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連載 - トイレの花子様-30

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匿名ユーザー

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トイレの花子様 30 赤い紙・青い紙


数日後

花「案外楽勝だったわね。ちょっと、弱すぎよ。アナタのテリトリーでもあるのよ?」

男「まぁ、ラクに勝てるんならいいじゃないですか。」

某所のトイレ内、まるで水揚げされた魚のようにビチビチともがく赤く長い物体。
それを踏みつけて自由を奪っている花子様。
恍惚にも似た満面の笑みはまさに女王様のそれだった。
どうしてこんな事態になってるかなんてのは、たいしたことではなく、
単純に『赤紙と青紙』を狩りにきただけだ。

男「あ、でも赤は倒しても青いのはまだ倒してないんじゃ?」

花「え?『赤紙と青紙』って赤と青のコンビなの?私は一体が変色して赤か青になると思うんだけど?
  シャイニングスコーピオンみたいな感じで。」

花子様が言うのはこうだ。
『赤紙と青紙』というのは、呼びかけに赤と答えたものは血祭りに、青なら絞め殺す奴だ。
たしかに異なる二つの性質をもっているが、赤と青が同時に現れはしない。
それなら、一体の本体がフォームチェンジしてると考えられると。

花「ちょっとアンタ、どっちなのよ?青い紙は相方なのかキャラチェンジかはっきりしなさい。」

正直、この質問の答えが『相方』なら、今の状況は実はヤバイかもしれないのだが…。

花「青い紙も出しなさいよ、それかモードチェンジしなさいよ。」

男「ちょ!それは迂闊ですよ!!もう一体いたら…。」

花「大丈夫よ。私の『シャイニングスコーピオン説』のほうが正しいに決まって…」

ずおおおおお
もう一本の、今度は青いものが現れてしまった。

花「そ、そんな…きゃあああああああ!!!」

男「は、花子様!!ってブフォ!!!!!」

青紙が花子様の身体に巻きつき、花子様の足から逃れた赤紙も巻きついていく。
まきついた赤紙と青紙の締め付け具合が…すごく…えっちいです。

花「ちょっと駄犬!鼻血出して前かがみになってんじゃないわよ!!」

鼻血で床が真っ赤に染まり、その失血と下半身に血が集まって、顔が青白くなってるのが分かる。

男「これが…赤紙と青紙のチカラ…。」

花「ああもう、使えないわね…っひゃあ!そ、そこは、ちょっと…無理…あああん!
  う…んあっ!もう…こうなったらやってみるしかない…わね…。」

はふぅ、と花子様が溜息をつきなにやらブツブツと呟く。
僅かな間をおいて赤い紙と青い紙は解け、床に落ちる。
落ちた赤紙と青紙はモゾモゾこそするものの、完全に戦闘力を失ったようだった。

男「ざんねn…じゃなくて、大丈夫ですか?いきなり解けたけど、いったい…」

花「これね。赤紙と青紙って、なんというか一応トイレットペーパーだから支配できないかな?
  っと思って試してみたのよ。そしたら他の紙同様に扱えちゃうみたいなのよ。」

男「えええええええ!?そんなのアリなんですか?」



花「だからホラ、こんなこともできちゃうし。」

そう言った花子様は赤紙と青紙をムチに変形させて、ひゅんひゅんと振ってみせた。

男「じゃあ、戦力さらにアップ?」

花「う~ん、一応消さずに支配下には置くけど、あんまり使う気にはならないわね。色が好みじゃないし。」

男「にしても、こんなのも『道具』扱いにできるなんて、流石ですよね。」

花「まぁ、一応はメジャーな『花子さん』だもの。地力が違うわ。」

ふと、不謹慎というか、あまり起こって欲しくない事態を考えてしまった。
花子様と知り合った花子さんを初めとするノーマルな花子さんはどちらが強いのだろう?
外見的にみたら、体格がまるで違う時点で花子様の方が強そうではある。
いや、止めておこう。こんなことを考えるのは。
っと思ったのだが、ブツブツと口から漏らしていたらしい。

花「なにおかしなこと考えてんのよ?でもまあ、単純にスペックで言えば、私の負けよ。」

男「え?」

花「あの子の方は王道で、私は派生。それこそ地力が違うわ。だからそういう意味でも戦いたくないわね。」

男「そう意味で『も』ってのはやっぱり?」

聞くまでも無く、いわゆる仲間割れが嫌といった意味だろうが、なんとなく聞いてしまった。
だが、確認の意味合いを込めて聞いた。宴会であの武将が言っていたこと。
今回は同志だけど、本来は敵対する立場のモノもいる的なアレが、少し気になったのかもしれない。

花「フレンドリーファイアやオウンゴールの類は嫌なのよ。それに…」

男「それに?」

花「あの子見てると思うのよ、守ってあげなきゃってのと、私にもああいう頃があったのかなって。」

男「そりゃあ、有ったんじゃないですか?」

と言っても、俺は見たことがない。契約した頃から花子様は花子様だったから。
(まぁ、悪い赤マントをおびき寄せるために機関の技術で一時的にロリになったのは見たが…)
花子様はもともと花子さんで、成長で今の花子様になったのだろうと思ってる
守りたいってのは単純に母性的なモノだと思う。

男「ま、忘れてもおかしくはないでしょう。誰だって幼少期の記憶は成長と共に曖昧になるし。
  まして花子様は見た目こそ十代のそれだけど実際は何歳か分かったもんじゃああああああいたたたたたt」

花「こんど言ったら、ガチで流すわよ!それも私の知る限り一番汚いトイレに!!」

男「いやああああ!汚物って言われるのは良いけど、付着はいやああああ!!!
  でも、でも、蹴る足はとめないでえええ!あっふ!おうふ!!」

ひとしきり虐められた後、家に向かった。
なんとなく、肝心な何かを聞きそびれた気がするが、そんな違和感はすぐに忘れてしまった。

家に着き、ちょっと踏まれ過ぎて若干ボロッちくなった俺を見た母は全てを理解して、花子様に注意をした。

母「あんまり男を虐めすぎないでね。…喜びすぎるから。」



湯船に浸かりながら考える。
私の過去。
いままで全く気にしてなかったが、今日のあの話で初めて気がついた。
過去の記憶が全く無いことに。
男はそんなものは次第に曖昧になると言っていたが、そんなレベルではないのだ。
自分が小さかった覚えが完全にない。仮に100歩譲ってタダのど忘れとしても…。

花「自分が殺された時の記憶が無いって、どういうこと?」

私が今『花子さん』をやってるという事は、私はトイレで誰かに殺されたはずなのだ。
そんな印象的な、いや、強烈な記憶を忘れるかと言えばNOだろう。きっとあのコも覚えてるはず。
殺される記憶が無いのに、色々と懐かしいネタだけ覚えてるってのもおかしなハナシだが。

楽天的すぎると思うが、今がよければ良いと考えて良いのだろうか。
殺された記憶なんて嫌なもの無いほうが良いじゃないか。
今は、あの馬鹿犬といっしょにいて幸せなんだから、気にしなくて良い。
過去の事を考えるのは、それが必要になった時で良い。
そう自分に言い聞かせ、この事について考える事を止めた。

花「いまさら気にしても仕方ないじゃない。」
その後身体を洗い、風呂から上がって普段通りの流れで眠りについた。






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