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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-32

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「あぁ、そうだ……俺が来た時には、もう全滅だな。一人も生きちゃいねぇ。少なくとも、ここには」

 その凄惨な現場に一人の男が立つ
 黒いスーツにサングラス、適当に切りそろえたであろうセットされていない髪
 その、死が支配する空間で男は一人、世間話でもするように、その状況を報告していた

「多分、ハーメルンの笛吹きだろ、鼠に食われたっぽい死体あるし……へいへい、そう怒鳴るなっての。見つけたら取り押さえて持って帰ればいいんだろ?……んじゃあな」

 通話を切って、やれやれ、と男はため息をついた
 この惨劇を作り上げたであろう犯人は、とっくに逃げ出した後だ
 いや、逃げた、というより、ただ普通に帰っただけなのかもしれない
 生半可な追っ手では、あの二人を止める事などできないだろう

「面倒臭ぇ事やらせないでくれよなぁ…」

 できれば、敵対はしたくない相手だ
 もしかしたら、自分の望みに都合のいい存在になってくれるかもしれないのだし
 そう考えながら、そのクラブを後にしようとして…着信が、入った
 おや、と表示された名前にやや驚きつつ、電話にでる

「はいよ、どうかしたか?」
『…ハーメルンは、もう逃げたんだな?』
「ん?お前どこで見て……あぁ、そうか」

 視線の先には、監視カメラ
 もしかしたら、ハーメルン達が細工をした可能性もあるのだが…アレが散歩中か何かで、ここの監視カメラの映像を覗き見たのか

「あぁ、もうここはもぬけの殻だ。生存者0、ってとこだな」
『いや、生存者が一人いるぞ。どうも、何かと契約してた奴っぽいが…』
「うん?そうか?特徴は…………うん」

 …もしや、あのぶつかった相手か?
 なるほど、そうだとしたら…………面白い
 男は口元に笑みを浮かべた
 それは、何か新しい玩具でも見つけたような、笑み

『何、悪党みたいな笑い方してやがる』
「おぉっと、今も中継中か…見てるのはお前だけか?」
『最中を見ちまって、あいつは今寝込んでるよ』
「あぁ、お姫様には刺激が強すぎるだろうからな』

 …道理で、若干怒った声をしていた訳だ
 くっく、と男は笑った

『…その生存者に接触するつもりか?』
「まぁ、都市伝説契約者なら、「組織」の黒服として接触しないとなぁ?」
『…「組織」の黒服として、か?それとも、お前個人としてか?』
「さぁて、どっちだろうねぇ?」

 くっくっくっく、と
 その笑みは、どんどんと深くなる

「なぁに、そいつにとって悪い事はしないさ。復讐の手伝いくらいはしてやってもいいがねぇ?そうしたら、俺の手伝いしてくれるかもしれないし」
『…まさか、そいつを俺の代わりにする気か?』
「いや?お前さんの代わりなんざ存在しないさ。俺の弟子はお前さんだけだ」

 そう、だから
 まずは、「組織」の黒服として接触するだけだ
 「組織」の誘いを受けるか、否か?
 それによって、今後の扱いは変わってくるが…
 どちらにせよ、手伝いくらいはしてやってもいい
 そうやってうまく信頼を得られれば、もしかしたら…

「----っ」

 けほけほと、小さく男は咳き込みだした
 その様子が聞こえたのか、それとも、見ているせいか、電話の向こうの声がやや慌てたのがわかる

『おい、大丈夫か?……お前、ちゃんとメンテナンスは受けてるんだろうな?』
「…なぁに、問題ないさ。サボっちゃいねぇよ……ただ、色々と誤魔化してるからな。なぁに、死にゃあしないから問題ないさ」
『お前な…』
「……念のための保険をかけてるんでね。だが、その保険は「組織」に知られたくねぇんだ」

 そう、保険だ
 自分の意思で使うのならば、不快感はない
 保険以外の、何物でもないから

「んじゃあ、切るぜ。お姫様をお大事にな?」
『あ、おい……』

 先方は何か話をしたそうだったが、強引に電話を切った
 げほげほと、今度はもう少し大きく咳き込んで…

 咄嗟に口元を抑えた手の平は、真っ赤な血で染まっていたのだった





fin








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