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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-16

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「…しかし、こんなにも早くお目にかかれるとはね」


厨二病の向く先。その先には大量の黒い着ぐるみ。
とある情報筋から「夢の国が学校町に潜伏している」という話を聞いて3時間余り。
まさかこんなにも早く出会ってしまうとは。

戦ってみたいが、出会いたくない相手。

この前『首塚』の一人が勧誘にいったらしいが断られたらしい。
んでもって「そちらから手を出さない限りこちらは何もしない」とかなんだか…まぁ口約束ながら協定を結んだようなものらしく。
正直こっちがその一員だとばれたらいろいろとヤバイかもしれない。

だが、やってきたのはあちらのほうからだ。いきなりパレードが出てきてこちらに向かって突撃してきたのだ。
これならこちらに身の危険が及ぶ可能性があるので多分正当防衛ということにしてくれるだろう。
戦う理由ができたのはいいが…向こうはあの『夢の国』だ。正直言って勝てる相手ではないだろう。
瞬間移動、大量のパレード軍団に加え、不死ときたもんだからたまったもんじゃない。

「…とりあえず、今はこの状況を何とかしよう、うん。”蒼炎のカガリ火”!」
青年が叫ぶと、彼の周りにいくつかの青い炎が浮かぶ。


”蒼炎のカガリ火”とは、自らの周りにいくつかの炎を発生させる技であるッ!
この炎は近づく相手に反応し、相手を燃やすという防御にはうってつけの技なのだッ!


これで、こっちの身は確保できたっと…
「続けていくぜ!”岩漿の大槌子(がんしょうのおおつちのこ)”!」※岩漿:マグマのこと
そう叫ぶと、彼の前に突如、炎をまとった巨大なヘビのような生き物が現れる。


”岩漿の大槌子”とは、炎をまとった巨大な槌の子を召喚し、相手へと突進させる技であるッ!
遠くまで攻撃が届かないという厨二病の弱点も関係ない召喚技の一つだッ!


「ツッチー、GO♪」
彼がそう告げると、槌の子はパレードに向けて突進していく。そして激突する。
黒い着ぐるみは一気に槌の子を取り囲むが、炎のせいで、攻撃を戸惑っているようだ。

そして槌の子は、炎をまきちらしながらパレードの中央で暴れ狂う。

しかし、その中から厨二病に飛びかかってきたものが二匹。
一匹はその長いしっぽを器用につかって。もう一匹はまるで滑空するかのように。

「へぇ、怖いもの知らずなんだな…というか、意思が無いのか…?」
彼は驚くこともなく、ただ近づいてくる二匹を見つめる。そして二匹が飛びかかろうとしたとき――――

彼の周りの青い炎が肥大化し、火を吹いた。
「配下には興味はないよ。とっとと王様を出してよ。”虚空の弾丸拳”!」
彼の近くで青く燃え上がる二匹の着ぐるみは、彼が叫んだ瞬間に遠くへと吹っ飛ばされた。


”虚空の弾丸拳”とは、超高速で拳を出し相手を殴りつける技であるッ!
たとえ相手が燃えていようと相手に触れている時間はほんの一瞬だけなので熱さなど微塵も感じないのだッ!


……


「…数が…減ってない…だと…?」
先ほどからツッチーがパレードで暴れ、俺へと寄ってきた一部を倒してはいるのだが、全く数が減る気配が無い。
「つまり…倒すたびに出てくる、ということか…と、いうことは…どこかにその出現場所があるのかね?”鳳凰の千里眼”!」


”鳳凰の千里眼”とは、半径1キロ以内の捜索したいものを見つけることのできる探査系の技であるッ!
ただし意識を集中させないとアバウトにしか分からないぞッ!


頭の中に、探し物周辺のヴィジョンが映る。その場所は――――
「俺の…後ろっ!?」
振り向くとそこには――――女性が俺に向けナイフを振りおろそうとしていた。

「あら、ばれちゃった?」
コイツ…いつの間に俺の後ろに…?いや、仮に近づいたとしても、”蒼炎のカガリ火”が何故反応しない…?
「ッ!」ヒュンッ!
振り下ろされた瞬間に、体をひねり、その刃を避ける。そして女に向けて…
「”虚空の弾丸拳”!」その高速の拳を放つ。



その拳の先…。そこには、女の姿はなかった。
「ば、馬鹿な…この音速の拳を…避けやがった…?」瞬間移動とはそんなに早いものなのか…。まぁ「瞬間」移動だしな…そう思っていると
「なかなか速いけど…私をとらえることはできないよ?」また後ろから声がして。

俺の背中に、痛みが走った。



「がっ…!」
どうやらナイフで刺されたようだ。久々に感じる痛みに、俺は跪く。”蒼炎のカガリ火”も、俺の生命状態を反映してか、風前の灯火状態だ。
「夢の国のパレードを邪魔した罪は、重いよ?」いつの間にか、着ぐるみ達が俺を囲っていた。どうやらツッチーも倒されてしまったようだ。
「さぁ、ショーの始まりだよ♪」女の一声で、黒い着ぐるみは俺へと向かって飛びかかってくる。

まだ…まだ…俺は生きている…声も出せる…
声も出せないまま死んじまった…あいつとは…違うんだ…!

「え…”影淵の鎧蜘蛛(えいえんのよろひぐも)”…!」

俺の何とか発せた声は、俺、そしてパレードの上に巨大な要塞とも見える大きな蜘蛛を出現させた。


”影淵の鎧蜘蛛”とは、巨大なアシナガグモを召喚し、糸で相手を拘束する技であるッ!
糸は蜘蛛の影の中から出現するので、影の中にいる限り逃げることはできないぞッ!


「な、何…?この能力…?」
蜘蛛の影は俺の周りの着ぐるみ達を覆い、さらには夢の国の契約者までもその中に収めるほどに大きい。
蜘蛛は、己の影から糸を出現させ、着ぐるみ達をからめ取っていく。これなら消さないから増えることもない…かもな。

次々と身動きができなくなる着ぐるみ達。そして―――
「…くっ!」


その契約者とて例外ではない。


先ほどから何度も瞬間移動で避けているようだったが、影はこの公園全体を覆っており、糸が来ない場所などなかったのだ。
「…形勢逆転…かな?」よろよろと立ちあがり、俺は女に言う。
「貴方、強いわね…でも、貴方に私は*せないよ」

そう、夢の国では、人は死なない。
「でも… 痛 み は感じるんだよね?」俺はその女の額をめがけ、技を放つ。


「”閻魔の怨凸弾(えんまのおんでこぴん)”!」


俺の中指が、女の額にクリーンヒットする。

「ぁ…うぐぁぁぁ!」凸弾が当たると同時に女の腕に、「凸」という文字の痣が現れる。
「な…何をした…ぐぅ!」その痣の痛みに苦しみながら、女が俺に問う。


「今当てた技はお前に地獄行きの予約チケットを与えるものだ。んでもってそのチケットである痣はたまに痛む。
 その技を解除する方法はただ一つ。お前が”正義”に目覚めることだ」

「く…貴方…一体何者なの?そしてその能力は…?」

「ただのしがない契約者だよ、『厨二病』のね。じゃ、その痣の痛みに苦しむがいいさ… ”疾風の風走り”!」
そして俺は、逃げた。その女に「閻魔の痣」という半分一生ものの枷を残して。

夢の国は、いつの間にか消えていた。蜘蛛の消えた公園に残るはもう何もない。あの悪夢のようなパレードの後でさえ…



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