○月×日 23:47 中央高校屋上
「……?あんた、どうしたの?」
バイトちゃんが……喉に、異変でも感じているかのように、喉のあたりを、軽く抑えていて
「いや、何か…喉、が………-------っ!?」
……恐らく
その事態に一番驚いたのは、バイトちゃん、本人
その事態に一番驚いたのは、バイトちゃん、本人
女体化して細くなっていたバイトちゃんの喉から……ぬぅ、と
何者かの手が、突然現れて
何者かの手が、突然現れて
それが、一直線に…………彼らの前に立っていた、マッドガッサー向かって伸びた
「な…っ!?」
「ッマッドはんっ!!」
「ッマッドはんっ!!」
ひゅんっ
似非関西弁の女性が振るった刀…斬鉄剣が、延びてきた手を切り落とした
しかし、その手は即座に再生し、迷う事なく……マッドガッサーのガスマスクを、掴んだ
似非関西弁の女性が振るった刀…斬鉄剣が、延びてきた手を切り落とした
しかし、その手は即座に再生し、迷う事なく……マッドガッサーのガスマスクを、掴んだ
○月×日 23:47 中央高校近辺
「………よし!!」
捕った!!!
マッドガッサーを掴んだ感触を、「壁に耳あり」の契約者は、確かに感じ取った
このまま引っ張り込んで……
マッドガッサーを掴んだ感触を、「壁に耳あり」の契約者は、確かに感じ取った
このまま引っ張り込んで……
「----ひぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひぃ!!!」
響いた、少女の不気味な笑い声
直後、ぐぎぃ……!!と、「壁に耳あり」の契約者の腰に、激痛が走った
直後、ぐぎぃ……!!と、「壁に耳あり」の契約者の腰に、激痛が走った
「が……!?」
あまりの痛みに、うずくまる
能力発動の集中が切れてしまった
声がした方向を、彼は見上げて……
能力発動の集中が切れてしまった
声がした方向を、彼は見上げて……
己に向かって、構えたまま飛び降りてきている青年の姿に
直後、激痛すら感じる余裕もなく、彼は意識を飛ばした
直後、激痛すら感じる余裕もなく、彼は意識を飛ばした
○月×日 23:49 中央高校屋上
ばたばたと、階段を駆け上がる音
「おい、無事か!?」
ばたん!!と屋上に飛び込んできた黒服H
「けは………っ」
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですか!?」
けほけほと、手が消えた喉を抑えているバイトちゃん
黒服Dが、それを気遣っていて……ピキ、と、若干不機嫌な「はないちもんめ」の少女の様子に、鼠がちゅうちゅう怯えた声をあげる
黒服Dが、それを気遣っていて……ピキ、と、若干不機嫌な「はないちもんめ」の少女の様子に、鼠がちゅうちゅう怯えた声をあげる
「マッドはん!?」
「マッド、大丈夫か!?」
「……あぁ」
「マッド、大丈夫か!?」
「……あぁ」
バイトちゃんの喉から出現した手が消滅した為…マッドガッサーは、引き込まれずにすんでいた
彼の仲間たちが、マッドガッサーを気遣い、傍に駆け寄っている
彼の仲間たちが、マッドガッサーを気遣い、傍に駆け寄っている
「くそ、今のは…」
「「喉から手が出る」、ですね。「壁に耳あり」に関連のある能力と聞いていますが」
「…………まさか」
「「喉から手が出る」、ですね。「壁に耳あり」に関連のある能力と聞いていますが」
「…………まさか」
まさか、あいつが?
やや混乱するバイトちゃん
理由はわからないが、己の旧友が今の出来事の原因であると、直感する
やや混乱するバイトちゃん
理由はわからないが、己の旧友が今の出来事の原因であると、直感する
「「MI6」がマッドガッサーを手に入れようとする動機に心当たりは?」
「いや、何も……「アメリカ政府の陰謀論」ならともかく……」
「いや、何も……「アメリカ政府の陰謀論」ならともかく……」
…混乱、しているがゆえに
何故、己の旧友が「MI6」に所属している事を黒服Hが知っているのか?
そこまで、考えが及ばなかった
何故、己の旧友が「MI6」に所属している事を黒服Hが知っているのか?
そこまで、考えが及ばなかった
「……「アメリカ政府の陰謀論」………。…………!!!っの、糞兄貴が!!死んでまで俺に迷惑かけやがるのかあの野郎っ!?」
何か、心当たりがあったのだろうか
罵声をはいているマッドガッサー
罵声をはいているマッドガッサー
……その声に、一行は一瞬、違和感を覚えた
ガスマスク越しの、どこかくぐもった声
それが、マッドガッサーの聞きなれた声だ
ガスマスク越しの、どこかくぐもった声
それが、マッドガッサーの聞きなれた声だ
その、声が
やけに、クリアに聞こえてきたような…?
やけに、クリアに聞こえてきたような…?
「………あ」
Tさんの契約者が、それに気づいた
落ちているガスマスク、黒い帽子
落ちているガスマスク、黒い帽子
そう
「喉から手が出る」によってガスマスクを捕まれ、引っ張られた拍子に……マッドガッサーのガスマスクが、外れてしまっていたのだ
さらにその拍子に、いつも被っていた帽子も落ちてしまっていて
「喉から手が出る」によってガスマスクを捕まれ、引っ張られた拍子に……マッドガッサーのガスマスクが、外れてしまっていたのだ
さらにその拍子に、いつも被っていた帽子も落ちてしまっていて
「………」
自然と
一行の視線が……素顔を曝け出しているマッドガッサーに、向いた
一行の視線が……素顔を曝け出しているマッドガッサーに、向いた
月光の下、美しく輝く、緩くウェーブがかった白銀のロングヘア
まるで、エメラルドグリーンの宝石のような大きな瞳
ぷっくりとした、艶やかな唇
頬はほんのりと赤く、木目細やかで
まるで、エメラルドグリーンの宝石のような大きな瞳
ぷっくりとした、艶やかな唇
頬はほんのりと赤く、木目細やかで
マッドガッサーがコンプレックスを抱き、隠し続けた、その顔は
どう見ても、美少女ロリ顔でした
本当に………本当に、ありがとうございました
本当に………本当に、ありがとうございました
マッドガッサーは、細身とは言え、その身長は170㎝台後半
その体型で、そんな顔な訳で
その体型で、そんな顔な訳で
数秒の、沈黙の後
屋上は、爆笑の渦に包み込まれた
屋上は、爆笑の渦に包み込まれた
「ってめぇらぁ!?笑うなっ!?てめぇらに女顔の苦労がわかるかっ!!??」
「ま、マッドはん、落ち着いて!!うちは、マッドはんのその顔が好きやで!」
「ま、マッドはん、落ち着いて!!うちは、マッドはんのその顔が好きやで!」
ちょっぴり本気泣きのマッドガッサーに、ぎゅうと抱きついて必死に慰めている似非関西弁の女性
「…あの、そんなに笑っては、彼に気の毒では…」
「ま、気持ちはわからんでもないけどな」
「ま、気持ちはわからんでもないけどな」
マッドガッサー一味の他は、性格の関係上、周りが笑い出した事によってむしろマッドガッサーに同情を覚えている黒服D以外と、以前にもその顔を見て居る為耐性が出来ていた黒服H以外のほぼ全員が
マッドガッサーの、そのあまりにもミスマッチな素顔を前に………盛大に、盛大に、笑い転げてしまったのだった
マッドガッサーの、そのあまりにもミスマッチな素顔を前に………盛大に、盛大に、笑い転げてしまったのだった
とぅーびー???