ドクター34
「迷子を捜して一日走り回ったのが無駄足だった上に、その事が既にバレてて大目玉でありました」
「きちんと報告してから捜索に出るべきでしたね……天使とサンタと筋肉の大乱戦なんてものを見て気が動転してました」
クリスマスの夜、『ウィンチェスター』少女の護送に失敗した『エニグマ暗号機』姉妹
翌日、どうやってか居所を突き止めてきたドクターによりきっちり説教をされ、宿泊しているホテルの部屋でぐったりとしていた
「失敗をした事よりも、報告をしなかった事で怒ってたであります……確かに誤魔化そうとしたのは失策でありました」
「というか、泊まっているホテルをにおいで突き止めたとか何ですか、総統閣下に犬でも借りてきたんですか」
「あの人の嗅覚は女性限定でおかしいぐらいの性能なのであります……ドクターに伝えれば、あの少女もすぐ見つかったかもしれないであります」
「今更どうこう言っても仕方ないです、今後はこのような失策は無いように善処しましょう……ところで」
エニグマ妹はぐったりとベッドに寝そべったまま、部屋の片隅に置かれた大きめの箱に視線を向ける
「アレは何ですか、お姉」
「ドクターと一緒に来た謎のメイドさんが置いていったであります。今回の失策の罰として、それの中から選んだ服で年内は活動しなきゃいけないそうであります」
「あの人の選ぶ服ですか……一体どんなものが入っているのやら」
ずるずると這うようにして箱の元へ行き、箱を開け中身を覗く
「………………」
ごそごそと中を探り、適当な一枚を手に取って目の前に広げ
「何ですかこれー!?」
真っ赤になって、手に持っていた辛うじて布と言えなくもない代物を箱に突っ込むエニグマ妹と、呆気に取られるエニグマ姉
「無理です! 絶対無理! まさかこんなのばっかりって事はないですよね!?」
「南米にいた頃に見た、リオのカーニバル衣装から派手さを取っ払った感じであります……」
「も、もうちょっとマシなものは!? お姉も探すの手伝って下さい、着るのは私だけじゃないんですよ!?」
「りょ、了解であります! とりあえず布か紐か判別が難しいものは除外していくでありますよ!」
衣装箱をひっくり返して大捜索を開始するエニグマ姉妹
「制服系が多いでありますな……スカート丈がかなり短いでありますが」
「これは……水着? 随分と装飾過多ですが」
「おー、軍服発見であります! スカート丈は他のと同様短いでありますが、気分的に楽でありますな」
「神社の巫女の服とか、どっから仕入れてくるんでしょうか」
「それも布面積的にはかなりマシでありますな。袖がセパレートで腋が出てるのが寒そうでありますが」
「それではとりあえずこの二点は確保しておきましょう。着替えはホテルをチェックアウトして、ドクターの元へ行ってからです」
「ドクターの前で着替えるのは気が進まないでありますが、この格好でロビーに出るのは辛いでありますな、確かに」
顔を見合わせて、がっくりとうな垂れる二人
ちなみに衣装は日替わりにされるという事実は、後日着替えを済ませた後に告げられたそうな
「きちんと報告してから捜索に出るべきでしたね……天使とサンタと筋肉の大乱戦なんてものを見て気が動転してました」
クリスマスの夜、『ウィンチェスター』少女の護送に失敗した『エニグマ暗号機』姉妹
翌日、どうやってか居所を突き止めてきたドクターによりきっちり説教をされ、宿泊しているホテルの部屋でぐったりとしていた
「失敗をした事よりも、報告をしなかった事で怒ってたであります……確かに誤魔化そうとしたのは失策でありました」
「というか、泊まっているホテルをにおいで突き止めたとか何ですか、総統閣下に犬でも借りてきたんですか」
「あの人の嗅覚は女性限定でおかしいぐらいの性能なのであります……ドクターに伝えれば、あの少女もすぐ見つかったかもしれないであります」
「今更どうこう言っても仕方ないです、今後はこのような失策は無いように善処しましょう……ところで」
エニグマ妹はぐったりとベッドに寝そべったまま、部屋の片隅に置かれた大きめの箱に視線を向ける
「アレは何ですか、お姉」
「ドクターと一緒に来た謎のメイドさんが置いていったであります。今回の失策の罰として、それの中から選んだ服で年内は活動しなきゃいけないそうであります」
「あの人の選ぶ服ですか……一体どんなものが入っているのやら」
ずるずると這うようにして箱の元へ行き、箱を開け中身を覗く
「………………」
ごそごそと中を探り、適当な一枚を手に取って目の前に広げ
「何ですかこれー!?」
真っ赤になって、手に持っていた辛うじて布と言えなくもない代物を箱に突っ込むエニグマ妹と、呆気に取られるエニグマ姉
「無理です! 絶対無理! まさかこんなのばっかりって事はないですよね!?」
「南米にいた頃に見た、リオのカーニバル衣装から派手さを取っ払った感じであります……」
「も、もうちょっとマシなものは!? お姉も探すの手伝って下さい、着るのは私だけじゃないんですよ!?」
「りょ、了解であります! とりあえず布か紐か判別が難しいものは除外していくでありますよ!」
衣装箱をひっくり返して大捜索を開始するエニグマ姉妹
「制服系が多いでありますな……スカート丈がかなり短いでありますが」
「これは……水着? 随分と装飾過多ですが」
「おー、軍服発見であります! スカート丈は他のと同様短いでありますが、気分的に楽でありますな」
「神社の巫女の服とか、どっから仕入れてくるんでしょうか」
「それも布面積的にはかなりマシでありますな。袖がセパレートで腋が出てるのが寒そうでありますが」
「それではとりあえずこの二点は確保しておきましょう。着替えはホテルをチェックアウトして、ドクターの元へ行ってからです」
「ドクターの前で着替えるのは気が進まないでありますが、この格好でロビーに出るのは辛いでありますな、確かに」
顔を見合わせて、がっくりとうな垂れる二人
ちなみに衣装は日替わりにされるという事実は、後日着替えを済ませた後に告げられたそうな