「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-22

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○月×日 23:47 中央高校屋上


「……?あんた、どうしたの?」

 始めに、それに気づいたのは……恐らく、ちゅうちゅうと騒ぎ出した、「はないちもんめ」の少女の鎖に絡んだままの鼠
 次に気づいたのは、たまたま、バイトちゃんの傍にいた赤い靴の契約者

 バイトちゃんが……喉に、異変でも感じているかのように、喉のあたりを、軽く抑えていて

「いや、何か…喉、が………-------っ!?」

 ……恐らく
 その事態に一番驚いたのは、バイトちゃん、本人

 女体化して細くなっていたバイトちゃんの喉から……ぬぅ、と
 何者かの手が、突然現れて

 それが、一直線に…………彼らの前に立っていた、マッドガッサー向かって伸びた

「な…っ!?」
「ッマッドはんっ!!」

 ひゅんっ
 似非関西弁の女性が振るった刀…斬鉄剣が、延びてきた手を切り落とした
 しかし、その手は即座に再生し、迷う事なく……マッドガッサーのガスマスクを、掴んだ




○月×日 23:47 中央高校近辺


「………よし!!」

 捕った!!!
 マッドガッサーを掴んだ感触を、「壁に耳あり」の契約者は、確かに感じ取った
 このまま引っ張り込んで……


「----ひぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひぃ!!!」


 響いた、少女の不気味な笑い声
 直後、ぐぎぃ……!!と、「壁に耳あり」の契約者の腰に、激痛が走った

「が……!?」

 あまりの痛みに、うずくまる
 能力発動の集中が切れてしまった
 声がした方向を、彼は見上げて……

 己に向かって、構えたまま飛び降りてきている青年の姿に
 直後、激痛すら感じる余裕もなく、彼は意識を飛ばした





○月×日 23:49 中央高校屋上

 ばたばたと、階段を駆け上がる音

「おい、無事か!?」

 ばたん!!と屋上に飛び込んできた黒服H

「けは………っ」
「大丈夫ですか!?」

 けほけほと、手が消えた喉を抑えているバイトちゃん
 黒服Dが、それを気遣っていて……ピキ、と、若干不機嫌な「はないちもんめ」の少女の様子に、鼠がちゅうちゅう怯えた声をあげる

「マッドはん!?」
「マッド、大丈夫か!?」
「……あぁ」

 バイトちゃんの喉から出現した手が消滅した為…マッドガッサーは、引き込まれずにすんでいた
 彼の仲間たちが、マッドガッサーを気遣い、傍に駆け寄っている

「くそ、今のは…」
「「喉から手が出る」、ですね。「壁に耳あり」に関連のある能力と聞いていますが」
「…………まさか」

 まさか、あいつが?
 やや混乱するバイトちゃん
 理由はわからないが、己の旧友が今の出来事の原因であると、直感する

「「MI6」がマッドガッサーを手に入れようとする動機に心当たりは?」
「いや、何も……「アメリカ政府の陰謀論」ならともかく……」

 …混乱、しているがゆえに
 何故、己の旧友が「MI6」に所属している事を黒服Hが知っているのか?
 そこまで、考えが及ばなかった

「……「アメリカ政府の陰謀論」………。…………!!!っの、糞兄貴が!!死んでまで俺に迷惑かけやがるのかあの野郎っ!?」

 何か、心当たりがあったのだろうか
 罵声をはいているマッドガッサー

 ……その声に、一行は一瞬、違和感を覚えた
 ガスマスク越しの、どこかくぐもった声
 それが、マッドガッサーの聞きなれた声だ

 その、声が
 やけに、クリアに聞こえてきたような…?

「………あ」

 Tさんの契約者が、それに気づいた
 落ちているガスマスク、黒い帽子

 そう
 「喉から手が出る」によってガスマスクを捕まれ、引っ張られた拍子に……マッドガッサーのガスマスクが、外れてしまっていたのだ
 さらにその拍子に、いつも被っていた帽子も落ちてしまっていて

「………」

 自然と
 一行の視線が……素顔を曝け出しているマッドガッサーに、向いた


 月光の下、美しく輝く、緩くウェーブがかった白銀のロングヘア
 まるで、エメラルドグリーンの宝石のような大きな瞳
 ぷっくりとした、艶やかな唇
 頬はほんのりと赤く、木目細やかで

 マッドガッサーがコンプレックスを抱き、隠し続けた、その顔は

 どう見ても、美少女ロリ顔でした
 本当に………本当に、ありがとうございました


 マッドガッサーは、細身とは言え、その身長は170㎝台後半
 その体型で、そんな顔な訳で


 数秒の、沈黙の後
 屋上は、爆笑の渦に包み込まれた

「ってめぇらぁ!?笑うなっ!?てめぇらに女顔の苦労がわかるかっ!!??」
「ま、マッドはん、落ち着いて!!うちは、マッドはんのその顔が好きやで!」

 ちょっぴり本気泣きのマッドガッサーに、ぎゅうと抱きついて必死に慰めている似非関西弁の女性

「…あの、そんなに笑っては、彼に気の毒では…」
「ま、気持ちはわからんでもないけどな」

 マッドガッサー一味の他は、性格の関係上、周りが笑い出した事によってむしろマッドガッサーに同情を覚えている黒服D以外と、以前にもその顔を見て居る為耐性が出来ていた黒服H以外のほぼ全員が
 マッドガッサーの、そのあまりにもミスマッチな素顔を前に………盛大に、盛大に、笑い転げてしまったのだった






とぅーびー???







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