占い愛好会の日常 06
「…………ふむ」
既に使われていない空家の一つ。
その目の前の電柱に、一人の老人が腰かけていた。
工事の際に足場となる杭に尻を乗せ、眼下の空家を眺めている。
老人を追っていただろう黒服が中へと踏み込んでから十分。
建物の中からは何の音もしない。
その目の前の電柱に、一人の老人が腰かけていた。
工事の際に足場となる杭に尻を乗せ、眼下の空家を眺めている。
老人を追っていただろう黒服が中へと踏み込んでから十分。
建物の中からは何の音もしない。
「……つまらんの」
隙を見て女の黒服の乳でも揉んでやろうかと策を練っていた老人は、退屈そうに足をプラプラとさせる。
家屋の中で何が起こっているのか、外からでは分からない。
しかし何かが起こっているだろうことは、老人にも推察できた。
黒服が入る前には微弱ながらも空家から漏れていた気配が、今はほとんど消えている。
つまり、今まで張っていた結界を、侵入者が出た事により強化したのだろう。
そしてそれは、黒服が中でどうなったのかを容易に想像させた。
もし勝利したのなら、結界が強化されるはずもない。
恐らく黒服は捕縛されたか、殺されでもしたのだろう。
家屋の中で何が起こっているのか、外からでは分からない。
しかし何かが起こっているだろうことは、老人にも推察できた。
黒服が入る前には微弱ながらも空家から漏れていた気配が、今はほとんど消えている。
つまり、今まで張っていた結界を、侵入者が出た事により強化したのだろう。
そしてそれは、黒服が中でどうなったのかを容易に想像させた。
もし勝利したのなら、結界が強化されるはずもない。
恐らく黒服は捕縛されたか、殺されでもしたのだろう。
「今悪事を働こうとしておる者は悪魔の囁きだけじゃと思っていたが……」
面倒くさそうに、老人が呟く。
愛好会のメンバーに被害が出るような状況は出来るだけ避けたい。
不穏な因子は、取り除くに限るのだが、
愛好会のメンバーに被害が出るような状況は出来るだけ避けたい。
不穏な因子は、取り除くに限るのだが、
「敵戦力は未知数じゃからの」
老人は、強い。
それは一つの事実だ。
しかし、彼より強い都市伝説など、それこそ星の数ほどいるだろう。
例えば、遥か昔から神話として語られるような存在。
例えば、実体そのものがない存在。
中国における最古の都市伝説であっても、それらに太刀打ちする事は難しい。
それは一つの事実だ。
しかし、彼より強い都市伝説など、それこそ星の数ほどいるだろう。
例えば、遥か昔から神話として語られるような存在。
例えば、実体そのものがない存在。
中国における最古の都市伝説であっても、それらに太刀打ちする事は難しい。
「…………さて」
まずはあの家屋に潜む都市伝説について調べなければならない。
逃げだしておいて今更帰り辛いが、愛好会のメンバーを動員すればある程度の情報は集まるだろう。
老人は静かに、その場を離れようとして
逃げだしておいて今更帰り辛いが、愛好会のメンバーを動員すればある程度の情報は集まるだろう。
老人は静かに、その場を離れようとして
「…………む」
ふと、一人の女性が眼下の道、その100メートル程先を歩いているのを発見した。
タイトなスーツに身を包んだその女性は、老人好みのナイスバディである。
タイトなスーツに身を包んだその女性は、老人好みのナイスバディである。
「…………ふむ」
老人の頭の中で、女と眼下の家屋内にいる都市伝説の存在が天秤にかけられる。
それは一瞬の拮抗もなく、女に大きく傾いた。
それは一瞬の拮抗もなく、女に大きく傾いた。
「……ほっほっほ」
黒服の一人が殺されているのだ。
その原因である眼下の家屋についても、組織が勝手に調査でもするだろう。
老人はそう己に納得させて、電柱から飛んだ。
彼にとっての生きがいは、エロス。
一度それを目の前にしてしまえば、老人の目からそれ以外の要因は簡単に消え去る。
その原因である眼下の家屋についても、組織が勝手に調査でもするだろう。
老人はそう己に納得させて、電柱から飛んだ。
彼にとっての生きがいは、エロス。
一度それを目の前にしてしまえば、老人の目からそれ以外の要因は簡単に消え去る。
「ほっほっほ」
暗い夜道に、老人の笑い声が響き渡った。
【終】