Tさんを見送り、女子トイレに戻った赤マント
非常に目立つ姿なのだが、不思議と人目には止まらず、堂々と女子トイレまで戻ってきていた
そんな彼を、赤いはんてんが、じっと見つめて出迎える
非常に目立つ姿なのだが、不思議と人目には止まらず、堂々と女子トイレまで戻ってきていた
そんな彼を、赤いはんてんが、じっと見つめて出迎える
「Tさんに、何の話があったですか?」
「まぁ、気にしないでくれたまえ」
「まぁ、気にしないでくれたまえ」
困ったように笑って誤魔化す赤マント
そんな赤マントを、赤いはんてんは、じっと見つめて
そんな赤マントを、赤いはんてんは、じっと見つめて
…そして、ぽつり、尋ねる
「…赤マント、お前……Tさんが、さっちゃんと戦わなかったなら。お前が戦って、止めるつもりだったですね?」
「………」
「………」
赤いはんてんの、その問いかけに…赤マントは、答えない
ただ、困ったように笑って見せるだけだ
それを、肯定ととったのだろう
赤いはんてんは、きっ、と赤マントを睨みつけた
赤マントに駆け寄り、ぽかぽかと赤マントを叩きながら、叫ぶ
ただ、困ったように笑って見せるだけだ
それを、肯定ととったのだろう
赤いはんてんは、きっ、と赤マントを睨みつけた
赤マントに駆け寄り、ぽかぽかと赤マントを叩きながら、叫ぶ
「駄目なのです!そんなのは駄目なのです!!お前は、二度と戦ってはいけないのですよ!!!」
「…あぁ、わかっているよ、赤いはんてん」
「…あぁ、わかっているよ、赤いはんてん」
ようやく、言葉を発した赤マント
そっと、自分を叩いてくる赤いはんてんを撫でた
そっと、自分を叩いてくる赤いはんてんを撫でた
「私では、さっちゃん達と戦ったとしても、勝てなかっただろうしな。私は戦う力がないからな」
「あぅあぅ、その通りなのです!赤マントは弱っちいから、私が守ってやらないと駄目なのですよ。だから、戦ってはいけないのです!!」
「あぅあぅ、その通りなのです!赤マントは弱っちいから、私が守ってやらないと駄目なのですよ。だから、戦ってはいけないのです!!」
…違う、そうじゃない
わかっている、理解している
だが、二人とも、それを口には出さない
わかっている、理解している
だが、二人とも、それを口には出さない
もし、赤マントが、「人攫いの赤マント」ではなく
かつて、赤いはんてんの契約者達が生きていた頃、彼女たちの前に立ちはだかった…「人殺しの赤マント」になったならば
きっと、さっちゃんたちと互角に戦えた事だろう
Tさんの代わりに、殺す事も出来たかもしれない
かつて、赤いはんてんの契約者達が生きていた頃、彼女たちの前に立ちはだかった…「人殺しの赤マント」になったならば
きっと、さっちゃんたちと互角に戦えた事だろう
Tさんの代わりに、殺す事も出来たかもしれない
だが
赤いはんてんは、そんな状況にはなってほしくなかった
赤マントに、かつての友人を殺して欲しくないという想いと…赤マントに、「人殺しの赤マント」に戻って欲しくないという、想い
その二つが、彼女の中でごちゃ混ぜになる
赤いはんてんは、そんな状況にはなってほしくなかった
赤マントに、かつての友人を殺して欲しくないという想いと…赤マントに、「人殺しの赤マント」に戻って欲しくないという、想い
その二つが、彼女の中でごちゃ混ぜになる
もし
もし、赤マントが「人殺しの赤マント」に、またなってしまったら
彼は、もう二度と「人攫いの赤マント」に戻れないのではないか
そう考えると、ぞっとする
もし、赤マントが「人殺しの赤マント」に、またなってしまったら
彼は、もう二度と「人攫いの赤マント」に戻れないのではないか
そう考えると、ぞっとする
赤いはんてんは、赤マントを失いたくない
契約者を、友人達を一気に失ってしまい、悲しみと絶望と憎しみに捕らわれた彼女の傍に、赤マントはずっと居続けた
20年もの長きに渡り、ずっと傍で赤いはんてんを慰め続けた
…赤いはんてんにとって、赤マントは心の支えなのだ
赤マントを失ってしまえば、自分はどうなるのか?
……赤いはんてんは、ただただ、それが恐ろしかった
契約者を、友人達を一気に失ってしまい、悲しみと絶望と憎しみに捕らわれた彼女の傍に、赤マントはずっと居続けた
20年もの長きに渡り、ずっと傍で赤いはんてんを慰め続けた
…赤いはんてんにとって、赤マントは心の支えなのだ
赤マントを失ってしまえば、自分はどうなるのか?
……赤いはんてんは、ただただ、それが恐ろしかった
「…赤いはんてん」
「あぅ?」
「……頼むから、泣かないでくれたまえ」
「あぅ?」
「……頼むから、泣かないでくれたまえ」
困ったようにそう言われて…赤いはんてんは、自分が泣いている事に、気づいた
ぽふ、と赤マントに抱きつき、顔を埋める
ぽふ、と赤マントに抱きつき、顔を埋める
「…見るな、なのですよ。見たら後でタコ殴りなのです」
「わかったわかった」
「わかったわかった」
赤マントは苦笑して、赤いはんてんを抱き上げた
ぽんぽん、とその背中を優しく撫でてくれる
ぽんぽん、とその背中を優しく撫でてくれる
かつての友人が死んでしまった
それは、確かに悲しいこと
…だが、彼女が、「夢の国」を歪めてしまわなくて良かった
そう、心からそう思う
もし、「夢の国」を歪めてしまったならば…それは、自分達の契約者達に訪れたような悲劇を、再びばら撒く事に繋がってしまうから
それは、確かに悲しいこと
…だが、彼女が、「夢の国」を歪めてしまわなくて良かった
そう、心からそう思う
もし、「夢の国」を歪めてしまったならば…それは、自分達の契約者達に訪れたような悲劇を、再びばら撒く事に繋がってしまうから
死んでしまった友人達
死者は、蘇ってはくれない
だから、せめて、生き延びてしまった自分達にできる事は…彼らの想いを、願いを受け継ぐ事と、彼らのような犠牲者を二度と出さない事
死者は、蘇ってはくれない
だから、せめて、生き延びてしまった自分達にできる事は…彼らの想いを、願いを受け継ぐ事と、彼らのような犠牲者を二度と出さない事
赤マントは、赤いはんてんの契約者の願いを受け継ぐ
彼女を、護り続けると
彼女を、護り続けると
赤いはんてんは、己の契約者の願いを受け継ぐ
もう二度と、赤マントを血に塗れさせないと
もう二度と、赤マントを血に塗れさせないと
二人の願いは、決意は絡み合う
互いを護るという、強い願いと決意として
互いを護るという、強い願いと決意として
fin