「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-65a

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だれでも歓迎! 編集
 バレンタイン
 日本においては女性が男性にチョコを送る日であるが、最近は女性同士とか男性から女性へ、も増えてきてはいる
 だが

「相変わらず、直希の作るチョコは美味そうだよなぁ…勝てる気がしねぇ」
「そうかい?僕は、君達が作るチョコも美味そうに見えるのだが」
「直希は見た目もしっかり凝ってるからな。高級チョコ店クラスだろ」

 この三人のように、男同士でチョコを送るのは今でも珍しいだろう
 翼はチョコケーキ
 誠は生チョコ
 直希はトリュフチョコ
 三人とも、見事な出来栄えである
 へたな女子の手作りよりも美味そう、否、美味いから困る

「でも、お前らいいのか?バレンタインに、男だけで」
「僕には、相手などいないからな」

 翼の言葉に、直希はさらりと答えた
 一人身である事を憂いている様子はなく、淡々と答えてくる

「俺は、翼といられれば満足だ。だから、受け取ってくれるよながはっ!?」
「とりあえず、何だ、このどう見ても女子が本命に渡すようなチョコの包装はっ!?ハート型にしてくる必要性ねぇだろっ!?」

 ごがっ!!と
 盛大に、抱きつこうとしてきた誠を殴った翼

 翼は悪くないだろう
 男同士で、平気で本命猪口を渡そうとした誠が悪い

「うん、相変わらず、いいパンチだ。見ていて清々しいな」

 そんな様子すら、直希は平然と眺めていた
 慣れとは恐ろしい…否、直希は、この二人と友人になった頃から、わりとこんな光景も平気で見てきていた
 高校時代、2人が殴りあいの喧嘩をしている様子を、少し離れたところから平然と見ていた物である

「っつか、直希。お前からも誠に何か言ってやってくれよ」
「ふむ?………誠、君が歩む道は、世間一般で言う茨の道らしいから、気をつけるんだぞ?」
「覚悟はできているとも!!」
「直希ぃいいいいい!?違うだろ、何か色々と違うだろ!?」

 翼の盛大な突っ込みに、直希は首をかしげる
 …何か、間違ってしまっただろうか?
 よくわからないが、恋をすると言う事は素晴らしいことだ
 応援してやりたいではないか

 直希自身は、まだ、恋愛を経験していない
 そして、直希はそんな自分を、やや恥じている傾向があった
 恋愛の経験がないゆえに…過去に、翼に味あわせてしまった苦痛を、真に理解する事ができない
 それを、恥じているのだ

 だからこそ
 今、精一杯恋愛している誠が、直希はうらやましいのだ

「…まぁ、いい。二人が作ったチョコ、早速食べさせてもらうぞ?」
「あ、あぁ」
「ほら、翼も食えよ。何だったら口移ぐはっ!?」

 再び、飛んだ拳
 それを眺めつつ、直希はまことの作ったチョコに手を伸ばして

「…あぁ、三年ぶりだが、やっぱり美味いな」

 と
 どこか、幸せそうに、嬉しそうに
 感情の薄い顔に、笑顔を浮かべ、そう呟いたのだった




fin

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