「…っふ……あいつの黄金コンボを喰らうなんざ、高校の時以来だな、懐かしい……!」
「…あんまり、あの子におかしな事を言わないであげてくださいね」
「…あんまり、あの子におかしな事を言わないであげてくださいね」
ぼろっ
翼に叩きのめされ、ぼろぼろの誠
が、それでもわりと平気そうなのは、やはり鍛えているからだろう
翼はようやく宥められ、今はひとまず落ち着いて…
…いや、あっちではないちもんめやTさんの契約者に、またからかわれているようだが…
翼に叩きのめされ、ぼろぼろの誠
が、それでもわりと平気そうなのは、やはり鍛えているからだろう
翼はようやく宥められ、今はひとまず落ち着いて…
…いや、あっちではないちもんめやTさんの契約者に、またからかわれているようだが…
「俺は別におかしな事は言っちゃいねぇよ……ところで、黒服さん」
「はい?」
「あんた、翼が実家を出た後……あいつの両親がどうなったか、知ってるか?」
「はい?」
「あんた、翼が実家を出た後……あいつの両親がどうなったか、知ってるか?」
…誠の、言葉に
黒服は、少し悲しそうな表情を浮かべた
黒服は、少し悲しそうな表情を浮かべた
「…離婚、なさったそうですね」
「あぁ。まぁ、昔っから夫婦と思えない夫婦だったんでまぁ納得なんだが…問題は、その後。どうなったか、知ってるか?」
「あぁ。まぁ、昔っから夫婦と思えない夫婦だったんでまぁ納得なんだが…問題は、その後。どうなったか、知ってるか?」
……黒服の、暗い表情に
誠は、小さく舌打ちして、続ける
誠は、小さく舌打ちして、続ける
「…知ってやがるな?」
「………はい」
「それじゃあ」
「………はい」
「それじゃあ」
誠が、黒服を真正面から睨みつける
「……翼は、自分の父親が行方不明になっているのを、知っているのか?」
…その、問いかけに
黒服は、答えない
それを肯定ととって、誠はますます舌打ちした
黒服は、答えない
それを肯定ととって、誠はますます舌打ちした
「話してないのかよ?」
「…あの子には、彼の両親が離婚した事も伝えていません…その事は、あの子自身もなんとなく感じ取ってはいるようですが…」
「…あの子には、彼の両親が離婚した事も伝えていません…その事は、あの子自身もなんとなく感じ取ってはいるようですが…」
両親の離婚については、いつか話そうと思っていた
だが……彼の父親が、行方不明になっている、事実
それを、どう伝えたらいいものか……黒服は、ずっと悩んでいた
だが……彼の父親が、行方不明になっている、事実
それを、どう伝えたらいいものか……黒服は、ずっと悩んでいた
翼が、両親の元を離れてすぐ…彼の両親は、離婚した
その直後、父親は仕事でヨーロッパに向かっていて
その直後、父親は仕事でヨーロッパに向かっていて
そのヨーロッパの地で、消息を断っているのだ
はたして、都市伝説絡みなのか、どうか
それすらも、わからない
あまりにも、情報が少なすぎて…逆に、話す事ができないのだ
それすらも、わからない
あまりにも、情報が少なすぎて…逆に、話す事ができないのだ
「…ま、あんたがどう思ってそれを話していないのか。俺は興味ない。俺からも、それを話す気はないしな………ただ」
誠の視線が、鋭くなる
殺気すら含んだ、眼差し
殺気すら含んだ、眼差し
「……もし、あいつに何かあったら。俺はあんたを許さない」
「…肝に銘じておきます」
「…肝に銘じておきます」
小さく、苦笑する黒服
彼の言葉に、誠は満足したように、彼から離れようとして…
彼の言葉に、誠は満足したように、彼から離れようとして…
「あ、そうだ」
「…?」
「俺達が、高校卒業した日、あるだろ?……あの日、あいつの父親を、見かけたような気がするんだよ」
「……朝比奈さんを、ですか?」
「…?」
「俺達が、高校卒業した日、あるだろ?……あの日、あいつの父親を、見かけたような気がするんだよ」
「……朝比奈さんを、ですか?」
あぁ、と頷く誠
だが、その表情は、やや自信なさげだ
だが、その表情は、やや自信なさげだ
「いや、ほんの一瞬、だけどよ……すれ違った気がするんだよ。そんな訳、ないんだが」
あの時点で、翼の父親は行方不明で
どこにいるのかも、わからない状況で
まさか、あの場にいたはずはないのに
そう言うように、自信なさげに、告げて…誠は今度こそ、黒服から離れて翼に駆け寄っていっている
……あぁ、また拳が飛んで…
どこにいるのかも、わからない状況で
まさか、あの場にいたはずはないのに
そう言うように、自信なさげに、告げて…誠は今度こそ、黒服から離れて翼に駆け寄っていっている
……あぁ、また拳が飛んで…
黒服は小さく苦笑して…しかし、先ほどの誠の言葉が、気になって
やや、悩むように、思考をめぐらせたのだった
やや、悩むように、思考をめぐらせたのだった
to be … ?