マッドガッサーと愉快な仲間たち・似非関西弁女編 01
「……あー、もう日が落ちると寒いもんやな」
教会の一室に拵えた寝室で、似非関西弁女はベッドから身を起こした
彼女が協力するマッドガッサー一味の主な活動時間帯は、生活に関わる事以外は概ね夜であり睡眠が必要な場合は昼間に寝ている事が多い
それでなくとも彼女は徹夜上等の夜型人間であり、用事が無ければ昼前から夕方に睡眠を取るのだ
目をこすりながら手櫛で適当に髪を整え、欠伸をしながら皆がいる大部屋に向かう
「おはよーさん……って、マッドはんだけかいな」
「飯やら酒やら携帯電話やらの買出しで皆あちこち出払ってるよ。俺は怪しまれなくても昼間は目立つから留守番だ」
鼻をぴすぴす鳴らしてウイスキーを舐めるジャッカロープを撫でるマッドガッサー
「そらまあ、ガスマスクは目立つわなぁ」
そう言われてマッドガッサーは、あからさまに身を竦ませて似非関西弁女との距離を置く
「ん? ああ、もう無理にマスク取ったりせぇへんから。そんな怖がらんでもええやん」
苦笑混じりに言われてやや警戒を解くが、それでも距離は縮めない
「それになー、あの時はいきなりやったからつい笑ってもたけど……マッドはんの顔、嫌いやないで?」
「あれだけ盛大に大爆笑されたら、んな言葉じゃ誤魔化されんっつーの」
「いやいや、ホントやて。それなりに付き合い長い仲間の顔、何度も笑ってられへんよ」
「……素顔を見せたくないってのもあるが、ガスマスクは俺という存在を表す記号の一つみたいなもんだ。そうそう取って良いもんじゃねぇ」
拗ねたようにそっぽを向くマッドガッサーに、似非関西弁女はにへらと笑って後ろから抱きつく
「仲間の言う事は信用するもんやでー。せやったらもっかい素顔見せてみ? もしウチが笑ったら……どんな事でも一つ、言う事聞いたるよ?」
「……どんな事でも?」
「どんな事でも。えっちぃ事でもええで?」
教会の一室に拵えた寝室で、似非関西弁女はベッドから身を起こした
彼女が協力するマッドガッサー一味の主な活動時間帯は、生活に関わる事以外は概ね夜であり睡眠が必要な場合は昼間に寝ている事が多い
それでなくとも彼女は徹夜上等の夜型人間であり、用事が無ければ昼前から夕方に睡眠を取るのだ
目をこすりながら手櫛で適当に髪を整え、欠伸をしながら皆がいる大部屋に向かう
「おはよーさん……って、マッドはんだけかいな」
「飯やら酒やら携帯電話やらの買出しで皆あちこち出払ってるよ。俺は怪しまれなくても昼間は目立つから留守番だ」
鼻をぴすぴす鳴らしてウイスキーを舐めるジャッカロープを撫でるマッドガッサー
「そらまあ、ガスマスクは目立つわなぁ」
そう言われてマッドガッサーは、あからさまに身を竦ませて似非関西弁女との距離を置く
「ん? ああ、もう無理にマスク取ったりせぇへんから。そんな怖がらんでもええやん」
苦笑混じりに言われてやや警戒を解くが、それでも距離は縮めない
「それになー、あの時はいきなりやったからつい笑ってもたけど……マッドはんの顔、嫌いやないで?」
「あれだけ盛大に大爆笑されたら、んな言葉じゃ誤魔化されんっつーの」
「いやいや、ホントやて。それなりに付き合い長い仲間の顔、何度も笑ってられへんよ」
「……素顔を見せたくないってのもあるが、ガスマスクは俺という存在を表す記号の一つみたいなもんだ。そうそう取って良いもんじゃねぇ」
拗ねたようにそっぽを向くマッドガッサーに、似非関西弁女はにへらと笑って後ろから抱きつく
「仲間の言う事は信用するもんやでー。せやったらもっかい素顔見せてみ? もしウチが笑ったら……どんな事でも一つ、言う事聞いたるよ?」
「……どんな事でも?」
「どんな事でも。えっちぃ事でもええで?」
その言葉にマッドガッサーはぴくりと身体を震わせしばし考え込むが
「……仲間は信用してる、確かめんでもいい。あとは……笑われたとしても、仲間相手にそんな事してらんないだろ」
「えー。ちょびっと迷ったくせにー。いけずー」
「そりゃあ俺だってハーレム作るために頑張ってんだからさぁ、迷いもするさ!? でも満願成就のためにはやっぱり仲間は大事にしてかなきゃダメだろ!?」
「変なとこで真面目やな、ホント。まあだからネタ集めのついでとはいえ行動を共にしとるわけやけど」
片隅に積み上げられたガラクタの中にあった鏡を覗き込み、自分の頬をむにむにとつまむ
「それにしても、ウチそんな可愛くないかなー。これでも結構ナンパとかされるねんで?」
「いや何が言いたいんだよ?」
「別にー?」
そう言って、新しく作り直したハリセンと一緒に木刀を手にする
「町の噂やと、夢の国騒動でゴタゴタしとった都市伝説連中も、そろそろ本腰入れてくるみたいやで」
「らしいな。だが俺の野望はこんなところでは潰えんさ!」
「その意気や良し、と言いたいけどな。危なくなったら無理せぇへんようにな。ま――」
割り箸を空中に放り投げると、そのまま木刀を一閃
弾かれる事なく真っ二つに折れた割り箸は、それぞれがくるくると回りながら床に落ちる
「ウチが命張ってきっちり守ったるさかい、安心しとき」
木刀を肩に担ぎ、不敵に微笑む似非関西弁女
「命懸けとか物騒な話するなよ」
「物騒になってきてるんやもん、しゃあないやん……ま、敵の動向を探りつつじわじわと攻めてったるわ」
「……仲間は信用してる、確かめんでもいい。あとは……笑われたとしても、仲間相手にそんな事してらんないだろ」
「えー。ちょびっと迷ったくせにー。いけずー」
「そりゃあ俺だってハーレム作るために頑張ってんだからさぁ、迷いもするさ!? でも満願成就のためにはやっぱり仲間は大事にしてかなきゃダメだろ!?」
「変なとこで真面目やな、ホント。まあだからネタ集めのついでとはいえ行動を共にしとるわけやけど」
片隅に積み上げられたガラクタの中にあった鏡を覗き込み、自分の頬をむにむにとつまむ
「それにしても、ウチそんな可愛くないかなー。これでも結構ナンパとかされるねんで?」
「いや何が言いたいんだよ?」
「別にー?」
そう言って、新しく作り直したハリセンと一緒に木刀を手にする
「町の噂やと、夢の国騒動でゴタゴタしとった都市伝説連中も、そろそろ本腰入れてくるみたいやで」
「らしいな。だが俺の野望はこんなところでは潰えんさ!」
「その意気や良し、と言いたいけどな。危なくなったら無理せぇへんようにな。ま――」
割り箸を空中に放り投げると、そのまま木刀を一閃
弾かれる事なく真っ二つに折れた割り箸は、それぞれがくるくると回りながら床に落ちる
「ウチが命張ってきっちり守ったるさかい、安心しとき」
木刀を肩に担ぎ、不敵に微笑む似非関西弁女
「命懸けとか物騒な話するなよ」
「物騒になってきてるんやもん、しゃあないやん……ま、敵の動向を探りつつじわじわと攻めてったるわ」
*
おまけ
「そういや木刀使うけど流派とかあるのか?」
「虎眼流」
「漫画かよ!?」
「いやアレ鍛えれば普通にできるで? 飛天御剣流よりずっと現実的」
「いや、そりゃまあ……」
「そっちもできるんやけどな」
「マジで!?」
「虎眼流」
「漫画かよ!?」
「いやアレ鍛えれば普通にできるで? 飛天御剣流よりずっと現実的」
「いや、そりゃまあ……」
「そっちもできるんやけどな」
「マジで!?」