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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ビター・スウィート・ビターポイズン-04

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 毒には、抗いがたい魅力と言う物が存在する
 触れてしまえば毒に侵される
 摂取してしまえば、毒が全身にまわる
 それがわかっていても、どうしようもなく惹かれてしまう
 そんな事があると思う
 自然界に置いて、毒を持つ生き物や植物はけばけばしい色合いをしている者が多い
 あれは毒を持っていることを警告する色らしいが、しかし、俺はそれに惹かれてしまう
 カラフルな毒カエルなど、なんとも可愛らしいではないか
 触れたら危険なものが多いとは言え

 スウィート・ポイズンもまた、抗いがたい、惹かれてしまう存在だ
 接触しすぎていては、あの優しさに溺れてしまう、それはわかっている
 だが、どうしようもなく、あの優しさに触れたいと思ってしまう
 優しくしてもらいたい
 そう考えてしまうのは、俺が優しさに飢えているせいか?

 本格的にスウィート・ポイズン中毒にならないよう、俺は学校町を離れたつもりだった
 しかし、結果は逆効果
 まるで禁断症状のように、あの慈悲が懐かしくて懐かしくて
 結局、言い訳をつけて戻ってきてしまった

 それでも、スウィート・ポイズンと接触さえしなければいいのだ
 そうすれば、スウィート・ポイズン中毒が進行することもない
 今まで通り、この街でもビター・ポイズンを狩って行くだけ
 今まで通りの生活を送っていればいい、スウィート・ポイズンがいる街だからと言って何か変わる訳でもない
 ……そう、考えていたのだが……






 ----12月
 ククージィが西区ではじめる事になった店も開店し、住居兼店舗の家が手に入り
 祐樹は、本格的に学校町に住むことになった
 まさか、ククージィがこの街ではじめた店が雑貨屋になるとは思っていなかったが、たまにはあんな商売も気分転換にいいのだろう
 ただ、店員がククージィのような老人男性だとあまり客が入りそうにないから、即刻女性アルバイトを雇うべきだと思うのだが

「---ゆらりゆらりと雲は揺れ 気まぐれゆらりと流れては
 行き先などあるはずもなく ただ 流れ流れて漂いて………」

 歩きながら、即興の詩のようなものを紡ぎだす
 祐樹の、散歩中の癖のようなものだった
 恐らくは、ククージィと契約を行う前からの癖だ
 契約前は一人でいる事が多く、その頃にしていた一人遊び
 それを、今でも引きずっている

「いつか 誰にも知られずに 静かに消え去る身であれど
 記憶に 心に 残らずに 消える悲しみ背負いてや……」

 口から漏れ出す吐息は、白い
 雪でも降り出しそうな気温だ
 やや体を縮めこませて歩く
 …今日は、さっさと帰ろうか
 そんな事を考えていると

「---------!!」
「…おや」

 …何と言う、偶然か
 店に帰ろうと、西区に足を向けた瞬間に…顔を、合わせるとは

「…祐樹 ペリシャさん、ですね?」

 数年ぶりに顔を合わせたというのに、よくわかるものだ
 こちらは、向こうがまったく変わらない姿でいるからすぐにわかったが
 …成長期もすぎて、結構背も高くなったつもりなのだが
 スウィート・ポイズンから見て、こちらもほとんど変わっていない、とでも言うのだろうか?
 だとしたら、少し落ち込む

「…数年ぶりだってのに、よくわかったな」
「あぁ、やはり、あなたでしたか…大きくなられましたね」

 久しぶりに顔を合わせた親戚の子供のような扱いに、祐樹は小さく苦笑した
 向けられたのは、かつて向けられたものと変わらない慈悲深い笑顔
 …じわり
 その慈悲が、祐樹の身にしみる

「学校町を離れられていたようですが…帰ってきたのですね」
「あぁ、やっぱりこの街が一番落ち着くから」

 …そう、言い訳をしておいた
 まさか、彼の優しさに感染しないほどの悪人を狩る為に戻ってきたとは、何となく気恥ずかしくて言えない
 そうやって適当に誤魔化すと…黒服は、やや物憂げな表情になる

「しかし…悪い時期に、戻ってきたかもしれませんね」
「どう言う事だ?」
「今、この学校町で支配型のコーク・ロアの契約者が異常に増えていまして…」

 丁寧に説明してくれる黒服
 どうにも、異常に増えている支配型のコーク・ロア契約者は、都市伝説契約者を中心に襲っていっているらしい
 まるで、都市伝説契約者を操る事二により、戦力を増やそうとしているように

「どうか、あなたも警戒してください。ククージィさんにも、お伝えください」
「あぁ、わかった。ありがとう」

 …まったく
 昔と変わらず、優しいままだ
 久々に顔を合わせた祐樹が、敵になっている可能性とて、否定しきれないと言うのに
 それでも、昔と変わらない対応をしてくる
 それは、祐樹がまだ未成年、ということもあるのかもしれない
 だが、それ以上に…この黒服は、祐樹 ペリシャと言う都市伝説契約者を「信じて」くれているのだ
 …祐樹は、それが何よりも嬉しかった

「あぁ、それと。この街は、以前にも増して都市伝説が増えています。それに伴い、都市伝説組織も増加しています…抗争などに巻き込まれないよう、お気をつけて」
「ありがとう、あんたもな」

 ……まぁ
 いざとなったら、自分が護ってやってもいい
 祐樹がそう続けようとした、その時
 黒服の携帯に、着信が入った

「あぁ、失礼」

 すぐに、電話に応対している黒服
 相変わらず、「組織」の仕事をマジメにこなしているようだ
 …あんな「組織」、さっさとやめてしまえばいいのに、と祐樹は思う
 あの「組織」には、ビター・ポイズンが多すぎる
 スウィート・ポイズンであるこの黒服にとって…「組織」に所属しているのは、危険だ
 ビター・ポイズンに囲まれた状態では…いつ、その毒が彼に向けられてしまうか
 祐樹は、心配で心配で、たまらない

「はい………はい、本当、ですか?」
「……?」

 …黒服の表情が、曇り
 そして、どこか慌てた様子になったことに、祐樹は気づいた
 どうかしたのだろうか
 そんなにも、緊急の連絡が…?

「顎砕き飴の契約者………それで、彼女は?………良かった、無事なのですね…」

 次に浮かんだのは、ほっとした表情
 誰かの無事を、黒服が安堵している

 羨ましいな、と祐樹は思う
 ここまで安堵している様子を見るに、その相手は黒服にとって特別なのだ
 自分も、その特別になりかった
 かすかに、そう考えてしまう
 …スウィート・ポイズン中毒が進んだ証拠だ

「すぐに、あちらに向かいます……はい、では…」

 携帯の通話を切った黒服
 申し訳無さそうに、祐樹に向き直る

「すみません、私は、これで」
「あぁ…あんたも仕事、頑張れよ」

 はい、と黒服はかすかに微笑んで
 そして、急いでどこかへと駆けていく
 その後ろ姿を、祐樹はじっと見送る


 スウィート・ポイズンは昔と何も変わっていなかった
 あいつは相変わらず、周囲の人間を中毒にさせ続けているのだろう

 俺も
 今回接触した事で、また中毒が進んでしまったような気がする
 あんな慈悲深い表情を向けられたら、悪党になる気なんて失せてしまう
 ビター・ポイズンを狩らなければ
 その使命感が強くなる

 だが、あいつはそれを望まないだろう
 未成年が戦う事をあいつは嫌う
 俺はまだ未成年だから、きっとあいつは嫌がる
 だから、あいつには話す事はない
 いつか気づかれるかもしれないが…俺から話すつもりはない

 隠し事をしている事実に、罪悪感を感じてしまうのは
 スウィート・ポイズン中毒が進んだ証拠だ
 中毒が末期症状に陥った時、自分がどうなるのか
 俺は、それを未だに予測できないままなのだ








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