――宴会だ。
ふ、ふふ……Tさんの宿題を全部終わらせた今の俺はもはや何も後ろめたいことなどなくこの宴を楽しむことができる!
「学力はともかく、出席が学校側でカウントされてないんだがな」
Tさんがなにかほざいたが聞こえなかった!
そんなわけで俺たちはフィラちゃんに一っ飛びで会場に送ってもらって来ていた。フィラちゃんはこの後将門の挨拶があるとか言って会場の方に先に行っちまっていた。俺たちは、
『あ? めんどくさい。挨拶が終わった辺りで適当に行くわ』
と言って現在ビルの見学中な訳なんだが……。
「西区の廃ビルだって聞いてたけど」
意外に立派な装飾の施された会場だった。
廃ビルでやるとか聞いてたからもっと雑な会場を想像していたんだけどなかなかどうして、見事なもんだった。
「流石は夢子ちゃん率いる≪夢の国≫ってところ?」
「いえ、そんなことないです」
謙遜しつつも嬉しそうな雰囲気が滲みだしている夢子ちゃんを見て微笑ましいなぁと思いつつビル内を少し移動。ビルの二階の一室に割り当てられた部屋の扉を開ける。
「ここもなかなか」
綺麗な部屋だった。
流石に≪夢の国≫戦勝祝いの宴に堂々と出るわけにもいかない夢子ちゃんはここで宴を楽しませてもらうことになっていた。
俺もむやみに都市伝説たちと知り合いになる気もないんでここで夢子ちゃんの壮行会だ。
「ちょっと待っててくれよ~」
「あ、はい」
行ってらっしゃい。と夢子ちゃんに送られていったん部屋を出る。
目指すは、
「飯の第一波!」
気合いを入れて宴の本会場であるホールへと、そこに並ぶ食べ物たちへと歩いて行く。
ホールに出て驚いた。けっこうな数が宴に来てるんだな。普通の人間っぽいのからあからさまにアウトな奴までよりどりみどりだ。この数以上の人間が町であの時戦っていたんだなと思い、びびる。びびるが、
それと食欲とは関係ありませ~んっと。
「さ~って」
飯をいただいて行きますか。
「契約者」
「ん? 何? Tさん」
Tさんに両手に盆を持たせてさて、これから料理を選んでいこうというとき、Tさんに声をかけられた。
Tさんは空の盆を重ねて開けた片手で次々と皿の上の料理を指していき、
「これとそれ、あとそれと……あれもだな。これらの料理は取るな」
言った。
「え? なんで?」
確かにいくつか見た目がアレなのがあるけど、この場にあるってことは食っても大丈夫なんじゃねえのか?
Tさんは首を左右に振り、呆れたように言う。
「とんだ悪食だ」
「あくじき?」
リカちゃんが疑問顔で訊ねる。俺にも謎だ。
Tさんはあぁ、と頷き、
「アレは原料が見た目のまま、ゴキブリだ。あれはミミズが使われてるな、それにあれは――」
あまりにも食欲に響くので途中で口にチャックしてもらった。
「なんでそんなゲテモノ料理があんなに並んでんだよ!? あのチャラい兄ちゃんが食事を主に作ってたんだろ!?」
この数日≪首塚≫の飯を食ってきたが一度たりともゲテモノが出てきたことはなかった。
「誰かが持ち込んだなりなんなりしたんだろう」
「何のために!?」
「それは、食うためだろうなぁ」
「食えるのか!?」
このゲテモノを?
「まあな」
それに、そういうのが好きな都市伝説か人間でもいるんだろう。
そうTさんは言うが、
「信じらんねぇ」
食える奴いるのか……ん?
「そういや、どうしてTさんアレの材料とか分かったの?」
そう言って黒い液体を指す。どうやらGが投入されているらしいが俺にはよく分からねぇ。
Tさんは少し遠い目をして、
「昔は……やんちゃだったんだ」
言った。
「…………」
ふ、ふふ……Tさんの宿題を全部終わらせた今の俺はもはや何も後ろめたいことなどなくこの宴を楽しむことができる!
「学力はともかく、出席が学校側でカウントされてないんだがな」
Tさんがなにかほざいたが聞こえなかった!
そんなわけで俺たちはフィラちゃんに一っ飛びで会場に送ってもらって来ていた。フィラちゃんはこの後将門の挨拶があるとか言って会場の方に先に行っちまっていた。俺たちは、
『あ? めんどくさい。挨拶が終わった辺りで適当に行くわ』
と言って現在ビルの見学中な訳なんだが……。
「西区の廃ビルだって聞いてたけど」
意外に立派な装飾の施された会場だった。
廃ビルでやるとか聞いてたからもっと雑な会場を想像していたんだけどなかなかどうして、見事なもんだった。
「流石は夢子ちゃん率いる≪夢の国≫ってところ?」
「いえ、そんなことないです」
謙遜しつつも嬉しそうな雰囲気が滲みだしている夢子ちゃんを見て微笑ましいなぁと思いつつビル内を少し移動。ビルの二階の一室に割り当てられた部屋の扉を開ける。
「ここもなかなか」
綺麗な部屋だった。
流石に≪夢の国≫戦勝祝いの宴に堂々と出るわけにもいかない夢子ちゃんはここで宴を楽しませてもらうことになっていた。
俺もむやみに都市伝説たちと知り合いになる気もないんでここで夢子ちゃんの壮行会だ。
「ちょっと待っててくれよ~」
「あ、はい」
行ってらっしゃい。と夢子ちゃんに送られていったん部屋を出る。
目指すは、
「飯の第一波!」
気合いを入れて宴の本会場であるホールへと、そこに並ぶ食べ物たちへと歩いて行く。
ホールに出て驚いた。けっこうな数が宴に来てるんだな。普通の人間っぽいのからあからさまにアウトな奴までよりどりみどりだ。この数以上の人間が町であの時戦っていたんだなと思い、びびる。びびるが、
それと食欲とは関係ありませ~んっと。
「さ~って」
飯をいただいて行きますか。
「契約者」
「ん? 何? Tさん」
Tさんに両手に盆を持たせてさて、これから料理を選んでいこうというとき、Tさんに声をかけられた。
Tさんは空の盆を重ねて開けた片手で次々と皿の上の料理を指していき、
「これとそれ、あとそれと……あれもだな。これらの料理は取るな」
言った。
「え? なんで?」
確かにいくつか見た目がアレなのがあるけど、この場にあるってことは食っても大丈夫なんじゃねえのか?
Tさんは首を左右に振り、呆れたように言う。
「とんだ悪食だ」
「あくじき?」
リカちゃんが疑問顔で訊ねる。俺にも謎だ。
Tさんはあぁ、と頷き、
「アレは原料が見た目のまま、ゴキブリだ。あれはミミズが使われてるな、それにあれは――」
あまりにも食欲に響くので途中で口にチャックしてもらった。
「なんでそんなゲテモノ料理があんなに並んでんだよ!? あのチャラい兄ちゃんが食事を主に作ってたんだろ!?」
この数日≪首塚≫の飯を食ってきたが一度たりともゲテモノが出てきたことはなかった。
「誰かが持ち込んだなりなんなりしたんだろう」
「何のために!?」
「それは、食うためだろうなぁ」
「食えるのか!?」
このゲテモノを?
「まあな」
それに、そういうのが好きな都市伝説か人間でもいるんだろう。
そうTさんは言うが、
「信じらんねぇ」
食える奴いるのか……ん?
「そういや、どうしてTさんアレの材料とか分かったの?」
そう言って黒い液体を指す。どうやらGが投入されているらしいが俺にはよく分からねぇ。
Tさんは少し遠い目をして、
「昔は……やんちゃだったんだ」
言った。
「…………」
寺生まれってなんかすげぇっ! 俺はそう思った。