である。
1990年代には、伝統的な男性性から外れた男性に対して侮蔑的な意味を込めて使用される例も存在した。
その後、インターネットコミュニティの発達に伴い、女性的な男性が自らのファッションや表現を肯定的に示す言葉として使用する例が増えていった。
2000年代
2000年代にはオンラインコミュニティやインターネット辞書などを通じて用語の認知が拡大した。
日本では同時期に「男の娘」という表現がインターネットや同人文化を中心に広まり、アニメ・漫画・ゲームなどでも女性的な外見を持つ男性キャラクターが注目されるようになった。
『GUILTY GEAR』シリーズのブリジットや、『はぴねす!』の渡良瀬準などは、この時期以降の男の娘文化を語る際に取り上げられることがある。
2010年代
2010年代にはReddit、TwitterなどのSNSを通じてfemboyという言葉がさらに普及した。
特に2010年代後半には、自身のファッションを公開する投稿やミームなどを通じてインターネット上での認知度が上昇した。
「Femboy Hooters」など、femboyを題材としたインターネットミームも登場した。
日本では2010年前後から「男の娘」という言葉が一般のオタク文化でも広く知られるようになり、漫画、アニメ、ゲーム、コスプレなどで関連表現が増加した。
2020年代以降
2020年代にはTikTokなどの短編動画SNSでもfemboy関連の投稿が増加した。
ファッションや自己表現として肯定的に使用される一方、性的対象化や侮蔑的な使用をめぐる議論も存在する。
また、ファーリー文化やインターネットミームとの交差も目立つようになった。
特徴
海外における創作表現
海外のfemboyを題材としたイラストやミームでは、以下のような表現が見られる場合がある。
- 男性的な骨格や体格をある程度残す。
- 女性的な服装とのギャップを強調する。
- 少年らしい表情や雰囲気を残す。
- 「女性に見えること」よりも「女性的な男性」であること自体を特徴として扱う。
ただし、作品や作者によって表現方法は大きく異なる。
日本における創作表現
日本の男の娘を題材とした創作では、以下のような表現が見られる場合がある。
- 少女と見間違えるような顔立ちを強調する。
- 細身など、女性的とされる体型を採用する。
- 「かわいさ」を強く重視する。
- 男性であることが後から判明するギャップを演出として使用する。
こちらも作品による差が大きく、明確な定義が存在するわけではない。
ファッション
femboy文化と関連付けられることの多いファッションには、以下のようなものがある。
- ニーハイソックス
- プリーツスカート
- オーバーサイズパーカー
- チョーカー
- アームウォーマー
- メイク
- 女性向けとして販売されている衣服
ニーハイソックスはインターネット上で「プログラマーソックス」と呼ばれるミームとも関連している。
Boykisserミームとの関連
Boykisserは、白い動物キャラクターを使用したインターネットミームである。
元となったキャラクターはアーティストMauzymiceによって投稿された「Silly Cat」として知られるイラスト・アニメーションに由来する。
その後、
you like kissing boys, don’t you?
などの文章と組み合わせたミームが拡散し、「Boykisser」と呼ばれるようになった。
BoykisserはファーリーコミュニティやLGBTQ関連のインターネットコミュニティなどで広く使用され、派生イラストも多数制作されている。
派生作品ではニーハイソックスなどfemboy文化と関連付けられるファッションを着せられることもあり、femboyとファーリー文化が交差するミームの一例として扱われる場合がある。
ただし、Boykisserそのものがfemboyを意味するわけではない。
評価・反応
femboyという表現については、男性性やファッションの多様性を示すものとして肯定的に捉える意見がある。
特にSNSでは、従来の「男性は男性的な服装をするべき」という固定観念から離れた自己表現として使用されることがある。
一方で、以下のような問題も指摘されている。
- 性的対象化されやすい。
- トランス女性など他のジェンダー表現と混同される場合がある。
- 文脈によっては侮蔑語として使用されることがある。
- 成人向けコンテンツとの関連が強調されすぎる場合がある。
そのため、他人に対してfemboyという言葉を使用する場合には、本人がその呼称を使用しているかどうかなど、文脈への配慮が必要となる。
余談
日本では現代の「男の娘」という言葉が成立する以前から、男性による女性装や、女性的な美少年を扱う文化が存在していた。
歴史・芸能上の例としては、ヤマトタケルの女装説話、中世寺院文化における稚児、歌舞伎の女形などが挙げられる。
ただし、これらを現代のfemboyや男の娘と直接同一視することはできず、それぞれ異なる歴史的・社会的背景を持つ。









