人肉料理店とその契約者 06
――北区の山――
「へ~。あのにーちゃん、契約者だったのかー」
「直ぐに行ってしまわれたので、何の都市伝説と契約していたかは解りませんが」
「へ~。あのにーちゃん、契約者だったのかー」
「直ぐに行ってしまわれたので、何の都市伝説と契約していたかは解りませんが」
昨日の事を話しながら歩く二人。
「それにしても、ホントにこんなトコに居んのか?都市伝説」
「えぇ、気配は確かにこちらからしています」
「まぁ、オーナーがそう言うなら…って、なんだありゃあ!?」
「ふむ、あの方々、都市伝説ですよ?」
「マジでっ!?」
「えぇ、気配は確かにこちらからしています」
「まぁ、オーナーがそう言うなら…って、なんだありゃあ!?」
「ふむ、あの方々、都市伝説ですよ?」
「マジでっ!?」
二重に驚く少年。その間にも彼等は近付いてきて……
?「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
?「「「「「「待てぇ~!!!」」」」」」
?「「「「「「待てぇ~!!!」」」」」」
「はっや!?」
「先頭の方は人間のようですが、かなりの速度ですね」
「先頭の方は人間のようですが、かなりの速度ですね」
あっという間に視界から消えていった。
「…なんでだろ?スゲー必死で逃げてんのはわかんだけど、助けちゃダメな気がする」
「あちらの三人も都市伝説のようですよ?聞いてみましょうか」
「あちらの三人も都市伝説のようですよ?聞いてみましょうか」
オーナーが示す方向を見ると、少し離れた位置に人影が見える
「おぉ?都市伝説のバーゲンセールだな。んじゃ早速…」
「大丈夫だとは思いますが、一応警戒は怠らないで下さいね?」
「りょーかいっ!すいませ~んっ!」
「大丈夫だとは思いますが、一応警戒は怠らないで下さいね?」
「りょーかいっ!すいませ~んっ!」
言うが早いか三人組に声をかける。
?「はい?」
少年「えーっと、都市伝説の方ですか?」
?「……なんだ?お前等?」
オーナー「これは失礼、私は都市伝説【人肉料理店】、こちらは少年、契約者です」
少年「あ、人肉料理店っつっても人襲ったりはしないっすよ?」
少年「えーっと、都市伝説の方ですか?」
?「……なんだ?お前等?」
オーナー「これは失礼、私は都市伝説【人肉料理店】、こちらは少年、契約者です」
少年「あ、人肉料理店っつっても人襲ったりはしないっすよ?」
慌てて自己紹介して、敵意が無い事を表わす。わざわざ怒らせる趣味はない。
ハク「あ、これはどうもご丁寧に。私、ハクと申します」
コン「コンだ!」
禿「禿と申します」
少年「ども、少年です。んでちょっと聞きたいんスけど、向こうで走り回ってる人達知ってます?」
ハク「ああ、先頭で走っているのが」コン「私達の契約者だ!」
禿「追っているのは私の契約している都市伝説達ですね。ちなみに私は彼が所属している組織の担当者です」
少年「組織?」
コン「コンだ!」
禿「禿と申します」
少年「ども、少年です。んでちょっと聞きたいんスけど、向こうで走り回ってる人達知ってます?」
ハク「ああ、先頭で走っているのが」コン「私達の契約者だ!」
禿「追っているのは私の契約している都市伝説達ですね。ちなみに私は彼が所属している組織の担当者です」
少年「組織?」
聞き慣れない名前に首を傾げる。傍らのオーナーに尋ねてみると、
オーナー「聞いた事がある、程度の事しか知りませんね」
禿「あなた方は最近学校町に?」
オーナー「ええ、つい先日越して来たばかりです」
禿「あなた方は最近学校町に?」
オーナー「ええ、つい先日越して来たばかりです」
少年「なーなー禿さん、組織ってナニ?」
禿「ついでに、ここ最近に起きた事件も話しておきましょうか。組織とは―――
禿「ついでに、ここ最近に起きた事件も話しておきましょうか。組織とは―――
~~~~説明中~~~~
少年「はへ~。組織に首塚、そんで夢の国、か~。もうちょい早くきてりゃーオレらも戦えたのになー」
オーナー「一足遅かったみたいですね」
オーナー「一足遅かったみたいですね」
自分達の知らぬ間に始まり、終わっていた出来事。驚愕と、少しの悔しさを滲ませる少年。
ハク「いやいや、戦わないに越した事はないですよ。それに女の子なんでs」
少年「 オ レ は 男 だ っ !!」
少年「 オ レ は 男 だ っ !!」
思わず叫ぶ。しかしここは確実に否定しておかなければならない。少年にも男としてのプライドがある。
ハク「ご、ごめんなさ「まあ見た目は殆ど変わってませんが」
少年「ごふぁっ」
少年「ごふぁっ」
にこやかに致命傷を与えるオーナー。少年の男のプライド、ズタズタ。軽く涙目。
禿「男?もしやマッドガッサーの攻撃ですか?」
オーナー「おや、知っていましたか」
禿「はい、先程連絡が受けまして。夢の国の一件でしばらく学校町を離れていた筈なんですが、最近になって仲間を連れて戻って来た、と」
オーナー「ふむ、治療法はご存知で?」
禿「ユニコーンの角を使えば治療は可能ですが、今組織には在庫が無いそうです」
オーナー「おや、知っていましたか」
禿「はい、先程連絡が受けまして。夢の国の一件でしばらく学校町を離れていた筈なんですが、最近になって仲間を連れて戻って来た、と」
オーナー「ふむ、治療法はご存知で?」
禿「ユニコーンの角を使えば治療は可能ですが、今組織には在庫が無いそうです」
未だにオーナーの一言から立ち直れない少年。
少年「…オレは男だ……女の子じゃないんだ…………男なんだよ………」
コン「女体化する前と見た目たいして変わってないって事は、元々女の子っぽかったんじゃなのいか?」
少年「」
少年「」
追い討ち掛けられた上に図星をさされる。御臨終です。
禿「初対面の人間をあまりいじめてはいけませんよ?」
コン「いやいじめてないって」
コン「いやいじめてないって」
流石に見兼ねたのか止めに入る禿さん。
禿「そんなに気にしないで下さい。彼女達は少々悪戯好きですが、悪気は無いんですよ」
少年「……禿さん」
禿「それに男らしさというものは、外見のみで決められるものではありません。内側から滲み出るものも重要なんですよ?」
少年「禿、さん…!ありがとうございますっ……!」ハク・コン「「……なにあれ」」
少年「……禿さん」
禿「それに男らしさというものは、外見のみで決められるものではありません。内側から滲み出るものも重要なんですよ?」
少年「禿、さん…!ありがとうございますっ……!」ハク・コン「「……なにあれ」」
少年の中の禿さん株、うなぎ登りです。
オーナー「所で先程から気になっていたんですが……あなた『エベレストの全裸筋肉男』に似ていますね?」
少年「それはオレも最初に会った時思ったけど、体格全然違うぜ?」
禿「いえ、それは私ですよ?」
少年「…え?でも……」
禿「証拠を見せましょうか?噴ッッ!!」
少年「それはオレも最初に会った時思ったけど、体格全然違うぜ?」
禿「いえ、それは私ですよ?」
少年「…え?でも……」
禿「証拠を見せましょうか?噴ッッ!!」
掛け声と共にピンク色のオーラ吹き出しながら膨れ上がる肉体。2㍍を超えた辺りで膨脹は停まるが、その威圧感は尋常ではない。
禿「これが!私の!!鍛え上げられた鋼鉄の肉体ですっ!!!」
オーナー「なんと…」
コン「…やっちゃったよ」
ハク「ドン引きですね」
禿「これが!私の!!鍛え上げられた鋼鉄の肉体ですっ!!!」
オーナー「なんと…」
コン「…やっちゃったよ」
ハク「ドン引きですね」
そんな中、一人無言の少年。
少年「………!」フルフル
オーナー「どうしました、少年?」
オーナー「どうしました、少年?」
少年「スゲェェェェエェェェェェェェッ!!!!!」
ハクコンオーナー「「「」」」
なぜかいきなりテンションMAX。その勢いのまま禿さんの身体をぺたぺたと触り始める。
少年「スゲーや禿さんっ!!つーかどうなってんのコレ!?なんかでてるし!!!」
禿「これは兄気!厳しい修業の果てに得た、男の中の男の証っ!!」
少年「おぉぉおおぉぉぉっ!!!」
ハクコンオーナー「「「……え~」」」
禿「これは兄気!厳しい修業の果てに得た、男の中の男の証っ!!」
少年「おぉぉおおぉぉぉっ!!!」
ハクコンオーナー「「「……え~」」」
話に着いていけず、取り残される都市伝説達。
しかし事態はそんな三人を置いて進んでいく。
しかし事態はそんな三人を置いて進んでいく。
少年「禿さん!オレを………………オレをっ、弟子にして下さいっっっ!!!!!!」
ハクコンオーナー「「「イヤチョットマテ」」」
少年の凄まじい提案に、思わず突っ込む。そのお陰で我に返ったのか口々に説得を始める。
コン「君、少し落ち着け!?」
ハク「そうですよ!考え直して下さい?まだ間に合いますから!」
オーナー「しょ、少年。初対面の人間相手にそれはちょっと……」
ハク「そうですよ!考え直して下さい?まだ間に合いますから!」
オーナー「しょ、少年。初対面の人間相手にそれはちょっと……」
そんな三人の声が聞こえていないのか、禿さんだけを見つめる少年。
だが……
だが……
禿「…残念だが少年、それはできない」
少年「なんでですか!?オレがこんな姿だからですかっ!?」
禿「少年、外見は問題ではないのだよ。これは私の問題なのだ。私は未だ修業中の身。弟子を取る事は……出来ない」
少年「………そ、そんな………」
禿「だが少年よっ!同じ高みを目指す者同士、共に高め合うことに何の問題は無いっ!!」
少年「………っ!禿さんっ…………ありがとうございます!!」
少年「なんでですか!?オレがこんな姿だからですかっ!?」
禿「少年、外見は問題ではないのだよ。これは私の問題なのだ。私は未だ修業中の身。弟子を取る事は……出来ない」
少年「………そ、そんな………」
禿「だが少年よっ!同じ高みを目指す者同士、共に高め合うことに何の問題は無いっ!!」
少年「………っ!禿さんっ…………ありがとうございます!!」
ハクコンオーナー「「「」」」
がっしりと抱き合う二人。再び置いてけぼりの三人。
そして完全に忘れられているかごめかごめの契約者と兄貴達。
そして完全に忘れられているかごめかごめの契約者と兄貴達。
青年「まだかぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁっ!!???」
兄貴「「「「「「やらないか?」」」」」」
兄貴「「「「「「やらないか?」」」」」」
終