黒猫さんが横切る 03
「ああ。ここは少し危ない雰囲気がする、何かこう言い表せない嫌な気だ」
なんて事をくろねさんが言っていたがそんな事は無かった、むしろ安全に帰れた。
何故か判らないが救急車と消防車――これは放火のせいだろうが――が絶えなく、パトカーも数台いたので不審な事は起こらなかったがくろねさんはずっと化けたままだった。
何事も無さ過ぎる一日。僕はくろねさんと夕食をとり眠りに付いた。
なんて事をくろねさんが言っていたがそんな事は無かった、むしろ安全に帰れた。
何故か判らないが救急車と消防車――これは放火のせいだろうが――が絶えなく、パトカーも数台いたので不審な事は起こらなかったがくろねさんはずっと化けたままだった。
何事も無さ過ぎる一日。僕はくろねさんと夕食をとり眠りに付いた。
*
午前十二時過ぎ、彼――間崎啓太は眠りに付いた。
くろねは契約者が起きぬ様に起き上がった。腹が減っているのだ、昨日は雑魚共を一掃し今日は一日中化け続けていた。空腹感で死にそうだ。
勿論、物量としては問題無い。ただの猫が生きていくには充分な量、しかし彼女は猫又なのだ。栄養だけでは足りない。
猫又の妖力の補給は生きているか死んでいる人間からしか出来ない。元々猫又の妖力量と言うのは天井知らずに成長する物だが、くろねの場合は使う量が激しいのだ。その分力は強いのだが。
化ける事に関しても並みの猫又が六日間続けられるのに対して彼女は四日が限界だ。
化けるのはあまり力を使わないが戦闘は激しく消耗する、なので彼女の妖力量は今の所四割程になる。
そっと形式上のパートナーに近づく。そして首を掻き切らない程度に爪を伸ばし、薄紙に切れ目を入れるように裂いた。
深紅の液体が流れる。くろねは可愛げに湧き出るソレを舐め取った。
麻薬的な味だ。今までの中で最も美味い、骨まで噛み砕いて飲み干したくなる衝動に駆られる。
だがそんな事をしてしまっては、もうコレにはあり付けなくなってしまう。くろねにとってそれは惜しい事だ。
血が止まるまで舐め続けた。しかしこれでは足りない、量より質に重きを置く彼女だが今日は圧倒的に量が足らない。
くろねは首元から離れると窓から夜の街に飛び込んだ。闇にまぎれて彼女の身体は直ぐに見えなくなった。
くろねは契約者が起きぬ様に起き上がった。腹が減っているのだ、昨日は雑魚共を一掃し今日は一日中化け続けていた。空腹感で死にそうだ。
勿論、物量としては問題無い。ただの猫が生きていくには充分な量、しかし彼女は猫又なのだ。栄養だけでは足りない。
猫又の妖力の補給は生きているか死んでいる人間からしか出来ない。元々猫又の妖力量と言うのは天井知らずに成長する物だが、くろねの場合は使う量が激しいのだ。その分力は強いのだが。
化ける事に関しても並みの猫又が六日間続けられるのに対して彼女は四日が限界だ。
化けるのはあまり力を使わないが戦闘は激しく消耗する、なので彼女の妖力量は今の所四割程になる。
そっと形式上のパートナーに近づく。そして首を掻き切らない程度に爪を伸ばし、薄紙に切れ目を入れるように裂いた。
深紅の液体が流れる。くろねは可愛げに湧き出るソレを舐め取った。
麻薬的な味だ。今までの中で最も美味い、骨まで噛み砕いて飲み干したくなる衝動に駆られる。
だがそんな事をしてしまっては、もうコレにはあり付けなくなってしまう。くろねにとってそれは惜しい事だ。
血が止まるまで舐め続けた。しかしこれでは足りない、量より質に重きを置く彼女だが今日は圧倒的に量が足らない。
くろねは首元から離れると窓から夜の街に飛び込んだ。闇にまぎれて彼女の身体は直ぐに見えなくなった。
二人の男は夜の街を歩いていた。外見から見た年齢は二十歳そこそこと言った所だろう。
口にピアスをした金髪の男と、短髪黒髪で腕には凄まじい程の刺青が施してある。
好みじゃないが仕方ない、早めに食べてしまいたい。契約者よりは格段に不味いだろうが仕方ない。高級料理店で一皿分の料金でB級グルメが一杯に食べられるのだから我慢しないといけないだろう。
男たちが歩いている直ぐ先の路地裏で男たちを待つ。馬鹿みたいに大きな声で笑いながら歩いている。
その男たちの前に化けて出るだけで食材の調達は終わる。残り少ない力でそれを実行した。
裸に毛布の様な布を羽織った少女に化ける。それから風に舞う様にユラリユラリと狂った様に意味も無い言葉を呻きながら男たちの前に出た。
「なんだコイツ?」
短髪の男が腕を組みながら彼女を見定める。上から下、下から上へと舐めるように視線を飛ばしている。もうスイッチは切り替わっているみたいだ。
「これは完全にイッちゃってんだろ!ツラも体もナカナカの上玉だしな、ヤるしかねぇだろ!」
コッチの金髪は襲う気を隠す事もしないらしい。中々こう言う阿呆が居てくれるとやり易くて助かる事だ。
男たちはくろねを路地裏に連れ込むと早速二人掛りで彼女を押さえつけた。息を荒げ、悪臭を放ち、節操の無いソレは醜くいきり立っている。
典型的で笑える――と彼女は思い、しばらくそれを見続けた。
男たちは彼女が纏っていた布をもぎ取り、秘部と乳房を舐めようとした。
「――汚らわしい、貴様らの様な下衆に委ねる身体ではない」
その行為が虐殺の合図になった。
身体を押さえつけていた四つの腕を切り落とし、彼らの後ろに跳んだ。
「な、え、う、あああああアアア!!!」
煩い雄共の声が路地裏に響く。その声を断つために喉元を引き裂いた。
ひゅうひゅうと必死に息をするが裂けた喉元から空気が逃げ、血を溢れ出してそのまま死んだ。
「あっけないな」
人間に化けた状態で殺してしまった。だが化けたままでは少々食べ辛い、手に付いた血を舐めてとってから猫の姿に戻った。
比較的綺麗な腹から食べ始める。毛の多い足や腕、頭などは皮を剥ぎ取ってから食した。
路地裏は肉独特の臭いが立ち込めていたが二十分程経つと気にならないようになった。
「――食べ残しとはよくないスねぇ?」
剥いだ皮に何かが突き抜ける。その方向を見ると先程、彼女が入ってきた場所と同じ所に白銀の拳銃を構えた黒服の男が立っていた。
血塗れた顔を嘗め、くろねはその男を睨んだ。男は無気力そうに拳銃を片手で構えて引き金を引いた。
三つの弾丸が横一列になって彼女を襲う。弾丸が到達するよりも早く後ろに跳び弾丸を避けた。
しかし―――
「ま、そもそも人を食べる事がよくない事なんスけどねぇ」
白銀の銃身はくろねに突きつけられていた。
口にピアスをした金髪の男と、短髪黒髪で腕には凄まじい程の刺青が施してある。
好みじゃないが仕方ない、早めに食べてしまいたい。契約者よりは格段に不味いだろうが仕方ない。高級料理店で一皿分の料金でB級グルメが一杯に食べられるのだから我慢しないといけないだろう。
男たちが歩いている直ぐ先の路地裏で男たちを待つ。馬鹿みたいに大きな声で笑いながら歩いている。
その男たちの前に化けて出るだけで食材の調達は終わる。残り少ない力でそれを実行した。
裸に毛布の様な布を羽織った少女に化ける。それから風に舞う様にユラリユラリと狂った様に意味も無い言葉を呻きながら男たちの前に出た。
「なんだコイツ?」
短髪の男が腕を組みながら彼女を見定める。上から下、下から上へと舐めるように視線を飛ばしている。もうスイッチは切り替わっているみたいだ。
「これは完全にイッちゃってんだろ!ツラも体もナカナカの上玉だしな、ヤるしかねぇだろ!」
コッチの金髪は襲う気を隠す事もしないらしい。中々こう言う阿呆が居てくれるとやり易くて助かる事だ。
男たちはくろねを路地裏に連れ込むと早速二人掛りで彼女を押さえつけた。息を荒げ、悪臭を放ち、節操の無いソレは醜くいきり立っている。
典型的で笑える――と彼女は思い、しばらくそれを見続けた。
男たちは彼女が纏っていた布をもぎ取り、秘部と乳房を舐めようとした。
「――汚らわしい、貴様らの様な下衆に委ねる身体ではない」
その行為が虐殺の合図になった。
身体を押さえつけていた四つの腕を切り落とし、彼らの後ろに跳んだ。
「な、え、う、あああああアアア!!!」
煩い雄共の声が路地裏に響く。その声を断つために喉元を引き裂いた。
ひゅうひゅうと必死に息をするが裂けた喉元から空気が逃げ、血を溢れ出してそのまま死んだ。
「あっけないな」
人間に化けた状態で殺してしまった。だが化けたままでは少々食べ辛い、手に付いた血を舐めてとってから猫の姿に戻った。
比較的綺麗な腹から食べ始める。毛の多い足や腕、頭などは皮を剥ぎ取ってから食した。
路地裏は肉独特の臭いが立ち込めていたが二十分程経つと気にならないようになった。
「――食べ残しとはよくないスねぇ?」
剥いだ皮に何かが突き抜ける。その方向を見ると先程、彼女が入ってきた場所と同じ所に白銀の拳銃を構えた黒服の男が立っていた。
血塗れた顔を嘗め、くろねはその男を睨んだ。男は無気力そうに拳銃を片手で構えて引き金を引いた。
三つの弾丸が横一列になって彼女を襲う。弾丸が到達するよりも早く後ろに跳び弾丸を避けた。
しかし―――
「ま、そもそも人を食べる事がよくない事なんスけどねぇ」
白銀の銃身はくろねに突きつけられていた。
To be …