…話が、粗方終わった後
バケツプリンを食べ終えた直希がココアを追加注文して、やっぱ体冷やしてんじゃねぇか、と翼に怒られている、その状況で
マゾの状態を心配して、少し席をはずしていた黒服
その黒服に、Tさんが近づく
バケツプリンを食べ終えた直希がココアを追加注文して、やっぱ体冷やしてんじゃねぇか、と翼に怒られている、その状況で
マゾの状態を心配して、少し席をはずしていた黒服
その黒服に、Tさんが近づく
「ところで、黒服さん」
「はい、何でしょう?」
「今年の初詣の時なんだが…日焼けマシンの契約者、翼を捜している女性と会ったんだ」
「はい、何でしょう?」
「今年の初詣の時なんだが…日焼けマシンの契約者、翼を捜している女性と会ったんだ」
…ぴくり
Tさんのその言葉に…黒服の表情に、かすかに、嫌悪感が浮かんだ
Tさんのその言葉に…黒服の表情に、かすかに、嫌悪感が浮かんだ
「それは、もしや…少々、年齢に会わぬ服装をなさっていた方では?」
「あぁ、そうだな」
「……朝比奈 マドカですね」
「あぁ、そうだな」
「……朝比奈 マドカですね」
小さく、ため息をついた黒服
軽く頭を振って、Tさんに微笑を向ける
軽く頭を振って、Tさんに微笑を向ける
「…翼に直接伝えないで頂いて、ありがとうございます…できれば、その事は翼には、黙っておいてください」
「彼の関係者なのか?」
「彼の関係者なのか?」
だとしたら、悪魔の囁きが憑く可能性もある
そう考えて、Tさんは伝えのだが
黒服は、困ったような表情で答える
そう考えて、Tさんは伝えのだが
黒服は、困ったような表情で答える
「……あの子の、実の母親です。彼女は」
「…?」
「…?」
翼は、藤崎に「日景君」と呼ばれていた
だが、黒服が口にした女性の苗字は「朝比奈」だった
苗字が違うのに…母親?
だが、黒服が口にした女性の苗字は「朝比奈」だった
苗字が違うのに…母親?
「…複雑な事情があるようだな」
「はい…あの子は、親と同じ苗字を名乗る事を、拒絶してしまいましたから」
「はい…あの子は、親と同じ苗字を名乗る事を、拒絶してしまいましたから」
もっとも、朝比奈 マドカは既に離婚している訳で、別の苗字を名乗っているだろう
「日景」姓は、実家に勘当されている身で使えないから、多分、別の苗字を
「日景」姓は、実家に勘当されている身で使えないから、多分、別の苗字を
「…どう言う事情があったにせよ、青年の関係者だ。もし、青年の関係者に悪魔の囁きが植え付けられていっているなら、そちらも警戒する必要があるかもしれない」
「……そう、ですね」
「……そう、ですね」
Tさんの言葉に頷いた黒服
今度、顔を合わせたならば…できれば、顔をあせたくないが…調べてみよう、と考える
今度、顔を合わせたならば…できれば、顔をあせたくないが…調べてみよう、と考える
「ご忠告、ありがとうございます」
「あなたには、正直世話になってばかりだからな」
「あなたには、正直世話になってばかりだからな」
この程度では足りんさ、と苦笑するTさん
とまれ、伝えるべき事は伝えた
舞の隣の席へと戻っていく
とまれ、伝えるべき事は伝えた
舞の隣の席へと戻っていく
………?
舞が、店のメニューを見て、考え込んでいる
視線の先のメニューは…
舞が、店のメニューを見て、考え込んでいる
視線の先のメニューは…
「…舞よ」
「ふぇ!?な、何だよ」
「タライババロアは、バケツプリン並に体が冷えるメニューだと思うぞ」
「う」
「ふぇ!?な、何だよ」
「タライババロアは、バケツプリン並に体が冷えるメニューだと思うぞ」
「う」
わかってるよ、と視線をそらす舞
…まぁ、女性として、その手のメニューにちょっと憧れる気持ちはあるのかもしれないが
…まぁ、女性として、その手のメニューにちょっと憧れる気持ちはあるのかもしれないが
「…随分と、量の多い甘味が充実している店だ」
メニュー表に並ぶ、金魚鉢パフェにバケツプリン。タライババロアというメニューを眺めながら
Tさんは、軽く苦笑してそう呟いたのだった
Tさんは、軽く苦笑してそう呟いたのだった
to be … ?