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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-33

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ドクター33


「前の一件といい、度々うちの者が迷惑を掛けて申し訳ない」
「前のも今回のも、何でも拾ってくる人が悪い気がするんですけどね」
クリスマスが過ぎた年の瀬に、菓子折りを持って『ウィンチェスター』の少女を迎えに訪れたドクター
ちなみに一緒に来たバイトちゃんは、顔を合わせて早々に女性陣の手によって奥に連れ込まれていた
「一応確認しておきたいんですけど、この子は何者なんですか?」
「ふむ、ボクも詳細は知らない。たまたま知ったうちの粗忽者の番号を頼って連絡してきたようなのだが」
何やら露骨な警戒色を漂わせている『顎砕き飴』の契約者の後ろで、彼女にぺったりと張り付きながら様子を伺っている『ウィンチェスター』の少女
「アメリカの組織の勧誘を蹴って、命を狙われているらしい。その組織はマッドガッサー騒動の時にも一枚噛んできた『アメリカ政府の陰謀論』だ」
常に胡散臭いほどに笑顔でいるドクターの顔が、思い切り苦々しく歪められる
「我々『第三帝国』も真っ向から敵対してはいるが、それ以上にボク個人として大嫌いな組織だ」
「あなたに嫌われるという事は、よほどの悪ですか」
「いや、奴らは正義さ」
いつもの笑顔とは全く真逆の、皮肉と怨嗟に歪められたその顔は、まるで別人のようで
「五月蝿く吠える野良犬を縊り殺す。ゴミを散らかすカラスを捻り殺す。人を襲う熊を撃ち殺す。そんな風に、『迷惑な存在』を『問題を起こす前』に皆殺しにする。そんな正義だよ」
「あんたがそいつらを嫌いなのは結構だけど……この子、怯えちゃってるわよ」
呆れたような『顎砕き飴』の少女の言葉
その背後に張り付いた『ウィンチェスター』の少女は、その長い髪の毛でわかりにくいが微かに震えているようだった
そんな少女の様子を見て、ドクターはまるで憑き物が落ちたかのように普段の雰囲気に戻る
「いやはや済まない、ボクとした事が女性を怯えさせるとは……いかんな、奴らの話をすると感情的になる。益々以って連中の事が嫌いになれそうだ」
やや落ち込んだように肩を落とすドクター
「まあ、彼女を預かるのはボクではなく『総統』閣下だからそれほど問題は無いのだが。個人的に女性に嫌われるのは凹むものでね」
「『総統』って……あのヒトラーそっくりのおじさんですか」
「いやいや本人なのだが」
「ザクロの散歩とかでたまに会いますけど、全然そんな雰囲気無いです」
「犬がいないと雰囲気は全然違うぞあの人は。ともあれ、どうもその少女は人付き合いが苦手なきらいがあるようなので、アニマルセラピーを兼ねてという事でね」
『総統』のペットショップにいる無数の犬は、どれも躾が行き届いている
犬の世話や簡単な接客で、他者と接する事に慣れてもらおうという事らしい
「人付き合い慣れという点ではここでもいいのかもしれないが、逆にここの面々とだけに凝り固まってしまうとそれはそれで大変だからな」
「そうやって話してるとまともな医者みたいですね」
「勿論、ボクは至極まともな医者だとも」
まともでない部分を多々見ている者としては至極真っ当な反応に、ドクターは気にした様子もなく胸を張る
「ともあれ、そういう事なら彼女が落ち着いたらこちらで『総統』さんのところに連れて行きますよ。お店の場所も知ってますし、お互い顔も知ってますから」
「何から何まで申し訳ない。諸経費は、奥に連れ込まれている粗忽者が世話になった時の分とまとめて振り込んでおこう」
そう言うとドクターは、奥に連れ込まれたバイトちゃんに声を掛ける
「バイトくん、帰るぞ……観念して用意された服を着て出てきたまえ。嫌だと言うのならそのまま連れていくぞ」
それと同時に、どたばたと慌てて服を着る様子の音と、女性陣の楽しそうな声が聞こえてくる
「どういう状況だったんですか」
「ひん剥かれて下着姿にされても、可愛らしい服を着る事に抵抗していたのだろう。彼女らの見立ては良いのだ、恥ずかしがる事もあるまい」
「……いやまあ男としては同情しますけどね」
ものの数分で息を切らせて出てきたバイトちゃんと、そのコーディネートに満足げな顔の姫さんと妹ちゃん
「ふむ、実に良い。年末年始用のものも見立ててもらうのも手だな」
「……マジで勘弁して下さい」


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