B 臨床疫学的指標
小項目
- 内的妥当性,外的妥当性,バイアス,交絡因子,アウトカム,信頼区間,NNT(Numeber needed to treat),検査前確率(事前確率),感度,特異度,検査後確率(事後確率),尤度比,ROC曲線
102F9
ある疾患の検査前確率が20%であり,その後の検査結果の尤度比が4の時,検査後確率はどれか。
a 5%
b 20%
c 24%
d 50%
e 80%
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
102H25
60歳の男性。他院で膵癌の疑いがあると言われたため,検査データを持ってセカンドオピニオンを求めて来院した。最近仕事が忙しく,食事が不規則になり,体重も減ってきた。検査データではCA19-9のみ上昇していた。CA19-9の膵癌検出の感度は50%,特異度は75%であり,この患者での膵癌の検査前確率を20%と仮定する。
CA19-9の上昇を考慮した検査後確率はどれか。
a 26%
b 33%
c 40%
d 47%
e 54%
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
101C29
急性上部消化管出血の診断で,上部内視鏡検査の感度は90%,特異度は95%である。
上部内視鏡検査で出血が陽性のときの尤度比はどれか。
a 0.95
b 1.06
c 18
d 90
e 95
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
101C30
関節痛患者の診断について,指導医が「この検査が陰性なら,SLEは考えにくい」と話していた。
a 感度は低い。
b 感度は高い。
c 特異度は高い。
d 特異度は低い。
e 感度と特異度はほぼ等しい。
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
101C31
事前確率が変わると変化するのはどれか。
a 感度
b 特異度
c 適中度
d ROC曲線
e 偽陰性率
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
101D35,101D36
次の文を読み,35,36の問いに答えよ。
58歳の男性。初めての人間ドックのため来院した。
現病歴: 3年前から排尿に時間がかかることがあった。
既往歴: 特記すべきことはない。
現症: 意識は清明。身長 168cm,体重 65kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分,整。血圧 146/78mmHg。胸腹部と四肢とに異常はない。直腸診で前立腺に硬結を触知する。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-),沈渣に異常はない。血液所見:赤血球 420万,Hb 13.8g/dl,Ht 41%,白血球 6200,血小板 23万。血清生化学所見:空腹時血糖 102mg/dl,総蛋白 7.6g/dl,総コレステロール 228mg/dl,AST 58IU/l,ALT 45IU/l。免疫学所見:CRP 0.2mg/dl,AFP 10ng/ml(基準 20以下),CEA 2.0ng/ml(基準 5以下),PSA 3.9ng/ml。
35 この施設の人間ドックの統計によると,過去10年間で50歳以上の男性受診者15000人で前立腺癌と診断された者が450人いた。この統計を検査前確率の算定に用いた。この施設のPSAの基準値は年齢毎に決められ,40~49歳 2.5ng/ml以下,50~59歳 3.5ng/ml以下,60~69歳 4.5ng/ml以下,70~79歳 5.5ng/ml以下である。前立腺癌の検査におけるPSA,直腸診および組合せ検査の感度と特異度とを調べた結果を表に示す。
検査 | 感度 | 特異度 |
PSA増加 | 0.67 | 0.97 |
直腸診異常 | 0.50 | 0.94 |
PSA増加または直腸診異常 | 0.84 | 0.92 |
PSA増加と直腸診異常 | 0.33 | 0.99 |
この患者が前立腺癌である検査後確率はどれか。
a 10%
b 33%
c 50%
d 75%
e 90%
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
36 次に行う特異度が高い検査はどれか。
a 腹部超音波検査
b 腹部造影CT
c 腹部MRI
d ポジトロンエミッション断層撮影〈PET〉
e 針生検
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
100E23
臨床疫学的指標で正しいのはどれか。
a 尤度比から寄与危険度が計算できる。
b 検査後確率は対象集団によって変わらない。
c コホートによる疫学調査にはバイアスが入らない。
d ROC曲線下面積が大きいほど検査の有用性が高い。
e 2つの集団が同等であれば平均値の差の信頼区間の下限は正になる。
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
100E24
検査が陽性のときに病気を有する確率が最も大きいのはどれか。
a 有病率=0.01,感度=0.99,特異度=0.50
b 有病率=0.01,感度=0.50,特異度=0.99
c 有病率=0.01,感度=0.99,特異度=0.99
d 有病率=0.50,感度=0.99,特異度=0.50
e 有病率=0.50,感度=0.50,特異度=0.99
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
100D16
52歳の男性。最近仕事が忙しく,食事が不規則になり,体重も減ってきた。他院で膵癌の疑いがあるといわれたので,検査データを持ってセカンドオピニオンを求めて来院した。CA19-9のみ上昇していた。CA19-9の膵癌検出の感度 50%,特異度 70%であり,この患者での膵癌の検査前確率を20%と仮定する。
CA19-9の上昇を考慮した検査後確率に最も近いのはどれか。
a 25%
b 30%
c 35%
d 40%
e 45%
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
99B26
ある疾患と臨床検査の結果に関する2×2分割表を示す。
検査結果\疾患 | 有 | 無 |
陽性 | a | b |
陰性 | c | d |
陽性適中度の算出式はどれか。
a a/b
b a/c
c a/a+b
d a/a+c
e a/a+b+c+d
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
99C13
45歳の男性。腹痛のため来院した。1週前から上腹部と背部とに強い痛みがあり,食事ができなくなった。20歳ころから1日3合の日本酒をほぼ毎日飲んでいる。意識は清明。身長 165cm,体重 62kg。脈拍 92/分,整。血圧 110/72mmHg。顔面は苦悶様。背中を丸めるような姿勢をしている。腹部聴診では腸雑音が減弱している。心窩部に圧痛を認める。尿所見:蛋白 1+,糖(-),ケトン体 3+,潜血(-)。血液所見:赤血球 442万,Hb 15.1g/dl,白血球 10900,血小板 23万。血清生化学所見:総ビリルビン 3.5mg/dl,AST 33単位,ALT 66単位,アミラーゼ 94単位(基準 37~160),Ca 8.6mg/dl。CRP 23.8 mg/dl。
この患者が急性膵炎である検査前確率を50%としたときの検査後確率はどれか。血清アミラーゼの急性膵炎に対する感度は78%,特異度は88%とする。
a 11%
b 20%
c 28%
d 35%
e 43%
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b