「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある組織の構成員の憂鬱-43c

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○月×日 21:00 保健室


 保健室に乱入してきた少女が、白い鰐の首を素手で刎ね飛ばした
 にわかには信じがたい光景ではあるが、彼女が都市伝説契約者である事を推測すれば、さほど問題ではないのだろう
 とまれ…白い鰐という脅威は消えた
 あとは、鼠だけだ
 白い鰐が倒されたその衝撃で、鼠たちの間に一瞬の動揺が走る

 ……ちゃりんっ!!

「ちゅ!?」

 一匹の鼠に絡みつく鎖
 それは、5円玉や50円玉が連なった、鎖で

「勝って嬉しい はないちもんめ!!」

 少女が、高らかと歌い上げる
 …この教室にいた、鼠たちが
 彼女の支配下に、落ちた

「やっと捕まえたわ」

 ふぅ、と息を吐くはないちもんめの少女
 ちゅうちゅうちゅう!!
 鼠は束縛から逃れようとじたばたするのだが、ガッチリ絡んでしまって脱出不可能だ

「他にも鼠がいたら厄介ね。この鼠たちを向かわせておくわ」
「すみません、お願いします」

 …ようやく、保健室の寝台から降りる事ができそうだ
 ちゅうちゅうちゅう、保健室から出て行く鼠の群れを見送り…黒服は、自分たちの危機を救ってくれた少女達に視線をやった
 確か、彼女たちは…

「「怪奇同盟」に所属していらっしゃる方々、でしたでしょうか……危ない所を、ありがとうござました」

 小さく、頭を下げる黒服
 手についた血を、その辺りに投げ出されていたシーツで拭いていた鰐の首を刎ねた少女…姫さんが、黒服の言葉に首をかしげる

「え?知っているの?」
「あなたのお姿は、「首塚」の宴会の時も、少々拝見しましたから」

 そう、遠目にではあるが、見覚えがある
 確か、あの時は…
 …………
 …うん、頭頂部が寂しい同僚に勝負を挑んでいた姿については、忘れよう

「やはり、「怪奇同盟」も動きましたか」
「はい。今回の事は、都市伝説の存在を広く伝えてしまいかねませんから」

 答えてきたのは、もう一人の少女
 彼女からは、都市伝説の気配がする
 この少女も、「首塚」の宴会の時に、ちらりとだが姿を見た覚えがあった

「服装から推察しますに、「組織」の黒服さん、ですね?あなた方がどのくらい、この状況に関して情報をお持ちか、教えていただきたいのですが」
「はい…こちらとしましても、あなたたちが把握しております情報を伝えていただけると、ありがたいです」

 思った以上に、この保健室で足止めを食ってしまった
 その間に、どれだけ状況が動いたかわからない
 今は…少しでも、情報が欲しいのだ
 黒服は、少女達との情報交換を開始した






○月×日 21:10 3年生教室

 情報交換をしつつ、普段、授業が行われているのであろう、その教室まで移動した
 途中の廊下で戦闘の跡を確認
 食堂方向が、かなり破壊されているようだった
 途中、Tさんらしき人の声も聞こえたような気がするから…Tさんが、向こうで戦闘を行っていたのだろう
 何とか、合流できれば良かったのだが

「…あの子の位置は、わかりますか?」

 鎖で縛り上げた鼠をぶんぶん振り回しているはないちもんめの少女に、黒服はそう尋ねた
 目が回るのだろう、鼠はちゅうちゅう、嫌がって悲鳴をあげている

「………2階、ね。傍に誰かいる……」
「2階ですか…」

 「13階段」を警戒している、この状況
 あまり、階段は使いたくない
 だが、そうなると二階にあがる手段は限られてくる

「あなたたちのお仲間は、窓を破って侵入したのですね?」
「はい。2階より上はそうでもしなければ、侵入しようがありませんから」

 …どこかの木か、体育館の壁でも登ってその屋根から、2階に侵入するべきだろうか?
 いや、外に魔女の一撃がいることと……巨大飛行都市伝説の存在がある
 外をそうやって移動するのは、危険だ
 「怪奇同盟」のメンバーが、攻撃を受ける事無くそうやって2階以上に侵入できたのは、恐らく幸運もあったのだろう
 …そして、自分達に、その幸運がもたらされるとは、限らない
 何とか、手段はないものか

「……………え?」

 …と、その時
 はないちもんめの少女が、驚いたような声をあげて…振り回していた鎖を、止めた

「どうなさいましたか?」

 少女の様子に、黒服はやや心配して声をかけた
 彼女は、支配権を握った都市伝説の状態を感知したり、出会った事のある都市伝説の気配を感じ取れたりできる
 何か、不味い都市伝説でも近づいているか

「…チャラ男が、気絶した」
「…………え」
「…気絶、してるはずなのに……どんどん、移動してる」

 …気絶?
 マッドガッサーの一味と接触して、交戦状態になった?
 それとも、先ほどまで自分達が交戦していた鼠と?

「え?待って、気絶しているんでしょ?なのに、どうやって移動してるの?」

 二人の会話を聞いていた姫さんが、疑問の声をあげる
 もっともだ
 気を失っている、と言うのなら…どうやって、移動できると言うのだ

「……誰かに、担がれて、連れて行かれてる」
「-------っ」

 それは
 マッドガッサーの一味に、捕まった可能性が、高い
 早く、助けに行かなければ

「どこに移動しているかわかりますか?」
「外に出てる。多分、ここの窓から出て追いかけるのが早い」

 位置は、はないちもんめの少女が把握できる
 ならば……追える!

「すみません、私たちは、家族を救助に向かいます…あなたたちが、マッドガッサー達を止める事を優先なさるのでしたら、別行動です」

 姫さん達に向き直り、黒服はそう告げた

 後悔が、黒服を支配する
 どうして、もっと早く辿り着けなかった
 どうして、もっと早く、あの子と合流できなかった

 後悔していても、仕方ない
 状況がそのように動いてしまったのなら、自分はあの子を救うだけだ


 自分などと契約してくれた、あの青年を
 自分は、なんとしてでも救わなければならない


「…………」

 黒服は、気づいていない
 はないちもんめの少女が…「日焼けマシン」の契約者を連れ去っている、その気配の正体に
 わずかに、気づいているかのような様子を、見せている事に




to be … ?


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