アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-44c

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
 まるで風に流れるように、それは飛んできた
 糸を吐きながら飛ぶそれは、小さな、小さな、蜘蛛
 ふわふわ、風に流され飛んで…

 …ぴたり
 一人の、頭頂部の寂しい全裸マッスル男の肩に、降りた

「む?」

 即座に、蜘蛛の存在に気づいた男……黒服K-No.711
 その、小さな小さな蜘蛛から……濃密な、都市伝説の気配を感じた

『K-No.711だな。日本のH-No.360から伝言がある』

 K-No.711の脳裏に響く、声
 テレパシーだ
 この蜘蛛は、「組織」上層部メンバーの能力の影響下にあるメッセンジャーなのだ
 K-No.711がアメリカに来てから、何度かこうやって蜘蛛が指令を届けに来ている

ハーメルンの笛吹きが、近々アメリカにやってくるそうだ』
「…ハーメルンの笛吹きが?国外逃亡を図った、と言う事でしょうか?」
『わからない、H-No.360から伝えるように言われたのは、それだけだ』

 ふむ…?と、K-No.711は、筋肉で考える
 恐らく、これは「組織」の正式な連絡ではない
 H-No.360からの、個人的な伝言なのだろう
 何故、上層部が、一構成員の個人的な伝言をわざわざ届けたのか?
 それは疑問ではあるが…正直、貴重な情報であるのは、事実

「伝言、確かに受け取りました」

 K-No.711がそう告げると…肩に乗っていた蜘蛛は、ころり、肩から落ちた
 恐らく、ただの蜘蛛に戻ったのだろう
 今までもそうだった

「…さて、と、どうしましょうか」

 あの、ハーメルンの笛吹きがアメリカに………
 筋肉をたぎらせながら、K-No.711は、思案をめぐらせた



……同日、昼間

 「組織」アメリカ支部にて

「S-No.0は見付かったか!?」
「いえ、また部屋にいません!!」
「えぇい、またか、あの色ボケ上司!!!どこに女捕まえに行きやがった!?今度は誰があの人のワイフに言い訳すりゃあいいんだよぉおおお!!??」

 …とある、上層部メンバーの直属の部下達が、激しく頭を悩ませていたのだが
 恐らく、頭を悩ませている当人は、その事に関してさっぱり関心は払っていないだろう



 …何せ
 彼は悠々と、ニューヨークの街中をハンバーガー食べつつ散歩中だったからだ

「さーてっと。K-No.711への伝言は終わったし。あいつからの頼み事は終了したわけだが…」

 どうするかなー?と彼は考える
 褐色の肌に、編みこみの髪形の長い黒髪
 風に揺れるその髪形は、見ようによっては蜘蛛の足のように見えた

「…っし、折角だし、あいつらにも教えてみるかな」

 そう呟くと…彼の服の袖口から、一匹の蜘蛛が姿を現した
 それは、糸を吐きながらどこかへと飛んでいく


 彼は、S-No,0
 「組織」上層部メンバーの一人
 彼の正体は「イクトミ」
 …アメリカを代表する、トリックスターの一人である




……同日、夜

「……おや」

 高級レストランの個室で食事をしていたその人物は、肩に蜘蛛が乗ってきた事に気づいた
 それが、長年の友人のメッセンジャーである事にすぐに気づき、耳を傾ける

「どうなさったの?」

 そんな彼に声をかけたのは、上品な日本人女性
 夫と並んで座っているその様子は、まさしく美男美女夫婦
 見る者が見れば、カメラのシャッターを押したくなる光景
 何せ、夫は有名なハリウッド男優だし、妻の方も世界的に有名な、バイオリン奏者だからだ

「あぁ、ちょっと悪友から伝言が。日本の、それも学校町を騒がせた都市伝説が、こっちに来るらしくてな」

 野性味を感じさせる彼が、そう呟くと、彼の隣に座っていた、彼のもう一人の友人が、ほぉ?と関心を抱いてくる

「学校町って言うと、お前達の子供がいる街だよな?」
「そうだな…あそこを騒がせた、か。さて、どいつが来るのか…」
「ハーメルンの笛吹き、だってよ」
「あら、怖い」

 そう言いながらも、女性はくすくすと微笑んでいる
 怖がっている様子はこれっぽっちもない

「安心しろ、梨花、お前の事は、俺が必ず護るからな」
「ふふ、ありがとう、あなた」
「「このバカップル夫婦め」」

 見事に、男二人の突っ込みがハモッた
 それはもう、物の見事に

「コヨーテもワタリガラスも、いい加減身を固めたらどうだ?」
「ばっか、てめぇ、都市伝説がそう簡単に身を固められるか。相手がいないっつの、相手が」
「ホワイトバッファロー・ウーマンは、触ろうとすると雷落ちるしよぉ…」

 やってらんねぇ、とぼやくコヨーテと呼ばれた青年とワタリガラスと呼ばれた青年
 あらら、と梨花と呼ばれた女性が苦笑した

「なかなか、難しいものね」
「…まぁ、俺も、お前と会えてなかったら、どうなったかわからないしな」

 そう言うものさ、と梨花の夫が苦笑する
 …何時の間にか、コヨーテの肩に乗っていた蜘蛛は、役割を終えて消えていた

「さて、それにしても、学校町を騒がせたハーメルンの笛吹きか…見つけたら、好きにしてもいいのだろうか?」
「あらあら、あなたったら……きっと、その方を恨んでいる人はたくさんいらっしゃるわ。その方々が仇を取れなくなったら大変だから、半殺しで許して差し上げてね」
「相変わらず怖い夫婦だな、おい」

 コヨーテが、ステーキに喰らいつきつつ苦笑した
 …この夫婦に育てられた子供の性格が、なんとも心配だ


 この日、この個室に集まっていたのは4人
 イクトミと並び、アメリカを代表するトリックスター「コヨーテ」と、同じくトリックスターの「ワタリガラス」
 そして、日本人である…一方は、ヨーロッパ系の血も引いているが…世界的に有名な、玄宗夫婦

 この四人に、確実に
 ハーメルンの笛吹きがアメリカにやってくると言う情報が、伝わったのだった



to be … ?



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー