バレンタイン
日本においては女性が男性にチョコを送る日であるが、最近は女性同士とか男性から女性へ、も増えてきてはいる
だが
日本においては女性が男性にチョコを送る日であるが、最近は女性同士とか男性から女性へ、も増えてきてはいる
だが
「相変わらず、直希の作るチョコは美味そうだよなぁ…勝てる気がしねぇ」
「そうかい?僕は、君達が作るチョコも美味そうに見えるのだが」
「直希は見た目もしっかり凝ってるからな。高級チョコ店クラスだろ」
「そうかい?僕は、君達が作るチョコも美味そうに見えるのだが」
「直希は見た目もしっかり凝ってるからな。高級チョコ店クラスだろ」
この三人のように、男同士でチョコを送るのは今でも珍しいだろう
翼はチョコケーキ
誠は生チョコ
直希はトリュフチョコ
三人とも、見事な出来栄えである
へたな女子の手作りよりも美味そう、否、美味いから困る
翼はチョコケーキ
誠は生チョコ
直希はトリュフチョコ
三人とも、見事な出来栄えである
へたな女子の手作りよりも美味そう、否、美味いから困る
「でも、お前らいいのか?バレンタインに、男だけで」
「僕には、相手などいないからな」
「僕には、相手などいないからな」
翼の言葉に、直希はさらりと答えた
一人身である事を憂いている様子はなく、淡々と答えてくる
一人身である事を憂いている様子はなく、淡々と答えてくる
「俺は、翼といられれば満足だ。だから、受け取ってくれるよながはっ!?」
「とりあえず、何だ、このどう見ても女子が本命に渡すようなチョコの包装はっ!?ハート型にしてくる必要性ねぇだろっ!?」
「とりあえず、何だ、このどう見ても女子が本命に渡すようなチョコの包装はっ!?ハート型にしてくる必要性ねぇだろっ!?」
ごがっ!!と
盛大に、抱きつこうとしてきた誠を殴った翼
盛大に、抱きつこうとしてきた誠を殴った翼
翼は悪くないだろう
男同士で、平気で本命猪口を渡そうとした誠が悪い
男同士で、平気で本命猪口を渡そうとした誠が悪い
「うん、相変わらず、いいパンチだ。見ていて清々しいな」
そんな様子すら、直希は平然と眺めていた
慣れとは恐ろしい…否、直希は、この二人と友人になった頃から、わりとこんな光景も平気で見てきていた
高校時代、2人が殴りあいの喧嘩をしている様子を、少し離れたところから平然と見ていた物である
慣れとは恐ろしい…否、直希は、この二人と友人になった頃から、わりとこんな光景も平気で見てきていた
高校時代、2人が殴りあいの喧嘩をしている様子を、少し離れたところから平然と見ていた物である
「っつか、直希。お前からも誠に何か言ってやってくれよ」
「ふむ?………誠、君が歩む道は、世間一般で言う茨の道らしいから、気をつけるんだぞ?」
「覚悟はできているとも!!」
「直希ぃいいいいい!?違うだろ、何か色々と違うだろ!?」
「ふむ?………誠、君が歩む道は、世間一般で言う茨の道らしいから、気をつけるんだぞ?」
「覚悟はできているとも!!」
「直希ぃいいいいい!?違うだろ、何か色々と違うだろ!?」
翼の盛大な突っ込みに、直希は首をかしげる
…何か、間違ってしまっただろうか?
よくわからないが、恋をすると言う事は素晴らしいことだ
応援してやりたいではないか
…何か、間違ってしまっただろうか?
よくわからないが、恋をすると言う事は素晴らしいことだ
応援してやりたいではないか
直希自身は、まだ、恋愛を経験していない
そして、直希はそんな自分を、やや恥じている傾向があった
恋愛の経験がないゆえに…過去に、翼に味あわせてしまった苦痛を、真に理解する事ができない
それを、恥じているのだ
そして、直希はそんな自分を、やや恥じている傾向があった
恋愛の経験がないゆえに…過去に、翼に味あわせてしまった苦痛を、真に理解する事ができない
それを、恥じているのだ
だからこそ
今、精一杯恋愛している誠が、直希はうらやましいのだ
今、精一杯恋愛している誠が、直希はうらやましいのだ
「…まぁ、いい。二人が作ったチョコ、早速食べさせてもらうぞ?」
「あ、あぁ」
「ほら、翼も食えよ。何だったら口移ぐはっ!?」
「あ、あぁ」
「ほら、翼も食えよ。何だったら口移ぐはっ!?」
再び、飛んだ拳
それを眺めつつ、直希はまことの作ったチョコに手を伸ばして
それを眺めつつ、直希はまことの作ったチョコに手を伸ばして
「…あぁ、三年ぶりだが、やっぱり美味いな」
と
どこか、幸せそうに、嬉しそうに
感情の薄い顔に、笑顔を浮かべ、そう呟いたのだった
どこか、幸せそうに、嬉しそうに
感情の薄い顔に、笑顔を浮かべ、そう呟いたのだった
fin