世界には、ビター・ポイズンが溢れている
そんな中でも、特に、この学校町には、ビター・ポイズンが多い気がする
ククージィと共に世界中を旅してきたが、やはり、学校町が一番多い
そんな中でも、特に、この学校町には、ビター・ポイズンが多い気がする
ククージィと共に世界中を旅してきたが、やはり、学校町が一番多い
それは、多分、都市伝説が多いせいもあるのだと思う
世界的に見ても、学校町の都市伝説の数は多すぎる
都市伝説が集まりやすく、都市伝説契約者が集まりやすい
故に、都市伝説組織が集まりやすく、トラブルも置きやすい
故に……ビター・ポイズンが生まれやすい
世界的に見ても、学校町の都市伝説の数は多すぎる
都市伝説が集まりやすく、都市伝説契約者が集まりやすい
故に、都市伝説組織が集まりやすく、トラブルも置きやすい
故に……ビター・ポイズンが生まれやすい
ならば、俺は、そのビター・ポイズンを狩り続けよう
それが、スウィート・ポイズンのためになるならば、躊躇などしない
スウィート・ポイズン中毒に陥っている俺が、それを躊躇する理由などないのだ
それが、スウィート・ポイズンのためになるならば、躊躇などしない
スウィート・ポイズン中毒に陥っている俺が、それを躊躇する理由などないのだ
蝙蝠の群れが、コーク・ロア支配型の影響を受けた人間達に群がっている
殺しはしない
ただ、ちょっと動けなくなるまで血を吸い続けるだけだ
蝙蝠の群れに姿を変えたククージィのその行動を、祐樹は少し離れたところから見つめていた
殺しはしない
ただ、ちょっと動けなくなるまで血を吸い続けるだけだ
蝙蝠の群れに姿を変えたククージィのその行動を、祐樹は少し離れたところから見つめていた
街中を歩いていたら、たまたま、コーク・ロア支配型の影響を受けた人間を目撃したのだ
…傍には、その契約者の姿も居て
放っておく訳にはいかなかった
こいつを捕えて情報を聞き出すことができれば、スウィート・ポイズンの力になる事ができる
そう考え、祐樹はククージィとともに戦っていたのだ
…もっとも
ほぼ、ククージィが戦って居る為、祐樹は何もさせてもらえていないのだが…
…傍には、その契約者の姿も居て
放っておく訳にはいかなかった
こいつを捕えて情報を聞き出すことができれば、スウィート・ポイズンの力になる事ができる
そう考え、祐樹はククージィとともに戦っていたのだ
…もっとも
ほぼ、ククージィが戦って居る為、祐樹は何もさせてもらえていないのだが…
「く、くそ!?」
「…いい加減、諦めろ。ククージィに、お前は勝てない」
「…いい加減、諦めろ。ククージィに、お前は勝てない」
弱点を失った吸血鬼
それに、勝てる存在などそうそういない
コーク・ロア支配型程度が、ククージィに勝てるものか
それに、勝てる存在などそうそういない
コーク・ロア支配型程度が、ククージィに勝てるものか
相手の手駒は、どんどんと動きを封じられていっている
たとえ、麻薬で痛覚を消されていたとしても、血をたくさん吸われてしまえば、動けなくなるのは必然
相性が、悪すぎるのだ、コーク・ロア支配型にとって
たとえ、麻薬で痛覚を消されていたとしても、血をたくさん吸われてしまえば、動けなくなるのは必然
相性が、悪すぎるのだ、コーク・ロア支配型にとって
「…ククージィは、犬もある程度操れる。ここに、口封じの犬は来ない……話してしまえ」
「うぅぅうううう………!」
「うぅぅうううう………!」
降伏勧告にも、耳を貸さず
コーク・ロア支配型の契約者は、コーラの瓶を手に、ここを突破する手段を考えているようだ
コーク・ロア支配型の契約者は、コーラの瓶を手に、ここを突破する手段を考えているようだ
……無駄なことを
そう考えながら、祐樹はコーク・ロア支配型の契約者を睨みつけて…
そう考えながら、祐樹はコーク・ロア支配型の契約者を睨みつけて…
「………!」
背後に感じた、気配
この路地に、誰か入ってきた?
何も知らない一般人だったら大変だ
祐樹は、慌てて振り返る
この路地に、誰か入ってきた?
何も知らない一般人だったら大変だ
祐樹は、慌てて振り返る
そこにいたのは、一組の男女
銀髪の青年と、長い髪の少女だった
一般人かどうかは、わからない
ただ
銀髪の青年と、長い髪の少女だった
一般人かどうかは、わからない
ただ
「しまっ…………!?」
まだ、動ける状態だったコーク・ロア被害者が、雄叫びをあげながら、そちらに突撃していこうとしている
その射線上には、祐樹もいて………いや、その射線上からは、祐樹は僅かに、ズレている
このまま、祐樹が動かずに居れば、このコーク・ロア被害者は、あの男女の下に到達してしまう
それは、不味い
人質にとられるか、もしくは、即座に傷つけられる…!!
その射線上には、祐樹もいて………いや、その射線上からは、祐樹は僅かに、ズレている
このまま、祐樹が動かずに居れば、このコーク・ロア被害者は、あの男女の下に到達してしまう
それは、不味い
人質にとられるか、もしくは、即座に傷つけられる…!!
「このっ!?」
その射線上に割り込む祐樹
咄嗟に、ご信用に持ち歩くようになっていた改造スタンガンを取り出す
咄嗟に、ご信用に持ち歩くようになっていた改造スタンガンを取り出す
真正面から突撃してくるそいつに、それを押し当てて
-----ばちんっ!!!
通常のスタンガンではありえない電流が、コーク・ロア被害者に襲い掛かった
被害者は、びくりと痙攣して、倒れこみ…
被害者は、びくりと痙攣して、倒れこみ…
「うわっ!?」
どさっ
走ってきた勢いそのままに、祐樹に向かって倒れてきた
避けきれず、押し倒される体勢になってしまう
走ってきた勢いそのままに、祐樹に向かって倒れてきた
避けきれず、押し倒される体勢になってしまう
「だ、大丈夫ですか?」
少女が、青年と共に、祐樹の元に駆け寄ってきた
コーク・ロア被害者に押しつぶされる状態となった祐樹を、助け出してくれる
コーク・ロア被害者に押しつぶされる状態となった祐樹を、助け出してくれる
「…ありがとう。それより、危ない……一般人は、逃げろ」
「コーク・ロア支配型か?増えているとは聞いていたが、遭遇するとはな」
「……?」
「コーク・ロア支配型か?増えているとは聞いていたが、遭遇するとはな」
「……?」
銀髪の青年の呟きに、祐樹は眉をひそめた
一般人じゃ、ない?
…都市伝説契約者か?
一般人じゃ、ない?
…都市伝説契約者か?
「祐樹!」
ばさり
大柄な蝙蝠が、祐樹の傍に降りてくる
ククージィが、祐樹を心配して寄ってきたのだろう
…過保護だ、と祐樹は考えてしまう
これくらい、大丈夫なのに
大柄な蝙蝠が、祐樹の傍に降りてくる
ククージィが、祐樹を心配して寄ってきたのだろう
…過保護だ、と祐樹は考えてしまう
これくらい、大丈夫なのに
「俺は、いい。それより、契約者を確保して…」
「相手の手駒は全員倒したわい。後は、契約者の動きを封じて………!?」
「相手の手駒は全員倒したわい。後は、契約者の動きを封じて………!?」
……その時
何か………野獣の雄叫びのような声が、辺りに響き渡った
ビリビリと、空気が震える
何か………野獣の雄叫びのような声が、辺りに響き渡った
ビリビリと、空気が震える
「----っひ!?」
その声の正体を、知っているのだろうか?
支配型の契約者が、怯えた様子を見せる
支配型の契約者が、怯えた様子を見せる
「ッククージィ!!」
支配型の口を封じる為に、犬が来たのかもしれない
慌てて祐樹が声をかけるが
慌てて祐樹が声をかけるが
「…犬、ではない。他の何かが近づいておる」
ククージィは舌打ちし、蝙蝠の姿のまま、支配型契約者に飛びかかろうとする
何者かはわからないが、口を封じさせる訳にはいかない
貴重な情報源を失って、溜まるか
人間ほどの大きさの蝙蝠の姿で、ククージィはどんどんと支配型契約者に近づいていって
何者かはわからないが、口を封じさせる訳にはいかない
貴重な情報源を失って、溜まるか
人間ほどの大きさの蝙蝠の姿で、ククージィはどんどんと支配型契約者に近づいていって
その、体が
何者かに、弾き飛ばされた
何者かに、弾き飛ばされた
「爺ちゃん!?」
壁に叩きつけられたククージィ
何が、ククージィを弾き飛ばしたのか
祐樹は、それを確認しようとして
何が、ククージィを弾き飛ばしたのか
祐樹は、それを確認しようとして
「--------!!」
…それの、姿に
その、あまりにも…祐樹にとって…恐ろしい、姿に
祐樹は、絶叫して………意識を、闇に沈めた
その、あまりにも…祐樹にとって…恐ろしい、姿に
祐樹は、絶叫して………意識を、闇に沈めた
「何だ…!?」
銀髪の青年、占い師は、この事態にどう対処したらいいものか、素早く思考をめぐらせる
コーク・ロア支配型の被害者は片付いたようだが…
コーク・ロア支配型の被害者は片付いたようだが…
あれは、何だ?
「う、占い師さん…!」
未来が、やや不安そうな声を出す
目の前で、現れたそれを見て気を失ってしまった少年を気遣うようにしながらも、その恐怖から逃れられないで居る
目の前で、現れたそれを見て気を失ってしまった少年を気遣うようにしながらも、その恐怖から逃れられないで居る
…ククージィと呼ばれた蝙蝠を、弾き飛ばした存在
それは、巨大な猫科の生き物に見えた
体長3m、体高1.5mと言った所か
恐らく、長い鬣を持っていたならば、それをライオンと判断したかもしれない
事実、それはきっと、ライオンなのだろう
…だが、それをライオンと呼ぶのは、一瞬躊躇ってしまうかもしれない
恐らくは、成獣の、オスのライオン
しかし、その鬣は…まったく、伸びていなかったのだ
それが、酷く不気味な印象を与えてくる
それは、巨大な猫科の生き物に見えた
体長3m、体高1.5mと言った所か
恐らく、長い鬣を持っていたならば、それをライオンと判断したかもしれない
事実、それはきっと、ライオンなのだろう
…だが、それをライオンと呼ぶのは、一瞬躊躇ってしまうかもしれない
恐らくは、成獣の、オスのライオン
しかし、その鬣は…まったく、伸びていなかったのだ
それが、酷く不気味な印象を与えてくる
「…や、やめて、くれ……ダークネス……!」
支配型の契約者が、腰を抜かしながら、そのライオンらしき生き物に懇願する
その懇願は、届きはしなかった
その懇願は、届きはしなかった
ダークネスと呼ばれたそのライオンは…一瞬で、支配型契約者の喉笛に、噛み付いたのだ
「-----っが!?」
喉笛に噛み付き、そのまま、ライオンは壁を蹴って、そのまま壁を登っていってしまう
通常のライオンに、そんな事ができるはずもない
明らかに…都市伝説だ
通常のライオンに、そんな事ができるはずもない
明らかに…都市伝説だ
ばさ、と
壁に叩きつけられていた蝙蝠が、西洋人の老人の姿に代わった
その腕が蝙蝠の群れに代わり、ライオンを追いかけるが…
壁に叩きつけられていた蝙蝠が、西洋人の老人の姿に代わった
その腕が蝙蝠の群れに代わり、ライオンを追いかけるが…
「………駄目、か」
舌打ちしている
どうやら、振り切られたらしい
諦めたようにため息をついて、老人は占い師たちに駆け寄ってきた
どうやら、振り切られたらしい
諦めたようにため息をついて、老人は占い師たちに駆け寄ってきた
「…ふむ、お前たちは、怪我はないか?」
「あ、は………はい」
「あ、は………はい」
ややショック状態だった未来が、こくこくと頷く
占い師は、その老人にやや警戒するような視線を向けた
老人が、小さく苦笑する
占い師は、その老人にやや警戒するような視線を向けた
老人が、小さく苦笑する
「まぁ、気持ちはわかるが警戒せんでくれ。わしらは、悪人以外に害を与えるつもりはないからの」
そう言って、老人は気絶している少年の前でしゃがみこむ
ぺちぺち、軽く少年の頬を叩いて……目覚める様子がないのを見て、再びため息をついて
ひょい、とその体を軽々と背負った
ぺちぺち、軽く少年の頬を叩いて……目覚める様子がないのを見て、再びため息をついて
ひょい、とその体を軽々と背負った
「…ふむ、警戒を解いてもらうためにも、自己紹介と行こうかの……わしは、ククージィ。この子は祐樹。まぁ、都市伝説と契約者、と言う関係じゃ」
「ククージィ………吸血鬼の一種か」
「ククージィ………吸血鬼の一種か」
そう捕えてくれて構わんよ、と老人…ククージィが笑う
どうやら、敵対行動を取ってくる様子はないようだ
占い師は、ショック状態の未来を気遣いつつ、二人で簡単な自己紹介をした
どうやら、敵対行動を取ってくる様子はないようだ
占い師は、ショック状態の未来を気遣いつつ、二人で簡単な自己紹介をした
「…あの、その子、大丈夫ですか?」
ようやく、ショックから戻ってきたらしい未来が、ククージィに背負われた少年、祐樹を気遣うようにそう言った
ククージィは、小さく苦笑する
ククージィは、小さく苦笑する
「この子は、ライオンが苦手での。それはもう、気絶するほどにな」
「…なるほど。ライオン恐怖症か」
「そう言う事じゃ…それに、もしかしたら、あいつはこの子がライオン恐怖症になった、原因に近い存在かもしれんのぉ」
「…なるほど。ライオン恐怖症か」
「そう言う事じゃ…それに、もしかしたら、あいつはこの子がライオン恐怖症になった、原因に近い存在かもしれんのぉ」
ククージィの、その呟きに
え?と未来が首をかしげる
え?と未来が首をかしげる
「どう言う事ですか?」
「どうにも、この子がライオン嫌いになったのは、ある実話を元にした映画が原因らしくての……『ゴースト・アンド・ダークネス』をご存知かな?」
「ツァボの人食いを元にした映画だな?」
「どうにも、この子がライオン嫌いになったのは、ある実話を元にした映画が原因らしくての……『ゴースト・アンド・ダークネス』をご存知かな?」
「ツァボの人食いを元にした映画だな?」
占い師の言葉に、そうじゃ、とククージィは頷いてくる
…ツァボの人食い
1989年、東アフリカの鉄道工事に参加していた技術者達を、恐怖のどん底に叩き落した、二匹の兄弟と思われるライオンだ
その犠牲者は、もっとも多い記録によれば135人
射殺されるまでに、その二匹のライオンに殺された犠牲者達の人骨が、二匹が住処としていた洞窟に山積みにされていたという
1989年、東アフリカの鉄道工事に参加していた技術者達を、恐怖のどん底に叩き落した、二匹の兄弟と思われるライオンだ
その犠牲者は、もっとも多い記録によれば135人
射殺されるまでに、その二匹のライオンに殺された犠牲者達の人骨が、二匹が住処としていた洞窟に山積みにされていたという
人々は、恐怖をこめてその二匹のライオンをこう呼んだ
『幽霊(ゴースト)』と『暗黒(ダークネス)』、と
「あのライオンは、ダークネスと呼ばれていた…もしかしたら、その都市伝説かもしれないのか」
「そう言う事じゃ。ダークネスがいる、ということは、ゴーストもおるかもしれんなぁ」
「そう言う事じゃ。ダークネスがいる、ということは、ゴーストもおるかもしれんなぁ」
厄介な事じゃ、とククージィがため息をついている
そして…ククージィは、未来を気遣うように、優しく笑ってきた
そして…ククージィは、未来を気遣うように、優しく笑ってきた
「怖い思いをさせてしまったようで、申し訳ない。わしらは、繁華街で雑貨屋を開いておるでの。顔を見せてくれれば、お茶の一杯でもご馳走しよう」
「え、あ…は、はい」
「え、あ…は、はい」
す、と
渡された、多分、手作りらしい小さなチラシを、未来は受け取った
では、と、ククージィは祐樹を背負ったまま、この場を後にしようとする
渡された、多分、手作りらしい小さなチラシを、未来は受け取った
では、と、ククージィは祐樹を背負ったまま、この場を後にしようとする
「……おい、このコーク・ロアの被害者達は、どうするんだ?」
思わず、占い師がそう声をかける
そう
被害者達は血を吸われた状態で、放置されている
この冬の寒さでは、凍死しかねない
そう
被害者達は血を吸われた状態で、放置されている
この冬の寒さでは、凍死しかねない
「知り合いの「組織」の者に連絡するでな、回収してくれるじゃろ……祐樹のお気に入りの、あのお人好しに迷惑をかけるのは気が引けるがの」
そう言って、ククージィは祐樹を背負ったまま、この場を後にした
占い師と未来だけが、この場にとり残される
占い師と未来だけが、この場にとり残される
「…占い師さん」
「……信じるしかないだろう。せめて、道の端にでも寄せておいてやろうか」
「……信じるしかないだろう。せめて、道の端にでも寄せておいてやろうか」
固まっていれば、寒くないかもしれないし…多分
ある意味、厄介ごとを押し付けられたような状態になって
占い師は、ため息をついたのだった
ある意味、厄介ごとを押し付けられたような状態になって
占い師は、ため息をついたのだった
to be … ?