「…酷い目にあった」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですか?」
よろり
ようやく解放された翼
…なんと言うか、色々とあられもない姿だが、今更だろう
黒服が、翼を気遣っているのが若干気に食わない…が、黒服らしい行動だから、仕方ないのだろうか
ようやく解放された翼
…なんと言うか、色々とあられもない姿だが、今更だろう
黒服が、翼を気遣っているのが若干気に食わない…が、黒服らしい行動だから、仕方ないのだろうか
…何故、ようやく翼が解放される事になったか?
それは、いい加減お子様達が寝る時間になったからである
むにむにむにゅん
眠たそうに目をこすっている年少組
…この年頃で、あの馬鹿騒ぎで平気と言うか楽しんでいたのは、やはり問題なような
それは、いい加減お子様達が寝る時間になったからである
むにむにむにゅん
眠たそうに目をこすっている年少組
…この年頃で、あの馬鹿騒ぎで平気と言うか楽しんでいたのは、やはり問題なような
「「ねー、お姉ちゃん」」
「ん?」
「ん?」
くいくい
と、望の服を、双子の少年少女が引っ張ってきた
恐らく、小学校低学年くらいだろうか
…少女の方はともかく、少年の方に関しては、若干将来が心配な発現もあったような
とまれ、この二人はまだあまり眠たくないようで
望をじっと見つめ…訪ねてくる
と、望の服を、双子の少年少女が引っ張ってきた
恐らく、小学校低学年くらいだろうか
…少女の方はともかく、少年の方に関しては、若干将来が心配な発現もあったような
とまれ、この二人はまだあまり眠たくないようで
望をじっと見つめ…訪ねてくる
「エリカ、って知ってる?」
「……え」
「……え」
ぴくり
思わず、動きが止まってしまう
思わず、動きが止まってしまう
クリスマスイブの日
トラウマを掘り起こされ、悪夢に魘されていた翼がうわ言で呟いていた名前
トラウマを掘り起こされ、悪夢に魘されていた翼がうわ言で呟いていた名前
それを、何故この子供達が知っている?
「…さぁ、知らないけど。どうしたの、突然」
「前、寝てたチャラ男が呼んでたー」
「そんな名前の女、「首塚」にいないー」
「チャラ男、その人の名前呼んで泣いてたー」
「寝ながら泣いて、何度も何度も呼んでたー」
「前、寝てたチャラ男が呼んでたー」
「そんな名前の女、「首塚」にいないー」
「チャラ男、その人の名前呼んで泣いてたー」
「寝ながら泣いて、何度も何度も呼んでたー」
双子は、どこか心配そうな表情だった
翼のことを、本当に心配している、そんな表情
翼のことを、本当に心配している、そんな表情
「お姉ちゃんも知らない?」
「…えぇ」
「…えぇ」
本当は、ある程度の推測はできている
が、確証は何一つ、ない
が、確証は何一つ、ない
「…お姉ちゃん、チャラ男に聞いてくれる?その人、だぁれ、って」
「私が?…あなたたちは、聞かないの?」
「聞けないの」
「チャラ男、泣いてたから。もしかしたら、聞いたらまた泣いちゃうかもしれないから」
「チャラ男が泣いてる所見るのヤダー」
「私が?…あなたたちは、聞かないの?」
「聞けないの」
「チャラ男、泣いてたから。もしかしたら、聞いたらまた泣いちゃうかもしれないから」
「チャラ男が泣いてる所見るのヤダー」
子供っぽい理由の、子供っぽい願い
でも、間違いなく、二人真剣で
…しかし、望はその願いを承諾する訳には行かなかった
ある意味で、この双子の為にも、承諾する訳にはいかないだろう
でも、間違いなく、二人真剣で
…しかし、望はその願いを承諾する訳には行かなかった
ある意味で、この双子の為にも、承諾する訳にはいかないだろう
「…でも、私が聞いてチャラ男が泣いたら、どうするの?」
「「………ぁ」」
「「………ぁ」」
そこまでは、考えていなかったらしい
「あなた達がチャラ男を泣かせたくない気持ちはわかるけど…でも、だからって、人に押し付けるのは良くないわね。
本当に知りたいのなら……あいつを泣かせる覚悟で、聞いて見たら?」
「「……むぅ」」
「自分達が嫌だからって、他人にやらせるのは卑怯でしょ?」
「…卑怯は駄目だね」
「うん、あっとーてきな力でねじ伏せるのはいいけど、卑怯は駄目だね」
本当に知りたいのなら……あいつを泣かせる覚悟で、聞いて見たら?」
「「……むぅ」」
「自分達が嫌だからって、他人にやらせるのは卑怯でしょ?」
「…卑怯は駄目だね」
「うん、あっとーてきな力でねじ伏せるのはいいけど、卑怯は駄目だね」
困ったように、顔を合わせている双子
…いや、圧倒的な力でねじ伏せる、についても…いや、深くは突っ込むまい
望は小さく苦笑すると、双子の頭を撫でた
…いや、圧倒的な力でねじ伏せる、についても…いや、深くは突っ込むまい
望は小さく苦笑すると、双子の頭を撫でた
「ほら、寝る時間なんでしょ?歯を磨いてきたら?」
「「…はーい」」
「「…はーい」」
てちてちてち
手を繋いでかけていく双子
その双子を見送り…ちらり
翼に、視線をやる
先ほどの会話は、聞こえていなかったようだ
自分の服を確保して、着替えている
手を繋いでかけていく双子
その双子を見送り…ちらり
翼に、視線をやる
先ほどの会話は、聞こえていなかったようだ
自分の服を確保して、着替えている
「……全く」
心配されている自覚もなしに
呆れたように、望はため息をつく
そして
呆れたように、望はため息をつく
そして
----エリカ
その名前が、脳裏にこびりついて離れない
なぜか、そんな錯覚を覚えたのだった
なぜか、そんな錯覚を覚えたのだった
to be … ?