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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-51

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 お願い誰か止めて本気で止めてマジお願い

 激しい怒りの視線を向けてきている同僚…黒服Oの姿に、硬直してしまっている黒服Y
 皆、巻き込まれることを恐れてか、周囲には誰もいない
 こんな時に限って、あの優しいDは忙しいのか、いないのだ

 どうする!?
 どうやって、Oの怒りを解けばよいのだ!?
 Yが、必死に悩んでいると

『----死ンダラ、治ルカモ知レナイゼェ??』

 そんな声が、聞こえてきた

「…え」

 思わずそらしていた視線を、Oに向けた
 そこにいるのは、いつもと変わらぬ姿のO
 その、彼女の体に……何か、黒い、布のようなものが、巻きついて……?

「…そうですね」

 ぼそり
 低く、呟いたO

 直後
 ヒュンッ………と、Yに向かって、何かが迫ってきて

「っ!!」

 ガキンッ!!と
 迫ってきたそれを、咄嗟に拳銃を取り出して防いだY
 自分に迫ってきていた、それは

「鉈っ!?どこから出した!?」

 それは、鉈
 鋭いそれが、Yの首を狙ってきていたのだ
 Oはいつでも武器を所持していたのだが…それは能力によって隠されていて、Yには視認できていなかった
 はっきり言おう
 いくら、「組織」の黒服が普通の人間より(若干)体が丈夫だからといっても、首を切り落とされたら死ねる!?

『ホラ、早ク治ルカ、試シテミロヨォオオ!!』

 けたけたけたけたけたけたけたけたけたけた
 Oに巻きついた黒い布のようなそれから、先ほどと同じ声が聞こえてきた
 よく見ると、それには眼と口がついていて

「…悪魔の囁き!?」

 報告に聞いていた、悪魔の囁きだ
 「組織」内では、つい最近、構成員達が悪魔の囁きにとり憑かれていないかどうか…その卵を体内に宿していないかどうか、一斉検査が行われたばかりだ
 とは言え、外回りの仕事がある黒服など、どうしてもどこかかしらで卵を拾ってくる可能性はある訳で、親玉がどうにかなるまで、定期的に検査を行う事になっているのだが…
 …まさか、Oもどこかで拾ってきた!?

「動かないでくださいよ、Y」

 ブンッ、と
 悪魔の囁きの声に応じて、無造作に鉈を振るうO
 Yは、それを慌てて避けた
 …攻撃したくないが、仕方ない
 せめて、ゴム弾で動きを止めて…………って

「げっ、さっきので銃が壊れてる!?」

 始めの一撃を受けた時の衝撃で、銃が壊れてしまっている
 まずい
 袖に仕込んでいる銃に込めている弾は、ゴム弾ではない
 ゴム弾に替えようにも…Oが、その隙を与えてはくれないだろう
 このままでは、ジリジリと追い詰められる…!?

 再び、振り上げられる鉈
 それが、Yに振り下ろされる直前

 ---しゅるり

 どこからか伸びてきた黒い触手…ではなく、髪の毛が、Oの腕に絡みついて動きを止めた

「!?」
「何、バイオレンスな事やってんだ……って、悪魔の囁き、か?」

 YとO、二人だけだった部屋に入ってきたのは、黒服H
 能力で伸びた髪は、Oの腕をしっかりと束縛し、放さない

「ちょうど良かった!Hさん、Oを止めて!縛り方は問わないから!」

 縛り方は問わない
 Yのその言葉に、Hはニヤリと笑う

「よし、任せろ」

 しゅる、と
 髪が、一斉にOに襲い掛かる
 黒い渦のようなそれが、落ち着いたと思った時…Oは、完全に全身を髪の毛で絡めとられ、動きを封じられていた
 その縛り方は…何と言うか

「これはエロい」
「縛り方は問わないんだろ?」
「うん。まぁ、そうなんだけど」

 えーと…、と、突っ込みたい気持ちも、あるのだが
 とにかく、今は、Oを何とかしなければ
 見た感じ、悪魔の囁きは具現化こそしているが…さほど、深くはとり憑いていないように見える

「Hさん、銃をちょっと貸して欲しいんだけど。できれば、光線銃じゃないの」
「俺、銃は持ってないぜ。光線銃拳銃問わず」

 ………
 …………
 ……………

「何…だと…!?Hさん、それでも黒服!?」
「お前、俺の射撃テストの点数知らないのか。「組織」の黒服とは思えないほど最低の成績って言われたんだぞ」
「威張れないよね、それっ!?」

 あぁ、もう、仕方ない
 袖に仕込んでいた小型の拳銃を取り出すと、Yは懐から、小さな銃弾を取り出した
 それは、中に薬品が仕込まれた特殊な物
 銃弾をそれと入れ替え、Hによって束縛され、それから必死に逃れようとしているOに向ける

「っく……H、放しなさい!?」
「視覚的にもいい感じなんで、放したくないねぇ」

 Oの言葉に、肩をすくめるH
 Yが、ピッタリと銃口をOに向けると…Oにとり憑いている悪魔の囁きが、暴れ出した

『グ………ヤ、ヤメロ!』
「駄目だよ。彼女から、離れてもらうよ」

 ぱんっ、と
 響き渡る銃声
 薬品が仕込まれたその銃弾は…Oの胸元に、直撃した

「---っ」
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!』

 Oの体内に入りこんだ銃弾は…その体内で溶けて、薬品を彼女の中ではじけさせる
 それは、「組織」が作り出した、悪魔の囁きを除去する為の、薬
 長期間の寄生には完全には対処しきれないが、短期間の寄生や卵の状態の悪魔の囁きを、宿主から排除する事ができる薬だ
 一応、口からの摂取を前提としている物も作られているが…悪魔の囁きの宿主が薬の摂取を拒んだ時に備え、問答無用で使用できるように、特殊な銃弾に込めた物も作られたのだ
 支給されていた物を、持っていて良かった
 Oの体から排出され、床の上でのたうち回る悪魔の囁きを見ながら、Yはほっと息を吐き出したのだった



 30分ほど、後

「そう言う訳でさ。君にとり憑いてた悪魔の囁きは、一応、研究班に渡しておいたよ」

 悪魔の囁き排出直後、衝撃でか気を失っていたO
 そんな彼女が目を覚ましたので、Yは彼女の事情を説明していた

「なるほど…事情はわかりました。迷惑をかけてしまい、申し訳ありません」
「うん、別にいいよ」

 …元はといえば、こっちが悪いような気がしないでもないし
 そこは、口に出さないでおくY

「ところで……H、いい加減、放してくれませんか?」
「えー」
「えー、じゃなくて」

 ……しゅるり
 Hが、束縛状態から放さない為
 Oは、絶賛エロ縛られ中だった
 体の凹凸を強調した縛り方は、どこまでもエロい

「せっかくいい機会だし、なぁ?」
「いや、僕に同意を求められても」

 正直、同意を求められても、どこまでも困るしかないのだが

「…Y?まさか、Hに賛同したりはしませんよね?」

 怖い!?
 視線と笑顔と声が怖いよO!?

 Oから向けられる怒り交じりの視線とオーラに、Yは再び硬直するしかないのだった



終わってしまえ



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