「あぁ、そうだ……俺が来た時には、もう全滅だな。一人も生きちゃいねぇ。少なくとも、ここには」
その凄惨な現場に一人の男が立つ
黒いスーツにサングラス、適当に切りそろえたであろうセットされていない髪
その、死が支配する空間で男は一人、世間話でもするように、その状況を報告していた
黒いスーツにサングラス、適当に切りそろえたであろうセットされていない髪
その、死が支配する空間で男は一人、世間話でもするように、その状況を報告していた
「多分、ハーメルンの笛吹きだろ、鼠に食われたっぽい死体あるし……へいへい、そう怒鳴るなっての。見つけたら取り押さえて持って帰ればいいんだろ?……んじゃあな」
通話を切って、やれやれ、と男はため息をついた
この惨劇を作り上げたであろう犯人は、とっくに逃げ出した後だ
いや、逃げた、というより、ただ普通に帰っただけなのかもしれない
生半可な追っ手では、あの二人を止める事などできないだろう
この惨劇を作り上げたであろう犯人は、とっくに逃げ出した後だ
いや、逃げた、というより、ただ普通に帰っただけなのかもしれない
生半可な追っ手では、あの二人を止める事などできないだろう
「面倒臭ぇ事やらせないでくれよなぁ…」
できれば、敵対はしたくない相手だ
もしかしたら、自分の望みに都合のいい存在になってくれるかもしれないのだし
そう考えながら、そのクラブを後にしようとして…着信が、入った
おや、と表示された名前にやや驚きつつ、電話にでる
もしかしたら、自分の望みに都合のいい存在になってくれるかもしれないのだし
そう考えながら、そのクラブを後にしようとして…着信が、入った
おや、と表示された名前にやや驚きつつ、電話にでる
「はいよ、どうかしたか?」
『…ハーメルンは、もう逃げたんだな?』
「ん?お前どこで見て……あぁ、そうか」
『…ハーメルンは、もう逃げたんだな?』
「ん?お前どこで見て……あぁ、そうか」
視線の先には、監視カメラ
もしかしたら、ハーメルン達が細工をした可能性もあるのだが…アレが散歩中か何かで、ここの監視カメラの映像を覗き見たのか
もしかしたら、ハーメルン達が細工をした可能性もあるのだが…アレが散歩中か何かで、ここの監視カメラの映像を覗き見たのか
「あぁ、もうここはもぬけの殻だ。生存者0、ってとこだな」
『いや、生存者が一人いるぞ。どうも、何かと契約してた奴っぽいが…』
「うん?そうか?特徴は…………うん」
『いや、生存者が一人いるぞ。どうも、何かと契約してた奴っぽいが…』
「うん?そうか?特徴は…………うん」
…もしや、あのぶつかった相手か?
なるほど、そうだとしたら…………面白い
男は口元に笑みを浮かべた
それは、何か新しい玩具でも見つけたような、笑み
なるほど、そうだとしたら…………面白い
男は口元に笑みを浮かべた
それは、何か新しい玩具でも見つけたような、笑み
『何、悪党みたいな笑い方してやがる』
「おぉっと、今も中継中か…見てるのはお前だけか?」
『最中を見ちまって、あいつは今寝込んでるよ』
「あぁ、お姫様には刺激が強すぎるだろうからな』
「おぉっと、今も中継中か…見てるのはお前だけか?」
『最中を見ちまって、あいつは今寝込んでるよ』
「あぁ、お姫様には刺激が強すぎるだろうからな』
…道理で、若干怒った声をしていた訳だ
くっく、と男は笑った
くっく、と男は笑った
『…その生存者に接触するつもりか?』
「まぁ、都市伝説契約者なら、「組織」の黒服として接触しないとなぁ?」
『…「組織」の黒服として、か?それとも、お前個人としてか?』
「さぁて、どっちだろうねぇ?」
「まぁ、都市伝説契約者なら、「組織」の黒服として接触しないとなぁ?」
『…「組織」の黒服として、か?それとも、お前個人としてか?』
「さぁて、どっちだろうねぇ?」
くっくっくっく、と
その笑みは、どんどんと深くなる
その笑みは、どんどんと深くなる
「なぁに、そいつにとって悪い事はしないさ。復讐の手伝いくらいはしてやってもいいがねぇ?そうしたら、俺の手伝いしてくれるかもしれないし」
『…まさか、そいつを俺の代わりにする気か?』
「いや?お前さんの代わりなんざ存在しないさ。俺の弟子はお前さんだけだ」
『…まさか、そいつを俺の代わりにする気か?』
「いや?お前さんの代わりなんざ存在しないさ。俺の弟子はお前さんだけだ」
そう、だから
まずは、「組織」の黒服として接触するだけだ
「組織」の誘いを受けるか、否か?
それによって、今後の扱いは変わってくるが…
どちらにせよ、手伝いくらいはしてやってもいい
そうやってうまく信頼を得られれば、もしかしたら…
まずは、「組織」の黒服として接触するだけだ
「組織」の誘いを受けるか、否か?
それによって、今後の扱いは変わってくるが…
どちらにせよ、手伝いくらいはしてやってもいい
そうやってうまく信頼を得られれば、もしかしたら…
「----っ」
けほけほと、小さく男は咳き込みだした
その様子が聞こえたのか、それとも、見ているせいか、電話の向こうの声がやや慌てたのがわかる
その様子が聞こえたのか、それとも、見ているせいか、電話の向こうの声がやや慌てたのがわかる
『おい、大丈夫か?……お前、ちゃんとメンテナンスは受けてるんだろうな?』
「…なぁに、問題ないさ。サボっちゃいねぇよ……ただ、色々と誤魔化してるからな。なぁに、死にゃあしないから問題ないさ」
『お前な…』
「……念のための保険をかけてるんでね。だが、その保険は「組織」に知られたくねぇんだ」
「…なぁに、問題ないさ。サボっちゃいねぇよ……ただ、色々と誤魔化してるからな。なぁに、死にゃあしないから問題ないさ」
『お前な…』
「……念のための保険をかけてるんでね。だが、その保険は「組織」に知られたくねぇんだ」
そう、保険だ
自分の意思で使うのならば、不快感はない
保険以外の、何物でもないから
自分の意思で使うのならば、不快感はない
保険以外の、何物でもないから
「んじゃあ、切るぜ。お姫様をお大事にな?」
『あ、おい……』
『あ、おい……』
先方は何か話をしたそうだったが、強引に電話を切った
げほげほと、今度はもう少し大きく咳き込んで…
げほげほと、今度はもう少し大きく咳き込んで…
咄嗟に口元を抑えた手の平は、真っ赤な血で染まっていたのだった
fin