どうか、悲しまないでください
あなたは何も悪くないのです
あなたは何も悪くないのです
どうか、憐れまないでください
私たちは、憐れまれるために生まれたのではないのです
私たちは、憐れまれるために生まれたのではないのです
どうか、私たちを噂しないでください
生まれた事が私たちの罪であるならば
私たちを噂するのが、あなた方の罪なのです
生まれた事が私たちの罪であるならば
私たちを噂するのが、あなた方の罪なのです
Red Cape
「最近は、あれだな。都市伝説も輸入されるんだな」
「そうですね。こっちから輸出される場合もあるみたいですし」
「あー、ドーバーデーモン辺りがそれっぽいか?あれ河童だろ、多分」
「そうですね。こっちから輸出される場合もあるみたいですし」
「あー、ドーバーデーモン辺りがそれっぽいか?あれ河童だろ、多分」
…こんな会話をしている場合ではない
それは、わかっているのだが
……そうでもしないとやってられるか、ゴルァ
ケタケタ笑いながら、飛び回るそいつ
何これ、ゲームの世界から出てきたモンスターかよ!?
校庭を飛び回るんじゃねぇ!
真夜中とは言え、目撃者が出たら面倒だろうがっ!!
それは、わかっているのだが
……そうでもしないとやってられるか、ゴルァ
ケタケタ笑いながら、飛び回るそいつ
何これ、ゲームの世界から出てきたモンスターかよ!?
校庭を飛び回るんじゃねぇ!
真夜中とは言え、目撃者が出たら面倒だろうがっ!!
「けーやくしゃ、何アレ?」
ぎゅう、と花子さんが俺の背中にしっかりと捕まってきている
と、言うか、捕まらせている
都市伝説と言っても、体は子供サイズの花子さん
走って逃げるにしても、追いつかれてしまう
と、言うか、捕まらせている
都市伝説と言っても、体は子供サイズの花子さん
走って逃げるにしても、追いつかれてしまう
「…ジャージデビルだよ、多分!」
半ば、やけっぱちになって
ぎゅんっ!と頬を掠めた銃弾にヒヤヒヤしながら、俺は叫ぶように応えたのだった
ぎゅんっ!と頬を掠めた銃弾にヒヤヒヤしながら、俺は叫ぶように応えたのだった
ジャージデビル
アメリカの都市伝説だ
都市伝説っつっても、今ではUMA的な扱いらしが
アメリカの都市伝説だ
都市伝説っつっても、今ではUMA的な扱いらしが
いくつかのパターンがあるが、俺が知っているのは、こんな話だ
1735年の嵐の夜、リーズ家に一人の赤ん坊が生まれた
生まれた赤子はその直後より、急激に成長をはじめた
背中から蝙蝠の翼が生え、顔が馬のように変質し、足は蹄となった
化け物と化した赤ん坊は、絶叫を上げながら煙突から飛び出していった…
1735年の嵐の夜、リーズ家に一人の赤ん坊が生まれた
生まれた赤子はその直後より、急激に成長をはじめた
背中から蝙蝠の翼が生え、顔が馬のように変質し、足は蹄となった
化け物と化した赤ん坊は、絶叫を上げながら煙突から飛び出していった…
悪魔の赤子、などともそれは呼ばれる
いくつかのパターンがありながらも共通する事は、それが人が産み落とした赤子であった事と
「リーズ家」「1735年」と言う単語が、必ず含まれるという事か
もしかしたら、歴史的事実が関係しているのかもしれないが、今はそんな事はわりとどうでもいい
いくつかのパターンがありながらも共通する事は、それが人が産み落とした赤子であった事と
「リーズ家」「1735年」と言う単語が、必ず含まれるという事か
もしかしたら、歴史的事実が関係しているのかもしれないが、今はそんな事はわりとどうでもいい
問題は、どうしてアメリカ発の都市伝説が、こんな日本なんかにいやがるのか、という事実と
「……どうして銃なんて持ってやがるんだど畜生めっ!!」
…そう
縦横無尽に飛び回り、こちらに襲い掛かってくるジャージデビル
しかも、そいつは武器所有だった
空からこちらを狙い撃ちにしてくるのだ
ジャージデビルの腕が悪いのか、それともこちらをいたぶって楽しんでいるのか知らないが、今のところ直撃は受けていない
……が、人間、あんなもんヘタな場所に当たったら死んでしまうわっ!?
縦横無尽に飛び回り、こちらに襲い掛かってくるジャージデビル
しかも、そいつは武器所有だった
空からこちらを狙い撃ちにしてくるのだ
ジャージデビルの腕が悪いのか、それともこちらをいたぶって楽しんでいるのか知らないが、今のところ直撃は受けていない
……が、人間、あんなもんヘタな場所に当たったら死んでしまうわっ!?
『えいっ!』
ひゅんっ!と
白骨標本が骨をブーメランのように飛ばす
しかし、ジャージデビルはケタケタ笑いながら、それを銃で撃ち落した
もう少し高度を下げて跳んでくれれば、花子さんの攻撃も当たるものの…!
いつでも攻撃に転じれるよう、グラウンドのすぐ脇に設置されているトイレの扉は開けておいている
しかし、テリトリー外であるが故、水を飛ばせる距離は限られているのだ
…それは、不良教師が連れている白骨標本と人体模型も変わらない
攻撃の範囲も威力も、限定されてしまっている
白骨標本が骨をブーメランのように飛ばす
しかし、ジャージデビルはケタケタ笑いながら、それを銃で撃ち落した
もう少し高度を下げて跳んでくれれば、花子さんの攻撃も当たるものの…!
いつでも攻撃に転じれるよう、グラウンドのすぐ脇に設置されているトイレの扉は開けておいている
しかし、テリトリー外であるが故、水を飛ばせる距離は限られているのだ
…それは、不良教師が連れている白骨標本と人体模型も変わらない
攻撃の範囲も威力も、限定されてしまっている
「っつか、こら変態人体模型!てめぇも少しは攻撃しろやっ!」
『はっはっは、わての内臓ボンバーも目玉ミサイルも、あの距離では届きませへんわー』
「だったらせめて踊るな。グロい、ウザイ」
『はっはっは、わての内臓ボンバーも目玉ミサイルも、あの距離では届きませへんわー』
「だったらせめて踊るな。グロい、ウザイ」
全くもってその通りだ
校庭のど真ん中でケチャダンスを踊るなっ!
何の儀式だよ、限りなく怖いわっ!
ってか、ジャージデーモン、なぜあの変態を狙わない
変態すぎて近寄りたくないのか!?
校庭のど真ん中でケチャダンスを踊るなっ!
何の儀式だよ、限りなく怖いわっ!
ってか、ジャージデーモン、なぜあの変態を狙わない
変態すぎて近寄りたくないのか!?
「花子さん、大丈夫か?」
「う、うん…けーやくしゃも、だいじょーぶ?」
「う、うん…けーやくしゃも、だいじょーぶ?」
…ぶっちゃけると、きつい
背中に花子さんをくっつけたまま走り続けているのだ
いくら花子さんが軽いとはいえ、体力の限界というものが
恨めしげに、白骨標本が飛ばす骨から逃れながら飛び回るジャージデーモンを見上げる
けたけた、けたけた
ジャージデーモンは、不気味に笑いながら、こちらを見下ろしてきていた
背中に花子さんをくっつけたまま走り続けているのだ
いくら花子さんが軽いとはいえ、体力の限界というものが
恨めしげに、白骨標本が飛ばす骨から逃れながら飛び回るジャージデーモンを見上げる
けたけた、けたけた
ジャージデーモンは、不気味に笑いながら、こちらを見下ろしてきていた
「何なんだよ、まったく…こっちをいたぶって楽しいのかよ。どSか、あいつ」
「その線もまぁ、捨てきれないんだがな」
「その線もまぁ、捨てきれないんだがな」
俺と一緒に、ジャージデーモンの攻撃から逃げ回っていた不良教師が、ぼそり、呟く
「…ジャージデーモンってのは、人間や家畜を襲うんだよな?食欲的な意味で」
「……はい、確か」
「……はい、確か」
…え~と
つまるところ
相手の最終目的は…
それを自覚した瞬間…飽きてきたのだろうか
ジャージデーモンが、動き出した
ひゅんっ!と風を裂く様な音を立てながら、こちらに向かって急降下してくる!
つまるところ
相手の最終目的は…
それを自覚した瞬間…飽きてきたのだろうか
ジャージデーモンが、動き出した
ひゅんっ!と風を裂く様な音を立てながら、こちらに向かって急降下してくる!
「…ッ止めろ!」
『ほいさー!』
『ほいさー!』
っぼん!と
人体模型が、小腸を発射した
ぎゅん!と、勢いよく発射された小腸は、狙いたがわずジャージデビルを捕獲せんと襲い掛かる
しかし
人体模型が、小腸を発射した
ぎゅん!と、勢いよく発射された小腸は、狙いたがわずジャージデビルを捕獲せんと襲い掛かる
しかし
「けけけっ!」
がぶっ!!!
『あいだーーーーっ!?』
『あぁぁ!?人体模型さん、大丈夫ですか!?』
『あぁぁ!?人体模型さん、大丈夫ですか!?』
あ、ジャージデーモンが小腸に噛み付いた
うん、あれは痛い
内臓に与えられる衝撃とか、モロに本人喰らってるみたいだし
…が、噛み付いている事により、動きが止まった
チャンスだ!
うん、あれは痛い
内臓に与えられる衝撃とか、モロに本人喰らってるみたいだし
…が、噛み付いている事により、動きが止まった
チャンスだ!
「花子さん!」
「うんっ!」
「うんっ!」
ぴょん!と俺の背中から飛び降りる花子さん
きっ!とジャージデーモンを睨みつける
きっ!とジャージデーモンを睨みつける
「けーやくしゃたちをいじめちゃ、めっ!なの!」
じゃぼぉっ、と、校庭脇のトイレから、水が溢れ出す
激流となり、ジャージデーモンに襲い掛かる激流
だが、しかし…ジャージデーモンは、咥えていた人体模型の内臓を、ぺっ、と不味そうに離すと
ひゅんっ!ときりもみ回転して、花子さんの攻撃を避けた
そのまま、一気にこちらに近づいて…
激流となり、ジャージデーモンに襲い掛かる激流
だが、しかし…ジャージデーモンは、咥えていた人体模型の内臓を、ぺっ、と不味そうに離すと
ひゅんっ!ときりもみ回転して、花子さんの攻撃を避けた
そのまま、一気にこちらに近づいて…
「み!?」
「っ花子さん!?」
「っ花子さん!?」
ぎゅうんっ!!と
花子さんを掴んで、一気に上空に飛び上がった
…しまった!?
狙われるなら、人間である俺か花子さんだと思っていたのに!?
花子さんを掴んで、一気に上空に飛び上がった
…しまった!?
狙われるなら、人間である俺か花子さんだと思っていたのに!?
「っの、メリケン悪魔!!花子さんを下ろせ!!」
ケタケタケタケタケタケタ
返事はなく、ジャージデーモンは不気味に笑い続けるだけだ
じたばた、じたばた
ジャージデーモンに捕まれた花子さんは必死にもがいているが、何せ、腕力はお子様レベル
化け物じみた怪力のジャージデーモンの束縛からは離れられない
じたばた、じたばた
…がぶっ!
花子さんがジャージデーモンに、噛み付いているのが、見えた
しかし、ジャージデーモンは、花子さんを離す事はなく
代わりに、がしゃんっ!!
ジャージデーモンが持っていた銃が、落下してきた
返事はなく、ジャージデーモンは不気味に笑い続けるだけだ
じたばた、じたばた
ジャージデーモンに捕まれた花子さんは必死にもがいているが、何せ、腕力はお子様レベル
化け物じみた怪力のジャージデーモンの束縛からは離れられない
じたばた、じたばた
…がぶっ!
花子さんがジャージデーモンに、噛み付いているのが、見えた
しかし、ジャージデーモンは、花子さんを離す事はなく
代わりに、がしゃんっ!!
ジャージデーモンが持っていた銃が、落下してきた
「みーーっ!?早いの、目が回るの~!!」
ぎゅんぎゅんぎゅん!!
花子さんを掴んだまま、空中をメチャクチャに飛び回るジャージデーモン
あぁっ、花子さんが絶叫マシンに乗っているかのような体験をっ!?
早く、助けてやらないと!
花子さんを掴んだまま、空中をメチャクチャに飛び回るジャージデーモン
あぁっ、花子さんが絶叫マシンに乗っているかのような体験をっ!?
早く、助けてやらないと!
「白骨標本!攻撃は届くか!?」
『と、届きますけど…ッヘタをしたら、花子ちゃんに当たっちゃいます!』
『わての攻撃もそうですわー』
『と、届きますけど…ッヘタをしたら、花子ちゃんに当たっちゃいます!』
『わての攻撃もそうですわー』
白骨標本の遠距離攻撃は、骨をブーメランのように飛ばす攻撃のみ
人体模型のは……グロいんで省略
どちらにせよ、花子さんを巻き込みかねない
…どうする!?
こちらの油断のせいで、花子さんを捕縛されてしまった
俺が、何とかしないと
必死に考える俺の、視界の隅に…先ほど、ジャージデーモンが落とした銃がちらり、入り込んできた
人体模型のは……グロいんで省略
どちらにせよ、花子さんを巻き込みかねない
…どうする!?
こちらの油断のせいで、花子さんを捕縛されてしまった
俺が、何とかしないと
必死に考える俺の、視界の隅に…先ほど、ジャージデーモンが落とした銃がちらり、入り込んできた
…どうする?
彼は、何とか冷静さを保ちながら、考える
花子さんはジャージデーモンに振り回され、水を操る余裕はないだろう
しかし、こちらの攻撃も届かない
花子さんを振り回している間は、向こうもこちらを攻撃してはこないだろうが
どちらにせよ、早く花子さんを解放させるべきだ
彼女も都市伝説であるから、簡単には死なないだろうが…もし万が一、ジャージデビルが真っ先に花子さんを狙った理由が、そのままお持ち帰りして(食欲的な意味で)食べる事だったら洒落にならない
契約しているあいつにだって、悪影響が起きる可能性が…
彼は、何とか冷静さを保ちながら、考える
花子さんはジャージデーモンに振り回され、水を操る余裕はないだろう
しかし、こちらの攻撃も届かない
花子さんを振り回している間は、向こうもこちらを攻撃してはこないだろうが
どちらにせよ、早く花子さんを解放させるべきだ
彼女も都市伝説であるから、簡単には死なないだろうが…もし万が一、ジャージデビルが真っ先に花子さんを狙った理由が、そのままお持ち帰りして(食欲的な意味で)食べる事だったら洒落にならない
契約しているあいつにだって、悪影響が起きる可能性が…
(…うん?)
待て
つい、一瞬前まですぐ隣に居たはずの、花子さんと契約している教え子の姿が…見えなくなっていた
どこに、いった!?
急いで探せば、その姿はすぐに見付かった
つい、一瞬前まですぐ隣に居たはずの、花子さんと契約している教え子の姿が…見えなくなっていた
どこに、いった!?
急いで探せば、その姿はすぐに見付かった
「っ何を…」
銃を、構え
教え子は、空を飛び回るジャージデーモンを狙っていた
その表情が、いつも以上に真剣に見えたのは、恐らく、気のせいではない
狙いを定め…そいつは、躊躇う事なく、引き金を引いた
教え子は、空を飛び回るジャージデーモンを狙っていた
その表情が、いつも以上に真剣に見えたのは、恐らく、気のせいではない
狙いを定め…そいつは、躊躇う事なく、引き金を引いた
どぉん、と響く発射音
…馬鹿な真似はよせ、と、止めるのが遅れた
素人に、それも、日本人の高校生に、銃が扱いこなせる訳が無い
それこそ、運が悪ければ花子さんに当たってしまう
素人に、それも、日本人の高校生に、銃が扱いこなせる訳が無い
それこそ、運が悪ければ花子さんに当たってしまう
「ッギャ!?」
上がった悲鳴は、ジャージデーモンのものだった
よろり、よろめき…翼から、出血している
っどん!と
続けて、そいつはもう一発、銃弾を放つ
今度は、ジャージデーモンの動きが止まっているお陰で、はっきりと見えた
銃弾はジャージデーモンの顔に命中し、苦しげにうめきだす
どんっ、どんっ!と
数発の銃弾は、全てジャージデビルに命中し
……よろり
ジャージデビルは…そのまま、地上に落下し始めた
ぽろり
束縛が緩んだ事により、花子さんは解放され……落下する
よろり、よろめき…翼から、出血している
っどん!と
続けて、そいつはもう一発、銃弾を放つ
今度は、ジャージデーモンの動きが止まっているお陰で、はっきりと見えた
銃弾はジャージデーモンの顔に命中し、苦しげにうめきだす
どんっ、どんっ!と
数発の銃弾は、全てジャージデビルに命中し
……よろり
ジャージデビルは…そのまま、地上に落下し始めた
ぽろり
束縛が緩んだ事により、花子さんは解放され……落下する
「っみーーー!?」
「人体模型!花子さんを受け止めてくれ!!」
『はいな!!』
「人体模型!花子さんを受け止めてくれ!!」
『はいな!!』
っぎゅん!
噛み付かれてしばし使い物にならない小腸の代わりに、大腸を発射する人体模型
ぎゅるんっ!と大腸は花子さんに巻きつき、その落下速度を弱める
どしゃっ!!と
大きな音をたてて、ジャージデーモンは校庭の真ん中に落下した
噛み付かれてしばし使い物にならない小腸の代わりに、大腸を発射する人体模型
ぎゅるんっ!と大腸は花子さんに巻きつき、その落下速度を弱める
どしゃっ!!と
大きな音をたてて、ジャージデーモンは校庭の真ん中に落下した
「花子さんっ、大丈夫か!?」
「み~…ぐるぐるなの~…お空がぐるんぐるんなの~…」
「み~…ぐるぐるなの~…お空がぐるんぐるんなの~…」
慌てて、教え子が花子さんに駆け寄っている
ぐるんぐるん、と振り回された衝撃で目は回っているようだが、花子さん事態にダメージはないようだ
その様子に、教え子はほっとしている
からんっ、と
その手から、銃が離された
映画で、よくアメリカマフィアが使っているような銃が、地面に落ちる
ぐるんぐるん、と振り回された衝撃で目は回っているようだが、花子さん事態にダメージはないようだ
その様子に、教え子はほっとしている
からんっ、と
その手から、銃が離された
映画で、よくアメリカマフィアが使っているような銃が、地面に落ちる
「ギ………ギギャ……!」
「…まだ、動けるのか」
「…まだ、動けるのか」
ぐぐ、と
校庭に落下したジャージデーモンが、起き上がる
しかし、翼に銃弾で穴を空けられた状態で、最早飛び立つ事も出来ず
落下の衝撃で、骨が折れたのだろうか
無様に、もがく事しかできないでいる
必死に手を伸ばす、その様子は
校庭に落下したジャージデーモンが、起き上がる
しかし、翼に銃弾で穴を空けられた状態で、最早飛び立つ事も出来ず
落下の衝撃で、骨が折れたのだろうか
無様に、もがく事しかできないでいる
必死に手を伸ばす、その様子は
…まるで、母親を求める、赤子のような…
「…止めを」
『は、はい!』
『は、はい!』
じゃきんっ、と白骨標本が、片手を刃に変えた
ジャージデーモンに、一瞬で駆け寄り…その首を、切り落とした
ジャージデーモンに、一瞬で駆け寄り…その首を、切り落とした
その体は、一瞬で光と化し、消滅していく
光が消え去る、その直前
赤ん坊の産声が、聞こえたような気がした
光が消え去る、その直前
赤ん坊の産声が、聞こえたような気がした
「…生まれだけ考えりゃあ、憐れな奴なんですけどね」
ぐ~るぐる
目を回している花子さんに膝枕してやりつつ、俺は呟いた
…あれも、赤ん坊系の都市伝説なのだ
場合によっては、おなかにいる間に「いっそ、生まれてくるのが悪魔ならいい」と言ってしまったが為に、あんな姿で生まれた、という説もある
目を回している花子さんに膝枕してやりつつ、俺は呟いた
…あれも、赤ん坊系の都市伝説なのだ
場合によっては、おなかにいる間に「いっそ、生まれてくるのが悪魔ならいい」と言ってしまったが為に、あんな姿で生まれた、という説もある
「だからと言って、一々同情していたらキリがないだろ」
「…まぁ、そうなんですがね」
「…まぁ、そうなんですがね」
せめて、人を襲わぬ都市伝説であれば、救いようがあるのだが
いや、せめて、説得に応じてくれる余地さえ、あれば
そうでなければ、戦うしかない
わかっているのだ
わかっていても、どこか割り切れない
せめて、この手の都市伝説と遭遇しない事を祈るしかない
悲劇の都市伝説たちとて、好きで生まれてきている訳ではないのだから
いや、せめて、説得に応じてくれる余地さえ、あれば
そうでなければ、戦うしかない
わかっているのだ
わかっていても、どこか割り切れない
せめて、この手の都市伝説と遭遇しない事を祈るしかない
悲劇の都市伝説たちとて、好きで生まれてきている訳ではないのだから
「…みゅ~」
「ん、花子さん、もう大丈夫か?」
「うん」
「ん、花子さん、もう大丈夫か?」
「うん」
むくり、起き上がった花子さん
にじにじ、俺の膝の上に座りなおす
よしよし、と俺は労わるように、花子さんの頭を撫でてやった
花子さんは嬉しそうに、にぱ~、と笑ってくる
にじにじ、俺の膝の上に座りなおす
よしよし、と俺は労わるように、花子さんの頭を撫でてやった
花子さんは嬉しそうに、にぱ~、と笑ってくる
「けーやくしゃ、カッコよかったよ!」
「ん?そうか?」
「うん!だって、銃でばーんっ!って、やってくれたもん!」
「ん?そうか?」
「うん!だって、銃でばーんっ!って、やってくれたもん!」
にこにこと、嬉しそうに嬉しそうに、花子さんは笑う
そうか、と俺はもふもふ、花子さんの頭を撫で続けてやる
そうしていると…ふと、タバコを吸っていた不良教師が、思い出したように言ってくる
そうか、と俺はもふもふ、花子さんの頭を撫で続けてやる
そうしていると…ふと、タバコを吸っていた不良教師が、思い出したように言ってくる
「…そう言えば、お前。よく、銃なんて使えたな?」
「………引き金引くくらいなら、誰にでもできますよ」
「それはそうだがな。狙いをつけて、あんな早く飛び回るもんを…しかも、お前、翼を狙って撃ったんじゃないのか?」
「………引き金引くくらいなら、誰にでもできますよ」
「それはそうだがな。狙いをつけて、あんな早く飛び回るもんを…しかも、お前、翼を狙って撃ったんじゃないのか?」
その問いに、俺はすぐには答えられなかった
みー?と、花子さんが、首を傾げてくる
みー?と、花子さんが、首を傾げてくる
「……ゲーセンで、射撃ゲーム、よくやるんで」
そう、答えておいた
不良教師は、腑に落ちない表情をしながらも、そうか、と頷いてくる
それで、いいのだ
俺が銃を扱えた事なんて、今はどうでもいい
今の、最大の問題点は
不良教師は、腑に落ちない表情をしながらも、そうか、と頷いてくる
それで、いいのだ
俺が銃を扱えた事なんて、今はどうでもいい
今の、最大の問題点は
「銃ってのは、燃やせるゴミか?」
「分別はさておき、マジでどうしましょうか」
「分別はさておき、マジでどうしましょうか」
…うん
この銃は、どうやらドーバデーモンの体の一部とか、能力で出したもんとか、そう言う物じゃなくて
……正真正銘、本物の、実物だった
多分、アメリカからこっちに来る際に持ち込んで来たんだろう
税関仕事しろ
この銃は、どうやらドーバデーモンの体の一部とか、能力で出したもんとか、そう言う物じゃなくて
……正真正銘、本物の、実物だった
多分、アメリカからこっちに来る際に持ち込んで来たんだろう
税関仕事しろ
「流石に、普通にゴミに出しちゃマズイでしょ」
「だよな。お前の指紋がべったりついてるし」
「だよな。お前の指紋がべったりついてるし」
うん、その通り
どうしようか
どうしようか
『花子さんがトイレに流したらどないやろ?』
「何でもかんでもトイレに流すのはどうかと思うがな。ってか、そのリンボーダンスをやめろ」
「何でもかんでもトイレに流すのはどうかと思うがな。ってか、そのリンボーダンスをやめろ」
高飛びのバーとか持ち出してリンボーダンスすんな、変態人体模型
内臓が強調されてグロいわ
内臓が強調されてグロいわ
「み、だいじょーぶ!私が流せば、証拠は完璧に隠滅できるから、完全犯罪になるよ!」
「…まぁ、流してもらえればありがたいんだが。証拠を隠滅とか完全犯罪とか、そんな単語はどこで覚えたんだ、花子さんや」
「…まぁ、流してもらえればありがたいんだが。証拠を隠滅とか完全犯罪とか、そんな単語はどこで覚えたんだ、花子さんや」
もふもふ
健気な発言をしてくれた花子さんを、俺は撫でる
健気な発言をしてくれた花子さんを、俺は撫でる
…そう言えば、生き物狙って撃ったのは、初めてだよなぁ、と
銃を撃った感触に、やや、恐怖しながらも
銃を撃った感触に、やや、恐怖しながらも
…いつも、花子さんばかりに攻撃させているのが、そもそも卑怯なのだ
俺だって、自分に出来る戦い方をするべきだ
妹を助けた時だって、花子さんの能力を借りてではあるが、都市伝説をぶん殴って消滅させた
戦う事を、途惑ってはいけないのだ
自分の命を護る為に、助けたい人の命を護る為に
…自分の為に、いつも戦ってくれている花子さんの、為にも
俺だって、自分に出来る戦い方をするべきだ
妹を助けた時だって、花子さんの能力を借りてではあるが、都市伝説をぶん殴って消滅させた
戦う事を、途惑ってはいけないのだ
自分の命を護る為に、助けたい人の命を護る為に
…自分の為に、いつも戦ってくれている花子さんの、為にも
俺は、自分自身にそう言い聞かせ続けながら、無邪気に笑う花子さんの頭を撫で続けたのだった
ママがいないの、とあの子は泣いた
僕を置いてどこかに行ってしまったの、と泣き続ける
僕を置いてどこかに行ってしまったの、と泣き続ける
パパがいないの、とあの子は泣いた
僕を置いてどこかに行ってしまったの、と泣き続ける
僕を置いてどこかに行ってしまったの、と泣き続ける
泣いていたあの子はもういない
あの子はもう泣かなくなったから
あの子はもう泣かなくなったから
あの子には、ママもパパもいない事に、あの子は気づけただろうか?
Red Cape