○月×日 20:40 校舎二階廊下
かつん、かつん、と足音が響く
廊下の壁に、生えている耳はその音を聞いていた
かつん、かつん、かつん…
廊下の壁に、生えている耳はその音を聞いていた
かつん、かつん、かつん…
----ぶちんっ!!
哀れ、壁に生えていた耳は、人狼に引きちぎられて
ごくんっ、とあっさり飲み込まれたのだった
ごくんっ、とあっさり飲み込まれたのだった
「…「壁に耳あり」か、MI6辺りかねぇ?」
足音の主は、気軽にそう呟いた
ぺろり、耳をおやつのように平らげた人狼が…不機嫌な表情を浮かべる
ぺろり、耳をおやつのように平らげた人狼が…不機嫌な表情を浮かべる
「あそこかよ……」
「そこも嫌いかい?…やれやれ、ヨーロッパにはお前さんが嫌っている連中が多いねぇ?」
「そこも嫌いかい?…やれやれ、ヨーロッパにはお前さんが嫌っている連中が多いねぇ?」
男は、肩をすくめる
…そして、笑った
…そして、笑った
「さてっと、メイドさんはもらっていいかい?」
「あぁ、好きにしとけ」
「そりゃどうも」
「あぁ、好きにしとけ」
「そりゃどうも」
くっく、と男は笑って、人狼と別れる
かつん、かつん
男は、足音を隠そうともせず、そちらに向かって
かつん、かつん
男は、足音を隠そうともせず、そちらに向かって
「……え?あんたは…」
「よう」
「よう」
そこにいる…メイド服の少女に、声をかけた
「「組織」の黒服?……あんた、行方不明になってたんじゃ」
「ここにいるぜ?まぁ、ちょっくら「組織」の目から逃れた状態になってたけどな?」
「ここにいるぜ?まぁ、ちょっくら「組織」の目から逃れた状態になってたけどな?」
しゅるりっ
その髪が伸び始める
男は、俗にこう呼ばれる……黒服H
その髪が伸び始める
男は、俗にこう呼ばれる……黒服H
「まぁ、それはそうとして、あれだ」
しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅる
その髪は、不気味に伸び続けている
その髪は、不気味に伸び続けている
「先に謝っとくわ。御免な」
「----っな!?」
「----っな!?」
しゅるりっ!!
黒服Hの髪が、メイド姿の女性……バイト青年に、襲い掛かる
すんでのところで、バイト青年はそれを避けた
黒服Hの髪が、メイド姿の女性……バイト青年に、襲い掛かる
すんでのところで、バイト青年はそれを避けた
「あー、惜しいなぁ」
「何をするんだっ!?」
「んー、あれだ。愛しい相手に命令されたから仕方ない、って奴かね?」
「何をするんだっ!?」
「んー、あれだ。愛しい相手に命令されたから仕方ない、って奴かね?」
肩をすくめながら、しかし、黒服Hはバイト青年を捕えようと髪を操り続ける
…あぁ、そうだ、自分は操られている
抵抗する気になればできたはずだが…しかし、自分はあっさりと、その支配化に入った
操られている事を自覚しながら、それに抵抗すらしていない
抵抗する気になればできたはずだが…しかし、自分はあっさりと、その支配化に入った
操られている事を自覚しながら、それに抵抗すらしていない
「…罪滅ぼしのつもりかね、まったく」
小さく苦笑しながら…黒服Hは、目の前の獲物を捕える事に集中し始めるのだった
【黒い罠へ続く】