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the 4th drop

bloody bullet




「伶!!」

美鈴が透明な壁を叩く。

「ムダだよ。2cmの特殊強化アクリル板を10枚重ねているんだ。戦車が突っ込んだって、彼は気づかない」

「ーーーッ!」

感情のない声が告げる。
なにが面白いのか、その顔は笑っていた。

「まあそこに座りたまえ」

しぶしぶ趣味の悪いソファに腰をかける。

科学者は笑ったまま、

「何から話そうか。ああ、僕の名前は森本・F・セバスチャン。セバスチャンって呼んでくれ」

と、ムリな注文をしてきた。

「あの、伶は一体…」

「…報告は受けている。ニュースを見たんだろう?彼は死んだんだ」

「なっーーー!?」

「正確には仮死状態に陥っていたわけだがね。」

ワケがわからない。
この男は何を言ってーーー

「簡単に言うとね、彼は生まれ変わったんだよ。そして、もう人間じゃない」

美鈴は言っていることの半分も理解できていなかった。
それでも科学者は口を止めない。

「吸血種になったのさ。血の弾丸によってね」

「き、吸血種…?」

一枚の写真が渡される。
そこに写っているのは、ひどいくせ毛でつなぎを着た男だった。
裏にはbloody bulletと書いてある。

「吸血種は吸血種だよ。人類は世代交代を始めたんだ。彼らは、僕ら旧人類を排除するために創られた。神によって。
 あ、ちなみに血の弾丸っていうのは彼を殺した吸血種のことだから」

説明を受けるほどに美鈴は混乱していく。
男はそんなことを気にしない。

「吸血種は人間離れした身体能力をもつんだけど…
 まあそんなことはどうでもいいか。彼らの中には、異能の力に目覚めている者がいる。
 それと、彼らの血を体内に取り込むことで吸血種になることがある。まるで吸血鬼みたいだろ?」

「そんな話、信じられるわけーーー」

美鈴が声を張り上げたとき、

‘ズゴッ’

という音がした。


壁に目をやると、3mほどにわたって、文字通りズタズタに破壊されていた。

「これは…まさか血のっーー」

‘   ’

音もなく、セバスチャンと名乗った男の体がはぜる。

無数の銃弾をくらったかのように胴体が吹き飛んだ。

腕が落ちる。

脚が崩れる。

そして、
頭が、
美鈴の足元まで転がってきた。

声が出せなかった。

理解が追いつかない。
壊された壁から、一人の男が入ってくる。

その髪はひどいくせ毛で、

その服は使い古したつなぎで、

その顔には見覚えがあって、

その左腕は自らの血で濡れていて、

その存在は、吸血種を証明するものだった。



    ソレは血の弾丸。

   椎葉伶をころした男。



最終更新:2007年09月21日 23:28