F 飲酒
小項目
- 飲酒状況,飲酒の有害性,アルコール依存症への支援
101D27
40歳の男性。飲酒量増加のため妻に説得された来院した。建築会社で現場監督の仕事に従事している。以前から酒好きであったが,3,4年前から,休日の午前中も飲酒するようになった。最近は平日でも朝から飲酒し,仕事に支障をきたすようになった。
対応として適切でないのはどれか。
a 午前中の禁酒を勧める。
b 保健所への相談を勧める。
c 専門医療機関の受診を勧める。
d 本人の飲酒についての考えを聞く。
e 多量飲酒の健康影響について説明する。
× a
○ b
○ c
○ d
○ e
正解 a
診断 アルコール依存症への対応
99C29
46歳の男性。自営業。健康診査で肝障害を指摘され来院した。自覚症状はない。30歳ころからの常習飲酒家で,これまでに酔って妻や子供に暴力を振るったり,飲酒運転で事故を起こしたこともある。最近では,朝から飲酒して仕事をすることが多く,妻が注意すると不機嫌になる。本人は「自分は酒を止めようと思えばすぐに止めることができるので,飲酒についての助言は必要ない」と言う。現在,日本酒 5合/日。身長 162cm,体重 58kg。血圧 148/86mmHg。胸部に異常所見なく,腹部に肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 398万,Hb 13.1g/dl,Ht 40%,白血球 6300,血小板 16万。血清生化学所見:総蛋白 7.9g/dl,アルブミン 3.9g/dl,総コレステロール 288mg/dl,トリグリセライド 220mg/dl,総ビリルビン 0.9mg/dl,AST 84単位,ALT 46単位,γ-GTP 188単位(基準 8~50)。免疫学所見:HBs抗原(-),HCV抗体(-)。腹部超音波検査で肝の輝度の増強と肝腎コントラストの増加とを認める。
この患者への対応で最も重要なのはどれか。
a 家族への暴力行為を厳重に注意する。
b 外来での定期的な肝機能検査を継続させる。
c 内科病棟に一時的に入院させ飲酒の機会を断つ。
d 飲酒による終末期肝硬変の悲惨さを強調する。
e 禁酒を目標にアルコール依存症であることを理解させる。
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 アルコール依存症,アルコール性肝障害,脂肪肝