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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-10b

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匿名ユーザー

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あれから一週間がたったが、いまだ『猿夢』と戦えずにいる。
まぁ対処法を思いつかないまま猿夢と遭遇して目覚めが悪くなるよりはましか。そう思いながら登校する。
教室に入った矢先、友が話しかけてきた。
「おい、そろそろお前の身が危なそうだぜ。昆虫さんが言ってる」「…『虫の知らせ』か」

友の能力『虫の知らせ』は自身だけでなく、その周囲の人間に迫る危機をも知らせる力があるらしい。
「しかし『猿夢』ってどう倒すんだ?」「夢の中だからな…猿たちを全滅させるしかねーだろ」
現実ならば列車の外からぶっ壊せば済む話だが、いきなり車内だとその乗組員を倒すしかない。
「まぁ、それしかねぇな…まぁがんばれや」「あぁ、ありがとな」


「ちょっと伝えたいことがあるから、放課後に図書館に来てくれないか?」
そう言われたのは、昼休みの半ばごろだった。クーさんのことだからおそらく都市伝説関連の話だろう。

「…と言われたから来てみたはいいものの」
今日は図書館は閉館日なのだ。さてどうしたものかとあれこれ考えていると、中から声がした。
「やぁ、来てくれたんだね」
どうやらクーさんはすでに図書館内に入っていたようで、中から鍵を開け俺を入れてくれた。

「で、用件は一体何だ?」
「その前に一つ質問してもいいかな。これから伝える話にも僅かながら関連してくることなのでね」「あ、あぁ」

「猫、に関する都市伝説、というか怪奇な話を知らないかい?」

「猫、ねぇ…猫肉バーガーくらいしか知らねぇなぁ…」「…そうか。それならいいんだ」
「ところでその話ってn…」ドサッ


……?何コレ?

俺がクーさんに用件について再び訪ねようとする前に、俺はクーさんに押し倒され、本棚にもたれかかる体制となり、その上にクーさんがいる。
ちょ、顔近い!近いって!息!息がかかってる!

「ちょ…クーさん何を…」「……」
クーさんは何かを語る様子もなくただじっとこちらを見つめている。

その顔はとても美しく、思わず目をそらしてしまう。
「こっちを、向いてくれ」が、俺の顔はクーさんに固定され、そちらを見ざるをえなくなった。

「じ、実はだね」…クーさんが顔を赤らめながらこちらに話しかけてくる。  チクショウケイヤクシャウラヤマシスギル



「いつからかは分からないんだが…どうやら僕は…君のことが好きになったらしい」

……?…??
俺の思考がフリーズする。言われている意味は理解できるのだが、如何せん告白なんてされたの初めてなので何と返答していいのやら。
いろいろと考えていると、いきなりまぶたが重く、そして意識が遠くなってきた。…やべ、昨日あんま眠れなかったからか?
何とか意識をつなぎとめようとする俺の意思とは逆に、俺の意識は飛んでしまった。




「…あとはあいつらがやってくれる」
敵を仲間のテリトリーに追い込んだことで私、いや僕は満足していた。
「しかし…やはり人の体というのは動きづらくて仕方が無い」「ほぉ、ならばとっとと出てきたらどうじゃ?若者の知り合いの体からな」
「!?誰だ!?」周りを見渡しても声の主は見当たらない。

「しかし、お主は普通は人に変化する中国の妖怪じゃなかったかのぅ?なんでこんなところにいるのか不思議なんじゃが」
「くっ、どこだ!どこにいる!?姿を現せ!」
「上だぜ、上」そう言って上を見上げた。それがうかつだった。
「っ!?」僕の口の中に肉が入り、一気に食道を下り胃に入る。その瞬間、「私」は支配していた彼女の中から放出される。


「…くっ…はぁっ」「やっと姿を現しおったか、中国妖怪『金華猫』め」

そう、私の名は『金華猫』。私に言い寄られた人は皆、永遠の眠りにつくことになる…

私がさっきまで入っていた人間は、いまは力なく倒れている…想い人に寄り添う形で。
「…おミャーらは…何者ニャ。ここには鍵がかかっていたはず…」「おいおい、俺は一流のスパイだぜ?鍵なんざ簡単に開けらぁ」
そう答える爺さんの隣の迷彩服。…何か見たことある気がする…
「わしらは、そこで寝とる若者の契約者じゃよ。こいつもな」
「店長たちの嫌な予感がするからってここに潜入しろっていう指令が下ってな。そしたら案の定ビンゴだった、つーわけだ」

「…でももう遅いニャ。そこの兄さんは夢の中であいつらに※されるニャ。精神的に」
「『猿夢』…か」「そうニャ!あいつらがこんな人間に負けるわけがないニャ!」


………


ここは、どこだ。
確か俺は、クーさんに告白されて…で…
あぁ、俺気を失ったんだったか。じゃあここどこ?

「ウキー、ウキー」「ウキャー!ムッキャー!」
あたりを見回すと、列車の中と思われる場所に、俺一人と大量の…猿。
「『猿夢』…か?」…だとしたら…まずい。
俺は今生身の人間だ。ただハンバーグを作れるだけの。こんな状況じゃ…間違いなくやられる。何とかしなければ…

必死で脱出策を考える俺のいる車内に、アナウンスが一つ。
「この度は『夢中猿列車』にお乗りいただきありがとうございます。次はー、挽き肉ー。挽き肉ー。」
アナウンスが終わるとともに、猿たちは一斉に俺の元へ寄ってくる。
『猿夢』は、アナウンスされたことと同じようにされてしまう、いろいろとヤバイやつだ。
ハンバーグ作る俺が挽き肉にされ※されるとは。何たる皮肉。

そんなことを考えている場合ではない。
すでに俺の体は猿で覆われ、身動き一つできない状況だ。…なんとか、何とかできないか。

ふと、俺の現状が脳裏をよぎった。


――――ここは――――夢の中。
――――――俺の夢の――――中。


!つまり…この世界は元々は俺の精神世界。ということは…
「俺の望んだことが…この世界に現れる…」
だがおそらく、「ただちにこの世界から脱出する」ということは不可能だろう。
俺の思う力だけで都市伝説が倒せるなら苦労はしない。だから俺は、今できる最大のこと。最強の(妄想)力を繰り広げる。


―――俺は、「気」の使い手だ。

「う、うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
そう叫ぶと、俺の周りの猿たちが皆、吹っ飛んでいく。「ウ、ウキィ!?」「ム、ムキッキャー!」
驚くもの、怒り狂うもの、と反応は様々だが、今の俺にはその反応を楽しむ余裕はない。


「破ぁ!」ダガーン!
力を込め、手を前に突き出すだけで、猿たちが吹き飛んでいく。なんつー楽な力だ。
このまま、何にもなく倒せればいいなぁ…


……


「…?…全く苦しんで…いニャい?」
不思議だ。『猿夢』をみているものは皆、苦しんだ表情をするものなのだが。この男は普通に寝ている。それどころか、たまに笑みまで溢れてくる。
「まぁ俺たちの契約者だからな。何とか頑張ってんだろーよ」「さ、じゃあお主をやっつけるとするかぇ」
「ひっ…」
非常にまずい。ここにきてから私は本来の力が使えないのだ。

ここに来てからなんだかよく分からないが、妖力が少なくなるわ、変な男に追われるわで本当に散々だった。

そんなところで、『猿夢』と出会ったのだ。

彼らは、夢の中で私を助けてくれた。妖力を回復させる方法も教えてくれた。現に、元の力の半分は取り戻している。
だからこそ、まだ能力は完璧ではないが、彼らに協力しようと思ったのだ。
だが、彼らはしょせん夢の中の生き物。故に現実で私が危険に晒されようと、助けに来てくれはくれないのだ。

「くっ、ここはいったん退避ニャ!」私はあらかじめ開けておいた上の窓から逃げ出そうと本棚の上へ乗り、窓へ向けてジャンプした。
「そうはいかんな、ちゃいな猫が」ベチンッ「へぶぅ!?」
私の跳躍は、突如目の前に現れた肉の壁によって阻まれ、私の体は宙に放り出される。
「後は任しときな。米国のスナイパーと呼ばれた俺の射撃の腕前は伊達じゃないぜ」
そういって迷彩服は私に銃を向ける。…銃刀法違反じゃない?そんな突っ込みを入れる暇もなく。

パン。

私の体を、鉛の玉が貫く。そして私は地面に落ち、遠くなる意識の中で、お爺さんたちに言う。
「…ミャーが死んでも…その子は、目覚めないニャ…彼は永遠に、『猿夢』に侵食される……」
ああ、やっぱり異国に行くのはよせばよかった。この国から来た達磨さんにこの国のことを聞かなければよかった。
そんな後悔を思い浮かべながら、私の命は終わりを告げた。

最後の一撃は、せつない。




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