激闘の後にから
≪魔女の一撃≫の兄ちゃんとの戦いの決着がついた。初めはいきなり敵宣言されてものすごく驚いたけど、どうもチャラい兄ちゃんと≪魔女の一撃≫の兄ちゃんは仲直りできそうな感じだ。
よかったよかった。
チャラい兄ちゃんの今の服装から何が起ころうとしてたのか分からないわけじゃないけど、終わりが良けりゃ全部いいんだよな? たぶん。
そう思っているとTさんに頭をグシャグシャかき混ぜられた。
なんじゃいとTさんに目を向けると、
「難しいことは考えなくてもいい。――無事に済んだんだからな」
「……おう」
相変わらず読心術でも身に付けてんじゃないかと疑いたくなる奴め。
Tさんとそんな会話をしていると他の皆さんがなにやら小声で話し合っていた。
「11時半にはガスの精製が終わってその55分にミサイル発射。その五分後にミサイルが炸裂してガスが噴出、ね……本当に信用できるのか?」
≪首塚≫の人で、夢子ちゃんの腕にあの謎の痣をつけたらしい≪厨二病≫の兄ちゃんが胡乱気に呟いた。
「主を悪魔の囁きから解放してくれたお礼だって言ってたから信用してもいいんじゃない?」
「私の言葉を信じるも信じないも自由ともおっしゃってましたけどね」
「でも、感謝の言葉をくれた彼女を私は信じたい」
「それは、私だってそうですけど……」
≪魔女の一撃≫の兄ちゃんと格闘戦をやらかしてた姉ちゃんと結界を張ってた嬢ちゃんが言い合っている。
「≪魔女の一撃≫が言ったことはおそらく本当だ」
Tさんが情報の真偽をどう判断するか悩んでいる一同に言った。
視線がTさんに集まる。Tさんは頷くと、
「先日学校町に持ち込まれたというマッドガッサーの用意したガスを詰め込むタイプのミサイル。それの爆発は確かに、午前零時らしい」
「確かなんですか?」
結界の嬢ちゃんの言葉にああ、とTさんは頷き、
「情報の出所は先程校舎内で会った契約者一行でな。全幅の信頼を置くには少し躊躇いがないわけではないが一つ、指針にはなるだろう」
そう≪魔女の一撃≫の発言を肯定するように言った。
……ん?
「でもTさん。あの≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃん、なんかいろいろ視えてたじゃねえか。間違いなんかあんのか? 占いで見たにしてもさ。ほら、必ず当たるって銘打ってんだし」
全幅の信頼を置くには少し躊躇いがないわけではないという所が気になって訊いてみると、Tさんは、
「可能性は低いが偽の情報ということもあるだろうし、そもそもあの視る力も万能ではない」
「は?」
疑問符を頭に浮かべているとTさんは笑んで自分を指さし、
「≪寺生まれで霊感の強いTさん≫は見抜けても俺の中の≪ケサランパサラン≫までは見抜いてはいなかった。まあ俺の場合は特殊例だからな。例外なんだろう」
だが、と言って少し目を鋭くして、
「それは例外があれば見落としも出るかもしれないということも示している」
そう言って、次は肩をすくめて力を抜いて、
「まあ元々爆弾爆発の時間を知らなかった俺たちに嘘をつく意味も無いし、爆弾程度があの視る力を欺けるとも思えんがな」
だから零時にミサイルが爆発するという情報は正しいのだろう。
そう締めて説明を終えるとTさんは再び黒服さんに向き直って、
「黒服さんが≪組織≫で担当している≪骨を溶かすコーラ≫の契約者だが、――操られて襲ってきたので気絶させた」
あ~、と俺も苦笑いする。
「あんの兄ちゃん≪スパニッシュフライ≫に操られてたらしいけど……なんかこう、起きた時に記憶があるにも関わらず反省が見られなかったな」
しかも操られてた時、殺さないとか言ってたくせになんか攻撃が全部殺人コースだったし……。
「にいさんにめいわくかけてなければもんだいないっていってたのー」
リカちゃんの言葉にTさんも俺も深く頷く。
あれはもうなんか操られるとかそういうの以前に頭のネジがダース単位で緩んでるんだと思う。
「彼は今双子の兄、白衣の教師に同行している。おそらく屋上へと向かっているだろう」
さて、と一息ついてTさんは皆に問いかけた。
「黒服さんたちはここで休憩として、俺たちはこれからどうする? どうやらまだマッドガッサーたちは止められてはいないようだが……」
そう言って校舎を見上げる。未だどこかで戦闘が行われているらしく、衝撃音や破砕音が低く響いてきた。
「さしあたって俺たちはまた校舎に乗り込もうと思う」
「うし、とっとと行くか!」
「がんばるのー」
多少疲れた声になってるなーと自覚しつつ、それでも元気にTさんに同意してやった。
よかったよかった。
チャラい兄ちゃんの今の服装から何が起ころうとしてたのか分からないわけじゃないけど、終わりが良けりゃ全部いいんだよな? たぶん。
そう思っているとTさんに頭をグシャグシャかき混ぜられた。
なんじゃいとTさんに目を向けると、
「難しいことは考えなくてもいい。――無事に済んだんだからな」
「……おう」
相変わらず読心術でも身に付けてんじゃないかと疑いたくなる奴め。
Tさんとそんな会話をしていると他の皆さんがなにやら小声で話し合っていた。
「11時半にはガスの精製が終わってその55分にミサイル発射。その五分後にミサイルが炸裂してガスが噴出、ね……本当に信用できるのか?」
≪首塚≫の人で、夢子ちゃんの腕にあの謎の痣をつけたらしい≪厨二病≫の兄ちゃんが胡乱気に呟いた。
「主を悪魔の囁きから解放してくれたお礼だって言ってたから信用してもいいんじゃない?」
「私の言葉を信じるも信じないも自由ともおっしゃってましたけどね」
「でも、感謝の言葉をくれた彼女を私は信じたい」
「それは、私だってそうですけど……」
≪魔女の一撃≫の兄ちゃんと格闘戦をやらかしてた姉ちゃんと結界を張ってた嬢ちゃんが言い合っている。
「≪魔女の一撃≫が言ったことはおそらく本当だ」
Tさんが情報の真偽をどう判断するか悩んでいる一同に言った。
視線がTさんに集まる。Tさんは頷くと、
「先日学校町に持ち込まれたというマッドガッサーの用意したガスを詰め込むタイプのミサイル。それの爆発は確かに、午前零時らしい」
「確かなんですか?」
結界の嬢ちゃんの言葉にああ、とTさんは頷き、
「情報の出所は先程校舎内で会った契約者一行でな。全幅の信頼を置くには少し躊躇いがないわけではないが一つ、指針にはなるだろう」
そう≪魔女の一撃≫の発言を肯定するように言った。
……ん?
「でもTさん。あの≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃん、なんかいろいろ視えてたじゃねえか。間違いなんかあんのか? 占いで見たにしてもさ。ほら、必ず当たるって銘打ってんだし」
全幅の信頼を置くには少し躊躇いがないわけではないという所が気になって訊いてみると、Tさんは、
「可能性は低いが偽の情報ということもあるだろうし、そもそもあの視る力も万能ではない」
「は?」
疑問符を頭に浮かべているとTさんは笑んで自分を指さし、
「≪寺生まれで霊感の強いTさん≫は見抜けても俺の中の≪ケサランパサラン≫までは見抜いてはいなかった。まあ俺の場合は特殊例だからな。例外なんだろう」
だが、と言って少し目を鋭くして、
「それは例外があれば見落としも出るかもしれないということも示している」
そう言って、次は肩をすくめて力を抜いて、
「まあ元々爆弾爆発の時間を知らなかった俺たちに嘘をつく意味も無いし、爆弾程度があの視る力を欺けるとも思えんがな」
だから零時にミサイルが爆発するという情報は正しいのだろう。
そう締めて説明を終えるとTさんは再び黒服さんに向き直って、
「黒服さんが≪組織≫で担当している≪骨を溶かすコーラ≫の契約者だが、――操られて襲ってきたので気絶させた」
あ~、と俺も苦笑いする。
「あんの兄ちゃん≪スパニッシュフライ≫に操られてたらしいけど……なんかこう、起きた時に記憶があるにも関わらず反省が見られなかったな」
しかも操られてた時、殺さないとか言ってたくせになんか攻撃が全部殺人コースだったし……。
「にいさんにめいわくかけてなければもんだいないっていってたのー」
リカちゃんの言葉にTさんも俺も深く頷く。
あれはもうなんか操られるとかそういうの以前に頭のネジがダース単位で緩んでるんだと思う。
「彼は今双子の兄、白衣の教師に同行している。おそらく屋上へと向かっているだろう」
さて、と一息ついてTさんは皆に問いかけた。
「黒服さんたちはここで休憩として、俺たちはこれからどうする? どうやらまだマッドガッサーたちは止められてはいないようだが……」
そう言って校舎を見上げる。未だどこかで戦闘が行われているらしく、衝撃音や破砕音が低く響いてきた。
「さしあたって俺たちはまた校舎に乗り込もうと思う」
「うし、とっとと行くか!」
「がんばるのー」
多少疲れた声になってるなーと自覚しつつ、それでも元気にTさんに同意してやった。