「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある組織の構成員の憂鬱-43j

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○月×日 23:25 一年生教室


 …蜘蛛の契約者である和弥の人格は、己の考えを、己の目的を曲げるつもりはなかった
 女体化の薬さえ手に入れば、出所はどうでもいい
 そう、言い切った和弥である
 女体化の薬さえ手に入れば、マッドガッサー達の目的が達成されようがされまいがどうでもいい
 そして、手に入らないのであれば、とりあえず自分(たち)の体をこの状態にしたマッドガッサー達をとっちめるだけだ

 マッドガッサーを止めたい一行としては、ここで時間をとられている暇はなかった
 ミサイルの発射準備まで、あと約5分、発射はその25分後
 発射準備段階ならば、まだいいが…ミサイルが発射されてしまっては、最早止める手段はほぼないと言っていい
 ここで、和弥相手に時間をとられている暇はないのだ
 いざとなれば、誰かがここで和弥相手に足止めをして屋上に向かうべきである


 ……しかし
 しかし、だ
 ある一人を除いて、全員が甘く見ていた
 その、ある一人の……そのお人好しさと慈悲深さを
 子供に…未成年に対してみせる、その包容力を、甘く見ていたのだ


「黒服、どうする?」

 はないちもんめの少女にそう尋ねられ…黒服は、少し困ったような表情を浮かべた
 …荒っぽい事はしたくない
 それが、彼の本音であろう

「女体化の薬だが、少なくと知り合いには作れる「可能性」がある者がいる…だが、あくまでも可能性の話だ」

 断言はできない
 そう口にしたのは、銀髪の青年

「薬の提供ができなくても特に何もしないということならば嘘を吐くこともあるまい。むしろここで嘘をついたりうちの契約者が言っていたような努力目標云々で煙に巻いて後々恨まれるのも得策ではない、正直に言ってみてはどうだろう?」

 そう提案してきたのは、Tさん
 そして、彼らの言葉も聞いた上で…黒服は、答える

「…後日、ゴブリンマーケットで探して見ますが……男性の体を女性のものに変える薬が必ず手に入る、と断言はできません」
「ふぅん?」

 彼らの言葉に、和弥はやや落胆したようだった
 しかし、と黒服は続ける

「私達は、マッドガッサー達を退治するのではなく、説得したい。そう考えています」
「説得?」

 不思議そうに、首をかしげる和弥
 そうです、と黒服はさらに続ける

「彼らの説得がうまくいきましたら、性別を反転させる薬を譲っていただけないか、交渉してみましょう」
「黒服、いいのか?」

 和弥に対して警戒的な視線を送っていた「日焼けマシン」の契約者が、心配そうにそう言ってくる
 …「日焼けマシン」の契約者からしてみれば、和弥にどんな事情があったにせよ、その主張が自分勝手で信用できない、と言いたいのかもしれない
 しかし、黒服は大丈夫、と「日焼けマシン」の契約者を安心させるように、かるく微笑む

「彼女とて、女性の人格でありながら男性の体の中に生まれてしまって、苦労しているのです。その願いを、無碍にするのも気の毒ですよ」

 そう
 こんな状況で、あまりにも一方的で自分勝手な取引を持ちかけられながらも、この黒服は和弥の事を気遣っていたのだ
 この黒服、未成年相手にはどこまでも優しすぎる

「ただ…約束、してほしいのです。私達は、マッドガッサー達と戦うつもりはありません。もし、あなたが私達に付いて来るとおっしゃるのでしたら…どうか、彼らを刺激しないようにしてほしいのです」

 お願いできますか?と黒服は和弥に尋ねる

「…まぁ、いいけど?」

 と、和弥は笑って見せた
 …口約束ならば、いくらでもどうとでもなる
 それに、彼らがマッドガッサー達を説得する事に失敗したら、勝手に動かせてもらえばいいのだ
 そんな、打算的な考え

 その、和弥の打算的な考えを知ってか知らずか…彼女の答えに、黒服はほっとしたように微笑んだ

「わかってくださって、良かったです」
「…大丈夫なのかしら?」

 はないちもんめの少女は、いまだ和弥に警戒の視線を向けている
 だが、黒服は和弥を信じたようで
 彼女に歩み寄り…そっと、まるで和弥を慰めるように、頭を撫でた

 ピキ、とはないちもんめの少女に怒りのマークが浮かんだようだが、黒服はそれに気づいていない

「…大変、でしたね。男性の体に、女性の人格として生まれてしまって…あなたと、あなたの体の主人格の方の苦労が少しでも減るように、性別反転の手段は、必ず見つけますからね」


 くろふくDの ださんなきじひのまなざしとことば!
 かずねのださんてきなこころに 999の だめーじ!!!


「………??どうなさいましたか?」
「………………いえ」

 何故だろう
 女体化の薬が手に入るなら、出所なんてどうでもいい
 それこそ、口にするのも憚るような、そんな出所でも、構わない
 そう考えていた和弥ではあったのだが
 …この目の前の黒服の、あまりにも善人すぎるオーラを前に
 自分が、酷く悪人じみているような、そんな錯覚を覚えてしまって…酷く、居心地の悪さを感じるのだった

「…さて、話は纏まった。急ごう」

 銀髪の青年が、そう声をかける
 一同は、教室を出て、すぐ隣の階段から屋上に向かう事にした
 階段の前では、赤い靴達やドクターが、周囲に罠がないか、彼らが来るまで調べてくれていたところだ

「…………」

 ---ちゃりん

「?………気のせいかしら?」

 はないちもんめの少女が、和弥の横をかけた、瞬間
 和弥は、服のポケットに何かが入り込んだような気がしたのだが…
 気のせいだろう、と特に気にしない事にしたのだった




ーーーーミサイル発射準備まで、あと2分






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