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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-50

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 それは、同族殺しの襲撃で破壊された「第三帝国」のドクターたちの診療所の修復改築工事が終わった頃の事

「……うん?」

 お使いから帰って来たバイト君は、診療所に入る直前、視線を感じて立ち止まった
 …敵意は感じない
 しかし、どこか、探ってきているような視線だ
 視線の先を探ると、そこには

「…子供?」

 黒いゴスロリ服を纏い、黒いレース生地の日傘を差した少女が
 じっと、じっと、バイト君を…否
 診療所を、見つめていた

 ……敵、だろうか?
 かすかに警戒するバイト君
 敵意は感じないし、見かけは子供に見えるが、油断はできまい

 どう、対応したらいいものか、その判断に迷っていると

「うん?どうしたのかね?」

 がちゃり
 入り口の前で立ち止まっていたバイト君を、不審に思ったのだろうか
 ドクターが、診療所から顔を出した

「あ、ドクター。その…」
「…おや、随分と可愛らしいお嬢さんだ」

 ドクターも、すぐにその視線に気付いた
 そして、すぐにバイト君は気づく
 ドクターの姿を確認した途端…少女の視線に、鋭さが増した事に

 てとてとてと
 少女が、ゆっくりと、バイト君とドクターに歩み寄ってくる

「…ドクター、念のため、診療所の中に」
「敵意は感じない。それに、どうやらあの少女は、僕に用があるようだ。あんな可愛らしいお嬢さんが会いに来てくれたに、相手をしない訳にはいかないだろう」

 えぇい、この人は!!
 バイト君が突っ込みの言葉を入れるよりも、前に

「お前が、「第三帝国」所属の、ドクターかの?」

 と、少女が、外見に似合わぬ、どこか年寄りめいた話し方で、そう話しかけてきた
 ふむ、とドクターは少女と視線を合わせるよう屈んで、答える

「その通りだが、君は?」
「妾か?妾はヘンリエッタ・ホークウッドと言う者じゃ」

 ドクターの問いかけに、少女…ヘンリエッタは、正直にそう答えてきた
 そして、じっと、じっと
 じっと、ドクターを
 …否、ドクターの、豊満な胸元を見詰めてくる

「むむぅ……」

 そして
 今度は、じっと…己の、平たい胸元に視線を落としている
 ヘンリエッタは、何度か交互に、ドクターと自分の胸元を見比べて

「…H-No.360め。妾よりも、このムチプリを選ぶと言うのか」

 と、そうぼそり、呟いた

「……H-No.360……?」

 聞き覚えのあるシリアルナンバーに、眉をひそめるドクター
 確か、それは、広瀬 辰也の「13階段」内で亡者達が憎悪と共に吐き出していた…

「あやつめ、妾のメンテナンスよりも、こちらのムチプリにメンテナンスされる事を選んだか!?えぇい、妾だって、その気になればこれくらいのムチプリにはなれるというのに!?」

 面白くなさそうに、そう言ってくるヘンリエッタの言葉に、ドクターの思考は中断されてしまった
 っき!とドクターを睨んでくるヘンリエッタ
 …ちょっぴり、悔しそうな涙目なのは、気のせいか

「ムチプリよ!妾からH-No.360は奪わせぬぞ!妾は、絶対あやつを取り返してみせるのじゃ!!」
「あ……」

 くるり
 踵を返し、走り去ってしまったヘンリエッタ
 後には、ドクターと、ヘンリエッタの言葉に呆然としていたバイト君が残される

「…ドクター、どこかで、恋人ありの女性を引っ掛けましたか?」
「失礼な、他人のものを奪うのは主義に反する…………H-No.360か………」

 恐らく、それはあの、髪の伸びる黒服の事
 それでは、先程、口走っていた内容から見て、あの少女は…
 少女が走り去っていったその先を見つめながら、ドクターは静かに思考を思案の海へと沈ませた




終われ




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