【電磁人の韻律詩10号~戦場のようなメリークリスマス~】
「何処行くんだアスマ。」
「俺だって知らねえ。」
クリスマスイブの早朝。
明日真と恋路はいきなり家から閉め出されていた。
現在の所持品は現金3万円と晶から奪い取ったハヤブサのみ。
一体どうしてこうなったのだろうか……?
「俺だって知らねえ。」
クリスマスイブの早朝。
明日真と恋路はいきなり家から閉め出されていた。
現在の所持品は現金3万円と晶から奪い取ったハヤブサのみ。
一体どうしてこうなったのだろうか……?
遡ること30分前
「お前ら、これ上げるから今日はデートするなりどこかで(ドーン)するなり好きにしなさい。」
明日晶は自分の前で座っている二人にそれぞれ二万円札を渡した。
彼氏が居ないけれどもプロの、しかも一流のモトクロスライダーなので明日晶はお金が余っているらしい。
しかし彼氏は居ない。
そこで家に帰ったところ弟が女を連れ込んでいた姉の心境たるや察していただきたい。
そりゃあ家が崩壊するまで暴れたくもなるという物である。
「いや、姉さん(ドーン)てなんすか(ドーン)て……。」
(ドーン)を妙に意識して貰うのを躊躇ってしまう真。
「お姉様、ありがとうございます!」
とりあえず貰える物は堂々と貰っておく恋路。
「お前ら、これ上げるから今日はデートするなりどこかで(ドーン)するなり好きにしなさい。」
明日晶は自分の前で座っている二人にそれぞれ二万円札を渡した。
彼氏が居ないけれどもプロの、しかも一流のモトクロスライダーなので明日晶はお金が余っているらしい。
しかし彼氏は居ない。
そこで家に帰ったところ弟が女を連れ込んでいた姉の心境たるや察していただきたい。
そりゃあ家が崩壊するまで暴れたくもなるという物である。
「いや、姉さん(ドーン)てなんすか(ドーン)て……。」
(ドーン)を妙に意識して貰うのを躊躇ってしまう真。
「お姉様、ありがとうございます!」
とりあえず貰える物は堂々と貰っておく恋路。
まあ正反対の反応ではあったが二人はそれを受け取ったのである。
「よし、お前ら絶対家に帰ってくるなよ!
お姉ちゃんだってクリスマスは色々用事が有る(訳が無い)んだからな!
さぁ、お金は充分くれてやったから何処にでも行きやがれ!
30分以内にしたくしやがれ!」
「え?」
「はーい。」
いそいそと支度し始める恋路。
ポカーンとする真。
お姉ちゃんだってクリスマスは色々用事が有る(訳が無い)んだからな!
さぁ、お金は充分くれてやったから何処にでも行きやがれ!
30分以内にしたくしやがれ!」
「え?」
「はーい。」
いそいそと支度し始める恋路。
ポカーンとする真。
「え、じゃねえぞこのスットコドッコイ!
私だって用事がある(訳ねーよバーカバーカ!弟にすら劣るクリスマスを過ごす姿を見られて堪るか!)んだぞ!
それに比べて恋路ちゃんは偉い!こんな馬鹿な弟を任せられるのは君しか居ないね!
デートとかあんまり解ってない弟だと思うけれども色々教えてあげてね!
行け!私に構うな先に行け!さもなくばコロス!ウワアアアアアア!!!
死ねば良いカップルなんて死ねば良いのにっぃぃぃいいいいいいいいい!!」
私だって用事がある(訳ねーよバーカバーカ!弟にすら劣るクリスマスを過ごす姿を見られて堪るか!)んだぞ!
それに比べて恋路ちゃんは偉い!こんな馬鹿な弟を任せられるのは君しか居ないね!
デートとかあんまり解ってない弟だと思うけれども色々教えてあげてね!
行け!私に構うな先に行け!さもなくばコロス!ウワアアアアアア!!!
死ねば良いカップルなんて死ねば良いのにっぃぃぃいいいいいいいいい!!」
突如烈火の如くぶち切れ始める晶。
それに気づいていたのかいつの間にか逃げ出す恋路。
思い切り八つ当たりを喰らう真。
その後、真は姉の怒りを回避しながらなんとか家の外に出たのであった。
それに気づいていたのかいつの間にか逃げ出す恋路。
思い切り八つ当たりを喰らう真。
その後、真は姉の怒りを回避しながらなんとか家の外に出たのであった。
そして話は現在に戻る。
「ねぇアスマ、私この街のことあんまり知らないから案内とかしてくれると嬉しいなあ……。」
「え、ああ解った。とりあえずまだ朝早いし……。
ああ、そうだ。水族館なら今でも開いているかな?」
「お、水族館か!良いね良いね!行こうよ、すぐ行こう。」
二人はとりあえず水族館に行くことを決めた。
まあデートとしては一番無難な選択である。
とりあえずハヤブサにエンジンをかけると二人はクリスマスの街の中に走り出した。
「え、ああ解った。とりあえずまだ朝早いし……。
ああ、そうだ。水族館なら今でも開いているかな?」
「お、水族館か!良いね良いね!行こうよ、すぐ行こう。」
二人はとりあえず水族館に行くことを決めた。
まあデートとしては一番無難な選択である。
とりあえずハヤブサにエンジンをかけると二人はクリスマスの街の中に走り出した。
街はクリスマス一色で様々な所でカップルがイチャイチャしたりラブラブしたり家族連れが幸せそうにしている。
道路はかなり渋滞していて二人は中々水族館までたどり着けない。
それにしても平和だ。
本当にこの町は危険な都市伝説の影が這い寄る街なのだろうか?
今日くらいは正義の味方もお休みして良いだろう、明日真はそんな風に思っていた。
「しっかし聖夜というより性夜になるんじゃないかなこれじゃあ……。」
「ん、どうしたのアスマ?」
「いやなんでもないよ。」
「朝からえっちぃのは駄目だぜ。」
「ばれていたか。」
「それにしても中々進まないねえ~。」
恋路は渋滞に文句を言い始める。
まあ確かにこれだけ待たされると腹が立つという物である。
「ああ、そうだな。まあクリスマスだからしょうがないだろう?」
「クリスマスかぁ……。」
「クリスマスの思い出でも有るのか?」
「いや、ぼんやりなんだけど有るなあ。
お父さんが居て、お母さんが居て、兄弟とか姉妹とかが居て、友達と遊んで帰ってくるとケーキの周りで歌を歌ってたな……。
それで兄弟姉妹でケーキ取り合うんだよね。
そしたら母さんに怒られちゃったりしてさ……。
可笑しいよね、もう名前も思い出せないのにさ。」
「いや、大事なことなんじゃねえの?」
信号が青に変わる。
またハヤブサが走り始める。
車の流れに乗ってスイスイ進む様は中々見ていて心地がよい。
「今、恋路は人間だった時の記憶を無くしているけれどもさ。
それでも忘れられない大事な記憶があるんだろう?
どんなに自分が変わってしまって無くならない記憶。
それがあるってすごく素敵な事だと思うぜ、俺は。」
「く、ククククク………。
ハハハハハハ!
アッハッハッハッハッハッハッッハッハ!!!
何言っているのさアスマ!
あまりにも台詞が臭すぎるってばその台詞は!!
素敵な事だとおもうぜ、キリッ!じゃないってばぁははははははは!!」
「な、なんだよ笑うなよ!良いじゃねえかよ!
俺今絶対格好良いこと言っていたから!」
「いやいやいや、無いわあハハハハハハ、ヒィ……ヒィ……。
よそ見しないでよ、事故られたら嫌だからさ。」
恋路が涙を拭いている。
笑いすぎて涙が出たのだろうか?
「なんだよもう、こんなとろとろ運転の場所で転ぶわけないじゃん!」
真は怒って前の方を向いてしまった。
「まぁ、ありがとう……。」
照れを隠すように恋路が呟く。
「最初から素直に言えよ。」
真はまだちょっとご機嫌斜めのようだ。
「あ、あれ水族館じゃない?」
「おお、そうだそうだ、じゃあ色々見て回ろうか。」
「はーい!」
二人は水族館の駐車場にハヤブサを止めた。
道路はかなり渋滞していて二人は中々水族館までたどり着けない。
それにしても平和だ。
本当にこの町は危険な都市伝説の影が這い寄る街なのだろうか?
今日くらいは正義の味方もお休みして良いだろう、明日真はそんな風に思っていた。
「しっかし聖夜というより性夜になるんじゃないかなこれじゃあ……。」
「ん、どうしたのアスマ?」
「いやなんでもないよ。」
「朝からえっちぃのは駄目だぜ。」
「ばれていたか。」
「それにしても中々進まないねえ~。」
恋路は渋滞に文句を言い始める。
まあ確かにこれだけ待たされると腹が立つという物である。
「ああ、そうだな。まあクリスマスだからしょうがないだろう?」
「クリスマスかぁ……。」
「クリスマスの思い出でも有るのか?」
「いや、ぼんやりなんだけど有るなあ。
お父さんが居て、お母さんが居て、兄弟とか姉妹とかが居て、友達と遊んで帰ってくるとケーキの周りで歌を歌ってたな……。
それで兄弟姉妹でケーキ取り合うんだよね。
そしたら母さんに怒られちゃったりしてさ……。
可笑しいよね、もう名前も思い出せないのにさ。」
「いや、大事なことなんじゃねえの?」
信号が青に変わる。
またハヤブサが走り始める。
車の流れに乗ってスイスイ進む様は中々見ていて心地がよい。
「今、恋路は人間だった時の記憶を無くしているけれどもさ。
それでも忘れられない大事な記憶があるんだろう?
どんなに自分が変わってしまって無くならない記憶。
それがあるってすごく素敵な事だと思うぜ、俺は。」
「く、ククククク………。
ハハハハハハ!
アッハッハッハッハッハッハッッハッハ!!!
何言っているのさアスマ!
あまりにも台詞が臭すぎるってばその台詞は!!
素敵な事だとおもうぜ、キリッ!じゃないってばぁははははははは!!」
「な、なんだよ笑うなよ!良いじゃねえかよ!
俺今絶対格好良いこと言っていたから!」
「いやいやいや、無いわあハハハハハハ、ヒィ……ヒィ……。
よそ見しないでよ、事故られたら嫌だからさ。」
恋路が涙を拭いている。
笑いすぎて涙が出たのだろうか?
「なんだよもう、こんなとろとろ運転の場所で転ぶわけないじゃん!」
真は怒って前の方を向いてしまった。
「まぁ、ありがとう……。」
照れを隠すように恋路が呟く。
「最初から素直に言えよ。」
真はまだちょっとご機嫌斜めのようだ。
「あ、あれ水族館じゃない?」
「おお、そうだそうだ、じゃあ色々見て回ろうか。」
「はーい!」
二人は水族館の駐車場にハヤブサを止めた。
水族館に入ると受付のお姉さんがサンタの格好をしてチケットを販売していた。
「えっと、大人二枚下さい。」
水族館までクリスマスか、と半ば呆れながらも真はチケットを二枚買う。
「はーい、学生証はありますか?只今学生割引中です!」
「アスマは学生証持ってきているの?」
「ああ、念のために持ってきているよ。」
「それじゃあ学生料金になりまーす!」
すこし割引されたことにほくほくである。
「アスマ、このパンフレットも貰っていこうよ!」
「え~、俺子供の頃に来て慣れているから良いよ別に~。」
「こういうのは気分が大切なんだって!」
「ちなみに今日はイルカショーもやっているので是非見ていって下さいね!」
「わー!絶対行こうねアスマ!」
「お、おう……。」
恋路のテンションに正直アスマは困っていた。
正直、彼は女性のテンションが上がるタイミングとかが読めないのである。
イルカショーまではまだ時間があると言うことなので他の魚を見て回ることにした。
「うわっ!すごい!多い!
メッチャ沢山泳いでる!
キャー鮫居るのに食べられないのかな?」
「あんまりはしゃぐな……。」
恋路は鰯と鮫が一緒に居る水槽の前ではしゃいでいた。
パンフレットによると餌による誘導と鮫によるストレスで良く動き回る鰯にライトを当てて楽しむらしい。
「冷静に考えると残酷だな……。」
「どうしたのアスマ、そんな暗い顔して?
わぁ、また照明の色が変わったよ!
きれーい!」
「いや、なんでもないんだ……。」
「なら良いんだ、ちょっとパンフ貸してよ!
次は何処行こうかな、ねぇアスマは巨大マンタの水槽と皇帝ペンギンどっち見たい?」
「え………、どっちでもいいk」
「じゃあマンタ見に行こうマンタ!」
真の手を引いて歩き始める恋路。
やっぱりふわふわと柔らかいなあ、なんて暢気なことを考えて居た。
「えっと、大人二枚下さい。」
水族館までクリスマスか、と半ば呆れながらも真はチケットを二枚買う。
「はーい、学生証はありますか?只今学生割引中です!」
「アスマは学生証持ってきているの?」
「ああ、念のために持ってきているよ。」
「それじゃあ学生料金になりまーす!」
すこし割引されたことにほくほくである。
「アスマ、このパンフレットも貰っていこうよ!」
「え~、俺子供の頃に来て慣れているから良いよ別に~。」
「こういうのは気分が大切なんだって!」
「ちなみに今日はイルカショーもやっているので是非見ていって下さいね!」
「わー!絶対行こうねアスマ!」
「お、おう……。」
恋路のテンションに正直アスマは困っていた。
正直、彼は女性のテンションが上がるタイミングとかが読めないのである。
イルカショーまではまだ時間があると言うことなので他の魚を見て回ることにした。
「うわっ!すごい!多い!
メッチャ沢山泳いでる!
キャー鮫居るのに食べられないのかな?」
「あんまりはしゃぐな……。」
恋路は鰯と鮫が一緒に居る水槽の前ではしゃいでいた。
パンフレットによると餌による誘導と鮫によるストレスで良く動き回る鰯にライトを当てて楽しむらしい。
「冷静に考えると残酷だな……。」
「どうしたのアスマ、そんな暗い顔して?
わぁ、また照明の色が変わったよ!
きれーい!」
「いや、なんでもないんだ……。」
「なら良いんだ、ちょっとパンフ貸してよ!
次は何処行こうかな、ねぇアスマは巨大マンタの水槽と皇帝ペンギンどっち見たい?」
「え………、どっちでもいいk」
「じゃあマンタ見に行こうマンタ!」
真の手を引いて歩き始める恋路。
やっぱりふわふわと柔らかいなあ、なんて暢気なことを考えて居た。
時計が十一時を示すとイルカショーの時間である。
アスマ達はちょっと早く来て前の方でイルカショーを眺めていた。
「わー、可愛い!ねぇカメラ持ってきてる?」
「有るわけ無いってば……。」
「もー、なんで持ってこないのかな?」
「理不尽だぁ……。」
真が嘆いているとどうやらお客さんにイルカと遊んで貰おうコーナーが始まったようだ。
「じゃあそこのお兄ちゃんにイルカと遊んで貰おうかな?」
「はーい!」
「あ、あの男の子も可愛い~!」
先程から可愛い可愛い連呼している恋路。
まあそんな所も少し可愛いかもしれないと真は思い始めていた。
イルカショーは男の子がイルカに指示を始めており、その姿を両親が一生懸命にカメラにおさめている平凡な物だった。
「なぁ恋路。」
「ん、どうしたアスマ?」
「楽しい……?」
「そうだねえ、楽しいよ。まあ二人で居るから楽しいんだろうけどね。」
「えっ、あ、そうか。どうもこういうのって慣れて無くてさ。」
「ふふふ、知っているよ。だから教えてあ・げ・る、……なんちゃって。」
「こいつめえ!」
真は笑いながら恋路のおでこを突っつく。
恋路も笑いながら真のほおをぷにぷにする。
二人は一緒に居られることが嬉しそうにイルカショーそっちのけでお互いを見つめ合っていた。
正直書いている人間の心が折れそうになるシーンである。
イルカショーは大分終わりに近づいていて男の子がイルカをジャンプさせていた。
イルカがわっかをくぐった次の瞬間だった。
「HAHAHAHAHAHA!!」
謎の筋肉全裸男がイルカと一緒に輪っかをくぐっていた。
アスマ達はちょっと早く来て前の方でイルカショーを眺めていた。
「わー、可愛い!ねぇカメラ持ってきてる?」
「有るわけ無いってば……。」
「もー、なんで持ってこないのかな?」
「理不尽だぁ……。」
真が嘆いているとどうやらお客さんにイルカと遊んで貰おうコーナーが始まったようだ。
「じゃあそこのお兄ちゃんにイルカと遊んで貰おうかな?」
「はーい!」
「あ、あの男の子も可愛い~!」
先程から可愛い可愛い連呼している恋路。
まあそんな所も少し可愛いかもしれないと真は思い始めていた。
イルカショーは男の子がイルカに指示を始めており、その姿を両親が一生懸命にカメラにおさめている平凡な物だった。
「なぁ恋路。」
「ん、どうしたアスマ?」
「楽しい……?」
「そうだねえ、楽しいよ。まあ二人で居るから楽しいんだろうけどね。」
「えっ、あ、そうか。どうもこういうのって慣れて無くてさ。」
「ふふふ、知っているよ。だから教えてあ・げ・る、……なんちゃって。」
「こいつめえ!」
真は笑いながら恋路のおでこを突っつく。
恋路も笑いながら真のほおをぷにぷにする。
二人は一緒に居られることが嬉しそうにイルカショーそっちのけでお互いを見つめ合っていた。
正直書いている人間の心が折れそうになるシーンである。
イルカショーは大分終わりに近づいていて男の子がイルカをジャンプさせていた。
イルカがわっかをくぐった次の瞬間だった。
「HAHAHAHAHAHA!!」
謎の筋肉全裸男がイルカと一緒に輪っかをくぐっていた。
「ウワアアアアアアアアアアン!」
涙目、というか泣いている男の子。
「え、何が起こったの!?」
あせる飼育員のお姉さん。
ざわつく観客席。
「HAHAHA!皆さんもガチムチになって男達の楽園を作りましょう!」
全裸筋肉の男は自分の筋肉を誇りながら周りに妙に男らしいオーラをばらまいている。
「なぁ、恋路、あれは………。」
「うん、間違いなくこの前路上で撥ねた都市伝説……。
今日は休みだし知らない振りしてさっさと逃げようよアスマ……。」
「正義の味方に休日は無いのか?」
「え、何か言っ……キャアアア!?」
恋路の服の胸元のポケットにいきなり手を突っ込む真。
「え、ちょ何やってるんだい!!」
「騒ぐな、周りの人にばれるだろ?」
「ばれるも何もこんな状況でそこまで積極的に来るか!?
いや確かにさっきまでちょっと良い感じだったけれど……」
ガバァ!
いきなり恋路の服の胸ポケットから出てくる真っ赤なマフラー、かなり長い。
それを真は自分の顔に巻き付けて顔を隠し始める。
「え、何これ?なんでこんな物が入っていたの?」
「いや、俺の服に入れて置く場所が無かったんだよね。
新・変身アイテム『ライディーンクロース』。」
「だからって黙って仕込んでおくなんてずいぶんじゃないか!」
「あとで美味しい中華料理の店に連れて行ってあげるから!
先にバイクに戻っておいてくれ、あいつ倒したらすぐにここを離れる!」
「――――――ああああ!もう!
ロマンチックでも何でもないじゃないか!クリスマスなのに!」
恋路は半ばぶち切れ気味で外に出た。
「正義の味方に休日は無さそうだな……。」
恋路がイルカプールを離れたのを見計らって謎の全裸筋肉アニキに立ち向かう。
涙目、というか泣いている男の子。
「え、何が起こったの!?」
あせる飼育員のお姉さん。
ざわつく観客席。
「HAHAHA!皆さんもガチムチになって男達の楽園を作りましょう!」
全裸筋肉の男は自分の筋肉を誇りながら周りに妙に男らしいオーラをばらまいている。
「なぁ、恋路、あれは………。」
「うん、間違いなくこの前路上で撥ねた都市伝説……。
今日は休みだし知らない振りしてさっさと逃げようよアスマ……。」
「正義の味方に休日は無いのか?」
「え、何か言っ……キャアアア!?」
恋路の服の胸元のポケットにいきなり手を突っ込む真。
「え、ちょ何やってるんだい!!」
「騒ぐな、周りの人にばれるだろ?」
「ばれるも何もこんな状況でそこまで積極的に来るか!?
いや確かにさっきまでちょっと良い感じだったけれど……」
ガバァ!
いきなり恋路の服の胸ポケットから出てくる真っ赤なマフラー、かなり長い。
それを真は自分の顔に巻き付けて顔を隠し始める。
「え、何これ?なんでこんな物が入っていたの?」
「いや、俺の服に入れて置く場所が無かったんだよね。
新・変身アイテム『ライディーンクロース』。」
「だからって黙って仕込んでおくなんてずいぶんじゃないか!」
「あとで美味しい中華料理の店に連れて行ってあげるから!
先にバイクに戻っておいてくれ、あいつ倒したらすぐにここを離れる!」
「――――――ああああ!もう!
ロマンチックでも何でもないじゃないか!クリスマスなのに!」
恋路は半ばぶち切れ気味で外に出た。
「正義の味方に休日は無さそうだな……。」
恋路がイルカプールを離れたのを見計らって謎の全裸筋肉アニキに立ち向かう。
「おー!中々goodな少年です!
貴方もアニキの使徒にナリナサーイ!」
自らの強靱な肉体を誇示しながら真に迫るアニキ。
その足下には数人の男達が兄気中毒で倒れている。
「いや、やらせないぜ?」
バチ!
バチバチバチ!
真のマフラーが深紅に燃え上がる。
「俺の能力は恋路と同じ性質であったとしてもあいつほど上手には扱えない。
その上頼みの綱のライディーンスーツも今は無い。
でもなあ、正義の味方の条件は強靱な肉体なんかじゃない。」
真は真っ赤に燃え上がったマフラーを両腕に絡みつかせてアニキに向けた。
解説しよう!
明日晶は同じ都市伝説『電子レンジで猫をチン!』の契約者である恋路によって激しい特訓を受けていた!
その中で師匠である彼女が為しえない特殊な能力を発現させたのである!
通常、『電子レンジで猫をチン!』の都市伝説は相手にマイクロ波を送り込み爆葬する都市伝説だ。
しかし彼は遊園地の誘拐犯との戦いの時に怒りにまかせて能力を発動させたところ本来ならあり得ない形でマイクロ波が働いた。
なんと彼はマイクロ波を相手の脳内に直接送り込んで脳の中に声を発生させることに成功したのだ!
パラボラアンテナ代わりのマフラーの補助無しでは発動できないがそれは正しく誰も傷つけない正義の味方の必殺技なのである!
貴方もアニキの使徒にナリナサーイ!」
自らの強靱な肉体を誇示しながら真に迫るアニキ。
その足下には数人の男達が兄気中毒で倒れている。
「いや、やらせないぜ?」
バチ!
バチバチバチ!
真のマフラーが深紅に燃え上がる。
「俺の能力は恋路と同じ性質であったとしてもあいつほど上手には扱えない。
その上頼みの綱のライディーンスーツも今は無い。
でもなあ、正義の味方の条件は強靱な肉体なんかじゃない。」
真は真っ赤に燃え上がったマフラーを両腕に絡みつかせてアニキに向けた。
解説しよう!
明日晶は同じ都市伝説『電子レンジで猫をチン!』の契約者である恋路によって激しい特訓を受けていた!
その中で師匠である彼女が為しえない特殊な能力を発現させたのである!
通常、『電子レンジで猫をチン!』の都市伝説は相手にマイクロ波を送り込み爆葬する都市伝説だ。
しかし彼は遊園地の誘拐犯との戦いの時に怒りにまかせて能力を発動させたところ本来ならあり得ない形でマイクロ波が働いた。
なんと彼はマイクロ波を相手の脳内に直接送り込んで脳の中に声を発生させることに成功したのだ!
パラボラアンテナ代わりのマフラーの補助無しでは発動できないがそれは正しく誰も傷つけない正義の味方の必殺技なのである!
「流派、東方恋路の名の下に!
俺のこの手が真っ赤に燃える 悪を絶やせと轟き叫ぶ!
有情~~~石破!てんきょおおおおけえええええんん!!」
俺のこの手が真っ赤に燃える 悪を絶やせと轟き叫ぶ!
有情~~~石破!てんきょおおおおけえええええんん!!」
「な!?頭の中に声が流れてくる!?
ぐおっ、苦しい………!」
ぐおっ、苦しい………!」
ドサリ
全裸筋肉男は見えない一撃により傷つくことなく気絶したのであった。
「やったか……。」
一息つく明日真。
しかしその姿を見ていた周囲の人間が今度はざわめき始める。
「やっべ、どこかの黒服の皆さんあとは任せた!」
明日真は急いで水族館を後にした。
全裸筋肉男は見えない一撃により傷つくことなく気絶したのであった。
「やったか……。」
一息つく明日真。
しかしその姿を見ていた周囲の人間が今度はざわめき始める。
「やっべ、どこかの黒服の皆さんあとは任せた!」
明日真は急いで水族館を後にした。
「遅いよアスマ!」
「ごめんごめん、人の波をすり抜けるのが大変で……。」
「良いからさっさとマフラー外して逃げるよ!」
シュルシュルと真のマフラーを解くと自分の服の胸ポケットに突っ込む。
「ところでこの前美味しそうなレストランを見つけたんだけど……。
ソレで今回は一つ手を打って頂けないでしょうか……。
予約は済ませておりますので……。」
「それは楽しみだ。予約ってもしかして?」
「ああ、晶姉ちゃんに無理矢理予約させられた。
今日一日は俺達を余程見たくなかったに違いない。」
「苦労、しているんだね。」
「触れないでおいてあげよう。」
「うん……。」
ハヤブサに跨って二人は水族館を離れた。
「ごめんごめん、人の波をすり抜けるのが大変で……。」
「良いからさっさとマフラー外して逃げるよ!」
シュルシュルと真のマフラーを解くと自分の服の胸ポケットに突っ込む。
「ところでこの前美味しそうなレストランを見つけたんだけど……。
ソレで今回は一つ手を打って頂けないでしょうか……。
予約は済ませておりますので……。」
「それは楽しみだ。予約ってもしかして?」
「ああ、晶姉ちゃんに無理矢理予約させられた。
今日一日は俺達を余程見たくなかったに違いない。」
「苦労、しているんだね。」
「触れないでおいてあげよう。」
「うん……。」
ハヤブサに跨って二人は水族館を離れた。
レストランで恋路の機嫌を取った後、真は恋路と映画館に向かった。
本人としては大変不本意ながらコテコテの王道恋愛物である。
どうやって二時間を過ごそうか彼は頭を抱えていた。
「うわぁ……。」
映画館に入るとやはりここもカップルだらけで彼には精神的に厳しい。
しかし恋路は楽しそうに真ん中辺りの席を見つけると真にポップコーンを買いに行かせる。
真が周囲を見ると他のカップルの男性陣もそうらしいことに気づいた。
お互いお疲れ様です、みたいな感じで頷き合う男達。
それぞれドリンクとポップコーンを買うと席について映画は始まった。
結論から言うと明日真を含めて殆どの人間が映画を見ていなかった。
明日真も恋路に寄りかかられてしまったり手を握られてしまったりで眠ることも映画を見ることも許されず思考を停止させていた。
しかしどきどきしていると時間は早く過ぎる物で映画はいつの間にか終わっていた。
ストーリーは本当に単純な恋愛物で恋に疲れた女子大生が大会社の陽気な御曹司と妖しい魅力を持った大学の先輩の間で板挟みになると言う物だった。
恋路が何やら映画について話していた様子だが真にはあまり聞こえていないようだった。
本人としては大変不本意ながらコテコテの王道恋愛物である。
どうやって二時間を過ごそうか彼は頭を抱えていた。
「うわぁ……。」
映画館に入るとやはりここもカップルだらけで彼には精神的に厳しい。
しかし恋路は楽しそうに真ん中辺りの席を見つけると真にポップコーンを買いに行かせる。
真が周囲を見ると他のカップルの男性陣もそうらしいことに気づいた。
お互いお疲れ様です、みたいな感じで頷き合う男達。
それぞれドリンクとポップコーンを買うと席について映画は始まった。
結論から言うと明日真を含めて殆どの人間が映画を見ていなかった。
明日真も恋路に寄りかかられてしまったり手を握られてしまったりで眠ることも映画を見ることも許されず思考を停止させていた。
しかしどきどきしていると時間は早く過ぎる物で映画はいつの間にか終わっていた。
ストーリーは本当に単純な恋愛物で恋に疲れた女子大生が大会社の陽気な御曹司と妖しい魅力を持った大学の先輩の間で板挟みになると言う物だった。
恋路が何やら映画について話していた様子だが真にはあまり聞こえていないようだった。
「で、次はどこにいくの?」
キラキラした目で真に尋ねる恋路。
二人はハヤブサに乗って駅前の方に向かっていた。
「えっと、次は……。」
「私ショッピングとか行きたいなあ!」
「う~ん、解った。じゃあ駅前のデパートでも行くか。」
「あ、あそこで私欲しい物あったんだ~。」
「じゃあ丁度良い。そこへ行こうか。夕食もデパートで済ませちゃうかな?」
「良いんじゃない?まだお財布に余裕は有るけど。」
デパートの辺りも当然クリスマス一色で、恋人達に満ちあふれていた。
バイクを駐車場に停めてデパートに入ろうとした所、真は恋路が空を見ていることに気がついた。
「何見ているんだ?」
「いやほら、月が綺麗だなぁと。」
「月が綺麗なんて俺が言わないと格好がつかないじゃないか。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
恋路の言うとおりに、夕暮れが終わった後の薄暗い闇の中に浮かぶ月はいつもより一際強く輝いているように見えた。
クリスマスなんていつもは気にしていなかったがこういうのも悪くない、と明日真は感じていた。
キラキラした目で真に尋ねる恋路。
二人はハヤブサに乗って駅前の方に向かっていた。
「えっと、次は……。」
「私ショッピングとか行きたいなあ!」
「う~ん、解った。じゃあ駅前のデパートでも行くか。」
「あ、あそこで私欲しい物あったんだ~。」
「じゃあ丁度良い。そこへ行こうか。夕食もデパートで済ませちゃうかな?」
「良いんじゃない?まだお財布に余裕は有るけど。」
デパートの辺りも当然クリスマス一色で、恋人達に満ちあふれていた。
バイクを駐車場に停めてデパートに入ろうとした所、真は恋路が空を見ていることに気がついた。
「何見ているんだ?」
「いやほら、月が綺麗だなぁと。」
「月が綺麗なんて俺が言わないと格好がつかないじゃないか。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
恋路の言うとおりに、夕暮れが終わった後の薄暗い闇の中に浮かぶ月はいつもより一際強く輝いているように見えた。
クリスマスなんていつもは気にしていなかったがこういうのも悪くない、と明日真は感じていた。
「こっちこっち!」
さて、デパートに入ってからすぐに明日真はジュエリーショップコーナーに連れて行かれた。
恋路の目当ては恐らくアクセサリーだろう。
「これ欲しかったんだよね!」
「THE KISS?知らない店だなあ?」
「解ってないねアスマ、今ここがペアリング業界で熱いんだよっ!」
「そうなのか……?」
店に入ると若い女性の店員が丁寧に応対してくれた。
「こちらのペアリング、只今クリスマス割引で29,480円になっております。」
微笑みを崩さずに丁寧に接客するお姉さん。
しかし彼女の目の前で見栄を張りたい学生の客ならばギリギリ買える値段の商品を紹介する辺り抜け目がない。
「ねぇねぇアスマ!これにしようよ!」
「え~、でもバイク弄る時面倒なんだよなあ……。」
勿論これは嘘である。
彼が買うのを躊躇っている理由は指輪なんかつけていたらマイクロ波を出すときに不便だからだ。
しかし店員さんもさるもので指輪が面倒だという明日真の心理を絶妙についてくる。
「それでしたらこちらのチェーンがセットになっておりますのでネックレスでもよろしいかと思いますよ?
クリスマスと二人の記念に是非如何でしょうか?」
「ねぇ~、買おうよ!」
真に修行をつけるときとは違って甘えた声を出す恋路。
そんな声で頼まれたら買わない訳にはいかないだろうがと明日真は心の中で叫んでいた。
さて、デパートに入ってからすぐに明日真はジュエリーショップコーナーに連れて行かれた。
恋路の目当ては恐らくアクセサリーだろう。
「これ欲しかったんだよね!」
「THE KISS?知らない店だなあ?」
「解ってないねアスマ、今ここがペアリング業界で熱いんだよっ!」
「そうなのか……?」
店に入ると若い女性の店員が丁寧に応対してくれた。
「こちらのペアリング、只今クリスマス割引で29,480円になっております。」
微笑みを崩さずに丁寧に接客するお姉さん。
しかし彼女の目の前で見栄を張りたい学生の客ならばギリギリ買える値段の商品を紹介する辺り抜け目がない。
「ねぇねぇアスマ!これにしようよ!」
「え~、でもバイク弄る時面倒なんだよなあ……。」
勿論これは嘘である。
彼が買うのを躊躇っている理由は指輪なんかつけていたらマイクロ波を出すときに不便だからだ。
しかし店員さんもさるもので指輪が面倒だという明日真の心理を絶妙についてくる。
「それでしたらこちらのチェーンがセットになっておりますのでネックレスでもよろしいかと思いますよ?
クリスマスと二人の記念に是非如何でしょうか?」
「ねぇ~、買おうよ!」
真に修行をつけるときとは違って甘えた声を出す恋路。
そんな声で頼まれたら買わない訳にはいかないだろうがと明日真は心の中で叫んでいた。
「ありがとうございましたー!」
店員さんの明るい声に送られて店を出る。
二人の胸元にはリングが光っていた。
「買ってしまった……。」
自分のお小遣いまで出してしまった予想外の出費に嘆く真。
「買って貰った♪」
お目当てのアクセサリーが手には入って上機嫌な恋路。
そんな二人はデパートの屋上に向かっていた。
「席なんて空いているのかなあ?」
「あ、言われてみれば……。」
案の定、デパートの屋上の食堂であっても家族連れやカップルなどで席は一杯になっていた。
「どうするのよ、アスマ~!」
「……嫌な予感はするがこの手をつかうしかないか。」
「え?」
「いや、ホテルのディナーショーの券を二枚ほど貰っていてな……。」
「黒服さんから?あの人親切だよねえ。」
「ああ、ちなみに歌うのはこの歌手なんだけれどさ……。」
「あれ、有名な歌手の人じゃん!どうやって手に入れたのかな?」
「知り合いが出るだのなんだの言っていたぜ。」
「ふーん……、あの人も謎が多いというか。」
「まあ俺達みたく担当している契約者でも居るんじゃないの?」
「そんなところか~」
「じゃあ行くか、あの人のくれた物だから妙に警戒してしまったけどよく考えたらそうすることもないわな。」
「そうだよ、良い人じゃんあの人。」
恋路がそう言って二人が駐車場に戻ろうとしたときだった。
「ダンスフロアーに華やかな光♪」
「あ、携帯なってるよアスマ。」
「俺の携帯か。」
明日真が携帯を取ると姉からの着信だった。
「どうした姉さん。」
「おう、イチャイチャしていたかカップル共……。」
地獄のそこから響くような声が携帯から聞こえる。
明日晶の怨念が携帯を通してこちらに伝わってくるようだ。
「ま、まあ楽しくやっていたよ……。」
ビクビクしながら応対する真。
「そうか、お前らの為に私のファンの支配人がやっているホテルを予約しておいてやったよ。
精々“一晩”楽しむと良い!!この(ピー!)!死ね!死ねば良い!
ホテルの名前は………ね。料金は払ってあるから存分に楽しんで死ね!」
「………なんだと。よりによってそのホテル!?」
「なんか文句有るか!?じゃあな!私は忙しい(気がする)んだ!」
プツッ
電話は切れた。
「どうしたのアスマ?」
「いや、ホテル予約しておいたんだって……。」
「お姉様、少々準備が宜しすぎて焦るというかなんというか……。
ホテルの名前は?」
「これこれ。」
ディナーショーの券を指さす真。
「なんですと………。」
絶句する恋路。
晶が予約したホテルとディナーショーのホテルはどちらも同じ場所だったのだ。
店員さんの明るい声に送られて店を出る。
二人の胸元にはリングが光っていた。
「買ってしまった……。」
自分のお小遣いまで出してしまった予想外の出費に嘆く真。
「買って貰った♪」
お目当てのアクセサリーが手には入って上機嫌な恋路。
そんな二人はデパートの屋上に向かっていた。
「席なんて空いているのかなあ?」
「あ、言われてみれば……。」
案の定、デパートの屋上の食堂であっても家族連れやカップルなどで席は一杯になっていた。
「どうするのよ、アスマ~!」
「……嫌な予感はするがこの手をつかうしかないか。」
「え?」
「いや、ホテルのディナーショーの券を二枚ほど貰っていてな……。」
「黒服さんから?あの人親切だよねえ。」
「ああ、ちなみに歌うのはこの歌手なんだけれどさ……。」
「あれ、有名な歌手の人じゃん!どうやって手に入れたのかな?」
「知り合いが出るだのなんだの言っていたぜ。」
「ふーん……、あの人も謎が多いというか。」
「まあ俺達みたく担当している契約者でも居るんじゃないの?」
「そんなところか~」
「じゃあ行くか、あの人のくれた物だから妙に警戒してしまったけどよく考えたらそうすることもないわな。」
「そうだよ、良い人じゃんあの人。」
恋路がそう言って二人が駐車場に戻ろうとしたときだった。
「ダンスフロアーに華やかな光♪」
「あ、携帯なってるよアスマ。」
「俺の携帯か。」
明日真が携帯を取ると姉からの着信だった。
「どうした姉さん。」
「おう、イチャイチャしていたかカップル共……。」
地獄のそこから響くような声が携帯から聞こえる。
明日晶の怨念が携帯を通してこちらに伝わってくるようだ。
「ま、まあ楽しくやっていたよ……。」
ビクビクしながら応対する真。
「そうか、お前らの為に私のファンの支配人がやっているホテルを予約しておいてやったよ。
精々“一晩”楽しむと良い!!この(ピー!)!死ね!死ねば良い!
ホテルの名前は………ね。料金は払ってあるから存分に楽しんで死ね!」
「………なんだと。よりによってそのホテル!?」
「なんか文句有るか!?じゃあな!私は忙しい(気がする)んだ!」
プツッ
電話は切れた。
「どうしたのアスマ?」
「いや、ホテル予約しておいたんだって……。」
「お姉様、少々準備が宜しすぎて焦るというかなんというか……。
ホテルの名前は?」
「これこれ。」
ディナーショーの券を指さす真。
「なんですと………。」
絶句する恋路。
晶が予約したホテルとディナーショーのホテルはどちらも同じ場所だったのだ。
「ちなみにディナーショーまでどれくらい時間あるんだい?」
「ああ、あと40分だな。」
「急がなくちゃ駄目じゃないか!」
「その通り!さっさと駐車場に戻るぞ!」
二人は血相を変えて駐車場に戻り、ハヤブサのエンジンを起動させた。
「ああ、あと40分だな。」
「急がなくちゃ駄目じゃないか!」
「その通り!さっさと駐車場に戻るぞ!」
二人は血相を変えて駐車場に戻り、ハヤブサのエンジンを起動させた。
「セーフ、開始10分前だ。」
「本当にギリギリなのね。」
二人はなんとかホテルに辿り着いていた。
ホテルに入ると恰幅の良い男が二人を出迎えた。
「晶様の弟様とそのご友人でございますね?
部屋の方は……。」
「あ、その前にディナーショーに行こうと思ってたんですけど!」
「チケットは……、ございますね。
ディナーショーはこちらでございます。お急ぎ下さい。」
真と恋路は男に連れられてホールまで向かった。
二人が席に着くと確かにショーが始まりそうだ。
二人が席に着くと料理やら飲み物やらが運ばれてくる。
すこし飲み物を飲んだり二人で話したりしているとやがてショーは始まった。
美人な女性が歌っているようだが明日も恋路も彼女を見たことはない。
「本当にギリギリなのね。」
二人はなんとかホテルに辿り着いていた。
ホテルに入ると恰幅の良い男が二人を出迎えた。
「晶様の弟様とそのご友人でございますね?
部屋の方は……。」
「あ、その前にディナーショーに行こうと思ってたんですけど!」
「チケットは……、ございますね。
ディナーショーはこちらでございます。お急ぎ下さい。」
真と恋路は男に連れられてホールまで向かった。
二人が席に着くと確かにショーが始まりそうだ。
二人が席に着くと料理やら飲み物やらが運ばれてくる。
すこし飲み物を飲んだり二人で話したりしているとやがてショーは始まった。
美人な女性が歌っているようだが明日も恋路も彼女を見たことはない。
「ふむ……。やはり、いやまさか……?」
「どうしたのアスマ?」
明日真は周囲を落ち着かなくキョロキョロと眺め回していた
「ちょっと静かにしていろ、ディナーショーだろう?
後で話なら聞いてあげるから。」
「むぅ……。アスマこそやたらそわそわしているじゃない。なんだっていうのさ。」
ちょっと不機嫌になる恋路。
「いや、ここにも俺達以外に都市伝説関係者が来ているのじゃないかって。」
「アスマ、そんなこと気にしちゃ駄目だってば!」
「それもそうか……。」
「来ていたとしてもわざわざ暴れたがる人なんて居ないから安心しなってば。」
「それもそうだな。」
明日真は恋路にたしなめられて素直に警戒を解いた。
「どうしたのアスマ?」
明日真は周囲を落ち着かなくキョロキョロと眺め回していた
「ちょっと静かにしていろ、ディナーショーだろう?
後で話なら聞いてあげるから。」
「むぅ……。アスマこそやたらそわそわしているじゃない。なんだっていうのさ。」
ちょっと不機嫌になる恋路。
「いや、ここにも俺達以外に都市伝説関係者が来ているのじゃないかって。」
「アスマ、そんなこと気にしちゃ駄目だってば!」
「それもそうか……。」
「来ていたとしてもわざわざ暴れたがる人なんて居ないから安心しなってば。」
「それもそうだな。」
明日真は恋路にたしなめられて素直に警戒を解いた。
ディナーショーは意外と長く続き、二人が部屋に戻る頃には時計は午後の九時を回っていた。
「しかし女性とホテルだなんて去年は想像もしていなかった……。」
「ん、なんか言った?」
「いや、なんでもない。」
部屋に戻ると適当にテレビをつけて二人で眺めた。
お互い歯を磨いたりシャワーを浴びたりと大変落ち着いた時間を過ごしている。
しかしいつも家では二人でこうして居る筈なのにホテルという場所のせいか真は恋路のことを妙に意識してしまっていた。
「しかし女性とホテルだなんて去年は想像もしていなかった……。」
「ん、なんか言った?」
「いや、なんでもない。」
部屋に戻ると適当にテレビをつけて二人で眺めた。
お互い歯を磨いたりシャワーを浴びたりと大変落ち着いた時間を過ごしている。
しかしいつも家では二人でこうして居る筈なのにホテルという場所のせいか真は恋路のことを妙に意識してしまっていた。
「しかし姉さん(ドゥーン)は無理だって、俺そこまで自分に自信ないから……!」
恋路がシャワーを浴びている間、頭を抱えてベッドに寝転がる明日真。
「確かに俺だって健康な高校一年生である以上ソウイウ願望なり欲望なり有るわけで
その上恋路は黒髪ロングストレートという俺の好みバッチリな感じだし気にはなっているよ?
正義の味方としての活動は手伝って貰ったし命の危機も救って貰ったし料理作ってもらったし優しいし大好きだよ?
でもこんな状況だからってそこまで急にハッテンしてしまうのはどうかっていう倫理観が俺の中でも有るわけで……。
ほら、俺って風紀委員だから不純異性交遊とか良くないと思う訳よ。
不純かっていうとまた違うよ?
この思いは純粋だよ?
でも精神って行動によって外側から規定されるものであって内面とは関係がないと思うんだよね!
何を考えて居ても自己を観測できる他者は自分の行動しか見ることが出来ないわけでさ。
でもそれ故に自分の精神という物は自分にとって比類無い、絶対的な存在なんだよ。
いや決してこう誤魔化しているとかソウイウのじゃなくてなんていうか触れてしまって良いのだろうかという甘美な躊躇いが今俺の脳内で……」
「シャワー浴び終わったよ。」
ペト
シャワーを浴びてすっかり暖かくなった恋路が真に後ろから抱きついてくる。
冷静に考えれば電化製品がシャワーなど浴びて大丈夫なのか心配である。
しかし明日真にそんなことを考えて居る余裕はなかった。
「ちょ、恋路さん。服の方は……。
艶やかな肌が直接触れている感じがするのですがどうしたのでしょう?」
そう、恋路はバスローブ一丁で真に抱きついていたのだ。
「なんだ、今更堅いこと言うなよ。恥ずかしくなるじゃないか。」
真の耳元でささやく恋路。
吐息が懸かるほど真の耳元に迫る彼女の唇。
「12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最も(ピー)をする人の多い「性の6時間」です。
恋路がシャワーを浴びている間、頭を抱えてベッドに寝転がる明日真。
「確かに俺だって健康な高校一年生である以上ソウイウ願望なり欲望なり有るわけで
その上恋路は黒髪ロングストレートという俺の好みバッチリな感じだし気にはなっているよ?
正義の味方としての活動は手伝って貰ったし命の危機も救って貰ったし料理作ってもらったし優しいし大好きだよ?
でもこんな状況だからってそこまで急にハッテンしてしまうのはどうかっていう倫理観が俺の中でも有るわけで……。
ほら、俺って風紀委員だから不純異性交遊とか良くないと思う訳よ。
不純かっていうとまた違うよ?
この思いは純粋だよ?
でも精神って行動によって外側から規定されるものであって内面とは関係がないと思うんだよね!
何を考えて居ても自己を観測できる他者は自分の行動しか見ることが出来ないわけでさ。
でもそれ故に自分の精神という物は自分にとって比類無い、絶対的な存在なんだよ。
いや決してこう誤魔化しているとかソウイウのじゃなくてなんていうか触れてしまって良いのだろうかという甘美な躊躇いが今俺の脳内で……」
「シャワー浴び終わったよ。」
ペト
シャワーを浴びてすっかり暖かくなった恋路が真に後ろから抱きついてくる。
冷静に考えれば電化製品がシャワーなど浴びて大丈夫なのか心配である。
しかし明日真にそんなことを考えて居る余裕はなかった。
「ちょ、恋路さん。服の方は……。
艶やかな肌が直接触れている感じがするのですがどうしたのでしょう?」
そう、恋路はバスローブ一丁で真に抱きついていたのだ。
「なんだ、今更堅いこと言うなよ。恥ずかしくなるじゃないか。」
真の耳元でささやく恋路。
吐息が懸かるほど真の耳元に迫る彼女の唇。
「12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最も(ピー)をする人の多い「性の6時間」です。
貴方の知り合いや友人ももれなく(ピー)をしています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘も(ピー)をしています。
居るか知らないけど貴方が片想いしているあの綺麗な女性も(ピー)をしています。
貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなく(ピー)してます。
晶さんは思い切り家で体育座りしています。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやったことを別の男にやられています。
貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男の(ピー)でヒィヒィ言っています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘も(ピー)をしています。
居るか知らないけど貴方が片想いしているあの綺麗な女性も(ピー)をしています。
貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなく(ピー)してます。
晶さんは思い切り家で体育座りしています。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやったことを別の男にやられています。
貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男の(ピー)でヒィヒィ言っています。
で、アスマはどうする?
私は………ね。」
私は………ね。」
恋路の黒い瞳が妖しく輝く。
真は見えていないだろうが物欲しそうな、それでいて満たされているような不思議な魅力を湛えた瞳。
恋路の細くて白い指が真の胸を、腹を、下へ下へと這いだし始めた。
姉さんすいません、今日貴方の弟は一線を越えるようです。
父さんすいません、今日貴方の息子は大人の階段を登るようです。
だってここで退いたら男じゃないだろう?
明日真は心の中で家族に向けて謝っていた。
真は見えていないだろうが物欲しそうな、それでいて満たされているような不思議な魅力を湛えた瞳。
恋路の細くて白い指が真の胸を、腹を、下へ下へと這いだし始めた。
姉さんすいません、今日貴方の弟は一線を越えるようです。
父さんすいません、今日貴方の息子は大人の階段を登るようです。
だってここで退いたら男じゃないだろう?
明日真は心の中で家族に向けて謝っていた。
ざらりとしたバスローブの肌触りとふわふわ柔らかな胸の弾力が真の身体を否応なしに反応させる。
シャンプーの物だろうか?恋路の甘い香りが鼻腔に満ちると明日真の精神もまた高揚し始める。
シャンプーの物だろうか?恋路の甘い香りが鼻腔に満ちると明日真の精神もまた高揚し始める。
「なぁ恋路。」
「んぅ?どうしたんだぁい?」
真は恋路の方向を振り返って問いかける。
「良いのかい?」
「聞くだけ野暮だろう。」
「失礼したよ。」
真がそう言って恋路の唇を塞ごうとした時だった。
「んぅ?どうしたんだぁい?」
真は恋路の方向を振り返って問いかける。
「良いのかい?」
「聞くだけ野暮だろう。」
「失礼したよ。」
真がそう言って恋路の唇を塞ごうとした時だった。
コンコン!
「ノック?」
「良いよ、続けよう。」
意外と大胆な恋路。
「ちょっと待って、念のために服を着ておいてくれよ。」
「もう、……解った。」
しかし真はノックの音に一抹の不安を感じてドアに近づいた。
恋路が服を着終わったのを確認してからドアを開ける。
「良いよ、続けよう。」
意外と大胆な恋路。
「ちょっと待って、念のために服を着ておいてくれよ。」
「もう、……解った。」
しかし真はノックの音に一抹の不安を感じてドアに近づいた。
恋路が服を着終わったのを確認してからドアを開ける。
「………あっれ?」
明日真がドアを開けるとそこには何も、誰も、無かったし居なかった。
コンコンダッシュなどという悪戯をわざわざする人間がこのホテルに居る筈もない。
明日真がドアを開けるとそこには何も、誰も、無かったし居なかった。
コンコンダッシュなどという悪戯をわざわざする人間がこのホテルに居る筈もない。
だからこそ、明日真は逆に警戒した。
「恋路、後ろは?窓からは誰も来ていないか!?」
「え、誰もいな………。」
恋路が後ろを振り返ったその瞬間だった。
バリーン!
窓ガラスが砕け散る。
そして砕け散った中から現れたのは………
「え、誰もいな………。」
恋路が後ろを振り返ったその瞬間だった。
バリーン!
窓ガラスが砕け散る。
そして砕け散った中から現れたのは………
「…………………リア充、死すべし。」
逆行でよく見えなかったが、確かにそれは明日晶だった。
「キャアアアアアアアアアア!?」
「忙しいってこれの仕込みか!逃げるぞ恋路!こいつだけは不味い!!」
何せ相手は理不尽な理由でぶち切れている姉である。
二人にとって怖くないわけがない。
泡を食って逃げ出す真と恋路。
ホテルの階段を必死で下り、駐車場まで行ってバイクに跨って家まで逃げ出した。
「キャアアアアアアアアアア!?」
「忙しいってこれの仕込みか!逃げるぞ恋路!こいつだけは不味い!!」
何せ相手は理不尽な理由でぶち切れている姉である。
二人にとって怖くないわけがない。
泡を食って逃げ出す真と恋路。
ホテルの階段を必死で下り、駐車場まで行ってバイクに跨って家まで逃げ出した。
彼らがこの騒動の原因は恐怖のサンタだと知るのは少し後のお話である。
【電磁人の韻律詩10号~戦場のようなメリークリスマス~ fin】
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