----「13階段」が「組織」を離脱する、4,5年ほど前の話ーーーーー
「それじゃあ、またね」
「あぁ、次の任務が終わったらな」
「あぁ、次の任務が終わったらな」
少年と少女は笑いあって、互いに軽く口付けあった
同じ「組織」に所属する者同士
年齢が近いせいもあってか…いつからか、親しい仲になった
とは言え、少年にとって、これが「恋」である自覚こそあれど、「愛」であるかどうかはわからなかった
自分は、まだ子供だ
そして、自分は「日常」と言うものをほとんど知らないがゆえに、人を愛する、と言う事についてもまだよく知らない
自分に色々と教えてくれるあの黒服も、それについてはまだあまり教えてくれないし
同じ「組織」に所属する者同士
年齢が近いせいもあってか…いつからか、親しい仲になった
とは言え、少年にとって、これが「恋」である自覚こそあれど、「愛」であるかどうかはわからなかった
自分は、まだ子供だ
そして、自分は「日常」と言うものをほとんど知らないがゆえに、人を愛する、と言う事についてもまだよく知らない
自分に色々と教えてくれるあの黒服も、それについてはまだあまり教えてくれないし
…ただ
少女と一緒にいる事は、少年にとって安らぎだった
任務付けの生活
特に、少年の任務は全て「殺し」だ
少年の能力は、殺すための能力なのだから
ただただ、殺していく生活の中、明るい少女との関わりは安らぎだった
少女と一緒にいる事は、少年にとって安らぎだった
任務付けの生活
特に、少年の任務は全て「殺し」だ
少年の能力は、殺すための能力なのだから
ただただ、殺していく生活の中、明るい少女との関わりは安らぎだった
自分も、少女も、いつ任務で命を落とすかわからない
場合によっては、「組織」に処分される可能性だってあるだろう
もし、少女が命を落としそうになったら、「組織」に処分されそうになったら
気が向いたら守ってやってもいいかな、と思う程度には好きだった
自分の契約している「13階段」は最強なのだ
きっと、守ってやれると思う
そんな事を考えながら、少年は任務に向かう
場合によっては、「組織」に処分される可能性だってあるだろう
もし、少女が命を落としそうになったら、「組織」に処分されそうになったら
気が向いたら守ってやってもいいかな、と思う程度には好きだった
自分の契約している「13階段」は最強なのだ
きっと、守ってやれると思う
そんな事を考えながら、少年は任務に向かう
---自分を見送る少女が、どんな表情をしていたのか
幸い、少年は気づかぬままだった
幸い、少年は気づかぬままだった
あぁ、面倒くさい
まったく、あの馬鹿めが、本当にまったく気づかないとは
そろそろ、「仕事」に入ってもいいだろう
H-96が「失敗作」である事は明白だ
順調に調整が進んでいたはずだったが…何者かが、横槍を入れたようだ
全くもって、忌々しい
少女はため息をつきながら、上司に連絡を入れようとした
まったく、あの馬鹿めが、本当にまったく気づかないとは
そろそろ、「仕事」に入ってもいいだろう
H-96が「失敗作」である事は明白だ
順調に調整が進んでいたはずだったが…何者かが、横槍を入れたようだ
全くもって、忌々しい
少女はため息をつきながら、上司に連絡を入れようとした
「……H-83です。報告を……………?」
…ふと
視界の隅に、何かが入り込んだ
これは…糸?
真っ黒い、漆黒の……糸?
視界の隅に、何かが入り込んだ
これは…糸?
真っ黒い、漆黒の……糸?
いや
違う、これは………!?
違う、これは………!?
気づいた時には、もう遅かった
それは、あっと言う間に少女の体に絡みついていく
それは、あっと言う間に少女の体に絡みついていく
通信機が、一瞬でバラバラに切り裂かれる
通信機を切り裂いたのと同じ……髪が
少女の全身を、しっかりと縛り上げた
通信機を切り裂いたのと同じ……髪が
少女の全身を、しっかりと縛り上げた
「---っH-360!」
「いよぅ」
「いよぅ」
しゅるしゅると
髪を少女に絡みつかせ、その黒服は笑っていた
少女はもがくが、髪から脱出する事が出来ない
ここは、「組織」管理のアパートの一室
この時間帯、他の部屋には誰もいないはず
助けを求める事すら出来ない
己の契約している都市伝説を使おうにも…この状態では、使用できない
髪を少女に絡みつかせ、その黒服は笑っていた
少女はもがくが、髪から脱出する事が出来ない
ここは、「組織」管理のアパートの一室
この時間帯、他の部屋には誰もいないはず
助けを求める事すら出来ない
己の契約している都市伝説を使おうにも…この状態では、使用できない
「そうか、お前さんもHナンバーだったか。まいったね」
「H-360.私に何か用ですか?彼なら、任務に出かけて…」
「お前さんに用があってきたんだよ……いや、まぁ、もう目的の半分は達したんだがな」
「H-360.私に何か用ですか?彼なら、任務に出かけて…」
「お前さんに用があってきたんだよ……いや、まぁ、もう目的の半分は達したんだがな」
しゅるしゅると
話しながらも、髪が少女に絡みつき続ける
その動きから、明白な殺意を感じて…少女は、震えた
話しながらも、髪が少女に絡みつき続ける
その動きから、明白な殺意を感じて…少女は、震えた
「お前さん、あいつを監視してたんだな?」
「……だとしたら、何なの?」
「……だとしたら、何なの?」
しらばっくれても無駄か
そう考え、少女は本性を現した
本性を現した少女の様子に、黒服はやれやれと肩をすくめる
そう考え、少女は本性を現した
本性を現した少女の様子に、黒服はやれやれと肩をすくめる
「まいったねぇ。監視ついでに、失敗作とみなしたら殺すつもりだったとは……あいつは一応、俺の愛弟子なんでね?やめてくんねぇ?そう言うの」
「--っ、H-96の調整を邪魔したのは貴様か!!」
「--っ、H-96の調整を邪魔したのは貴様か!!」
---この、失敗作め!
同じHナンバーの癖に、こちらの計画を邪魔しようとは…!
同じHナンバーの癖に、こちらの計画を邪魔しようとは…!
「おぉっと、無駄な抵抗は止めておけ。痛いだけだぜ?」
「こんな事をして、ただで済むと思っているのか、H-360!!」
「ま、普通はただじゃすまないわな」
「こんな事をして、ただで済むと思っているのか、H-360!!」
「ま、普通はただじゃすまないわな」
……だが、と
黒服は、ニヤリ…残酷に、笑った
黒服は、ニヤリ…残酷に、笑った
「俺の上司は、俺の勝手をある程度もみ消してくれるんでねぇ?」
「---っ何を馬鹿な…」
「あぁ、それと」
「---っ何を馬鹿な…」
「あぁ、それと」
ギリ
髪が、少女の肌に食い込みだした
髪が、少女の肌に食い込みだした
「あの「お嬢様」、今は実験反対派なんだわ、これが」
「-------っ!?」
「-------っ!?」
…馬鹿な!?
「あのお方」が実験反対派に回るなど、そんなはずが…
「あのお方」が実験反対派に回るなど、そんなはずが…
「そう言う事で。実はこれ、俺の勝手じゃなくて上の指令だったりするんだな、これが。ま、そう言う訳で…」
「-----何故だ!?」
「-----何故だ!?」
少女は叫ぶ
信じられない、と言う表情で黒服を見詰め…叫び続ける
信じられない、と言う表情で黒服を見詰め…叫び続ける
「貴様、何故H-96に肩入れする!?貴様とあいつに、特別な接点など……」
「…任務で家族のふりを一度だけした。接点はそれだけと言えばそれだけさ」
「…任務で家族のふりを一度だけした。接点はそれだけと言えばそれだけさ」
…しゅるり
髪が、完全に少女を覆い隠し
髪が、完全に少女を覆い隠し
直後、少女の体は、一瞬で肉片と化した
「そう、たったそれだけ。ただの偶然。たまたま俺が気に入った、それだけ……あいつも不幸だよなぁ?」
しゅるり
髪を戻しながら、黒服は頷いた
髪を戻しながら、黒服は頷いた
「あいつの彼女だから、殺したくはなかったんだが……まぁ、仕方ないか」
肉片を見下ろして…皮肉げに、黒服は笑った
…上の指令、と言うのは嘘だ
少女が監視者であった事は、まだ上に報告していない
完全に、彼の独断なのだ
…上の指令、と言うのは嘘だ
少女が監視者であった事は、まだ上に報告していない
完全に、彼の独断なのだ
だから、まだ殺す必要はなかった
だが、殺さずにはいられなかった
だが、殺さずにはいられなかった
「…せめて、お前さんが。あいつをちゃんと名前で呼んでくれりゃあ、殺さなかったんだがなぁ」
ぶちゃり
肉片を踏み潰し、暗く笑う
肉片を踏み潰し、暗く笑う
…あのナンバーは名前じゃない
名前は、自分がつけてやった
あれがあいつの名前なのだ
もう、あのナンバーはあいつを縛りなどしないのだから
名前は、自分がつけてやった
あれがあいつの名前なのだ
もう、あのナンバーはあいつを縛りなどしないのだから
「…あぁ、でも、殺しちまったのはやっぱあいつに悪かったよなぁ……どうするかねぇ…」
黒服は一人、そうぼやく
…彼が罪滅ぼしをする事が出来たのは、これより4,5年程後
少年が青年となり、「組織」を離脱し……マッドガッサーの一味に加わった、後の事である
少年が青年となり、「組織」を離脱し……マッドガッサーの一味に加わった、後の事である
to be … ?