「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-48n

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「元々は男かよ、勿体無い………っつか、ん?また、あのマッドガッサーが出たのか…?」

 厨房で調理を行いつつ、青年は呟く
 先ほどの女性首なしライダー、実際は男だ、と言っていた(と言うか、書いていた)
 …彼が知っている限りで、他人の性別を弄るような都市伝説、以前、彼にとっても大切な存在である黒服を女性の姿に変えたマッドガッサーしか思い当たらない
 「夢の国」の騒動の時、しばらくその存在に付いて何も情報がなかったが、学校町から出ていたのだろうか?
 もしかしたら、「夢の国」を避ける為に避難していて……また、戻ってきたのかもしれない

「…後で伝えとかないとな」

 また、そいつが出たのなら、注意しておかないと
 黒服や将門に、伝えておくべきだろう
 そんな事を考えながらも、彼は手を止めない
 …そろそろ、宴会も終わりの時間が近づいている
 ラーメンのスープの出汁は大体出来たし、チャーシューもどうにかなったから、後は麺を煮込むだけ
 あの花子様とかいう都市伝説は〆に食べると言う事を言っていたから、もう少し後でも大丈夫だろう
 今、彼が作っているのは、Tさんに頼まれた「夢の国」に持たせる日持ちする料理だ

 …「夢の国」に殺されかけた過去がある事は、事実
 しかし、彼女は操られていたのだと…彼女も被害者だったのだと、黒服から聞いている
 だから、いつまでも引きずるつもりはないし、恨むつもりもない
 だから、これくらいはやってやるつもりだ
 多分、向こうは気づいていないだろうが…Tさんと戦った時、自分は彼女の姿を見て恐怖してしまった
 その、詫びも含めている

 …世界中に夢を届ける、か
 まぁ、黒服が大丈夫だ、と言っていたから、大丈夫なんだろう
 あの少女ならきっとできるのだ

 …もし、できないようだったら
 あの黒服が信じたのに、それを裏切るようだったら

「…その時はその時だ」

 今は、信じる
 あの黒服が信じたのだから、自分も信じよう
 将門も、どうやら認めているようだし
 だから、きっと大丈夫なのだ

 なれた手つきで、青年は調理を進めていく

 ふわり、ふわり
 調理場からは、いつまでも食欲を誘う香りが絶えることは無かった





終わる



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