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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-37

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だれでも歓迎! 編集
 珍しい、と黒服Hは思った
 まさか、向こうから接触を図ってくるとは

「…さぁて、一体何を企んでいるやら」

 呟きながら、くっくと笑う
 まぁ、いいじゃないか
 あいつが、何を企んでいようがいまいが、関係ない
 問題は、辰也が最高潮にあいつを嫌っているという事だが…
 ……まぁ、辰也には、少し我慢してもらおうか
 もしかしたら、「組織」のあの連中を引っ掻きまわすのに、使えるかもしれないから


「いよぅ、笛吹」
「やぁ、黒服さん」

 待ち合わせ場所に、既にそいつは来ていた
 笛吹 丁
 それが本名ではない事を、黒服は既に知っている
 本名は、上田 明也
 ハーメルンの笛吹きの契約者
 「組織」の捕縛対象である
 いや、もしかしたらもうちょっとで、また討伐対象になるかもしれないが

「悪いな。俺と接触したら、黒服さん、立場危ういだろ?」
「なぁに、バレなきゃ問題ないさ」

 今は、監視システムとの接続を「切っている」
 「組織」が、自分の動きを見張る事はできないのだから、問題ない

「で、話ってのはなんだ?ピッチピチのナイスバディボインなねーちゃんでも紹介してくれんのか?」
「残念。俺はロリ専なので、その手の女性との縁はないので紹介不可能……ちょっと、尋ねたい事がある」

 …その、表情に深刻さが一瞬、混じった事を、黒服は見逃さなかった
 上田は嘘吐きである 
 それを、黒服は理解していた
 自分と同じ匂いがしたから、それはわかる
 だが、尋ねたい事があるというそれは嘘ではないと理解する
 同じ嘘吐きだからこそ、それがわかる

「何だ?」
「…穀雨 吉静、という少女を知っているか?」

 穀雨 吉静
 その名前に、引っ掛かりを覚え、ほぅ、と声をあげてみせる

「どこで、その名前を知ったんだい?」
「街中にて、運命的な出会いを少々」
「うんめー、ねぇ?」

 …まぁ、いいか
 一応、嘘ではないようだ

「知っているが、どうしたんだ?そいつは過激派の連中が引き取る予定のロリだろ?」
「…過激派?」
「あぁ。「組織」内も派閥争いが七面倒くさくてよ。過激派は、まぁ、名前の通り、都市伝説討伐とかのためなら何やってもオッケー、つぅ乱暴な考えの連中さ」

 正直、黒服としては嫌いな部類に入る
 自分や辰也のような存在は、過激派の考えで生み出されたようなものなのだから

「何をやっても、か…その過激派が子供を引き取るとなると、理由は…」
「想像、つくんじゃないのか?」

 かすかに、口元を釣り上げて笑ってやると、上田は眉をひそめてきた
 想像がつくのだろう
 だが、それを口に出すのを躊躇っている、そんな印象
 口に出してしまったら、それを真実として認めたことになり…その、穀雨 吉静という少女に待ち受ける運命を、理解してしまう事になるから

 しかし、それでも、上田はゆっくりと…それを、口に出した

「……実験体に、使うんだな?何かの」
「ご名答」

 話が速い
 すらすらと、黒服は続けてやる

「「組織」内で主に実験行為を行っていた機関は、6年くらい前に解体されてな?以降、まともに実験許可が下りないもんだから、実験行為をしたい連中、上の目を盗んで好き勝手やるようになったのさ。以前ですら、許可が下りなかったような実験に手を出す奴も出始めてる」
「穀雨 吉静も、そんな実験の為に?」
「何だったかねぇ………あぁ、そうだ、「桃娘と契約した場合の変化について」の実験、だったか」
「桃娘?中国の都市伝説か?」

 甘い甘い、全身が桃のように柔らかく、体液の全てが桃のように甘い
 金持ちの道楽の為に生み出された、悲しき性奴隷の都市伝説
 桃娘は、生まれた時から桃だけを摂取させられ続けると言われている
 その寿命は都市伝説としては、「くだん」の次に短く、酷く短命であると言われている

「今まで、「組織」が確認してきた桃娘は、桃娘という都市伝説として、肉体と意識をもった存在だけだ。だが…もし、人間の女が、桃娘と契約したら、そいつは桃娘になるのか?……そんな実験さ」

 本来なら、赤ん坊が一番良いのだが
 ちょうど良い器を持っていて、尚且つ「組織」の手元に無理なくおける女の赤ん坊、となるとなかなか見付からなかったらしい
 それでも、なるべく幼い少女を
 …その結果、見付かったのが穀雨 吉静
 目をつけられてしまったのが、穀雨 吉静という少女だ

「過激派の、その連中。その子を桃娘に変えちまおう、って言うのさ」

 馬鹿げた計画だとは思う
 成功したとして、桃娘と化したその少女をどうするのか?
 ……まぁ、想像はつく
 桃娘という存在を欲しがる欲に塗れた金持ちは、いくらでも存在しているのだ
 そう言う連中との「取引」に使うのだろう

「酷いもんだな」
「まったくだ。穏健派の連中にバレたら、まぁ、即座に止められるだろうよ。まだバレてないんだが」
「あの、お人好しの極みの黒服は知らないのか?」
「あいつ、今、他の厄介事を抱えてる最中なんだよ。この問題も背負ったら、また過労死しかけそうなんでね」

 肩をすくめ、笑って見せて………黒服は、上田の出方を窺った
 さて、どうするのだろうか?
 穀雨 吉静という少女が、上田にとってどんな存在なのか、黒服は知らない

 …だからこそ、興味がある
 何故、上田がその少女の事を知ろうとしたのか
 それに、酷く興味があった

「黒服さん、もし、俺がその少女を「組織」が引き取るのを邪魔したら、どうする?」
「あー?むしろ、遠慮なく邪魔してくれや。俺は過激派の連中は嫌いだしな。あの連中の実験が阻止されても、困るのはあいつらだけだし」

 黒服の、その答えに
 上田は、ニヤリと笑った

「なるほど、遠慮はいらないか?」
「あぁ。いっそ、過激派連中全部まとめて始末してくれると、俺が喜ぶ」
「全部は多いだろう、全部は。全部でどれだけいると言うんだ?」
「知らね。「組織」全体の……今だと、37%くらい、かねぇ?はっきりとわかってる過激派は」

 くっく、と黒服は笑って見せた
 さすがに、全部と言うのは冗談だ
 だが、一部でも始末してくれればありがたい
 自分の仕事が減るし、あのお人好しの過労の原因も少しは減る

「教えてくれて、どうもありがとう。いつか礼はしよう」
「OK、礼ってか、俺たちの仕事を減らす意味で事件起こす頻度を減らしてくれれば俺は喜ぶぞ」

 努力してみよう、と上田は笑った
 このまま、この場を立ち去ろうとしたので…


 ……ぽん、と
 ある事を思い出し、黒服は手を打つ


「あ、そうだ、笛吹」
「何だ?」
「すまん」

 いきなり、謝られて
 何の事か、と上田は首を傾げてくる

「どうしたんだ?いきなり?」
「いやー、それがな?同僚たちとで、お前を捕縛した場合、誰が説得するのが一番か、って話し合った結果…………ガチホモマッチョ禿に説得させるのが一番、という結論に達した」

 ぴしっ
 それが、どんな存在か、理解したのだろうか
 上田が、固まった

「そいつは今、アメリカに左せ……出張中だけどな。そいつの代わりに日本にいる奴がまぁ、似たような存在で。今、「組織」に捕まったら、そいつに尻掘られるかもな」
「教えてくれてありがとう。絶対に「組織」には捕まらないからな!!」

 だっ!!と
 まるで、脱兎のように走り出した上田
 黒服と接触したことで、ここに「組織」の者が来る事を警戒したのかもしれない
 主に、ホモが来る事を
 まぁ、来ないのだが

 走り去る上田を見送って………くっくっく、と
 黒服は、何とも楽しそうに、笑う

「いやぁ、いい事したなぁ?」

 さぁて、上田はどう出てくるか?
 どう、連中の邪魔をするだろうか?
 あぁ、楽しみだなぁ、と

 黒服は笑いながら、夜の闇夜に姿を消した



to be … ?




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