「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-11

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○月×日 21:18 視聴覚室横の階段前


「………あれ?」
「お?」

 二年生教室前を、幼馴染と友に移動していた「日焼けマシン」の契約者は、そこに勢ぞろいしている人影たちに気づいた
 Tさんとその契約者、それにヤンデレコーラは知っているが…他の奴は、誰だ?
 白衣の男はヤンデレによく似ているから、ヤンデレがよく口にしている兄だと思うのだが…
 幼馴染を庇うように、「日焼けマシン」の契約者はやや警戒する

「あ、チャラい兄ちゃん!二階にあがってたのか!」
「…あれ?「日焼けマシン」の契約者?」

 首を傾げているヤンデレコーラの様子に、「日焼けマシン」の契約者ははっとした
 しまった、あのヤンデレコーラとは、女の姿になってから面識がなかった
 一応、今も胸にさらしは巻いているが…小柄になってしまっている状態、考えれば女になっているのはバレただろう
 くそっ!どっちかと言うと知られたくない奴に知られた!?
 そんな思考に、囚われていると

「……へ?お、おい?」

 警戒態勢をとったTさんの、姿に…「日焼けマシン」の契約者は、やや困惑したような声をあげた

「…青年、そいつから、離れた方がいい」
「な、何でだよ?」

 「日焼けマシン」の契約者は、Tさんの言葉にますます困惑した声をあげる
 よくわからないが、Tさんが幼馴染に攻撃しようとしている
 護らなければ
 ますます、幼馴染を庇うような位置に、「日焼けマシン」の契約者は立つ

「気づいていないのか?そいつはマッドガッサーの仲間だ」
「………ぇ」

 見覚えのない銀髪の男が、きっぱりとそう言いきってきた

 何を
 何を、言っている

「んな訳ねぇだろ!お前が何者かは知らねぇが……こいつは、都市伝説とは何の関係も…」
「そいつは、「魔女の一撃」の契約者だ」
「--------っ」

 魔女の一撃
 以前、黒服から「ユニコーンの角の粉末」を奪った、マッドガッサーの仲間
 こいつが、その契約者、だと?

「え、っちょ、Tさん、マジ?」
「おい、兄ちゃん、本当なのか?」

 Tさんの契約者と、そう言えば見覚えのあるような気のする八百屋の格好をした男が、口々にそう言ってくる
 …Tさんが、はっきりと告げる

「信じたくないかしれんが、事実のようだ。早く離れるんだ」
「っ」

 …嘘、だろう?
 そんな訳がない
 こいつは、都市伝説と関係がないはずだ
 こいつが、そんな訳がない

 「日焼けマシン」の契約者は、恐る恐る、背後にいる幼馴染に視線をやろうとして

「っ!?」

 ば!と
 口元と鼻先を、何かをしみこませたらしい、布で覆われて
 くたり……意識を、失った


「本性を現したか」

 気を失った「日焼けマシン」の契約者を抱え…魔女の一撃の契約者は、彼らに向き直った
 暗い、暗い……深い怨念を伴った表情を浮かべている

「…あぁ、駄目だ。全然駄目だな。俺からこいつを引き剥がしたかったんなら、無理にでも引き剥がした後に、俺の正体を暴いてくりゃあ良かったのに」
「え……マジ、かよ」

 人形を連れた少女が、信じられないような声をあげた
 くっくっく、と魔女の一撃契約者は笑ってやる

「あぁ、そうさ。俺は魔女の一撃の契約者……マッドガッサーの仲間だ」
「…そう言えば、君の顔、見た事ある気がするね」

 こぽり
 「骨を溶かすコーラ」の契約者が、コーラのペットボトルの蓋を外した

「正気に戻ったのか………まぁ、いいか。スパニッシュフライがいりゃあ、駒はいくらでも増えるからな」
「その青年を、どうするつもりだ」
「……てめりゃにゃ、関係ねぇよ」

 魔女の一撃の契約者は、ちらり、階段の踊り場に視線をやった
 …あそこから、にするか

「やれ!!!」

 見ているはずである
 魔女の一撃の契約者は、この場を見ているはずのスーパーハカーに向かって叫んだ

『……リョーカーーーイ!!』

 すぐ傍にあった放送機から響く、声
 その直後……ばしゃあああああ!!!!と
 周囲のスプリンクラーが、一斉に作動した

「うわっ!?」
「っちょ、冷た……!?」

 ただの水だ
 攻撃力など、ない
 だが、ほんの一瞬だけでも……隙を作る事は、できる
 「日焼けマシン」の契約者を抱えたまま、魔女の一撃契約者は、強引に一同の横を駆け抜け、一階への階段の踊り場へと飛び降りた
 その際に、ぽい、と
 懐から、マッドガッサーから受け取っていた催涙弾を、放り投げて

 ぶしゅうううううううううう!!!
 水と、催涙弾とが、一同を包み込んだ!!

「…わからないだろうし、わかられたくもないね。俺の絶望を」

 ぼそり、魔女の一撃契約者は、そう呟いて
 そっと、「日焼けマシン」の契約者を床に下ろしてから…っが!!と
 両腕で、強引に障子を押し開けるかのような動きでもって…階段踊り場の壁を、破壊した
 再び「日焼けマシン」の契約者を抱えて、そこから飛び降りる
 ここからなら……そうだ、あそこがいい
 「日焼けマシン」の契約者を抱えたまま、魔女の一撃契約者は走り出す


 -----あぁ、やっと手に入れた
 そして、こいつを裏切ってやったのだ
 あぁ、見ものだったなぁ、こいつの信じられない、と言った様な表情
 こいつは、そこまで俺を信じてくれていたのだ
 …そんなこいつを、俺は裏切った
 なんと滑稽な事実だろう?

「…さぁ、お前を屈服させてやるからな」

 さぁ、お前の目が覚めたら…お前を、徹底的に、屈服させてやるからな
 魔女の一撃契約者は歪んだ望みを抱えたまま、校舎の脇を走り抜けていったのだった





to be … ?




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