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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-74

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 はらはら、はらはらと
 美しく桜が舞い散る

 学校町 北区 桜の名所にて

「飯ーーーー!」
「うーうー!飯ー!」
「っちょ、こら落ち着け!今、お前らの分取り分けてやるから!」

 この季節には珍しい、日焼けした肌。金色に染めた髪。じゃらじゃらと音を鳴らすたくさんのシルバーアクセサリー
 そんなチャラチャラした外見の青年に、子供が二人、ぺっとしくっついている
 一方の、男の娘に見える子供の方は、青年が持っている重箱を見あげ、じゅるり、涎をたらしている
 ……決して、青年を見て涎をたらしているわけではない、多分

 彼らは、「首塚」の構成員だ
 本日、将門の気まぐれにより、「首塚」のメンバーが集まって花見をする事になったのである
 …まぁ、「首塚」のメンバーといっても、集まったのは側近組が大半
 離れ小島で保護されているメンバーや、将門への謁見が許されていない末端は来ていない
 代わりに、「首塚」に縁のある者が集まっていた

「…にしても、大樹さん、大丈夫なの?一応「組織」のメンバーなのに、「首塚」の宴会に参加して」

 もぐ、と、先ほどから子供に纏わりつかれている青年…翼の作った弁当を食べつつ、「はないちもんめ」の契約者たる大門 望は、傍らに座る黒服D…大門 大樹に、そう尋ねた
 望の問いかけに、大樹は柔らかく微笑み、答える

「えぇ、大丈夫です。「組織」としても、「首塚」と真っ向から対立したくありませんし………将門公の祟りが、強硬派や過激派に働いている最中ですから。穏健派にまで火の粉が降り注がぬように、と言うのもありますから」

 …もっとも、この黒服の場合、同居人である翼と望が「首塚」の構成員である為、たとえ、「組織」から睨まれるような状況になっても、この花見には参加した事だろう
 何せ……

「翼、我にもその料理を少しよこせ」
「あ、はい!将門様……っとと!?」

 将門の元へ向かおうとした翼
 が、「一年生になったら」の契約者たる子供が脚に纏わりついていたせいで、バランスを崩して転びかける
 ぱし、と、将門はその体を受け止めて
 つ、とその腰を抱いて………翼を、間近で見つめる

「す、すみません、将門様」
「なぁに、気にするな。お前のほうから飛び込んできたのだから、逃がす訳が」
「………将門公?」

 にこり、将門に微笑みかける黒服
 …が、実際には、笑っているようで、微妙に笑っていない
 その背後に、一瞬、般若の幻影が見えたのは、誰の目にも明らかだった

 そう
 こう言う事があるからこそ、黒服はこの花見に参加したのだ
 まったく、あの祟り神は、隙がない

 くっく、と黒服の反応に将門は笑い、翼から手を離した
 翼の持っていた重箱から桜餅を二つ摘み上げ、翼を解放する

「ほれ、盟主よ。お前も食べるか?」
「私は普通の食べ物は食べられないと、何度言ったらわかるんですか、この落ち武者。そして、こう言う昼間に街中に出没する時くらいは、鎧を脱ぎなさい」

 不機嫌そうな盟主の言葉にも、将門は笑うだけだ
 何せ、先ほどから…と言うか、翼を抱きとめた時から、花見に参加しているマッドガッサー一味の一人である誠からの強烈な嫉妬殺気を受けながらも、平然としている男である
 他者をからかう楽しみを見つけてしまったこの祟り神、色んな意味で厄介だ

「とりあえず、誠。お前は落ち着け。将門相手に喧嘩だけは売るなよ。俺達としては「アメリカ政府の陰謀論」に目を付けられた時の切り札なんだから」
「…落ち着いてるぞ?俺は。あの祟り神が翼に本格的に手を出さない限りは落ち着いてるぞ?」

 ごごごごごごごごごごごごご 
 マッドガッサーから突っ込み受けつつも、激しく殺気を将門に向け続けている誠 
 新世界の扉を開いたこの青年、元々の気質なのか嫉妬心が強い
 …だからこそ、かつて、悪魔の囁きにとり憑かれ、暴走してしまったとも言える
 そして、その嫉妬心が簡単になくなる訳がなく
 先ほどから、翼と仲良さげな「首塚」メンバーにはわりと嫉妬視線を飛ばしまくっていた
 今も、翼から料理を受け取っている「厨2病」契約者の忠二に、嫉妬視線が突き刺さらん勢いで注がれている

「なー、直希君やったっけ?誠はんのあれ、どうにかならへん?」
「むぅ?………すまない、レディ。僕には無理だ。そもそも、僕は恋をすると言う感覚が、まだよくわからない。よって、誠の嫉妬を止める手段も、よくわからない」

 もぐ、と
 先ほどからノンストップで料理を食べ続けていた直希は、葵の申し出に申し訳無さそうに答えた
 翼と誠の親友であり、一応仮にも時としてストッパーとしての役目も持つ直樹だが、誠の嫉妬を止めるのは不可能らしい
 ………もしかしたら、単にめんどくさいと感じているだけかもしれないが


 桜の名所の一角で
 一体、何の集まりなのか、わかる者にしかわからぬ花見客の集まり
 そこは、どう見てもカタギの集団には見えない一段に負けず劣らず、カオスな光景になっていこうとしているのだった



多分続く



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