「この間、先生の弟さんに会いましたよ」
…………
ぶはっ!!
俺の言葉に、不良教師は盛大に珈琲を噴出した
うわ、汚っ!?
げほげほ、むせている不良教師に、白骨標本が慌ててハンカチを刺し伊達居る
ついでに、噴出した珈琲の直撃を喰らった人体模型が、熱さに悶え転がっている
ぶはっ!!
俺の言葉に、不良教師は盛大に珈琲を噴出した
うわ、汚っ!?
げほげほ、むせている不良教師に、白骨標本が慌ててハンカチを刺し伊達居る
ついでに、噴出した珈琲の直撃を喰らった人体模型が、熱さに悶え転がっている
「どーしたの?」
不良教師の様子に、俺の膝の上に座っていた花子さんが首をかしげる
げほ、と
まだ少し咳き込みながら、不良教師は俺に言ってくる
げほ、と
まだ少し咳き込みながら、不良教師は俺に言ってくる
「~~っあ、あいつと会ったのか!?」
「最初は、先生かと思って、声かけたんですけど」
「最初は、先生かと思って、声かけたんですけど」
そう、はじめはこの、不良教師かと思ったのだ
ただ、声をかけてから…何か変だ、と思った
いや、髪形と服装が違うな~とも思っていたが、仕事の時とそうじゃない時とで、違うだけか、と思ったのだが
ただ、声をかけてから…何か変だ、と思った
いや、髪形と服装が違うな~とも思っていたが、仕事の時とそうじゃない時とで、違うだけか、と思ったのだが
……ただ
声をかけてから、気付いた
不良教師とは、何かが決定的に違う
雰囲気、と言うか、何と言うか
人を寄せ付けない雰囲気の不良教師の、その雰囲気はまとっていないのだが
…だが、しかし
関わらない方がいい
本能的にそう思わせる何かを、そいつは纏っていた気がした
声をかけてから、気付いた
不良教師とは、何かが決定的に違う
雰囲気、と言うか、何と言うか
人を寄せ付けない雰囲気の不良教師の、その雰囲気はまとっていないのだが
…だが、しかし
関わらない方がいい
本能的にそう思わせる何かを、そいつは纏っていた気がした
『…?あぁ、君、兄さんの教え子?』
にこにこと、そいつはそう言ってきて
…その時点で、俺はようやく、不良教師に弟が居た事を、知ったのだ
…その時点で、俺はようやく、不良教師に弟が居た事を、知ったのだ
「…あいつ、何か妙な事を言ってなかったか?」
珍しく、慌てているような、同様している様子の不良教師
…いつも、面倒くさそうな、だらけた態度の不良教師としては珍しい
ちょっと、面白いかもしれない
いつもと違うこの様子に、花子さんも首を傾げてるし
…いつも、面倒くさそうな、だらけた態度の不良教師としては珍しい
ちょっと、面白いかもしれない
いつもと違うこの様子に、花子さんも首を傾げてるし
「先生の学校での様子とか、生徒の間での評価とか聞かれましたけど?」
「…答えたのか?」
「断ったらヤバそうな予感がビンビンきたんで。包み隠さず全部」
「…答えたのか?」
「断ったらヤバそうな予感がビンビンきたんで。包み隠さず全部」
きっぱり、言い切る
元・虐められっこの勘を舐めるなよ
その手の勘は働くんだよ、自分でも嫌なくらいに
…俺の言葉に、不良教師は頭痛でも感じているように、額に手をやった
元・虐められっこの勘を舐めるなよ
その手の勘は働くんだよ、自分でも嫌なくらいに
…俺の言葉に、不良教師は頭痛でも感じているように、額に手をやった
「……アレには、関わらない方がいいぞ。出来る限り」
「みー?弟さんの事、嫌いなの?」
「みー?弟さんの事、嫌いなの?」
かっくん
首をかしげた花子さんの言葉に、不良教師は複雑そうな表情を浮かべた
…嫌いではないのだろう、多分
ただ、扱いに困っている、と言うか
そんな雰囲気を感じる
首をかしげた花子さんの言葉に、不良教師は複雑そうな表情を浮かべた
…嫌いではないのだろう、多分
ただ、扱いに困っている、と言うか
そんな雰囲気を感じる
「…まぁ、いいんじゃないですか?嫌われるよりは」
「いっそ嫌われた方がマシなんじゃないか?という重い想いをぶつけられた経験がお前にあるか?」
「ないです。だからわかりません」
「いっそ嫌われた方がマシなんじゃないか?という重い想いをぶつけられた経験がお前にあるか?」
「ないです。だからわかりません」
もふもふ、花子さんの頭を撫でてやりつつ、俺は言い切る
そんな重い愛なんざ、受けたことない
妹は、昔から生意気で慕われた記憶はないし(※)
両親からは、まぁ愛されなかった訳じゃないが、世間一般程度の愛情しか受けていない
いや、それでも、小学生のころ、俺が苛められていた事に気付いたら、虐めていた相手の家に乗り込んで…
………
……………
そんな重い愛なんざ、受けたことない
妹は、昔から生意気で慕われた記憶はないし(※)
両親からは、まぁ愛されなかった訳じゃないが、世間一般程度の愛情しか受けていない
いや、それでも、小学生のころ、俺が苛められていた事に気付いたら、虐めていた相手の家に乗り込んで…
………
……………
「ど、どーしたの?けーやくしゃ!急につらいこと思い出したみたいな顔して!?」
「……いや、まぁ、あれだ。思い出したくない記憶と言うか何と言うか。
あの家族は、果たしてあの後どうなったんだろうか。
引っ越した地で無事にやっているだろうかと言うかトラウマになってないだろうかと言うか」
「何があった、お前の過去」
「……いや、まぁ、あれだ。思い出したくない記憶と言うか何と言うか。
あの家族は、果たしてあの後どうなったんだろうか。
引っ越した地で無事にやっているだろうかと言うかトラウマになってないだろうかと言うか」
「何があった、お前の過去」
聞くな、不良教師
これ以上俺に思い出させるな
悪い両親ではないし、過剰な愛を俺や妹に注いできている訳ではない
ただちょっと、うん、まぁ………うん
これ以上俺に思い出させるな
悪い両親ではないし、過剰な愛を俺や妹に注いできている訳ではない
ただちょっと、うん、まぁ………うん
『遠い目をしはりましたで』
『な、何かあったのでしょうか…』
『な、何かあったのでしょうか…』
珈琲の熱さから脱出した人体模型と、珈琲を吹き終えた白骨標本が首を傾げてきた
…そして、白骨標本は困ったように、珈琲塗れになった「それ」を摘み上げた
…それは、20ドル札
ある都市伝説の「核」だったのだが…
…あ~…
…そして、白骨標本は困ったように、珈琲塗れになった「それ」を摘み上げた
…それは、20ドル札
ある都市伝説の「核」だったのだが…
…あ~…
「どうすんですか、先生。それ」
「どうしようか」
「どうしようか」
見事に珈琲塗れ
果たして、この状態になっても、まだこれは都市伝説の核であるのだろうか?
果たして、この状態になっても、まだこれは都市伝説の核であるのだろうか?
20ドル札には、某大事件が予言されていた
そんな、都市伝説
しかし、その都市伝説は、最早「過ぎた事である」
その痛ましい事件が既に起きてしまった以上、その都市伝説は陰謀説と絡むことこそあれど、最早意味が無い
もう、予言した事は実現されたのだから
そんな、都市伝説
しかし、その都市伝説は、最早「過ぎた事である」
その痛ましい事件が既に起きてしまった以上、その都市伝説は陰謀説と絡むことこそあれど、最早意味が無い
もう、予言した事は実現されたのだから
…だが、もし
この都市伝説が、誰かと契約したら?
もし、それが新たな事件を予言するものになったら?
この都市伝説が、誰かと契約したら?
もし、それが新たな事件を予言するものになったら?
それを防ぐ為に、俺たちはその「核」を探した
そして、運良く見つけたのが…今、まさに珈琲まみれになっている20ドル札だ
…うん、その
この20ドル札を、特定の折り方をすると…某事件を予感させるような絵柄が現れる
そんな感じなんだが…
そして、運良く見つけたのが…今、まさに珈琲まみれになっている20ドル札だ
…うん、その
この20ドル札を、特定の折り方をすると…某事件を予感させるような絵柄が現れる
そんな感じなんだが…
「茶色くなっちゃって、何も見えないね」
花子さんの言うとおり
うん、何と言うか
…多分、人間と契約したら、現れる絵柄が変わるとか、そんな感じにあったんだろうなぁ
うん、何と言うか
…多分、人間と契約したら、現れる絵柄が変わるとか、そんな感じにあったんだろうなぁ
でも…うん
珈琲塗れだし
これ、もう無理だろ、色々と
珈琲塗れだし
これ、もう無理だろ、色々と
「…どうします?マジで」
不良教師に、改めて尋ねる
ふむ、と不良教師は、白骨標本が淹れ直したコーヒーを口にして…
………ぽん
花子さんの肩を、軽く叩いてきた
ふむ、と不良教師は、白骨標本が淹れ直したコーヒーを口にして…
………ぽん
花子さんの肩を、軽く叩いてきた
「任せたぞ、嬢ちゃん」
「うみゅ?」
「くぉら、待てや不良教師」
「うみゅ?」
「くぉら、待てや不良教師」
おいこら
花子さんに押し付けんな!?
俺のツッコミを無視して、不良教師は続ける
花子さんに押し付けんな!?
俺のツッコミを無視して、不良教師は続ける
「花子さんがトイレに流せば、問題ないだろ。
確か、トイレに流した相手はもう、出てこないんだろ?」
「うん、出てこないよー」
「そうか、ならば問題ない。流してしまえ」
「こら」
確か、トイレに流した相手はもう、出てこないんだろ?」
「うん、出てこないよー」
「そうか、ならば問題ない。流してしまえ」
「こら」
ゴラァアアアアアアア!?
押し付けるなよ!
だから、花子さんに押し付けるなよ!!
が、しかし、花子さんはとっても素直でいい子だから
不良教師の言葉に、にっぱり笑って
押し付けるなよ!
だから、花子さんに押し付けるなよ!!
が、しかし、花子さんはとっても素直でいい子だから
不良教師の言葉に、にっぱり笑って
「うん、わかった、流す!」
と、元気に答えてしまった
…あぁあ、花子さんや
わかっているのか?
ぶっちゃけ、面倒だから押し付けられただけだぞ?
…あぁあ、花子さんや
わかっているのか?
ぶっちゃけ、面倒だから押し付けられただけだぞ?
「よしよし、嬢ちゃんはいい子だな」
「えへへ~」
「えへへ~」
もふもふ
花子さんの頭を撫で続ける不良教師
…何かムカついたので、俺はその手を押しのけて、花子さんの頭を撫でたのだった
花子さんの頭を撫で続ける不良教師
…何かムカついたので、俺はその手を押しのけて、花子さんの頭を撫でたのだった
…この日
世界中を震撼させた事件に関する都市伝説は…小さな島国の、とある学校にて、二度と戻ってこられないトイレへと流された
世界中を震撼させた事件に関する都市伝説は…小さな島国の、とある学校にて、二度と戻ってこられないトイレへと流された
果たして、それによって、その都市伝説は消滅したのか?
それは、誰にもわからない
都市伝説は誰かに語られ続ける限り、また生まれるものなのだから
それは、誰にもわからない
都市伝説は誰かに語られ続ける限り、また生まれるものなのだから
fin
※…本当はちゃんと慕われている。ただし、彼は気付いていない