「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 電子レンジで猫をチン!-09

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【電磁人の韻律詩9号~surface?~】

明日真は高校生だ。
1年D組で風紀委員をつとめている。
一応は不良のくせに風紀委員なんて矛盾している気もするが仕方がない。
彼は風紀委員としては真面目な方でサボリガチな委員が多い中そこそこ仕事をしていた。
「という訳で服装検査が来週から有るから注意な。
 お前らも学校の僕として推薦や教師の心証を良くする為に周囲の人間を売ってでも教師共にこびを売るように。
 それでは今日の風紀委員はお終い、解散!」
「うぃ~っす。」

ぶっちゃけた話。
風紀委員は嫌われ役だ。
風紀委員なんてやっている人間は学校でも周囲の輪から外れているか外される。
そうなれば風紀委員同士で固まるしかない。
故に風紀委員同士のつながりは強い。
そして教師の心証が元々よい生徒はわざわざ風紀委員に入ってまで点数を稼ぐ必要がない。
結局、この学校の風紀委員は不良だが学校には普通に通っていられる人間のたまり場になっていた。
そう、たとえば明日真のような人間である。

「おい明日。」
「なんすか坂本サン。」
彼に声を掛けたのは風紀委員長の坂本だ。
風紀委員としては真面目だが少々変人だと学校中には知られている。
「いや、最近お前を街で見かけないなあと思ってよ。
 この前の事件があったクラブに居たって聞いているけど?」
「その日は休んでいたんですよ。そしたらあそこでガス爆発事件でしょう。
 やっていられない………。」
「ふーん……、それなら良いんだ。」
「用がないならもう帰りますよ?」
「あ、ああ良いぜ。しかしおかしいな……。」
何やらブツクサブツクサ言っている委員長。
明日はその様子が何故か気にはなったが恋路のことを考えると早く家に帰りたいと考えて居た。
何故なら彼の家には、彼の姉が帰って来ていて恋路と壮絶な戦いを(昨日から)繰り広げているのだ。
流石にそろそろ彼が帰って恋路に加勢しないと勝負に決着がついてしまいそうだった。
正直、同じくらい帰りたくないと思っていた。

彼は学校からの帰途、恋路の為にお団子を買って帰ることにした。
彼女は普通のこしあんが好きというのだがちょっと贅沢にスペシャルこしあんを買うと素直に喜ぶ。
そういう彼女の喜んでいる姿を見るのが彼の喜びでもあった。
「すいません、雪見おはぎとスペシャルこしあん下さい。」
「は~い。あら、あのお姉ちゃんは?」
「ああ、恋路なら家でお留守番じゃないですかね。」
「そうなの?残念だわぁ……。」
「今日は姉も帰ってきているんですよ。」
「まぁ!晶ちゃん大きくなったでしょう?」
「そうですね、更に手が付けられなくなりました……。」
「え?」
「いや、なんでもないです。」
「そう、それじゃあお団子ね。」
「ああ、はい。」
明日はお代をキッチリ渡すと団子屋さんを出て行った。
明日真は子供の頃から姉である明日晶にいじめられていた。
おやつを奪われ、おもちゃを壊され、文句を言えば殴られた。
それは彼が大きくなってからも変わらず、反抗するとわりと遠慮無く殴られた。
実際の所、晶はとてつもなく手加減をしているのだがそんなこと真に関係はない。
そんな姉を見て彼は正義の味方になると決意したのである。

彼は団子を買って家に帰ってきた。
恋路と晶は今朝と同じように肉弾戦を続けているのだろうか?
と半ば脅えながらの帰宅であった。
しかしそれにしては妙に家が静かである。
「もしかして決着がついた………?」
どちらかが死んでいるかもしれない。
それは洒落にならないなあと思いながら彼は扉を開けた。
「ただいm………。」
「お姉様、お茶でも淹れましょうか?」
「あら、恋ちゃんに働かせたら悪いわ!真の面倒見てくれていたんだもの!」
明日真は言葉を失った。
今朝まで本気で殴り合っていた女性二人が楽しそうにお茶を飲んでいるのだ。

「あの、二人とも………。」
「なぁに真?」
「どうしたんだいアスマ?」
「一体何が起きたのデセウカ?」
「仲直りしたのよ。殴り合いは究極のコミュニケーションツールじゃない?」
「本当に、話せば解るものだよね。」
ポスン
とりあえず二人に買ってきた甘味を渡す。

トテトテトテ……
「どうしてこうなった?」
明日真は買ってきた団子を二人に渡すと自分の部屋で頭を抱え始めた。


遡ること数時間前
明日真が学校に向かってからのことである。
パチリ
パチリ
ほぼ同時に、死んだように眠っていた二名は目を覚ました。
「さて、決着つけましょうか?」
「望むところだよ。」
もはや真の存在とかそう言うことは完全に無視である。
恋路と晶は既にお互いが戦う為に戦っていた。
「戦慄のファーストアキラパァアアアアアアアアアアンチ!!」
「1200w、―――――――――――chin!」

バチィン!

「私に殴られて骨が折れないって……。そこの雌狐、人間じゃないね?」
「そういうお姉様こそマイクロ波を折り曲げるってどういうことでしょうか?」
「もしかして……」
「ああ、そうか。」

「「都市伝説と契約している?」」

ここで始めて二人の意見が一致した。
「新手の都市伝説か、ならば私も手加減する必要は無いか。」
「手加減?冗談、契約者ならこっちも力を出したい放題だ。」
まあ意見が一致したからと言って戦いが終わるわけではない。
「雌狐、貴方の都市伝説は電子レンジね?」
「そういうお姉様は電磁波動かしたり自分を動かしたり“動かす”都市伝説ですかね?」

恋路の足払いが晶に襲いかかる。
晶はそれに足を取られておもいきりこけるが身体を念動力で支えて逆に恋路を殴りつける。
「死ねえええええええ!!!」
「やらせるかああああああああ!」
ペキ
しかし恋路はあえてそれを腹に受けてそのまま左腕の関節を極める。
恋路はそのまま晶に馬乗りになりながら殴り続けようとする。
「まるで自分が真の傍に居るのが当たり前みたいな顔してるんじゃねえぞ!」
ゴキッ!
しかし殴り合いでは晶の方に一日の長があるらしく今度は恋路が真上に殴り飛ばされる。
「アスマが寂しい時に傍に居なかったのはどこのどいつだ!」
ビシャ!
マイクロ波による攻撃で晶の腕の表面が炸裂する。
鮮やかな血の色がリビングを染め上げる。
「ちっ、出力上げて来やがった!こっちも手加減しないよ!
 真は私が一番傍に居てあげていたんだよ!」
晶の周囲の家具がふわふわと持ち上がる。
「私の都市伝説『超能力(サイコキネシス)』で叩きつぶしてあげる!」
晶が胸の前で手を合わせると光がわずかに屈折して刃のようなものが見え隠れする。
「これからは私がアスマと一緒に居るって決めたんだ!」
恋路が右手を空に掲げると右腕が赤く強く煌めき始める。
叫んだのは同時だった。
「「この一撃にかける!」」


「――――――――――零式斬艦刀!」
「爆熱、マクロフィンガアアアアアアアアアアア!!!!」



――――――――――――カッ!

世界中を白く染め上げる光が学校町を包む。
その光が無くなってから目を開けると、明日家の家屋は瓦礫の山に変化していたのであった。

「はぁ……、はぁ……。」
肩で息をする両者。
額からツゥ、と血を流す恋路。
服(とくに胸の辺り)がちぎれて露出してしまっている晶。
どちらもこれ以上の戦闘は不可能だと感じていた。
「まぁ、その、なんだ。弟を世話していてくれてありがとう。」
先に口を開いたのは晶だった。
何を思ってそう言ったかは解らない。
だが明日晶がある種の感謝のような感情を恋路に抱いているのは事実だった。
「えっと、いや、そんなお礼を言われるようなことは……。
 良ければ、お礼の代わりにアスマの子供の頃の話とか教えて下さい。」
恋路の方も恋路の方でこれだけ戦うと相手に対して妙な親しみがわいていた。
どちらからともなく二人は笑い始めていた。
しかし幾ら笑っていたところで家は直らない。
「お姉様、……どうします?」
「任せてくれよ恋ちゃん。サイコキネシスは便利なんだぜ?」
バラバラになった家が物凄い勢いで組み立て直されていく。
その様子を恋路はポカーンとしながら眺めていた。
「ああ、そうだ。
 私が都市伝説と契約しているのは真に言わないでくれ。
 あいつに余計な心配を掛けたくはない。」
家が直ると晶は恋路にお願いをした。
「わかりました。それじゃあ黙っておきます。」
「ありがとう。超能力を使うと腹が減るんだ。
 家の中でお茶でも飲むかい?」
「じゃあ私が淹れますよ。」
「え~、悪いねえ。」
二人は家の中に入っていった。
明日真が家に帰ってくる数時間前のことである。

【電磁人の韻律詩9号~surface?~ fin】


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