バトルロワイアル - Invented Hell - @ ウィキ

盤上の支配者たち

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kyogokurowa

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B-4、スポーツジム、その屋上

その場所に佇むは、時代錯誤とも言うべき貴族調の衣装を身にまとった一人の男
その顔は般若のごとき形相で、白化粧の顔面に描かれた赤い線は彼の怒りを表すようだ

「――然し、いつ眺めても面妖でおじゃる……」
地図を覗きながら周りを見渡す。今いる場所は『スポーツジム』、ここから近いのは『魔法学園』か『警察署』。どれもこれもこの男には聞き覚えのない名前の建物

男の名はマロロ、炎の呪術士にして、ヤマト八柱将ミカヅチ直属の采配士
そして、『己が友を殺した宿敵オシュトルへの復讐を誓う鬼』である

悪趣味な催しに無理やり呼び出され、少々不愉快ではあったが、オシュトルとその一味がいるというのであれば話は別である
ある意味復讐の機会としては絶好であり、ある意味チャンスを与えてくれたテミスという女には、どうせ殺すにしても感謝の一つぐらいしてもいいとは思っていたところだ
幸いにもミカヅチもおり、彼と合流することが出来たらなある程度は安心だろう。が、それはあくまで合流できた場合での話だ
名簿に載っていた知る名前はほぼオシュトルの仲間ばかり。唯一の例外はミカヅチとヴライであるが、あのヴライが徒党を組む等という事をするとは思えない。最悪、全てを殺し尽くすつもりであるとも考えられる

「――お主もそう思わぬでおじゃるか?」

マロロのその言葉とともに、彼の背後に『瞬間移動』したかのように一人の女性が現れる

「……よく気づきましたね」
「付けられていたのは多少察していたでおじゃるよ。……その妙な術は気になるところでおじゃるがな」

女は、マロロがこのスポーツジムの屋上に行くまでその背後を付けており、文字通り『殺す』機会を伺っていた。だが、彼女の『能力の持続時間』が制限されていたことを把握しておらず、そのちょっとしたミスによってマロロが彼女の存在に僅かばかり気づく事になったのだ

女の名は十六夜咲夜――幻想郷の紅き吸血鬼レミリア・スカーレットに仕えし、紅魔館のメイド長
『時間を操る程度の能力』を持つ、元ハンター

「して、お主はどうするでおじゃるか?」
「―――私としては、ここで一戦交えても構わないとは思っています」

マロロの言葉に反応し、太もものホルスターからナイフを、ポケットから懐中時計を取り出し臨戦態勢を取る。ただでさえお嬢様が『異変』を起こす直前だったというのに、何故か自分だけ呼ばれたというのは不思議極まりない。お嬢様が呼ばれていないだけマシであるが、生憎こんな催しに関わっている暇なんて無い。
もし優勝することでしか元の世界に戻る手段がないのであればそうするまで。どっちにしろ博麗の巫女の名を名簿で確認出来た。最終的にお嬢様の邪魔になるのであればここで無力化してしまうのも手であろう

「……なに、マロとて無用な戦を仕掛ける気なぞ無いでおじゃる」
「……なんですって?」

が、その空気はマロの問いかけによって打ち破られる

「手を組まぬか。名も知らぬ暗殺者。マロとそちの目的が邪魔にならぬのなら、の話でおじゃるが」
「……話ぐらいなら、聞いてもいいわよ……ええと」
「マロロ、マロロでおじゃる」




「なるほどね……友を殺したオシュトルという男への復讐と、その仲間の始末。ね」
「左様。その様子ではマロとお主の目的は食い合わないようでおじゃるな」
「だけど、貴方はまだしもあなたのお仲間さん次第で私も危ないのでは?」
「そこはマロがミカヅチ殿と再開できた時に話しておくでおじゃるよ」
「その『ミカヅチ殿』が受け入れてくれるかどうか、だけどね。……まあいいわ。あなたに従うのはまっぴらごめんだけど、手を組むぐらいなら別に構わないわ。ちゃんとこちらの条件は呑んでくれるのよね?」
「……話がわかるようで助かったでおじゃる。もちろん、そなたの条件も、な」

どの様な結末であろうとお嬢様の邪魔になるであろう博麗の巫女の無力化。この条件を呑ますことでマロロなる胡散臭い男と手を結ぶことを決めた十六夜咲夜
マロロの目的はあくまで復讐、ミカヅチなる男の意図はわからないが、あくまで博麗の巫女の一件が片付くまでの薄氷の心理戦

「世辞は結構、だけど忘れないで。私はあくまでお嬢様に仕えるメイドであり、お嬢様の元へ帰るのが最優先。……約束を反故したならば、貴方が紅く染まることになるわよ?」

元よりお嬢様の元へ戻ることが最優先、博麗の巫女の無力化という条件はあくまで契約と枷だ
おそらく、そういうこと(・・・・・・)はあの男も承知の上だ

「ほうほう、これは恐ろしい眼光おじゃる。まるで戦場でのミカヅチ殿のようでおじゃる」
「御託はいらないわ。―――で、これからどうするのかしらね、采配士?」
「さて、どうするでおじゃるかな、にょほほ……にょほほほ……」
(……全く、油断ならない男、ね。でもどうせ利用できるのなら利用させてもらうわ。精々策士策に溺れないことね、マロロさん?)


完全にして瀟洒な従者と、復讐を望む焔呪の采配鬼

薄氷の同盟、水面下の心理の底に何を見るか


【B-4/スポーツジム屋上/深夜/一日目】
【十六夜咲夜@東方Projectシリーズ】
[状態]:健康
[服装]:いつものメイド服
[装備]:咲夜のナイフ@東方Projectシリーズ、懐中時計@東方Projectシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1つ
[思考]
基本:早くお嬢様の元へ帰る、場合によっては邪魔者は殺害
1:博麗の巫女は今後のことを考えて無力化する
2:マロロに関しては協力する素振りをしながらも探る。最悪約束を反故するようであれば殺す
[備考]
※紅霧異変前からの参戦です
※所持ナイフの最大本数は後続の書き手におまかせします

【マロロ@うたわれるもの3 二人の白皇】
[状態]:オシュトルへの強い憎悪
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:オシュトルとその仲間たちは殺す
1:ミカヅチ殿とは合流したい
2:ヴライには最大限の警戒を
3:十六夜咲夜はいい具合に利用させてもらう。まあ最低限約束(博麗の巫女の無力化の手伝い)には付き合う
[備考]
※少なくともオシュトルと敵対した後からの参戦です


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